今日が誕生日であることにまったく気づかずに、夜明け前のまだ十分に暗い時間から資材置き場で、チェーンソーを振り回してひと汗かきました。ガーデンリフォームの現場で出た何本かの丸太を、処分しやすいように切り刻む作業で、これが好きなんですよ。なんか田舎っぽいというか、越後の山奥育ちなもので、子どもの頃にチェーンソーを扱う大人の姿がカッコよく見えたし、実家の裏が大きな製材所だったもので、木屑の香りにワクワクするのです。その製材所には広大な貯木池があり、そこにはヌシと呼ばれていた途方もなくでかい鯉がいて(実際に見た者はいなかったのですが)、その子分である普通の鯉や鮒や釣り放題(ただし、大人に見つからない限り)。材木と木屑が腐食した香りが満ちている敷地の何ヶ所かにはぼくだけが知る昆虫の楽園があって、夏休みには毎朝、暗いうちに忍び込んでクワガタとカブトムシを捕獲。まだ寝ている家族を起こさないように、忍び込むよに家に帰ってラジオ体操の時間まで二度寝をするという日々でした。そんな記憶が蘇る、丸太切り作業の楽しさよ。



春は黄色から始まって、次に街はピンク色に染まります。
さあここからは色とりどりで、
目が離せない、カメラを手放せない季節の到来。

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チェーンソーを扱うコツは調整にあります。チェーンの張り具合、オイルの補充と噴出口の点検、使い終わったら必ず分解掃除をし、オイルを足し、刃を研いで次の作業に備えておく。これらを怠ると途端に切れなくなるし、それでも負荷をかけて作業を続ければチェーンが外れて大怪我につながる。



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2時間ほどかけて順調に丸太を切り刻み、大量に降り積もった木屑を片づけ、充実感の中で分解掃除している時に、あ、今日で62歳だ、と唐突に気づいたのです。還暦過ぎると年齢のことが気にならなくなるような、とにかく今日いち日を充実させるのだ、という思いの繰り返しで時が過ぎて行くような。 



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さてさて、そうは言っても節目の誕生日ですから自分に向けた祝辞と謝辞を。



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思えば遠くへ来たもんだし、よくぞここまで辿り着いたものだ。破天荒というか、風変わりというか、波乱万丈の旅をなんとかかんとか歩み続けて、気づけば小学生の自分と同じようなことをし、ワクワクしている。上出来だよ、と、誉めて遣わす。さてさてここからの人生は・・・自分の誕生日を忘れていたくらいだから、目標とか、抱負とか、そんなことはやめておこう。ただひとつだけ、ロシアの報道に触れるたび世の中に迷惑をかけるような老い方はすまいと、それはわりと強く思っているのです。事態がここまで来ると、狂った老人の暴走というだけでは理解できない。いったいぜんたい、どういう感覚なのか、あえて両国ともに。人の命を雑草ほどにしか捉えていない人々って、どんな人生観を持っているのでしょう。昔の日本もそうだったわけですけど、無体に命を踏みにじってまで守らなければならない国家や名誉や、そんなものは狂人が抱く虚しい幻想にすぎない。Love & Peace 、家族を、家庭を大切に、仕事を生き甲斐に、毎日ワクワクを追いながら我は行く。この道どこまで続くやら。



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相も変わらず、愛も変わらず、仕事の山は標高を上げる一方です。さ、今日も設計設計また設計。チェーンソーと同じく、こまめな整備を怠ることなく、切れ味をキープしながら来年の今日まで。っていうか、夕方まで充実の時間を過ごします。


本日の出囃子はこれで。