ティータイム

2023年はこんなスタートで

 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
 意図的に、年末は良く働いた2022年の締めくくりとして、そして新年はさらに働きまくる決意を込めて、のんびりするのは少しにして突っ走り続けて駆け抜けるイメージを持ちました。一区切りつけるのはもったいないと思ったのです。そしてその通りに過ごして今日に至りました。父が亡くなったことの影響も多少はあるのか、自分史上かつてないほど仕事へのエナジーが満ちています。当然のことながらクオリティも上がる一方で、新たに出現する庭の一つ一つが大いに好評をいただきまして、やればやるほどいい気になって行くプラスのトルネード。いいぞいいぞ、必死のパッチを積み重ねるうちに、予想だにしなかった成果やたくさんの感動が舞い込んでくる。もしもあなたが感動の庭暮らしを実現したいなら、この好調が消えてしまわないうちにご依頼を、などと思ったりもしています。



元旦だけ仕事を休んで、何をしたかといえば撮影散歩。
お目当ては新春の野に出現する仏様。
ファインダー越しに見つめると、
こんな些細な雑草に、
感謝と共に身が引き締まる思いがするから不思議です。
&、ああ、美しきかな。
これがぼくの初詣。

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 などと調子こきつつも、嫌なこと、悲しい出来事、不安、悔やみなどの、感情をネガティブに突き落とす出来事は寄せ来る波の如くに尽きないわけで、実際年末から年始にかけて、弟のように思っていた友を失いました。亡くなり方があまりよくなかったこともあり、実のところ今も気持ちはぐしゃぐしゃのまま。でもね、悔やみは後で、じっくりと、たっぷりとするからちょっとそっちで待ってろや、すぐに俺も行くんだから、と合掌して仕事頭へワープする。庭だよ庭、素晴らしき人生には素晴らしき庭が必要なのである。そう確信している理由は後で、じっくりと、たっぷりと解説するとして、とにかく目の前に出現しつつあるいくつかの幸福なる庭を、最高の出来栄えに仕上げるが、我が命の理由なり。



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 ところで、お正月はいかがでしたでしょうか。家族が幸せであることを確認し、今年も元気に、健康で、笑顔で頑張っていこうと誓い合ったり励まし合ったり。ただし愛情表現が下手くそな民族ですから、そんな思いを面と向かって言葉にする夫婦も親子もいないわけで、代わりに横並びになって賽銭を投げ、二礼二拍手一礼。その正面にはアマテラスやら御大師様やら、如来や菩薩や八百万の神。いいんだなあ、家族で詣でるあの姿。間違いなく、老も若きも全員が、己が幸福とは何なのかを脳内で思い描けている瞬間です。あとはその、ハッピーな映画の予告編映像を大切にして、消さずに日々を送ること。それができるかできぬかが、神様からあなたに課せられた生きる課題なのでありますよ。



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 ところでパート2。レコ大、紅白が、昭和時代と違って感動的じゃなくなったのは仕方なし、すっかりガッカリすることもなくなりまして、選ぶ番組はお笑いとドキュメント。ああ、ダメ、つまらなさすぎる。ことにお笑いは・・・。これは芸人のレベルが低いのではなく、受け手である自分の中に、腹から笑うような何かの成分が枯渇しているのでしょう。ああ、いかんいかん、かつてあれほど嫌っていた『笑わない爺さん』に成り果ててしまったか。しか〜し、老人力は培われている。笑いは減ったが感涙は増えた。モニタリングの名物コーナー、石井竜也の歌声に泣けて泣けて。あれは見事ですなあ。それと撮り溜めてあったポツンと一軒家を一気にチェックして気づいた、所さんの三つの言葉。 VTRの感想で、ポソッと、サラッと、「やさしいね」「仲がいいなあ」「綺麗にしてるなあ」。毎回さりげなくこの三つが出てきます。やさしく仲良く美しく暮らす桃源郷、これだよなあ。



