選択はワクワクと
庭木を選ぶときに、スマホで検索し候補に上がった何本かの樹種のデメリットを列挙しておいて、「最も苦労の少ない木、最も落胆が少ない木」という基準で選択する人がいます。そのやり方だと、どれを植えても苦労や不満が残るということに気づいてほしんですけどねえ。
この木は花が可愛いし、こっちの木は香りを楽しめるし、いやいやこれにすれば実を食べられる・・・と「最も楽しいのはどれか」という基準で選べばハズレなし、どれを植えても満足します。
庭木選びにとどまらず、メリットを比べてワクワクしながら迷う人の方に次々いいことが起こるのは、至極当然のことです。
「幼い日の記憶に生えている木を植えましょう」
と提案すると、一番多いのが柿の木。
ぼくも同じなんですよね。
今でも実家の裏庭に大木があって、
ダンボールで大量の柿が届くのが
毎年のお楽しみとなっています。
これだってデメリットを並べれば、
横に広がるし、落ち葉が大量だし、
枝が折れやすいし、害虫はつくし、
肥料を欠かせないし、カラスが集まるし、
実を収穫して親戚に配らなきゃいけないし、
といくらでも出てくるわけでして。
でもそんなこと以上に、
柿の木に見守られるようにして過ごした
縁側の記憶が蘇ってきて、
散歩途中に見かけるだけで祖父母の笑顔が浮かび、
「ひでとし、頑張れ頑張れ」と励まされているようで
元気が湧いてくるのです。
晴れた日の思い出の樹の下で、
あなたにはどんなシーンが浮かぶでしょう。
新築の皆様、メリットを並べてからの選択をしてください。
これから庭に植える木々が、
子どもたちの記憶にも根付きますように。