「雨の降る日は天気が悪い、アメリカ人がそう言った」、確か天才バカボンに出てきたセリフだと思うんですけど、検索してもそのシーンが見つからないので出所はわかりません。わかりませんが、いくつかの記事から赤塚不二夫と関連があることは確認できました。かれこれ50年前にインプットされた摩訶不思議なるこのフレーズ、今でも雨降りの日には呪文のように口を衝くのです。



訪問したお庭にアジサイ五種盛りが。

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見上げればウメの実が。

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奥様は庭がお好きなんだなあと、
カメラ取り出し、梅雨の晴れ間に命の洗濯。

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旦那様は幸せ者ですなあ〜。


 
赤塚不二夫は満州で生まれ育ち、悲惨を極める引き揚げ船で妹が餓死してゆく様子を見つめた経験をお持ちの人だそうです。その壮絶な悲しみによって、少年は戦争に何の意味があるのか、人はなぜ奪い合い苦しめ合うのか、大声で主張をする人のなんといかがわしいことか、そもそも正論など当てにならないのだ、意味とは嘘の論理づけであり無意味である、と思うに至り、それ以来「雨の降る日は天気が悪い(ごく当たり前なことをあえて言う)」というようなナンセンス(意味のないこと)を描き続けたのでした。



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トキワ荘で青春を謳歌した後にフジオプロを設立し、おそ松くん、ひみつのアッコちゃん、天才バカボンとヒットを連発します。超売れっ子となった赤塚不二夫は、唐十郎、寺山修司らからたかられるままに新宿アングラ演劇のパトロンに。毎夜ゴールデン街のバー『ジャックの豆のき』にたむろするようになりまして、そこで知り合ったのが、これまた超ナンセンスなフリースタイルジャズを弾きまくっていた山下洋輔。このふたりが見出し世の表舞台に引っ張り出したのがご存知森田一義、タモリです。
ブラタモリ、面白いですよね。笑っていいとも! が終了して、さて次はどんな番組をやるのか、あるいは静かに悠々自適を楽しむのかと思っていたら、まさしく悠々自適なブラタモリ。そうか、こういうのがやりたかったのかと納得し、録画して、背景にしばしば天才・赤塚不二夫を垣間見ながら欠かさず楽しんでいます。タモリもまた意味を嫌うナンセンスの人、故にあのように先入観なしで、誰もが無意味に思っているであろう地形や地質が持つ意味を感じ取れるんでしょうね。



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庭とはないならないでなんともない場所、つまりタモリの旅先に展開されるナンセンスな風景で、そこに意味を感じるか否かはその人しだい。見出だせば幸福なる楽園となり、見えざればひたすら厄介な余剰地となる。



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そうか、わかった。そろそろブーンとやってくる蚊がいても、「庭なんだから、そりゃあ蚊もいるでしょ。これでいいのだ」とごく当たり前に蚊取り線香に着火する人は庭に遊び、「蚊がいるから無理だなのだ」とあっさり断じてしまう人はカーテン閉めて引きこもる、ということなのだ。人それぞれ、人生いろいろ、そりゃあそういう人もおるでしょう。これで〜いいのだ〜、これで〜いいのだ〜。だってね、もしも全員が庭の楽しみ方を知っちゃったら、ぼくは職を失うわけですから。
いやあそれにしてもですねえ、誰が素敵って、バカボンのパパ(41歳、本名は田中田フチオ)の奧さんにしてバカボンとハジメちゃんのママの田中田春菊さん(32歳)、最高ですよね。旦那の天才性を開花させるのは奧さんなのだ。
え、自分の凡才を人のせいにするんじゃないって。こりゃまった失礼いたしましたっと、レレレノレ〜


アメイジング・グレイスと並ぶ昭和親父のゴスペルソング。
子どもたちよ、きみらの時代に
これほどの名曲は存在しておるか。