とんとんむかし、雪深い越後ではどの家にも囲炉裏がありました。屋根から下ろした雪が建物を覆い隠して二階から出入りするような暮らしなので、それはそれは寒くて家の中でも息が白くなるほどです。だから家族はいつも囲炉裏端に集まって、火を囲んでいました。
煮炊きもそこで、お茶飲みも、内職仕事も、物干しも、何でもかんでも囲炉裏の部屋です。まだテレビは高級品でブラウン管には織物が掛けてあり、今のようにつけっぱなしということはありませんでした。だからけんちん汁が煮えるまでの間、みかんをむきながら孫に昔話を聞かせるのが年寄りの仕事。三世代同居が普通だったので、どの家にも語り部がいて、子供はその話に笑ったり怖がったりしながら、じいっと年寄りの顔を見つめて聴き入りました。



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囲炉裏には不思議な力がありました。夫婦喧嘩をしても、兄弟喧嘩をしても、嫁姑でもめても、いつもそこで顔を突き合わせているしかないので自然と仲たがいは消えてしまいます。
今では建物が高気密高断熱のオール電化となって囲炉裏は姿を消しまし、各部屋にエアコンがあり、テレビもあり、携帯、タブレットまで持っているので、喧嘩をしたら何日でも顔を合わさずに暮らせるようになりましたとさ。
めでたしめでたし。



ぼくは多くの場合、庭に囲炉裏を提案します。
家族が笑顔で集える場所が必要ですからね。

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Facebook でこんなのを見つけました。

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この手の話、囲炉裏端なら
素直に子供の心に染み込んで、
一生の宝として残るんじゃないかなあ。





今日は港南台店にいます。