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 まあ、2023年はこんなスタートで。何だか世の中、どこまで行っても気が滅入ることばかり。しかしこの愚かな状態は、有史以前からそうだったわけでありまして、つまりそれはどこまで行っても、あなた個人の、幸せを築く能力が問われているのである、ということ。そして、幸せを築き上げる場所は家庭ですよ家庭。そして家と庭で家庭ですから、我田引水、大事なのは庭ですよ、庭。やさしく仲良く美しく、理想の庭を育みながら暮らしましょう。大事なんですよ、本当に、やさしく仲良く美しく。



新春の出囃子は Sadistics で。
さほど評価されていないけど、
日本の音楽史上に燦然たる、孤高のピークだったのです。
心地よさを紡ぐ一流職人集団。
仕事はこういうふうにやらなきゃね。 








年の瀬メランコリー

 12月に入ると日に何度か胸が苦しくなるのです。なりません?なりますよね。イルミネーション、クリスマスソング、おせちや初詣のコマーシャル、刻々と迫ってくる年末年始のイベント事が幸多きものとなりますように。そんな思いを先手を打って、サンタクロースと天照大御神に祈りたい気持ちになるのです。もちろんどう考えてもそうなる、幸いなる年越しができる状況にあるわけなのに、なんですかねえ、クロアチアとのPK戦直前みたいな気分が湧いてきて、もしかして、もしかしたら、みたいな。



師走の花、皇帝ダリア。
今年は台風がなかったので、あちらこちらで天高く咲いています。

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 いやいや、根拠のない自信ならいいが、根拠なき不安は禁物である。イメージイメージ、イメージできたらできたも同然なり、と自分の尻を叩きつつ払拭できない、胃の辺りが重くなるようなこの不安。とはいえこれは師走の風物詩的症状であって、家族に恵まれ、仕事に恵まれ、健康にも恵まれていることを感謝するトリガー、引き鉄のようなものなのでしょう。あるいはこういうのをトラウマって言うんですかねえ。遠い過去に何度かあった孤独なクリスマス、明石家サンタの鐘の音に泣き笑いした切なさが古傷になっているのかも。



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 まあいいです。こういう年の瀬メランコリーも込みで、クリスマスまで丁寧に、いち日いち日を積み重ねてまいります。などとつらつら考えながら薄暗いうちに出勤。交差点で停車したら、な、な、なんと、眼前に映画の特集撮影みたいにデカいお月様がポッカリと浮かんでいるではないですか。色はオレンジ。あわててカメラを取り出し信号が変わる前に1枚だけパシャっと撮影できました。



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 そうだ、今日は今年最後の満月なのだ。月食の夜、楽しかったなあ。いい夏だったし、精一杯仕事ができたし、孫たちは元気に笑いっぱなしだったし、何年振りかの良き一年だった。ふふふのふ、いいぞいいぞ、PK一発目はゴールが決まった。PK戦ってのは半分は運ですからね。この月との遭遇は極めてラッキーである。よっしゃ、浮かれる気持ちを抑えつつ、ウキウキを地に足つけたワクワクに変換しながら、今日も盤石なる幸福な暮らしの舞台にふさわしい庭を、設計設計また設計。全力で、心を込めて思い描きます。









  

結陽の七五三

忙中閑あり→壺中天あり。孫の結陽がめでたく、愛でたく、七五三を迎えました。



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結陽、美空、ジイジくんは幸せだ。ありがとね。



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娘夫婦に大感謝。



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ありがたや、ありがたや。



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この時間を糧として、さてと、幸福な家族のステージとなる庭を、設計設計また設計。



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ちなみに来年6月まで仕事はいっぱいいっぱいですから、設計のご依頼は気長な方限定となっております。



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横浜の庭にひとつでも多く笑顔の花を咲かすべく、花咲か爺さん頑張ります。



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などとつらつら書いていたら、娘から前撮り写真が送られてきました。



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さすがにプロフェッショナル、お見事。ぼくもプロですから、こういう庭を思い描かなきゃね。



ふたりがこんなレディになってくれるまで、
一緒にいられたらいいなあ。
結婚式とか、イメージしただけで泣けてくるのだよ。

 



 

