一つ設計を仕上げて、さて次に取り掛かる時に感じる心地よい不安というかプレッシャーがあります。それは年々強くなる傾向にありまして、その前に完成させた設計へのお客様の反応が良いほど、さらに新たな庭が出来上がって感動や賞賛の声を頂戴したタイミングだったりするともう大変、店への進路を変更して河口湖へ行き、Happy Days Cafe でビーフカレーとカツサンドとビールでブランチしてから湖畔の駐車場で熟睡して、そのまま百年くらい目が覚めなければいいなあという妄想の誘惑に、負けてしまおっかなあなどとフラチなことを、ほんの一瞬ですが思ったりするのです。



枯れゆくばかりのススキでさえ、
朝の光を受ければ宝石のように光る。
不安だろうが不満だろうが、
何事も光を当てれば光るのだ。


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不安の材料とはなんでしょう。希望、成功、達成、高評価、幸福、どれもこれも永遠に感じていたい喜びであり感動であり、人生の目的と言える状態です。それを得られないかもしれない、失うかもしれないというのが不安。ではの祖不安を回避したらどうなるでしょう。



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人はいち日に5万回もの判断をすべく思考しているそうです。そしてその思考のほとんどがとてもネガティブなものであるとのこと。さもありなん。あらゆる生物にとって危険回避こそが生存のための最重要スキルですからね。
でもそのネガティブ思考をネガのままにしておいたら、安全は確保されるでしょうが、無難な服着て無難なルートで無難な会社に行って、無難な仕事を無難にこなして無難に帰宅し、無難な会話で無難な夜を過ごして無難に寝る、まあ味気ないというか、感動の薄い暮らしになってしまうわけです(ぼくら夫婦のように多難すぎるのも考えものですが。何でしょうね、多難大好きというか多難依存症とか、二人揃って突っ込んでゆくタイプなもので・・・)。



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デジカメ以前の写真を思い出してください。何が写っているのか判然としないネガフィルムに光を当てるとあら不思議、反転した美しいポジ画像が印画紙に写り込みます。その原理で、ネガティブな感情である不安に希望の光を照射しましょう。



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無事是名馬と申しますが、それはキタサンブラックのように並外れた過酷な調教にも意欲満々で走り続けた、まさしく名馬に対しての言葉。普段がチャレンジしない逃げ腰だったら駄馬ダバダバダバ〜シャバダバダバダバ〜な人生となってしまいます。
幸いなことにわが家には並外れて過酷な調教師がいるので、2018年も振り続けられる鞭に意欲を失うことなく、意識を失うことなく駆け抜ける所存です。



男は祭りを そうさ担いで生きてきた
山の神 海の神 今年も本当にありがとう
白い褌引き締めた 裸若衆に雪が舞う
祭りだ 祭りだ 祭りだ 豊年祭り
土のにおいが染み込んだ 倅その手が宝物


男は祭りで そうさ男をみがくんだ
山の神 海の神 命を本当にありがとう
船に五色の旗立てて 海の男が風を切る
祭りだ 祭りだ 祭りだ 大漁祭り
見ろよ真っ赤な陽が昇る 倅一番船をこげ

燃えろよ 涙と汗こそ男のロマン
俺もどんとまた生きてやる
これが日本の祭りだよ



作詞 なかにし礼、いやあ〜素晴らしいですよね。一行づつ書き写すうちに、腹の底から力がみなぎるのを感じました。阿久悠、岩谷時子、松本隆、安井かずみ・・・昭和の作詞家は凄みがあります。
ああそれにしても、サブちゃんが出ない紅白なんて、クリープを入れないコーヒーみたいなものですよね。

では皆様、良いお年を。

女房は姑とお節作り、ぼくは倅と実家の周りの除雪作業。これも日本の祭りだよ。



実家に到着するなりビールで乾杯のおふたりさん。

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