風を巻き起こせ!

空海は言いました。
凪を嘆くことなかれ。汝が風となれ。



なんで今まで気がつかなかったんだろう。
無風の庭に扇風機を出しました。

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快適な擬似的湘南からの風。


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ミーは定位置に飛び乗り
日課の風見猫。





むかしむかしのバブル前夜の頃、多くのジャパニーズ・ビジネスマンを鼓舞し、時代の風たらしめた名訓戒がありました。


電通鬼十則

1、仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない。
2、仕事とは先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3、大きな仕事と取組め。小さな仕事は己を小さくする。
4、難しい仕事を狙え。そして成し遂げるところに進歩がある。
5、取り組んだら放すな。殺されても放すな。目的を完遂するまでは。
6、周囲を引きずり回せ。引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地の開きができる。
7、計画を持て。長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8、自信を持て。自信が無いから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚みすらがない。
9、頭は常に全回転、八方に気を配って、一部の隙もあってはならぬ。サービスとはそのようなものだ。
10、摩擦を恐れるな。摩擦は進歩の母、積極の肥料だ。でないと君は卑屈未練になる。


例の事件があったので、もうこのような訓示が語られることはなくなるかもしれません(社員手帳への掲載廃止が検討されているとのこと)。
折しも教育勅語を振りかざして意味不明な好き勝手をやった挙句に逮捕された人がいましたが、もしかしたらYutori Jeneration には同じく意味不明な時代錯誤かもしれないと思いつつも、二十歳を過ぎた頃のぼくを熱くたぎらせてくれたバイブルを、同じ年頃となった
岩渕優一朗にだけは伝えておこうと思います。
次の補足を添えて。

夢を持とうが持つまいが、愛する女にめぐり会おうが会うまいが、どんな趣味を持とうが、どのような哲学を持とうが、男なのだから仕事を人生の中心に据え、それを生きがいとし、全力でそれに取り組む日々を送りなさい。
理由はたったひとつ、それが岩渕家の伝統だからだ(きみが後々、この理由がいかに重大かつ偉大なものであるかを知るであろうことを予言しておく)。

息子よ、夏よりも暑苦しく生きよ。
やがてきみの周囲に、竜巻のごとき強烈な風が巻き起こる。
かく言う父はそんな時代を過ごし、ふふ、今は世の奥様方に喜ばれる涼風となり、日々心地よく庭を思い描いているがね。