久しぶりの雨の朝、空気は湿気があるせいか冷たくはない。パジャマに上っ張りを羽織って庭へ。
天気予報では明日からまたしばらく穏やかな晴天が続くとのこと。



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まだ薄暗い庭の書斎に腰掛けて、パソコンを繋いで音楽を決める。師走だし、今年をちらっと振り返るのもいいかと思い、しばし目を閉じて黙考。ちらっとだけ、天気のことだけにしておこう。朝の庭時間は短いので。



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今年の空模様は、人を励まし続けていたような。夏が少々短くて、それに対応した植物たちの姿も込みで。熱海の土石流を人災に仕分けすれば、悪天候による自然災害はなかった。台風は何度もギリギリ逸れて、これも被害は出なかった。



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天気とは因果なもので、荒れればこぞって恐れられ、穏やかな時には誰も話題にすらしない。意識に入らないような静かな陽射しの日に、感謝するのは農家と、外仕事の職人さんと、庭ずきの人たちくらいのもの。平和とはそういう、意識の外にある、空気のようなものなのだろう。



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普通に、ごくごく普通に、安全で、不安なく、ご飯がおいしくて、家族が愛おしくて、どこも痛くない。その人を照らす太陽光と優しい空気の流れが「それでいいんだよ。それが大事なんだよ」と、今日もご無事で行ってらっしゃいと送り出し、お帰りなさい、いい日だったね、と迎えてくれるありがたさよ。



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長い長いコロナトルネードの末に、お天道様に感謝するような心持ちに行き着いた方々よ、よかった、本当によかった。もしも台風が荒れ狂っていたら、夏が灼熱で人がバタバタ倒れるようだったら、心の行き場を失うところでした。だから、ですね、今年の天気はぼくらを見守り励まし続けてくれたのだ、などと思う次第です。



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さ、今日は雨音を楽しみながら、設計設計また設計。明日から数日続く現場作業も、きっと天は我に味方してくれることでしょう。


 今朝選んだのは、映画『いちご白書』のテーマソング。
アップテンポでヒットしたバッフィー・セント・メリーもいいけど、
あえて作者のジョニ・ミッチェルで。
まるで別の曲みたいに歌詞が沁みてきます。


 


The Circle Game

ひとりの子供が好奇心と出会ったのは、ついこの間のこと

捕まえたトンボはビンの中

雷がとどろく空に怯え

流れ星に涙したのです


そして季節は何度もめぐっていきます

ペンキで塗られた子馬は上がったり下がったり

私たちは時という回転木馬に乗った捕われ人

戻ることなどできません

ただ、私たちが通ってきた足跡から、後ろを振り返るだけ

季節はめぐりめぐっては回り続けるのです

サークルゲームの中で


それから少年は10回の季節を駆け抜けて

その間に同じ数の清らかな氷の小川を滑りました

「大人になったらね」って言葉になだめられて

いつかきっと夢をかなえようと誓うのです


16回の春と16回の夏が過ぎていきました

おもちゃのカートは町を走る本物の車になります

季節たちが彼に言うのです

「ゆっくりと時間を楽しむのさ。今のうちだからね」

そのうちに足を引きずるようになるから

時の流れを遅くするためにね


そして月日は流れ、あの少年はもう20になりました

実現させようと抱いていた夢は少し輝きを失ってしまったけれど

新しい夢が、たぶんもっと素晴らしくて豊かな夢が

生まれるでしょう

最後の年が回転し終わる前に


そして季節は何度もめぐっていきます

ペンキで塗られた子馬は上がったり下がったり

私たちは時という回転木馬に乗った捕われ人

戻ることなどできません

私たちが通ってきた足跡から、後ろを振り返るだけ

季節はめぐりめぐっては回り続けるのです

サークルゲームの中で