キッチンで天体ショー

 昨夜はカメラ担いでワックワクしながら帰宅。月はどっちだ、と見回すと、なんとなんとキッチンの窓の正面に浮かんでいるではないか。厚着をして庭で見上げる予定を変更し、料理をしながら撮影することに。



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 アルコールはジャック・ダニエルをロックで。BGMはブルー・ムーンを、今宵はロッド・シチュワートで。



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 キッチンタイマーを使い5分毎にファインダーを覗いて、呼吸を整えシャッターを押す。



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 縄文人はこの現象をどう捉えていたのだろうか、とか、月夜見尊のこととか、日本中で同じ月を見上げている幸福な家族の姿と子供たちの瞳、オスカー・ワイルド曰く「我々は全員ドブの中にいる。でも、そこから星を見上げている奴だっているんだ」とか次々と。



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 脳内のスクリーンに展開する4時間のプライベートな映画を、ひとりほろ酔いで楽しみました。



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 次の皆既月食は、2025年9月8日だそうな。晴れるといいですね。



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 3年後の9月かあ・・・次回は庭でバーベキューをしながら、孫たちと一緒に。







 



 

囲炉裏ばた

 とんとん昔があったとさ。深々と雪が降る夜の囲炉裏ばたで、綿入れ羽織って小さく丸まったお婆さんが、孫たちに語って聞かせる昔話の出だしです。



越後はそろそろ雪景色。
横浜の紅葉はここからが盛りなり。
色づく葉っぱに足並み揃え、
今日も設計に高揚す。
師走が近づき、焦る気持ちを諌めつつ。

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 先日ラジオ番組に加藤登紀子さんがゲスト出演し、生で知床旅情を歌いました。あの事故から1ヶ月ほど封印していたその曲を、年末恒例の全国ツアー『ほろ酔いコンサート』で歌う決心をしたとのこと。まだ発見されていない人も多く、とてもじゃないけど歌うことができなかったのでしょう。 



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 ぼくは数あるお登紀さんのヒットの中で、知床旅情は異色だなあと思っていました。当時、数年前に森繁久彌が歌い人々に馴染まれていた、のどかな民話のような流行歌をなぜ加藤登紀子がカヴァーしたのか疑問符がついていたのです。



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 全共闘の嵐の只中から燃える松明を掲げ街へ出て、世の中がどう変わろうともその炎を掲げ続けたジャンヌ・ダルク、加藤登紀子。そんな彼女に知床旅情が馴染まないような気がして、小さな引っ掛かりとなったまま数十年。しかしそれは、番組内でのトークで解消されました。お登紀さんは語ります。



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 公にはたぶん初めて話すことなんですけどね、知床旅情は旦那との思い出の曲なんですよ。出会ったその日に意気投合してお酒を飲んで、「じゃあそろそろ」と帰ろうとしたら、あの人が「もう少し一緒にいてほしいなあ」と引き止めて、知床旅情を歌ってくれました。だから私はずっと歌っているの。百万本のバラと知床旅情は特別なんです。



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 お登紀さんと、ご主人藤本敏夫さんの人生は、年配の方ならご存知ですよね。なんだかなあ、加藤登紀子というお方は、どこまでも熱くて、そして可愛らしいんですよねえ。ほんとに、我が女房に可愛らしさを足せば加藤登紀子になる。あ、贅沢は申しません。ぼくは藤本さんの足元にも及ばぬへなちょこですから。



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 百万回爪弾いたギターの音色と、囲炉裏ばたのとんとん昔を思わせる歌声。一節一節の詩が胸に来て、へなちょこ爺さんは泣けて泣けて。



 

 今日は立冬。知床の岬に吹く風はつべたいこいとでしょう。悲しくて悲しくてただ海を見つめている人が、お登紀さんの囲炉裏に集ってくれるといいな。とにかくさ、温まらないと。



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 ジャンヌ・ダルクは火炙りにされ、歴史の宝となりました。日本のジャンヌ・ダルクは闘争の松明から火を移した囲炉裏ばたで、今日も歌っている、ぼくら世代の宝物です。




 

