関東人にして健闘人のぼくは、酔っ払った女房のわけのわからない口撃にアッタマ来たときに「ふざけんな」と言います。関西人にして勘冴え人の女房は、ぼくのシラフなのにもかかわらず酔っ払ったような言動に怒ると「ふざけろ」と言います。



通勤途中、漂う濃厚な香りに気づいて探したら、
十数メートル先にクチナシが咲いていました。
湿気と混ざり合うイランイランにも似た濃厚なる芳香は、
清楚や純情とは真逆の、播州女のかおりです。

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夜の庭でふと思ったんですけど「ふざけんな」と「ふざけろ」って真逆なんですよね。あっ、こんな下品な喧嘩は過去数回しかないんですよ。通常はですね、冷静に笑みをたたえながら「きみきみ、そういう言い方はないんじゃないかな」と諭し、「あら、あなたこそそういう考え方はいけなと思いわすわ。そのような単純思考は決して人類の幸福に寄与しませんことよ」という穏やかにして上品なものです(本当です、絶対に)。で、その真逆な言い方何ですけどね、否定と肯定、これは文化人類学的にとても興味深いことなわけです。



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関東人と関西人の違いはまさにここ。ぼくら関東人は(越後は東北ではなく関東圏)受け入れ難い事柄を排除しようとします。対して関西人は、ここぞとばかりに面白がると言いますか、しゃあないやんか、アホはアホなりに生きて行かなあかんのやしと排除することなく反省を促すような、それで反省しなくても、まあええわいな、人が死ぬわけやなし、そんは人がおってもおもろいやん、という具合なんですよね。



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どっちが正しいかは別として、関西人の方が濃いめのコミュニケーション術を有しています。反面、理屈に合わないといいますか、ときに論理的に破綻してるといいますか、そもそも論理思考をもっていないんじゃないかと、東男にはそんなイラっとする感情が積み重なってゆくのです。まあでも結果的にはその関西風雑草魂が、これまで幾多の難局を切り開いて来たわけでして、アクシデントには「負けへんで」と、理不尽な出来事には「そうか、そう来たか。ほなこうしたる」と、粘り強く獲得目標にフォーカスし続けるど根性を感じています。



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探偵!ナイトスクープってあるでしょ(横浜ではTVKでやってるので、録画して欠かさず観ています)。あれって、ぼくからしたら衝撃に次ぐ衝撃の内容なんですよね。関東人にとっては愚にもつかない些細な事柄が、オムライスがうまく包めない、みたいなことが、じんわりと泣けるいい話に展開したり、「こりゃあさすがにダメでしょ」という、放送上はタブーであると思われるレベルの精神的混沌に陥っている人取り上げてたものに、これまたティッシュの箱が手放せない泣き笑いの感動を得たりして、いやはや関東と関西の違いは洋の東西以上だと実感しているのであります。



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常日頃、この違いを庭木の捉え方にも感じています。剪定の仕方、仕立てのスケール感についてです。
関東の庭師はチョキチョキチョッキン、小ざっぱりと小粋に切り詰めてることを良しとしていて、庭木は盆栽のテクニックにて仕立てられている。ところが関西ではまったく違って、できるだけ自然樹形を保ちつつ、木と木がせめぎあいながらも融合する雑木林のような風情を好みます。



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たくさんのお客様から「あなたたちは理想の夫婦ね」という過分な賞賛を頂戴しているので、こんなことを言うのはいけないんですけど、何かにつけて関東と関西の違いは凄まじく、そのギャップからの小競り合いが繰り返される日々というのが実態。でもまあ、独身時代の早い時期からフランス人と結婚したいと妄想していたので、それに比べたら、かろうじて日本語が通じるのだからマシか、と思っている次第です。
ふざけろっ!と言われそうですが。





今日は金沢文庫店にいます。