ライク・ア・ローリングストーン、転がる石のように。ご存知ボブ・ディランの代表曲のひとつです。
日本では「転石苔生さず」と申しまして、ああ川の流れのように(美空ひばり)、あの川の流れのごとく何かに身を委ねて(吉田拓郎) 、サラサラと軽やかに行けよという意味。ところがこの「転がる石のように」という教示の解釈がアメリカとイギリスでは正反対だそうな。
昨日は少し早めに帰って、今年最後の雑草取り。
昨年よりも勢いのないバラに強めの追肥をあげて、
一角には良い具合に茂ったホトケノザを残し、
春に向けての植替えまではできなかったものの
これで新年を迎えられます。
あ、部屋の大掃除は来年ということで、
あと数日、設計設計また設計。


どう違うか、アメリカでは「苔生さないように転がり続けよ」で、イギリスでは「いつまでも転がってたら綺麗な苔は生えないよ、地に足付けて暮らすべし」。面白いですよね、歴史の浅いイケイケ大国と伝統重視のお国柄によるこの違い。
さてさて日本では、ぼくの認識ではアメリカンスタイルでした。でももしかしたらこれからは、地に足つけたイギリス的解釈が正しきアフター・コロナの心構えなのかも、などと思った次第。庭を楽しむ賢者たちに共通することとして伝わってくる、きちっとした感じはまさしくこれで、ちょっとやそっとでは足元が揺るがない。そして自分を世界の中心に据えておいて、半径5メートルに意識を持っている。そのエリアを暮らしのお作法や幸福だった記憶に基づいて整え、降り注ぐ幸福な光を遮る雲がかかれば移動するし、危険の種が入り込んできたら弾き出す。
年の瀬に、やっぱり来たかとつぶやいてしまう第六波の兆しはあれど、地に足付けて半径5メートルの充実を図りましょう。もう大丈夫、当たり前に家族を愛し、暮らしを整え、健全な気持ちをキープすることが何よりの予防策であることに気づいた人たちで、今日も園芸売り場は賑わっています。
はあ、ようやく来ることができました。ご近所さん教えてもらって、こちらに来れば庭のことをあれこれ教えてくれるって聞いたもんだから。先月来ようとしたら転んで顔やら腕やら傷だらけになっちゃって、たんこぶはできるしで、見た目が悲惨すぎるから外出せずに大人しくしていたんですよ。
そのお爺さんは杖を突いて、でもシャンとして店に入ってこられました。年齢は80代後半でしょうか。良い仕立ての洋服をとてもカッコよく着こなしています。
ご来店ありがとうございます。ご近所ですか?
磯子区です。車で来ました。家族には免許を返上しろって言われているんだけど、お役所からは最高齢運転者だってんで表彰されてます。こないだ無事更新が済んだし、まだまだ乗れます。
いやほんとに、安全運転してくださいね。で、庭のことですか?
はいはい、そうなんですよ。
そこから始まったのは、相談と言うよりは、庭があることでいかに来し方の日々が楽しかったかという庭談義。あれれ、話の内容が楽しくて、いちいちぼく好みにできすぎている。もしかして・・・
孫にホームページの開き方を教わって、あなたのブログも。で、一度お会いしたかったんですよ。庭ってのは本当に素晴らしいものです。あなたの庭観に共感しました。
アッチャー、それはそれはありがとうございます。照れます。
庭は植物のためではなく、人が幸せに暮らすための場所。おっしゃる通り。これからもお元気で、良い庭を作ってくださいね。
いやほんとに、身の置き場がないとはこのこと。高齢の紳士から褒めちぎられながら1時間ほど、ぼくの方が庭についての知恵をたくさん頂戴して、恐縮しきりの時間を過ごしました。
ではそろそろおいとまいたしましょう。楽しかった。
こちらこそ、ありがとうございました。気をつけて帰ってくださいね。
帰り際、紳士は驚きの一言を。
私、いくつだと思います?