山頭火浮かんだ散歩道

貧しう住んで これだけの花を咲かせている

 故郷の法事を終え、実家の裏手を散歩していた時に不意に浮かんだ山頭火。貧しいわけではなく、慎ましやかに暮らしている田舎の人々は、畑の隅や軒先に、これでもかと花を咲かせているのです。今回は親父の四十九日でした。葬儀と同じくお経から納骨まで、親族一同が淡々と、和やかに事が進んでホッとしたような。悲しみは不可解なほど少なめで。



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 このように花をいっぱい咲かせているご近所さんたちにも、いろいろとあるわけです。都会と違ってここ数十年間は慢性的に不景気だし、冬は雪との闘いだし、それぞれの家族にそれぞれの悩みや苦労や不幸なことが、巡る季節のようにやってくる。しかし誰も、誰一人もそれを苦にしている様子はない。季節と同じだから、すぐに、必ず、次の季節がやってくることを、大人から子供まで知っているからなのでしょう。



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 おりしも越後三山の頂上が白くなり、手前の低い山々は 山頂から中腹が紅葉真っ盛りで、もうすぐ里に降りてくる頃合い。大概このタイミングで初雪となり、色鮮やかな風景がひと降りで灰色になってしまうのです。冬が来る。人々は野沢菜洗いと大根抜きと雪囲いを急ぎます。



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 正月くらいから始まる除雪作業はかなりの重労働で、都会の人なら1日で音を上げます。しかし子供の頃から繰り返してきた老人にはごく普通の、飯を食うくらい日常的なことであり、ラジオ体操程度にしか感じないちょうどいい運動になっている。それでも冬型の気圧配置が一週間も続くと、町中の人が疲労困憊で顔色が悪くなる。でも誰もそれを嘆く者はいないわけでして、いたとしたら病人か怠け者という噂が広がるだけだから、グッと我慢しているのかもしれません。雪国人の我慢強さは案外そんな理由であると思われます。親が口癖のように言う世間体とか、子供の頃は大っ嫌いだったけど、それは田舎暮らしに必要なタガなのかもしれませんねえ。



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 雪は魚沼盆地一帯に、平等に降り積もります。平等だから、若い衆は弱い立場の人を普通に助けます。自分もそのうち弱者になることを知っているし、だからお互い様なのです。そして共存のために、隣近所は家族的につながります。日に何度か、ご近所さんや近郷近在で暮らしている知り合いが家の中にいるのが当たり前で、収穫した野菜をやりとりし、魚野川の鮎や、時には山の獣を仕留めて解体して配り回る。熊などは超が着くご馳走で、肉だけでなく、熊の胃の苦味は、今でも思い出すだけで胸焼けが収まるほどの胃薬効果がありました。



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  貧しう住んで、これだけの花を咲かせている。やはりそう、貧しいのではなく、お互い様の暮らしは永久に豊かなことなのです。豊かさとは財力ではない。財産とは心の中と、家族と地域の人たちとの関わりの中にある。雪国育ちのぼくはそのことを実感できるのですが、都会育ちの方々には想像もできないことなのかもしれません。だからできるだけご近所と関わらないように、互いに息をひそめるように暮らし、時たまいる『関わる者』は、やや病んだトラブルメイカーだったりするものだから、いやはや。



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 トラブルメイカーの家は、仕事柄、すぐに判別できます。チラシお断り、犬のフンに対する警告文、ひどくなると「北朝鮮が攻めてくる」と汚く殴り書きした紙が何枚も。おっといけねえ、長年庭にまつわるご近所トラブルの相談を受けながら、とても気になる風景なものでついつい激しい言い方になってしまいました。そこまでいかなくても、共通しているのは玄関先や庭が殺伐としているということ。気がついている人も多かろうと思います。訪問販売系の人たちは必ずそこを観察して、善良なる販売員は敬して遠ざかり、悪質な者はいいカモを見つけたとピンポンを押すのです。先日もそんな事件が報道されまして、せめて玄関先だけでも健全に花咲かせていたら・・・などと思いました。



