ロケットマン vs トランプマンの金網デスマッチというのはどうだろう、と唐突に降ってきたアイデアが止まらなくなり、果てしなく広がり、お得意の妄想世界において、その猪木 vs アリ戦以来のビッグイベントのポスターまで刷り上がってしまった。



今年も楽しませていただきました。

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12月24日、PM 7:00 ゴング。決戦の地は格闘技の聖地である後楽園ホール(あまり大きな会場だと観客同士のいざこざが暴動化する恐れがあるので)。もちろんシングルマッチでセコンドはつかないこととする。レフリーはユセフ・トルコかジョー樋口か山本小鉄。もしも両選手の了承が得られなければ、ロシアの柔道家にして政治家もやっている、強面のウラジーミルを招聘すれば文句はあるまい。全席指定でリングサイド席の料金は10億。座席はいつも通りのパイプ椅子だが、各国要人と大富豪が集結するだろうから上等なシャンパンはつく。ただしディナーショーではないし、ケータリングもない。相当に残酷な、あるいはとてつもなく滑稽な試合が予想されるので、吹き出してタキシードやドレスを汚さないための配慮なのだ。



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この世紀の一戦の放映料はフランスの国家予算程度にはなる。それを、仮にロケットマンが敗れた場合の人民の救済に当てればいい。トランプマンが負けた場合は誰も困らないし、さしたる混乱も起こらないだろうし、もしかしたらその日が「合衆国が知性を取り戻した日」という祝日になるかもしれないし、反トランプのスピーチで涙したガガのストレスが消えて難病から回復できるかもしれないしと、いいことだらけだから問題はないだろう。



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古来より、猿はそのようにして群れを維持してきた。間違っても敵対する群れの女子供を怯えさせたり危害を加えることなどせずに、ボス同士の対マンで決着をつけてきた。小学生レベルのなじり合い、威嚇の応酬などというやり口は猿以下の、正確に言えば猿の中で最低のみっともない行いである。



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(両選手の言を借りて)チビで無能な若造と、口汚い老いぼれの実力は五分と見た。凶器はプロレス黄金期の慣わしを踏襲してフォークと栓抜きまでとするが、演出上の配慮からイチゴシロップの毒霧は可。
さあさあご両人、両手のすべての指が折れるまで殴り合うがいい。足腰立たなくなるまで蹴り続けるがいい。デスマッチなのだから、徹底的に、息の根が止まるまで、人民のプライドか両者共通の深刻なオイディプスコンプレックかわからないが、政治的、社会的にはムで始まりダで終わる、あるいはアで始まりホで終わる、難しい日本語で表現するとクルクルパーな威信にかけて、徹底的に戦い抜くのだ。



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どんな試合展開になろうと、どっちが勝とうと、結果として双方共に核のスイッチを押すことができなくなるし、その必要もなくなり、数万人か数十万人の清らなかにして正常な命が、たった二人の変わった髪型の変人によって奪われるという喜劇のような悲劇を回避できる。



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そして試合の翌朝はクリスマス。世界中のサンタクロースによって届られたプレゼントで何億人もの子供たちが笑顔になって、家族も笑顔になって、地球は穏やかな幸せの光で何ルクスか明るくなることだろう。
めでたしめでたし。



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曼珠沙華が地上に現れるのは
ほんの二週間ほどで、
葉っぱも持たない彼らは咲き終えたら
跡形もなく消えてしまいます。
一年のうち350日を地中で過ごす、
花というより地底生物なのです。
もしも戦争が起こって人類が絶滅しても
全く意に介さずに、突然現れては咲き、
二週間で消えることを毎年繰り返すことでしょう。
それはそれで、平和な秋の風景です。





今日は「港南台店」にいます。