希望を消さない

ヒトの適応能力とは凄いもので、不満足な現状にもあっという間に慣れっこになってしまいます。庭が荒れていても、カーテンを閉め切っていても、それが普通のこととして認識されるまでに数日あれば十分で、そうやってストレス源から目を背けて無かったことにする習性によって、人類は幾多の苦難を乗り越え代をつなぎ、何とかかんとか今日まで生存してきました。ただですね、その偉大なる能力にはたったひとつだけ欠点があります。生存には役立ちますが、幸福には一切役に立たないのです。



バラの歴史は希望の歴史。

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シルクロードの野イバラがヨーロッパに運ばれて、
その色と香りに魅了された貴族たちは
先を争って品種改良に夢中になりました。

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La Vie En Rose バラ色の人生とは、
夢を実現してゆく人生。

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そこには必ず苦労が付きまとうもの。

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不満を幸福へと昇華させるものは、希望。



その苦労が、思うようにいかない現実が、
実は約束の地へのチケットなのです。


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人はなぜ、こんなにも多様な花を生み出せたのでしょう。

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その答えはきっと、
花が思い通りに咲いてくれないから。


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でも思いもよらない咲き方をしてくれるから。

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うまくいかずにもがき続けているうちに、
イメージ以上の成功がもたらされる。
夢の実現とは、いつもそういうものなのです。



あらゆることには「あきらめ」と「希望」というふたつの選択肢があります。庭のある暮らしを簡単にあきらめてはいけない。もっと、さらに、次はこんなふうにと、希望、希なる望みの炎をたぎらせてください。



希望希望って、そういうの疲れるんだよと言うなかれ。
ぼくだって、毎日毎日、気持ちに薪をくべては庭へ庭へと夢中になることに、
楽しさを通り越して疲労困憊することもあります。
もうねえ、何やってんだオレって、笑うしかないくらいにヘトヘトに。
でもですね、それも込みで生きがいですから。
それと次々素晴らしい出会いがあり、その人たちに「庭」を届けたくて。
ただの庭じゃない、幸福な日々をもたらす本当の庭を。
そうそう、カンパネルラに誓うジョバンニの心境かも。
だから疲れた時には木陰で休む。
休んだらまた、太陽を背に受けて歩き出す。





 太陽を背に受けて

北を目指して進むぼくの肩に、陽射しは励ますように幸せなぬくもりをくれる。振り向くと光が強すぎて泣けてくるから、前だけを見つめて。水面はキラキラと手招きをしている。ぼくはいつもいつも、こうして太陽に従って歩いている。

この感じをきみに贈れたらいいのになあ。こんなふうに、お日様みたいな曲が出来上がったら届けるよ。

北へ向かって進むぼくの肩に、陽射しは励ますように幸せなぬくもりをくれる。振り向くと眩しすぎて泣けてくるから、前だけを見つめて。水面はキラキラと手招きをしている。ぼくはいつもいつも、太陽に押されて歩いている。

きみに話せる物語が出来上がったら届けるよ。この同じ太陽の光が、きみにも降り注いでいることを願う。

肩に感じる陽射しはぼくを幸せな気持ちにしてくれる。でも振り向かない、泣けるから。水面に映る光に導かれて進む。太陽を背に受けて、とてもいい気分で。