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 都会は何故ここまで貧しくなってしまったのでしょう。何かささやかな間違いを積み重ねるうちに、庭を楽しむことを忘れ、それどころかいかにして苦労を減らすかという一点からイマジネーションが広がらなという、重大な間違いにはまり込んでしまっているように思えて、早くそこからぬけださなきゃまずいでしょ、と思えて仕方がないのですが。



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 貧しう住んで、これだけの花を咲かせている。花って不思議ですねえ。食べられるわけでもないし、小学とはいえお金もかかるし、世話に費やす時間も必要だし。誰が誉めてくれるわけでおないのにせっせと咲かせている。庭の専門家でありながら上手に解析できないこの花の効用は、実は途方もないく大切な、重要な、幸福に暮らすためのお作法なのかもしれません。たぶん、間違いなく、花の数と幸せは比例するのですよ。



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 花ですよ花、花いっぱいの庭が家庭の平安を守ります。お互い様を失った都会の住宅地で、呆れるほどの花を咲かせて、その花咲く庭が連鎖して行けば素敵な地域となってゆく。誰だってそんな街で暮らしたいんですから、きっとそうなってゆくに違いなし。殺伐として暮らす人も引きずり込むほどの幸福感を放つ庭が、ちょっとずつでも増えてゆくといいなあと、法事を終えた散歩道で思う田舎者。



種田山頭火と高田渡はイメージが重なる。
歩いて歩いて、つぶやいてつぶやいて、
愚かしいほど飲んで飲んで、旅に病んで呆気なく死んじまった。
他に生きようがなかった、自分に対するクソ真面目。
二人とも大好きな詩人です。

 







夏の夜のお楽しみ

ルドベキア

花言葉

『正義』『公正』『正しい選択』・・・花名の由来となったスウェーデンの植物学者オロフ・ルドベックが公平に研究を評価する性格だったことに由来する。

あなたを見つめる・・・花の様子が目のように見えるから。

『強い精神力』『立派』・・・灼熱の炎天下で元気に咲く姿から。

ひと雨降って、ほっとしているルドベキア。
公園に自生し雑草と化した園芸品種は、
夏を謳歌している。
ぼくもまた、雑草化した園芸品種なり。
毎日情熱をたぎらせないと、心身が気候について行けなくなる季節。
10日ほども続いただろうか、
あの灼熱も、ひと雨降れば過去のこと。
強い陽射しにアフォードされて、本気モードをキープし続けるこの感じ。
やっぱり、夏はいいですなあ。

 
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 この頃の夜明けは4時半〜5時。まだ薄暗いうちに家を出て、カメラ担いで里山がある大きめな公園をひと巡りしました。早くも数種類の蝉が賑やかに鳴き競い、日向の気温は30度に近い感じで、少し歩いただけで汗が流れます。それでも早朝の空気は爽快で、ぼくと同じく起き抜けに家を出てきた人影があちらこちらに。驚いたのは、30分ほどのほっつき歩きですれ違った十数人、その全員が80歳前後の方達で、ぼくが一番若い。犬に引っ張られて早歩きをする人、杖をつきながらゆっくり進む人、お孫さんのコーディネートなのか派手なスポーツウェアでジョギングをする人、農民の格好で畑に向かう人。皆さん総じて機嫌がよく、笑顔で挨拶を交わしました。



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 一年中こうして朝の散歩を楽しむ人はいて、コロナが始まってからはテレワークの運動不足を解消するためか、若者のジョガーが増えたものの、今朝はひとりも見当たらない。きっと前日の疲労を癒すためにゆっくりと睡眠をとっているのでしょう。若いうちは睡眠で疲労を回復できる。歳をとるとそんなに長く寝ていられないし、睡眠だけでは疲労回復を果たせなくなるんだろうなあと、我が身に照らしてそう思いました。疲労が単に身体の疲れならのんびり寝ていれば良いわけで、しかしある程度の年齢に達すると、体よりも、頭の疲労を重大なこととして捉えるようになります。



