昨日は台風の影響か、いきなり真夏の暑さとなりました。いきなりは続くもので、朝から、以前より調子が良くなかった港南台店のエアコンからいきなり熱風が吹き出しまして、そのうち正常に戻るだろう放置して設計に熱中していたら、どうも目がショボショボし、頭がクラクラする。午前10時に温度計を確認したところ何と42℃。「このまま仕事に熱中してたら熱中症で死んでしまう」と、店を脱出して早めに午後の予定だった三浦半島へと向かうことに。クルマのエアコンにより幸いにして一命を取りとめました。

いきなり続きで思いがけずできた空き時間は、いつものようにカメラ片手のお散歩タイム。
お客様に会う前なのでなるべく汗をかかないようにと涼しげな森を探し出して歩き始めたものの、行けども行けども、どこもかしこもただ真夏。灼熱の世界で唯一咲いていたユリに数回シャッターを切っただけで早々に引き返し、横須賀のドブ板横丁にあるレトロなレストランへ。名物の牛乳付き横須賀海軍カレーを食べ、食後のコーヒーをできるだけゆっくりとすすりながら、読みかけだった本を30ページほどめくってから予定の打ち合わせへと向かいました。

お客様は米軍基地勤務の映画に出てくるようなカッコいいご夫婦。お会いするたびに心地いいアメリカンな暮らしぶりと、ジェントルでアットホームな歓待に、この上なく良質な刺激をいただいています。
昨日も、暑かろうが寒かろうが関係なくお互いを肯定し合いつつ高め合う、例のアメリカスタイルの会話に半ば酔うように聞き入りながら(半分は英語なので半分しか理解できていないのですが)、ぼくの設計も日米半々の言葉で散々ほめちぎられつつ打ち合わせが終了し、施工の運びとなってめでたしめでたし。三浦半島に、またひとつ幸せな庭が誕生します。

気分良く帰宅し庭に出ると、昼間の熱風と打って変わって江ノ島方向からの涼風が。熱せられた陸地に起こる上昇気流でできた新空域に海上の冷たい空気が引きずり込まれる、教科書通りの海風現象です。
地球はうまいことできてるなあと。苦あれば楽ありだなあと。

いやはや昨夜の庭の心地よさは、2017年の夜風ランキング第1位でした。
さてと、今日はのエアコンの機嫌はどうなっているやら・・・・




気温が上がるほどに涼しげな顔をするヤマユリ。

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他の花たヘタって消えてしまう時期に、
その姿は、蝉時雨の道をお座敷へと向かう
京都の芸子さんのよう。
途中で寄った甘味処で、
冷やし飴を「おいしおすなあ」と味わってから、
内心キリッと、見た目フワッといざ出陣。
ダイヤモンドは傷つかない。
腹が座れば怖いものなし。
腹が減ったら不味いものなし。
どんなに暑苦しいお旦那衆にも
白粉からにじませる平然と毅然の微笑みで、
「そないなこと言うて、ほんま、好かんタコやわ〜」と返せる
高度なプロフェッショナル、仕事の流儀。
東男に京女。
東の都の小さな池のほとりに咲いたユリの花は、
実のところは京の都にほど近い、
芦屋生まれの才女なり。
芦屋、芦屋、芦屋のお作法で挑む東男どもとの戦には、
あっしゃあ京女やけど、何か?
と東西入り混じった啖呵を切って煙にまくのが常套手段。
さてこの御仁、細川のお殿様が申す通りに
類稀なる機を見るに敏な女将が鉄の女となるか、
はたまたジャンヌ・ダルクとなるか、
いかなる戦を繰り広げるのかが次の季節のお楽しみ。
霊気の歪みか、はたまた異常気象の弊害か、
気が滅入ることばかりなりのご時世なれど、
面白きこともなき世を面白く、
住みなすものは心なりけり。
まあね、都政がどうのこうのより、
カケだのモリだのと
蕎麦っ喰いでもさすがに食傷気味となる国政よりも、
わが青春の味、
井ノ上ラーメンの焼失の方が深刻なのだ。
かつてラーメン屋の全国チェーンを企てた
春日部の地上げ屋社長にプロデュースを指名され、
その社長が
「この味なら世界制覇がきる」と絶賛したことから
通いつめて、ついにはレシピをご教授いただいた、
シャイで生真面目な店主の行く末と、
超不器用な彼を導き支え続けた気っ風のいい先代のおかみさんが、
今回の火元と報じられたことをどのように受け取っているのかと、
それが気がかりで気がかりで。
されどしかして気を取り直すきっかっけは、
またもや出会った素晴らしきご夫婦の、
日米半々の愛ある日常会話の響き。
混迷も、政争も、面白きことも無き世も、
イカした夫婦の会話の前には雲散霧消するのでした。
仲良きとこは幸福に生きる能力なり。
いわんや10月になればそこに出現する、
幸福に満ちた庭においてをや。



では、今日も頑張りましょう。
熱風が吹き出てこなければ「港南台店」にいます。