カメラを持つ手がかじかむ季節となりました。あの異様な猛暑も、異常な動きの台風も実感を失いはるか昔の物語。散歩の道すがら、澄んだ空気のひだまりに思うは白鳥になった男の言葉なり。
大和の国はまほろば。



ふた月前、天空の暴れん坊
スサノオの草薙剣によって倒されたコスモス、
しぶとく起き上がり、咲く。

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アマテラスに見守られ、美しい往生際。 



ああ、なんということか。あんなにひどい目にあったのに、タケルさん、やるだけやったという清々しさがあの言葉になったのでしょうか。 「ま」は真に、「ほ」は素晴らしき、「ろ」は場所を表す接尾語で、「ば」は場所。



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スサノオが封印していた三種の神器のひとつ、草薙の剣があなたに受け継がれたことは何を意味していたのか、などとつらつらと。



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あなたは最後の最後に得た白い翼でどこに翔んで行ったのでしょう。今はどこの空を羽ばたいてるのでしょうか。もしかして、時々上空からぼくんちの庭を見下ろしているのでは?もしそうならうれしいなと都合よく妄想しつつ。



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折りしも今日は藤沢の高台に新築を果たした、とっても素敵な若夫婦の庭を設計すべく現地を測量に行く予定なりせば、あなた様を祀っている御嶽大神に立ち寄りますので、もしよろしければ、しばしぼくの相も変わらぬ、愛も変わらぬ繰言にお付き合いいただければと。あといくつ生み出せるかは定かでないながら、往生際まで「まほろばの庭」を追い続ける決心もお伝えしておきたいので。
それとですね、ご報告。あなた、草薙剣を貴乃花に渡したでしょ。おかげで彼はクマソ征伐の頃のあなたのように鬼神の働きで大横綱となり、引退後は、帰郷してすぐさま苦難の遠征に追いやられたあなたと同じく辛い日々を過ごしました。でもどうやら、剣を捨てたようです。最後の戦に向かう時あなたが剣を姫に預け、丸腰で出かけて行ったよいうに。彼に長らくまとわりついていたやヤマタノオロチの怨念が解けたような、憑き物が落ちたような、小学生以来の屈託のない自然な笑顔を見ながら、白鳥に姿を変えて遥かに飛んで行ったあなたの心境を思っています。
ところでタケル様、あの剣、次は誰にお授けになるおつもりで?進次郎?海老蔵?イヤイヤ奴らにはもはや必要ないでしょう。できうれば才能に溺れて溺死しかけた者たちへ。清原、アスカ、・・・あるいは私めに。え、お前じゃダメだ。はは、そうですよね。でもまほろばの庭を世に広めるためなら「我に七難八苦を与え給え」と山中鹿介の気概です。先日、天孫降臨の地で起こったあの悲劇だって、もしもそこに庭が存在していたなら、日々夫婦で語らい、家族で集い、自然を感じ、アマテラスの祝福によって心身を健やかな自然体へと調整してくれる、そんな庭があったなら起こり得なかったと、ぼくはそう思っているのです。 
では後ほど、御嶽大神にて。