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 残り時間を考えるんです。だからいち日いち日のクオリティーを上げて暮らしたいし、今日を悔い無く、健康に、上機嫌で過ごしたいと、大真面目にそのことが人生上の課題の最上位に来るわけで、だから心のコンディションを整えるため、早朝に自然の中を歩き回るわけです。これは若い人にはピンと来ないであろう自然巡礼で、庭も同じ役割を果たすんだよなあと思った次第。もちろん若者には、若者にとって意義ある庭の存在が幸福実現に有効ですから、そういう設計を積み重ねています。ことに子育て中の夫婦が円満な日々を送る、笑顔が溢れる庭、日々自然を浴び、健康に親としての成長を遂げられるエネルギッシュな庭とか、それぞれのご家庭に幸多かれと思いを込めて。そして老人の域にまで辿り着いた強運の者には、人生の仕上げを彩るような庭を、などとイメージを巡らせてきました。



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 人生の仕上げを彩る庭。人それぞれながら、終盤に差し掛かるといろんなことが不足してきます。たくさんの幸福な時間があったにもかかわらず、それらは過ぎ去り、気がつけばポツンと一軒家、ポツンとひとりきりになっている。子や孫と同居していたとしても同じことで、家庭での役回りは、かつて自分が戦い勝ち抜いてきた試合を、外野席から静かに観戦しているみたいな。求められるのは言葉少なに微笑んでいる老人像。それが賢く生きる高齢者がたどり着く家庭内でのニッチなわけで、それこそが賢者の証しなのでしょう。自分はこれから、やはりそこを目指すのか?・・・多分違うんですよね。どう考えても賢者の部類ではないし、一生現役が理想だし、自分の祖父もそうだったし、父も少々ボケてきたとはいえ地道に家業を続けているし。



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 弟は実家で整骨院を、妹は実家近くに家を構えて福祉の仕事とお好み焼き屋、そして長男のぼくは家出をして、流れ着いた横浜で自営業。我らは三代目自営ソールブラザース。気がつけばそれぞれが同等に歳を重ねて中高年となりました。たまに連絡が来て、父ちゃんがボケてきた、母ちゃんがまた被害妄想みたいなことを言って困っている、と、元気ながら周囲を手こずらせている話ばかり。こうして故郷を離れて好き勝手をしている長男坊としては、いいじゃないか、それが幸せってことだよと言いたいけど、
多少の負い目があるからそうも言えず、ひたすら「そりゃあ大変だねえ、よろしく頼むよ」とグチ聞き係。実際幸せなことですよ、高齢となった両親の面倒を見ながら暮らすってのは。その苦労も、心配も、生きてるうちの華なのだから。



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 さてと、現場も設計もいい調子。この好調をキープするために、季節とがっちり並走することを心がけ、明日も薄暗いうちに家を出て、散歩か、あるいは仕事をしましょうか。どっちも楽しいので、どちらでもいいのだ。そうそう、この頃ハマっているのがセブンのざる蕎麦。蕎麦を食うと田舎の夏を思い出す。近隣農家の親父たちは『朝飯前』と言って、薄暗いうちに田んぼの水を調整に行く。それが済んだら前日の残りの冷や飯と味噌汁で作った雑炊を丼一杯かき込んで、梅干しの握り飯と水筒を持って畑に行く。シンプルな食生活。夏はこれがいいのですよ、蕎麦とか素麺とかおにぎりとかが。水分補給は井戸水がベスト。毎朝立ち寄るコンビニには井戸水は売っていないが、ボルヴィックを買ってサーモスに移す。あれはですねえ、微妙に井戸水っぽい味がするのです。


今宵の庭は、江ノ島方向からの涼風が期待できます。
沸騰したアドレナリンをクールダウンする、
夏の夜のお楽しみ。
BGMは、こんな感じで。




 ビールは一杯だけにして、
あとはよく冷やしたカベルネだな。
なんか、そんな感じで。
早くも晩夏のイメージで。 

 

癒しとは洗い流されること

戻り梅雨と言うのでしょうか、音を立てずに降る、霧のような雨です。



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いい感じいい感じ。



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いろんなことが起こり、涙があり、感謝があり、怒りもある。



