『勝たない』

庭の昆虫や植物を眺めていると、自然界においては勝つことよりも勝たないことの方が大事なんだということがわかります。




「レノンの庭」のシャラが咲き終えました。

雨の日でもニコニコと咲いて
蜂を呼び寄せる姿は見事なものです。

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負け上手が幸福の絶対条件。




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勝つために自分が傷を負ってしまうこともあるし、勝ってしまえば相手には敗北感や悔しさが残り、やがてその感情が別方向から自分に向いてくるものです。




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幸せに暮らすには、勝者になることよりも、さっさと負けてにこやかに後ずさること。




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人も蜂も笑顔に引き寄せられるんですよね。

一日花なのに、すべての花が受粉し実を付けました。




誰とも敵対することなく軽やかに負け続ける人は、いつも笑顔です。
くれぐれも勝たないこと、そんな考え方も必要なんじゃないですかね。 







チンパンジー同士は、もめそうになると瞬時にしてどちらかが負けを認めるので、ひどい争い事に展開しないのだそうです。

ではゴリラはというと、とてもプライドが強くて双方共に絶対に負けを認めない。

でもうまいことできているもので、勝つこともしないそうです。仲介役が現れて両者を引き離したり、お互いににらみ合いながら後ずさるのがゴリラ界の掟。

白黒つけずに我慢するゴリラはストレスがたまるでしょうね(何となく、そういう顔つきをしてますよね)。


では、我々人間はどうでしょう。

幼い頃から「がんばれ!負けるな!」と言われて続け、周囲と競争して成長する間に、兄妹や友達との喧嘩を繰り返しながらチンパンジー的なコミュニケーション能力を身につけます(譲り合い、あいさつや笑顔、敵意がないことを表明するおだやかな言葉使いなど)。

その後社会に出て、こんどは暮らしの糧を得るために、ストレスに耐えつつゴリラ的にがんばる。


ぼくは思うんですけど、そもそも子ども時代に、家庭や学校で「負けるな」ということを言い過ぎなんじゃないですかね。

逆に「勝たないことの大切さ(勝つことの空しさ)」と教えたら、チンパンジーでもゴリラでもない、人間らしい人生を送れるんじゃないかなあと。

勝てば勝つほど孤独になるし、勝ち気一方では嫌われるし、無意識に勝とうという姿勢をとってしまうからイライラもするのです(短気な人はいつもファイティングポーズ)。


勝つと思うな、思えば負けよ。
 

負けるが勝ち。
 

損して得取れ。
 

急がばまわれ。


奥さん、ほらほら、次々とご主人をやり込めないで。

普段は敵に勝ちを譲って(ご主人を敵ってこともないんですけど・笑)気分よくさせておいて、最後に大勝する、古今東西それが賢い女性の常套手段なのですから。


そのためにはただ負けてあげるだけじゃなくて、「やっぱりあなたってすごいわねえ」と、「尊敬しちゃう」と、「あなたのおかげでとっても幸せ」と言葉を添えてください。


ご褒美つきで負けてあげる、という必勝法。


これに太刀打ちできる男はいません。








今日は「港南台店」にいます。