昨年の大河「西郷どん」、幕末・明治維新好きなぼく的には存分に楽しませていただきました。ところが途中から視聴率急落だったそうで、何でですかねえ。もしかしたらその要因は、鈴木亮平渾身の西郷隆盛が醸し出していた違和感、フニャッとした、辛くても悲しくても、決意の時にあっても、いつも笑い出す寸前みたいな愛嬌顔だったのでしょうか。終わってみればあれこそが西郷隆盛が持っていたつかみどころのなさだったように思うのですが。それを坂本龍馬は「少しく叩けば少しく響き、大きく叩けば大きく響く。大馬鹿者にあらざれば大智者なり」と評しています。それと笑福亭鶴瓶演じる目つきの悪う〜い岩倉具視(加山雄三のひいお爺ちゃん)も、五百円札の厳格な偉人然とした印象を一新する怪人ぶりで(実際相当に変わった人だったようです)、新鮮に腑に落ちました。
歴史もののドラマは活字中の人物に顔を与え、演者を通して教科書には出てこない機微をうがつところが醍醐味ですね。ここ数年をさかのぼれば、徳川家定は堺雅人に、坂本龍馬は福山雅治に、軍師官兵衛では谷原章介による竹中半兵衛が、真田丸の真田昌幸に至っては、バタ臭さ満点で年齢不詳のあの顔が、どうなんのかなあ、大丈夫なんでしょうかと思っていたのに、すっかり戦国の雄、混迷の時代に輝くしたたかな太陽として記憶に刻印されたのでありました。



凍てつく散歩道も日向には暖かな日の光。
元旦吉日、初詣の帰りに立ち寄った
まだ人影のない里山に、今年最初の仏様。

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南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛・・・



さて今年は、NHKが大勝負に出ましたねえ 、久々の近現代劇「いだてん〜東京オリムピック噺〜」。主演:中村勘九郎&阿部サダヲ、脚本:宮藤官九郎、劇中の語り部である古今亭志ん生役を、落語家立川梅春ことビートたけしという、仰天しながらすでに泣き笑いしそうなキャスティング。さらに音楽が、カリスマ菊地成孔(昨年末に8年続いた異能のラジオ番組「菊地成孔の粋な夜電波」が突如打ち切りとなり、天才は野に放たれました。今年の動向に注目です)の盟友「あまちゃん」でおなじみの大友良英(出自はフリージャズと難解な実験音楽。なれどとてもわかりくて好ましい人柄の前衛音楽家)とくれば、ああどうしましょったらどうしましょ、これで2019年のぼくの物語も大いに泣き笑いする大河ドラマになりそうな予感です。第1話は明日、6日の午後8時、いやあ楽しみ楽しみ。さっき予告編やってたんですけど、勘九郎の熱いハッチャケぶりは勘三郎に並んだなあ、などと思っただけでじわっと来ています。
大河ドラマ、小さな旅、家族に乾杯、HNKスペシャルと、録画予約にはNHKがずらっと並び、ラジオもタイミングが合えば昼のいこいとラジオ深夜便を楽しむ暮らし。幼き頃は「何で大人は1チャンネルが好きなんだろう」と不思議かつとっても不満に思っていてたのに、気がつけばわれも大人になりにけり。
 
さあ、今日は仕事始め。新たなドラマの始まり始まりい〜。