この時期、庭木は存分な水分と高温多湿と強い日差しによって、歓喜の声をあげながら枝を伸ばし茂ります。その元気さはいいとしても、伸びるに任せておいたら枝が混み合い変な形に育ってしまいますから、剪定作業で姿を整えておきましょう。

成長の季節にこそ、整理整頓・取捨選択。



自然界では人が手を入れるまでもなく、
植物に本来的に備わっている合理的性質と、
同種他種入り混じった生命同士の切磋琢磨と
繰り返しやってくる春夏秋冬の刺激によって、
理にそぐわない枝は淘汰され、
木々は見事に自然樹形に整えられてゆきます。

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剪定のコツは、成長すると全体の姿を乱してしまう不自然な枝の見極め。

1、重なり枝(言うなればアイデンティティの喪失)
2、立ち枝(空気を読めない傲慢なナルシスト)
3、絡まり枝(口を開けば文句ばかり言う依存症)

この三つを取り除くことで、その木本来の好ましい樹形に整います。
ご来店いただければ図解で説明しますので、ぜひ。

あらゆる木が引き算によって美しくなることの不思議。

「後生大事にダメダメな枝を伸ばしていないか」と、何かうまくいかなかった時に必ず自分に問うています。惰性のままにダメなことを繰り返してはいないかと。やるべきことを先延ばしにしていないかと。そもそもどんな樹形を目指しているのかと。

嫌いなことは嫌い。許せぬことは許せぬ。美醜の見極めが揺らげば、己が姿は乱れてゆくばかり。

お互い時間に限りもあることですから、さっさとスパッとやっちゃいましょう、スパッと。