今年もあと数日となりました。
2014年もとても濃い一年でした。
お世話になった皆様に、そして今年出会った全ての方々に、心から感謝いたします。
いやほんと、2014年は胸が熱くなるような思い出が積み重なった、感動と楽しさ満載の年でした。
あまりにすてきな時間ばかりだったので、バチが当たらないように、初詣では一層の精進を誓って来ようと思っています。

さてさて今年最後の話題はといいますと、いつも通りですので(笑)よかったらお付き合いくださいませ。
夜の庭で夢中で読んだ本の山からこれを引っぱり出して、再読しつつ思ったことを書いておこうと思います。




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十数種存在した人類の中で、唯一ホモサピエンスだけが生き残った理由に「臆病さ」があるといいます。臆病だから目の前の変化や現象に疑り深く、否定的で、そのことによって危険を回避してきたのです。

もうひとつ、臆病さゆえに「批判的」でもありました。

現状を否定する批判精神が進化を生み出し、それによって争いごとも絶えなかったわけですが、結果的には批判の積み重ねで文明を築き、快適でクオリティーの高い社会を実現したのです。

今日はぼくら人類がここまで生存できた特性である、この批判や否定についてのお話です。




冬の散歩道で撮影しました。
花が少ないこの時期でも、
少しの陽射しがあれば植物は輝きます。
冬の光の温もりは格別です。

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ぼくらのご先祖様たちが持っていた臆病さと批判精神のおかげで今日の暮らしがある、とはいうものの、それって今日の日常の中では取り扱い注意ですよね。
しばらくの間、奇跡のような平和が続いた日本では、批判や否定が自らの人生に弊害を招くこともしばしばなわけです。 

よく遭遇するのが、「でも・・・」「そうじゃなくて・・・」「っていうか・・・」「そうは言っても・・・」などと、会話を否定で返す癖がある人。
いくら話しても意図は伝わらず、その会話によって、事態は何ひとついい方向に展開することがありません。




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もうひとつ、こんなこともあります。
「私が助けてあげたから」「昔はずいぶんと面倒をみたよ」みたいな言い方をするメサイア(救世主)コンプレックスおじさん(なぜか男性に多い・笑)。
これも批判の変形で、否定した相手を足元にかき集めて踏み台にするという、あまり上品とはいえない自己肯定手法ですので注意しなければなりません。 




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さらに、意外なところではこういうこともあります。
否定的な言葉を否定することも危険。

「愚痴や批判はいけないよ」という神のごとき正論を言う人には誰でも賛同はしますが、その言葉が防波堤となってしまって、誰もその人を正すような本音を言ってくれなくなるからです。
ぼくにはこの傾向があるので、自戒を込めて、否定や批判の否定に対して批判的な視点をなくしてはいけないと思っています(ややこしい)。




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否定は生存のための防衛本能。
批判精神が自らと社会の軌道を定めてくれる。
批判されるこは、その軌道を修正してくれる有り難いこと。




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問題なのは批判精神ではなく、否定や批判によって自分を支えようとする病です。
敵(ターゲット)を攻撃することで自分が正当化され(たような気分になって)、自分でも驚くほどのパワーが出ます。実はこれも野性の名残りで、敵と対峙するとアドレナリンがドバッと出て、一種心地よい興奮状態になるのです。
でもそれが癖になって快感物質が出過ぎすと相対的にセロトニンの働きが鈍くなり、いろいろと不具合が生じますので要注意です。 




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否定的な言葉は本当に言うべきときにだけ、ビシッと、上手に使いましょう。

そしてお願いですからぼくを批判してくださいね、いつも軌道修正しながら進みたいですから。

ほんとに、ほんとに、お願いします。

これをスタッフに話してもなかなかぼくを批判してはくれず、「ぼくも会社も、もっと進化させたいから」と言っても「いやあ、これでいいと思いますよ。がんばります!」とかって、ハツラツとした笑顔で(笑)。いくらお願いしても苦言の類いはひとつも出てきません。




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それはきっと、ぼくが批判の必要がない立派な人物だから・・・なわけないですよね。突っ込みどころ満載であることは自覚しています。

でも批判はしてもらえない。批判をすれば角が立ち、否定をすれば否定される、だれも好んでそんなことはしたくないものです。

だけどそれをせずに、道ばたのお地蔵さんみたいに、波風立てずにただ微笑むだけではいけませんよね。世の中はいつもあらぬ方向へとハンドルを取られそうになるものだし、批判のフィルターを通しての物事の判断が、自分と家族の、安心と幸せを護ることにもなるのですから。

 


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ぼく的には、何よりも自分に対する批判をなくしてはいけないなあと。
フラフラヨタヨタしがちな自己肯定感を強固なものにしておくためには、常に自己批判をする必要がありますから。




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自分と社会が道を踏み外さないために、「否定は防衛本能であり、批判精神は軌道を定め、批判されることでその軌道が修正される」ということを記憶の隅にメモしておいてください。
そういえば、竜馬も高杉もゲバラもジョン・レノンも、アッツアツに燃えたぎった批判精神のかたまりでした。
大好きな吉元由美さんの「批判することは、わざわざ身体によくないものを食べるようなもの」という言葉も、彼女一流の批判スピリットから出たもので、平和になれきったことによる時代の病みへのアンチーゼだと理解しています。



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批判精神、取り扱い注意ではありますが、これって大事なことです。
なんたってこのシステムが猿を人間にしたのですから。
批判精神なき者は猿に退化しちゃうかも。ウッキー!

第三次世界大戦がどう戦われるか、わたしにはわかりません。
しかし、第四次世界大戦ならわかります。
石と棒を持って戦われることでしょう。

アルベルト・アインシュタイン


この本から感じたお話、明日に続きます。