リチウムイオン電池の開発でノーベル賞を受賞された吉野彰さん、好好爺というか、とても感じのいい方ですよね。歴代の受賞者も同じくにこやかで穏やかで、ユーモアを持っていて、そして驚くべき共通雨天として愛妻家で、研究者というのはそういうものなんだなあとつくづくと。ある意味浮世離れした世界でひとつのことに熱中すると人格が整うのか、あるいは地頭のいいインテリジェンスがそうさせるのか、などと思いながら見ていました。
お客様の中にも学者さんはいて、ニューロンを研究する脳科学者、植生研究の植物学者、ちょっと逸れますけどソクラテスを専門としていた哲学の研究者だったご主人を亡くされて、今はお孫さんらに囲まれて暮らす奥様、皆さん例外なくとにかく感じがいいのです。

秋風が木枯らしにかわる頃、昆虫学者の蟻川さんからバーベキューのお誘いがあり、スタッフとともにおじゃまいたしました。



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豪華な食材の数々と手作りの料理に、いきなり感謝感激雨霰。



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蟻川先生は、なんでも蝶の目には世の中がどう見えていて、何を感じ、何を考えて行動しているのかを探るという研究をされているとのこと。前回のバーベキューでもそうだったんですが、お会いしたらそのことをあれこれ教えて欲しくて、例えばいかにして蝶の感受性を知るのか、脳に電極を繋ぐのか、とか、物の本には足の先に味覚を感知する機関があるから、マニュキュアを塗ると産卵木にたどり着けなくなると書いてあったが本当か、とか、さらに突っ込んで、蝶の生きがいや人生観、感動の度合いは人と比較してどうなのか、とか。



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ところが庭に着くなりすでにいい具合に焼き上がっている肉に、昭和の腹減らし学童の如くに食らいついてしまい、近況やら世間話やらスポーツ&芸能界の話題で盛り上がって蝶の話はひと言も出ないまま、食べて、飲んで、ガハハと笑っての至福の時となりました。



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バーベキューって縄文的、本当にいいもんですね。こんなに楽しい時間はそうそう思いつかないのです。



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研究のことは聞きそびれたものの、いつも変わらぬ穏やかでにこやかでユーモアあふれるご夫婦の様子に、ああやっぱり学者さんなんだよなあ。



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昆虫研究というのは生理学に属するんでしょうか、いつか蟻川博士にノーベル賞をと。専門的なことはわかりませんけど、授賞式やその前後のセレモニーでは記者や来場者を笑わせつつほんわかと幸福な気持ちにしてくれること請け合いですから。



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学者、研究者という職業、なかなか魅力的な世界です。



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いやあそれにしても、なぜ学者の奥様は笑顔を絶やさないタイプの人ばかりなのでしょう。マニアックなご主人相手ですから、それなりに苦労はついて回ったと思うのですが。



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ん、もしや、ご主人側がコツを知っているのかも。蝶の気持ちを探る苦労に比べれば、女房の脳内を察知することくらいお茶の子さいさいなのかも。



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そういえば十数年前のお客様で、何の研究者だったか、毎日横浜から筑波学園都市まで片道4時間半をかて通勤されている方がいらっしゃいました。それも何年間も。思わず訊ねたんですね、「片道4時間半、往復で9時間、何をなさっているんですか」と。すると即座に「ずうっとギャグを考えてますよ、どうやったら妻を笑わせられるかと」とのこと。妙に納得したものです。奥様は脇で、呆れ顔で微笑んでおられました。



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実は息子が野田の醤油屋で麹菌の研究をしておりまして、父に似て女性に泣かされるタイプの性格なものですから、せいぜい細菌の心情を探る研究に没頭し、学者らしい幸せな暮らしを獲得して欲しいものだと思っている次第です。
あれあれ話が大幅に脇道に。あらためまして、いやあ〜バーベキューって本当〜にいものですね!



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蟻川さん、ごちそうさまでした。お土産にいただいたジャムも最高の味です。これに懲りずにまた春にでも、今度は蝶の話をじっくりと。