泰然自若で余裕綽々

日増しに冷え込みが厳しくなる季節となりました。こんな時期には朝のラジオ体操やストレッチがおすすめです。丹念に身体を伸ばしほぐしておけば可動域が広がって怪我を防げるし、同時に思考にもゆとりが生まれるものです。 
元気の秘訣は自然体でいること。自然体とは自然に倣うこと。積極的に余裕の幅を増しながら、元気いっぱいで冬に向いましょう。



ライムグリーンから黄色へのグラデーション。

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神宮外苑、絵画館前のイチョウ並木がそろそろ見頃ですね。東京暮らしの頃は毎年必ず歩きました。当時はまだお上りさん的な感覚もあったせいか、造園の世界では名高いその道を行く自分が何だか誇らしいような、とてつもなく大きな未来が待っている人になったみたいな、いわば、よばいたれ(泣き虫)の弱っちい少年だった龍馬や、映画館の案内係やトラック運転手をしながら、母親の誕生日プレゼントを何にしようか考えていた頃のエルヴィス・アーロン・プレスリーになったような気分だったのです。
全く根拠なしに素晴らし未来を確信して、さあて、この物語をどのように展開させようかと胸躍らせつつ歩く、どっからどう見ても明るい農村から上京してきた青年が懐かしく思い出されます。







ちなみに解説すると、絵画館前のイチョウ並木が高く評価されている点は次の通りです。

絵画館に向かって、手前の木よりも奥の方の木の高さを数メートル低く仕立てることで、遠近法的デフォルメがなされている。

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通常の街路樹は道路の左右1列なのに対し2列(両側の歩道の左右にあるので計4列)になっている。これは絵的にボリューム感を出すためと、車道を行く人ではなく、歩道を歩く人を主人公とする意図。

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同じ親からの木を使っているので、色づく時期が統一されている。

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日当たり具合によって生じる、
この美しいグラデーションがその証し。
 
雄大な自然樹形を思わせつつ、全ての木のシルエットを同じ円錐形に仕立てることで、シンメトリーとトピアリーを旨とするヨーロッパの風景を表現している(日本人は左右非対称と自然樹形を好むので、逆にハイカラな印象を受けます)。

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欧米では常識であろうこの造園技法によって、何万人、何十万人もの道ゆく人を魅了している並木道は、庭が持っている途方もない威力と可能性を示しています。
造園とは、自然を使って人の暮らしを豊かにする文化なのです。






今日は「金沢文庫店」にいます。