毎日いろんな状況の人と庭の話をしながら思うのは、「みんな頑張ってるなあ」ということです。




夏の終わり。
秋の始まり。
この時期に読み返したくなる本があります。
ロバート・B・パーカーの「初秋」。
人生に秋を感じ始めた私立探偵スペンサーが、
これから青春を迎えるひ弱な孤児の少年
ポールを鍛えてゆく物語。
ハードボイルド的子育て術がカッコいいのです。

「どうしてアイスクリームを食べなかったの?」
アイスクリーム屋に連れて行ったあと、
ポールにこう尋ねられたスペンサーは答える。
「自分で決めた交換条件だ。
ビールを飲んだらデザートは食べない。
男は、こうと決めたことは守らなきゃならないんだ」

このやせがまん。
男の美学。

読書の季節が始まりましたね。

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種まきが遅かったものはまだ元気に咲いています。


幸せは歩いてこない

だから歩いて行くんだね


今現在の自分に幸せを感じつつ、さらなる幸せへと向おうとする人がぼくを訊ねてくださるわけです。
そしてぼくはそれに適う庭を思い描いて、その庭からはじまる世界に踏み出していただきます。

でも、ぼくにできることはそこまで。




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初秋の色。
これを見つけると、画板と絵の具が思い出されます。




一日一歩 三日で三歩

三歩進んで二歩さがる


とにかく歩を進めること。

せっかく踏み出した一歩を、何が起ころうとも二歩三歩と踏み出し続けてください。




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虫食いの穴からのぞいているのはこの人です。
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人生はワン・ツー・パンチ

汗かきべそかき歩こうよ


花が枯れたら植え足して、雑草は引っこ抜いて、熱くても寒くても庭に出て、その季節を味わってください。




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のどか。



あなたのつけた足跡にゃ

きれいな花が咲くでしょう


時間の積み重ねが庭の存在を大きく育てていきます。

ほんの小さな庭が、幸せな人生の大舞台へと変貌していきます。




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さわやか。



腕を振って足を上げてワン・ツー!ワン・ツー!

休まないで歩け


自然の速度に置いていかれないように、季節の変化に歩調を合わせながら。




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秋のスズメバチはとても凶暴なので、
こんなに近づいてはいけません。
良い子はまねをしないように。



しあわせの 隣りにいても

わからない日もあるんだね

一年三百六十五日 一歩違いでにがしても

人生はワン・ツー・パンチ

歩みを止めずに夢見よう

千里の道も一歩から

はじまることを信じよう




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サルスベリはアップで見るとこんな花。
ひと夏存分に楽しませていただきました。
い〜い夏でした。




年々庭を美しく進化させるコツは立ち止まらないこと。
物事がうまく運んでいる時には意識しなくての足は前へと出ます。
しかし突然何かが立ち塞がったり疲労で気力が落ちてくると、そうはいかなくなるものですよね。
でもそこなんですよ、勝負は。

「キツい時に頑張ることを『頑張る』というのだ」

できるだけそれまでのテンポを維持すること、それが無理なら、ほんの1ミリでもいいから足を出してみることをです。
それも無理ならしっかりと休憩を取りましょう。



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これから着々と色付いていきます。
実家から段ボールで届くのが楽しみです。
ちなみに、
ヨーグルトと一緒に食べると
メロンの味になるんですよ。

 

照る日曇る日嵐の日、凪ぎもあれば台風も来ます。
その不安定な状況下で目的地へとたどり着くことは容易ではありません。
容易じゃなくてもあきらめるわけにはいかないのですから、とにかく頑張りましょう。

さあ、今日も思いっきり腕を振って足を上げて。

花いっぱいの未来を思い描きながら。