二十億光年の孤独 谷川俊太郎

人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする

火星人は小さな球の上で
何をしているか ぼくは知らない
(或いは ネリリし キルルし ハララしているのか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ

万有引力とは
ひき合う孤独の力である

宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う

宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である

二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした

カシアス・クレイは蝶のように舞い、蜂のように刺した。
ジョルジュ・ムスタキは歌うように語り、語るように歌った。
マハトラ・ガンジーは明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学んだ。
みんな孤独だったのだ。それはまったくたしかなことだ。
ぼくは、阿呆のように想い、鬼のように描く日々が続いている。







Non, je ne suis jammais seul
Avec ma solitude

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孤独を相棒にしているあなたの
今日が良き日となりますように。 
早朝の庭で染み込ませた涼風のままで、
頑張ったあなたを癒す
夜風の庭へとたどり着くまで。





今日は「港南台店」にいます。