自然樹形は放任によって育まれる。

環境を整えたら、あとは目をかけつつ手をかけないのがコツ。毎日水を与えていては根が伸びず、むやみにいじくるといびつな形になってしまいます。
お母様方、ことに男子には。



素直に伸びた姿の美しさたるや。
 
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庭を嗜む人々は概ねこのことを承知のご様子で、皆さんとても賢く子育てをされています。
問題なのは、大きな男子をどう扱うか。男子も年季が入ってくると余計な枝葉が目立つようになりまして、そのまま放置しては見栄えが損なわれ、いやいや見栄えばかりではなくやがては病や衰弱へもつながりますので、時々は刃を用いて樹形を整えることが肝要。できるだけその木の持ち味を損なわぬよう注意しながら、バッサリと、スッキリと、剪定作業を行いましょう。



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手順は次の通りです。

絡まり枝、逆さ枝、枯れ枝を付け根から除去する。
周囲の迷惑とならないように、総体をスケールダウンする。
根の周辺を掘り灌木や草花を植えるなどして、根っこと土を活性化させる。
石灰硫黄合剤を噴霧して防虫をしておく。
寒肥を埋め、冬季間に根が発育するように仕向ける。



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 おっと、話が庭木のことになってしまいました。人間です、人間。人間の大きな男子についての手順は次の通りです。

プレッシャーをかける。
尻を叩いて送り出す。
帰ってきたら存分にねぎらう。
笑顔と感謝の言葉で一日を締めくくる。

この内の、どれがかけても男子の樹形は乱れてしまいます。
それともうひとつ大切なことは、あなたが美しき支配者(支えて配る者)であること。支える力が不十分であると感じる場合は、その補填として美しさに磨きをかけてください。現状はどうであれあなたにその意志さえあれば、男は、いやさオスは、ミジンコやゾウリムシからクジラに至るまでの地球上の全オスは、あなたにかしづく理由を得るのです。女子たちよ、お笑いになるかもしれませぬが、男とは、悲しいまでに紛れもなくオスなのです。



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付け加えます。
男子諸君、ねぎらいも笑顔も感謝もなく、加えて美しくあることも放棄した者に支配されてはいけない。芥川版「桃太郎」の最後に登場する復讐に執念を燃やす鬼たちのように、腹腹時計を準備すべし。闘争か、逃走か、何れにしても、その支配からの卒業を目論むのだ。