寒中散歩。

歩き出しは寒い。地面はしゃりしゃりと凍っていて、カメラを持つ手がかじかむので順番にポケットに突っ込んで温め、首筋から冷気が入らないようにマフラーをぐるぐる巻きにしている。息は面白いほど白い。
ほんの10分間の早足で体内発電が始まり、まずは背中が、次いで腿のあたりがホカホカしてくる。もうマフラーは邪魔なので解いてだらりと猪木風に。この道を行けばどうなるものか。
冬の早朝散歩は全身が隅々まで目覚めるのです。晩年、よく夜中の森を明け方まで歩き回ったという、タオイスト坂村真民に倣って、時々こうして強引マイウェイ。終焉を悟った真民先生は何を思って歩いたのだろう、などと想像しながら。



暗いうちに家を出て日の出を待つ。

DSC01237

山の影と朝日の境目にレンズを向ける。

DSC07568

人を追い抜く速度で、

DSC07615 2

光が森を満遍なく起こしてゆく。

DSC07629 2

1億5000万年前のジュラ紀から変わらぬ、
太陽による朝の儀式だ。