80代かとお見受けしますけど。
ふふ、ふふふ、102歳になりました。なかなか死なない。まあ急ぐことでもないし、神様にお任せしています。
驚愕。呆然。あんぐり。じゃ、また遊びに来ますね!と、後ろ手に、杖を突いていない方を2度振って駐車場へと歩いて行かれました。しばし、幻じゃないよな、と自問しつつ、とても心地良い気分に浸りつつ次の設計に着手しました。
102歳って、冗談だったのかな?どうもそうは思えないし・・・、まあいっか。また来て欲しいなあ、お爺さん。あ、これも読んでるかも。ご来店ありがとうございました。とても嬉しい時間でした。ぜひまたのお越しをお願いします。できればお孫さんの運転で。
102歳・・・冗談か、いや・・・まあどっちでもいいけど、お爺さんが発する独特なオーラに包まれて、忘れられない出会いとなりました。左手に握っている杖は奥様の形見だそうで、とは言っても「捨てるのはもったいないから使ってます。無くても平気で歩けるんですけどね、ある物は使おうと思って」と、サバサバしたものです。どんな人生を送ってこられたのか、次の機会があれば根掘り葉掘り伺ってみようと思います。西芳寺の如く美しい苔が生えていますね、お爺様。
半径5メートル、直径10メートル。たくさんの美しき円が縁としてリンクしながら、街が輝きを増してゆく、そんなイメージで、素晴らしき2022年となりますように。
《A rolling stone gathers no moss.》職業や住居を変えてばかりいる人は、地位も財産もできないの意の英国のことわざ。 転じて、活発な活動をしている人は時代に取り残されることがないの意でも用いる。 転がる石には苔は付かない。
日本では「転石苔生さず」と申しまして、ああ川の流れのように(美空ひばり)、あの川の流れのごとく何かに身を委ねて(吉田拓郎) 、サラサラと軽やかに行けよという意味。ところがこの「転がる石のように」という教示の解釈がアメリカとイギリスでは正反対だそうな。
昨日は少し早めに帰って、今年最後の雑草取り。
昨年よりも勢いのないバラに強めの追肥をあげて、
一角には良い具合に茂ったホトケノザを残し、
春に向けての植替えまではできなかったものの
これで新年を迎えられます。
あ、部屋の大掃除は来年ということで、
あと数日、設計設計また設計。


さてさて日本では、ぼくの認識ではアメリカンスタイルでした。でももしかしたらこれからは、地に足つけたイギリス的解釈が正しきアフター・コロナの心構えなのかも、などと思った次第。庭を楽しむ賢者たちに共通することとして伝わってくる、きちっとした感じはまさしくこれで、ちょっとやそっとでは足元が揺るがない。そして自分を世界の中心に据えておいて、半径5メートルに意識を持っている。そのエリアを暮らしのお作法や幸福だった記憶に基づいて整え、降り注ぐ幸福な光を遮る雲がかかれば移動するし、危険の種が入り込んできたら弾き出す。
年の瀬に、やっぱり来たかとつぶやいてしまう第六波の兆しはあれど、地に足付けて半径5メートルの充実を図りましょう。もう大丈夫、当たり前に家族を愛し、暮らしを整え、健全な気持ちをキープすることが何よりの予防策であることに気づいた人たちで、今日も園芸売り場は賑わっています。
はあ、ようやく来ることができました。ご近所さん教えてもらって、こちらに来れば庭のことをあれこれ教えてくれるって聞いたもんだから。先月来ようとしたら転んで顔やら腕やら傷だらけになっちゃって、たんこぶはできるしで、見た目が悲惨すぎるから外出せずに大人しくしていたんですよ。
そのお爺さんは杖を突いて、でもシャンとして店に入ってこられました。年齢は80代後半でしょうか。良い仕立ての洋服をとてもカッコよく着こなしています。
ご来店ありがとうございます。ご近所ですか?
磯子区です。車で来ました。家族には免許を返上しろって言われているんだけど、お役所からは最高齢運転者だってんで表彰されてます。こないだ無事更新が済んだし、まだまだ乗れます。
いやほんとに、安全運転してくださいね。で、庭のことですか?
はいはい、そうなんですよ。
そこから始まったのは、相談と言うよりは、庭があることでいかに来し方の日々が楽しかったかという庭談義。あれれ、話の内容が楽しくて、いちいちぼく好みにできすぎている。もしかして・・・
孫にホームページの開き方を教わって、あなたのブログも。で、一度お会いしたかったんですよ。庭ってのは本当に素晴らしいものです。あなたの庭観に共感しました。
アッチャー、それはそれはありがとうございます。照れます。
庭は植物のためではなく、人が幸せに暮らすための場所。おっしゃる通り。これからもお元気で、良い庭を作ってくださいね。
いやほんとに、身の置き場がないとはこのこと。高齢の紳士から褒めちぎられながら1時間ほど、ぼくの方が庭についての知恵をたくさん頂戴して、恐縮しきりの時間を過ごしました。
ではそろそろおいとまいたしましょう。楽しかった。
こちらこそ、ありがとうございました。気をつけて帰ってくださいね。
帰り際、紳士は驚きの一言を。
私、いくつだと思います?
80代かとお見受けしますけど。
ふふ、ふふふ、102歳になりました。なかなか死なない。まあ急ぐことでもないし、神様にお任せしています。
驚愕。呆然。あんぐり。じゃ、また遊びに来ますね!と、後ろ手に、杖を突いていない方を2度振って駐車場へと歩いて行かれました。しばし、幻じゃないよな、と自問しつつ、とても心地良い気分に浸りつつ次の設計に着手しました。
102歳って、冗談だったのかな?どうもそうは思えないし・・・、まあいっか。また来て欲しいなあ、お爺さん。あ、これも読んでるかも。ご来店ありがとうございました。とても嬉しい時間でした。ぜひまたのお越しをお願いします。できればお孫さんの運転で。
102歳・・・冗談か、いや・・・まあどっちでもいいけど、お爺さんが発する独特なオーラに包まれて、忘れられない出会いとなりました。左手に握っている杖は奥様の形見だそうで、とは言っても「捨てるのはもったいないから使ってます。無くても平気で歩けるんですけどね、ある物は使おうと思って」と、サバサバしたものです。どんな人生を送ってこられたのか、次の機会があれば根掘り葉掘り伺ってみようと思います。西芳寺の如く美しい苔が生えていますね、お爺様。
半径5メートル、直径10メートル。たくさんの美しき円が縁としてリンクしながら、街が輝きを増してゆく、そんなイメージで、素晴らしき2022年となりますように。
《A rolling stone gathers no moss.》職業や住居を変えてばかりいる人は、地位も財産もできないの意の英国のことわざ。 転じて、活発な活動をしている人は時代に取り残されることがないの意でも用いる。 転がる石には苔は付かない。