10年前に施工したお客様から連絡をいただき、庭を一部リニューアルすることになりました。場所は青葉区もえぎ野、徒歩2分にもえぎ野公園があります。
懐かしい笑顔との打ち合わせを終え、カメラ担いで公園をひと回り。スイレンが見頃で、当然思いはクロード・モネへ。



DSC03853



後に第1回印象派展と称されることとなる独立展に出品した『印象・日の出』という作品から、印象派は始まりました。今ではゴッホ、セザンヌ、ルノワール、モネがやってくるとなれば長蛇の列ですが、当時のサロンはその作風に「なじゃこりゃ、ただの印象じゃないか」と批判的で、社会の評価は惨憺たるものだったそうです。



DSC03855



それまでの絵画は宗教画に始まり、戯曲や歴史的出来事などを緻密に描くべき芸術で、印象などという実態のない心の動きでカンヴァスを埋めることなどは、論評するもおぞましき神への冒涜だったわけです。



DSC03897



世の常で、次のページが開いた時に世の中は猛烈にそれを拒みます。そしてこれも世の常で、開いた本人はそんなことなど気にするいとまなく、泉の如く湧き上がる情熱に従って突き進む。その後、彼の興味は庭へと向けられ、自ら造園工事をした池のある楽園で水面のハスを見つめ続け、印象的な人生を全うしたのです。



DSC03854



印象派の画家たちにつきまとった苦悩や悲劇は当然彼にも次々起こりました。しかしそのことが、楽園の緑を色こくし、花数を増やし、水を清らかに澄ませ、曖昧だった印象は庭として具現化されていった。これですよこれ、庭ってそういうものなのですよ。



DSC03856



クロード・モネ、ぼくにとっては画家というより、歴史上、唯一心酔する造園家。