京都の庭などでよく見かける手法、築地塀に囲まれた園内にその塀を越える高さの木があることで、塀の向こうにある林や遥かに望む山々を庭に取り込んだような、庭が広くなったような錯覚が起こるというのがあります。これが『借景』、背景を拝借するわけです。



季節を感じ取ることが心の借景技法。
寒いけど、危機一髪には気合一発!散歩ですよ散歩。

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ではなぜ広く見せたいのか。そりゃあ狭いより広い方がいいでしょう、などと早々に断じてはチコちゃんに叱られる。日本人は、ことに風流人は、茶室、茶庭の路地、坪庭など狭い空間を好むものですよね。では何ゆえ借景か。それはですね、ぼくら人間のルーツが、猿だから。



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猿は森に棲んでいます。そして生態系の中ではウサギとかネズミのようにひ弱な存在で、肉食獣やら毒蛇やら猛禽類に怯えて暮らす生き物でした。だから遮蔽物のない草原が苦手で、茂みの中や岩陰や、敵から身を隠せる狭い場所を好み、同時に周囲を見通せることで安心感を得る習性があるのです。



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だから借景によって遠方までを意識することに安らぎのような魅力を感じ取る。その前提として、塀で目隠しを施した狭めのプライベート空間が建物であり庭、というわけ。この理屈にピンとこない、実感できない方もおりまして、それもルーツの問題で、長い歴史のどっかの段階で、 DNA にネアンデルタール人のが混ざっているのでしょう。



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ネアンデルタール人は、ひと言で言うとブルーザブロディー的な人類で、背が高く骨格ががっしりしていて、彫りが深い顔立ちで勇猛な性格。一時期ぼくらホモ・サピエンスと彼らは同じ地上に生息していたことがあり、遺伝子解析が進んだことで2種が交雑していたことがわかってきました。そのハイブリッドが欧米人で、どうやらその交雑の遺伝子がコロナ重症化の一因ではないかと、夏頃から言われている学説があります。



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【10月1日 AFP】約6万年前にヒトゲノムに挿入されたネアンデルタールの遺伝子の断片が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスクを高めることが分かったとする研究報告が9月30日、英科学誌ネイチャー電子版に発表された。ネアンデルタール人から受け継いだ遺伝子コードを保有する人が新型コロナに感染すると、人工呼吸器が必要となる可能性が3倍高くなるという。



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アジア人のほとんどはそれを持っていない生粋のホモ・サピエンスですから、重症化や発症数が少ない、という幸運に恵まれているというわけです。よかったですね、お互い、短足胴長鼻ぺちゃで、性格が穏やかなアジア人で。



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そう言えば薔薇もハイブリッド種は美しいが、香りが少ない。掛け合わせると互いの良い点が残るというのは、確かメンデルの法則でしたよね。それによって F1品種という種が世界中の農業に行き渡って、同じ形、同じ大きさの野菜が店頭に並んでいると、チコちゃんでもやっていました。そのことの問題・弊害は別の機会に置いとくとして、バラが美と引き換えに香りを失ってゆくように、何万年か前の人々の営みが今に祟っているとしたら、どうやら神様は交雑を嫌っているってことなんでしょうね。



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日本人はワビサビを解し、紅葉や虫の音に風情を感じる。だから借景という技法も多用されてきた。紅葉も虫の音も欧米人にはピンと来なくて、大国の宰相たる者が平気でアメリカファーストなどと叫び、国民からの拍手喝采を浴びていた。で、感染者数は日本とは桁が違う。遺伝子云々の真偽はわかりませんけど、何か、自然の感じ取り方とか、繊細さ(弱さ・やさしさ)とか、その辺りに生存の鍵があるような気がするのです。



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あ、そう言えば都知事も一時期、東京ファーストって言ってましたよね。でもあまり拍手はされず、その後あれこれ批判されたりして、そうこうしていたらコロナが始まっててんてこ舞い。今は口が裂けても東京ファーストなどとは言わないでしょう。やはりそう、神様は乱暴者が嫌いなのですよ。神様は気がやさしくて勤勉で、自然の風情を解する民を可愛がってくださる。いやあ本当によかったですよね、短足胴長鼻ぺちゃなアジア人で。



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そうそう借景です。遠方の景観を部屋なり庭に取り込むためには、手前に遠景の中にある要素のひとつを置くこと。背景が森なら木を、竹林なら竹を、山なら築山を庭に配する。すると庭景色に奥行きが出て、背景にある雄大さや自然豊かなイメージが限られた庭空間に発生する。〇〇ファーストの人は逆で、手前にある自分の特質を周辺に広げようとするわけで、つまり外に向かって侵略していこうというやり方なんですよね。これが強者である〇〇ファースト、ネアンデルタール的思考です。



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奥行きのある人はメンデルのそら豆の如く、他人の利点を取り込んで自分を変化させてゆく。借景を使って庭を広く味わい深く仕立ててゆく。いやあ本当によかったですよね、短足胴長鼻ぺちゃな純血ホモ・サピエンスで。とはいうものの、第三波のグラフ上昇は止まる気配なし。ここはひとつ、コロナ対策に成功している国の人たちを借景にして暮らすというのはいかがでしょう。ニュージーランド、台湾、アイスランド、デンマーク、フィンランドなど。



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これらの国の共通点は?それはですね、女性宰相だということ。これは偶然ではなく、危機に際して女性の方が現実の正確な把握と最良の方法を選んで進む決断力があるし、その判断の根底に母性とか、女性特有の生身な愛情がある、ゆえに良い結果を生んでいるということなのでしょう。ええっと、女性、女性・・・小池さんですかね。あと岡田晴恵さん。おふたりとも周囲の男どもに翻弄されてなかなか本領を発揮できずにいますけど、ぼくはおふたりの言うことを支持し、真剣に実行しようと思います。家庭においても庭づくりでも、女性宰相のリーダーシップが安泰をもたらすことを、常々実感していますしね。



ニュージーランドのヒット曲を検索していて見つけました。

『 Yumi Zouma - Cool For A Second 』

なかなかいい感じ。
他にも数曲聴きました。どれも、とてもリアルに人間っぽくて、
なんかいい気分になったのであります。