紀元前400年、プラトンは心の在り処を、理性は頭に、感情は心臓に、欲望は肝臓にあるのだと考えた。その弟子のアリストテレスは、心は心臓の中の小部屋に住み着いている小人がいて、そいつが感情を発しコントロールしているのだと考え、ではその小人の心はいったい何者によって発せられているのかと悩んだ(ホムンクルス問題)。現代の科学者たちは、心は脳内活動による現象なのだと突き止め、いかにすればルンバに心を持たせることができるのかと躍起になっている。



港南台のおさびし山にはニョロニョロが。
こんなにのどかな春なのに、
庭の相談には少々の苛立ちが含まれる季節なり。
ご主人、雑草ってそんなんに嫌ですかね。
嫌ですよね、雑草じゃなくて、
「あなた何とかしてよ」という奥様の尖った声が。
「草が生えんのはオレのせいじゃないだろ」って、
「何でもかんでもオレのせいかよ」って、
言い返したくなりますよね。
わかりますわかります。
うかつに言い返せないことも。

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だけども問題は今日の雨、傘がない。探求すべきは科学的真実ではなく、ぼくらがプラトンの時代と同じに苦悩し続けているという点なのだ。そは女房の愚痴をいかにすべきか、つまりは愛する者からの反逆に対し、どのように対応すればその口から愛情ある言葉を引き出せるのか、ということに、代々飽くことなく頭を抱えている。庭においては、曰く「芝刈りをしなくてすむ芝生が欲しい」、曰く「腐らないウッドデッキがいい」、「雑草取りをしたくないから庭をコンクリートで固めたい」と。だがしかし、その要望を叶えたところで女房殿の愚痴が止むことはない。なぜならそれらは要望ではなく愚痴だからだ。彼女は3つのことが欲しいのだが、それを表現する言葉も方法も知らないから、発声によって暴れているのだということに気づかなければ、我ら男どもの、ソクラテス以来の苦悩は、愛妻によって息の根を止められるまで続くことだろう。



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彼女たちが無意識領域で欲している3つのこととは「美味しい、楽しい、美しい」。男が抱きやすい生老病死にまつわる苦悩なんぞは、この3つが満たされえていれば屁でもないのが女である。人工芝とプラスチックのデッキとコンクリートの庭は、味しくも、楽しくも、美しくもないことを彼女たちが知っていることを知らなければ、その男の末路には哲学者になる道しか残されていないことになるわけだ。だが実はもっと恐ろしい事態も予測できる。それは「狂う」ということ。満たされない女性の前に赤ワインか財布か自由な時間を差し出せば、いとも簡単に各種依存症となり、思考回路が破壊されて鬼子母と化すことは、古事記の時代から、ギリシャ神話の時代から広く警鐘され続けている。



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紀元前400年、プラトンは心の在り処を、理性は頭に、感情は心臓に、欲望は肝臓にあるのだと考えた。その弟子のアリストテレスは・・・。だけども問題は今日の雨、傘がない。行かなくちゃ、君に会いに行かなくちゃ。もしも女房が狂ったら、八つ裂きにされ食い殺される前に逃げよ、雨の中を。年齢的なこともあるのでしょうが、いやあマジでね、周辺には「狂気には逃げるが勝ちですよ」と背中を押したくなるケースが後を絶たず。多くの場合手遅れで、羽目をむしられ両足切られて瀕死の白鳥となった哀れさなれど、それでも最後の力を振り絞って、男たちよ、迷走せずに瞑想を、幸福なき戦いにはさっさと降伏して、闘争せずに逃走を。



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などという残酷にして暗黒な展開を招かぬよう、奥様の庭への愚痴を額面通りに受け取らず、その本質を見極められますように。あるいは直対応せずスナフキンまでご連絡くだされ。さすれば細君が笑顔になるような、3つの願いを叶える庭を描いて進ぜましょう。





「人よりも頑張ったなどとはとても言えないが、自分なりの努力を積み重ねてきた」とは幸福な幕引きを迎えたイチローの弁。次のニュースは日本の幸福度ランキングが58位だそうな。
ご主人、庭もあなたも、伸び代がありますねえ。