桜の威力は人々を見上げさせるということにある。見上げると背筋が伸びて、口と喉が開いて空気が取り込まれ、瞳が開いて光を感じ、つられて気分が晴れ晴れしてくるのです。



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そう言えば、子供の頃はよく親から猫背を注意されていました。なんか、内気だったんですよね。いつもうつむきかげんにとぼとぼと歩く少年でした。それが高校生になり登山に夢中になって矯正されました。リュックを背負っていると猫背ではいられなくて、おまけに目指すは頂上ですから意識は上に向いている。



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面白いことに下り坂でも背筋は伸びたままです。シャンとして重力と真っ直ぐな姿勢をキープすればひょいひょい駆け下りることができ、うつむくと歩みが慎重になるあまり膝が疲れてしまって、つまづいてしまいがち。



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今もカメラ担いで野山を歩くのは、アップダウンがあって舗装されていない道をひょいひょい歩くことが楽しいからかもしれません。



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日に何度か意識して、スカイフック(脳天に取り付けたフックで吊り下げられている姿勢)でスッと立つ。前のめりでもなく、ふんぞりかえるのでもなく、地球と垂直に立つ心地よさ。それを確認したら、設計設計また設計。焦るでもなく、もちろん手を抜くこともなく、お客様から「いわふちさんはのんびりしていますね」と言われながら。いやいやのんびりしているわけじゃなくてですね、ベストな姿勢をキープしているのです。そうじゃなきゃベストな庭は描けませんから。