骨董の世界では「偽物を見るな」という言葉があるそうです。

まさしく!と、ぼくは唸りました。

もしもぼくらの周囲が本物だらけだったら、偽物は浮き立って、きっとそんなものには誰も見向きもしないでしょうし、逆に偽物だらけの中で暮らしていたとしたら、たぶんその人は本物を知らないままに、たくさんの偽物を見比べつつ「どっちが安いか、どっちが便利そうか」という基準で物を買い求めることとなるでしょう。


本物はプライスレス。


四季の森公園で見つけたキバナコスモスの茂み。

アイツが来ているかもと思い近づいていくと、

いましたいました。

ぼく的に「ヒョウ柄さん」と呼んでいる蝶で、

毎年この花にやってきます。

調べてみたら「ツマグロヒョウモン」のメスでした。

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でもまあ日々の暮らしではたいがい偽物で事足ります。だからこそ身のまわりには偽物が溢れているわけですからそれはそれで良しとして、ただ、本物を知った上での選択でないと偽物にまみれて、安物を追い求めるだけの安っぽい暮らしになってしまう可能性があります。


物は安く、本物には惜しみなく。




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ところで、本物って何でしょう。

保証書や品質証明書やセールストークなどとは関係なく、単純に値段でもなく、たとえ模造品であってもその人にとって価値があるならそれが本物です。

新婚時代に買った百円ショップの食器は、まぎれもなくぼくら夫婦には本物ですし、ゴミ捨て場に落ちていた古時計に大きな価値を見出す蒐集家もいるわけですからね。


真贋の判断基準は自分の価値観にある。


ということはつまり、偽物の洪水に溺れないためには自分の中にある本物を測る定規をなくすことなく、自分にとっての偽物を避けて、心に響く、グッと来るものを選択してゆくことが大切なわけです。

そのためには万人が認める正真正銘の本物に触れるのも有効なので(定規の精度が上がります)、演劇や音楽や美術品や、そして人間も、時々はとびきりの本物に近づいていきましょう。




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ひとつ、誰にでも、どんな基準を持っている人にでも揺るぎなく本物であるものがあります。

しかもそれは常に身のまわりに存在しています。

「自然」です。


自然は何もかもが本物。


だから、自然と離れないように注意しましょうね。

いつも意識的に自然を感じて、自然に歩調を合わせて、自然に思考をして、自然に行動をしてください。

それが、自分自身が本物であり続けるために絶対的に必要なことなのです。




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偽物の渦に呑み込まれてはいけません。
人も物も芸術も情報も玉石混淆。
あまりに石ころが多く、その中に埋もれた玉を見つけ出すことが困難な世の中ですが、
 ぼくは与えられた残り時間で何が起ころうとも、正真正銘の本物のガーデンデザイナーであり続けようと心に誓っています。







今日は「レノンの庭」にいます。






最近感動した本物、
東京バレエ団プリンシパルの
上野水香さん。
圧倒的に本物でした。
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いつか彼女の「ボレロ」を観てみたい!