画家が残したパレットが、その画家が辿った人生の色彩なのだと申します。



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絵具は色が混ざると濁るので、描きながら何度も布で拭き取りナイフで削って、その都度の色を調合する。それでも微かに残った色が積み重なって固まり、道具である板の上に画家のヒストリーが描かれてゆく。



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庭もまた日々の色彩を描くカンヴァスであり、同時にパレットなんだなあと思うわけです。



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花の少ないこの時期に感じる趣きは、過ぎていった時間の名残りであり、そこにこびりついている色は、たいがい、幸福な時間のかけら。



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なぜ幸せ限定でこびりつくのか、それは幸福と離れてしまった時には、庭は息を潜めて気配を消しているから。



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ただし、不幸に追い込まれても、もがいても、へたり込んでも、リカバリーをあきらめなかった人を応援するのも庭の特性なのです。



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霧の朝、庭のパレットいとをかし。