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でもね、雨が降れば洗い流されて、今日、これからやってくる時間に集中する意識が 湧いてくる。



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癒しとは、洗い流されることなり。



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さあてと、素晴らしい家族に贈る理想の庭を、この先何があろうと、その幸福を支えるだけのパワーがある世界を思い描くことに集中。



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喜怒哀楽は寄せ来る波の如し。



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それが地球に生存しているということ。



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大事なのは、今日をしっかり生きること。



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い〜い雨だ。



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そもそも朝から降ってくれると現場が動かないので、仕事のベクトルが設計一点に向くから気が楽なのだ。



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楽は楽しいことなのである。



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人生楽ありゃ苦もあるさ、涙の後には虹も出る。歩いてゆくんだしっかりと、自分の道を踏みしめて。



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こんな時に誠に不謹慎ながら、やっぱ昭恵さんって素敵な女性だなあ。



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彼はあなたのおかげで、幸福な人生だった。大変だったけど、どう考えても、これ以上ないほど最高に幸せな人生だった。最期のアクシデントは残念無念ながら、だが、終わりとは常に残念無念なのだから。



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波瀾万丈の人生行路で、昭ちゃん、晋ちゃん、と呼び合う家庭を築き上げた昭恵様は、B型女性の鏡です。



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え、ところで晋ちゃんは何型なんだろう、と調べてみたらBでした。そうか、そういうことか。女性がBで男性がO、これが最良の組み合わせ。BとBだと磁石のプラスとプラス、あるいはマイナスとマイナス。基本的には撥ねつけ合うが、そこはBのしたたかさで賢者は豹変す。過去にこだわることなく、くるっと自分を反転させては猛烈に引き合う、それが知性。我らA族が持ち合わせていない、B特有の軽やかな知性なのである。



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我が女房はBで、ぼくはA。最悪と言われる組み合わせながら、それでも世の中には最高の夫婦は存在する。



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やはり知性が不足しているのだろうと思う。自分をくるっと、それがなかなかできないのだよ。



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若い頃は知性なんか必要としなかったのに、おいしく熟するためにはじっくりとした発酵が必要なのだろう。



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まあいい。雨が降れば洗い流されて、今日、これからやってくる時間に集中する意識が 湧いてくる。



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さ、仕事仕事。行けども行けども五里霧中のもやもやを吹き飛ばし、激しく今日を突っ走る。頭の片隅にではあるが、手強いB型相手に最高の夫婦像を目指しつつ。修行、とも言える意欲を持って。



レクイエムって言うより、
おふたりへの感謝と昭恵さんへのエールを込めて、
今日の設計BGMはこれ。

 


晋ちゃんとライオネル、昭ちゃんとクリちゃん、どことなく似てますよね。

 

縄文ルネッサンス

すみませーん、しばらくぼくの携帯が繋がらずにご迷惑をおかけしました。au を使っているものですから報道されていた通信障害だとばかり思い、復旧するまでのんびりと、昭和チックに過ごそうか、などと思っていたらさにあらず、携帯の不具合でした。先ほどショップへ行ってSIMカードを新調したら治りましたので、繋がらなかった皆様、こちらに着信履歴が残っていないものですからどうぞご連絡をお願いいたします。 090-3570-3455 いわふち ひでとし。



絵画であれ、音楽であれ、文学であれ、芸術とは自然の再描写である。
故にモチーフが不自然であれば、それは醜い落書きなのだ。
ええっと、誰の言葉だったかなあ・・・
あ、思い出した。中二病だった頃のオレだ。
で、何が言いたいのかというと、
あなたも私も自然の一部であり、自然を模倣しながら暮らすアーティスト。
庭は自然の再描写なり。
さてと、庭仕事庭仕事。

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思い起こせばポケベル時代がありました。その頃現場をお願いしていた入谷の親方がハイライトで一服しながら、「職人がこんなの持たされるようじゃあ世も末だ」と、電波の紐に繋がれた犬みたいな気分を嘆いたいたものです。あれから幾星霜、今では携帯が繋がらないだけで仕事の流れが止まってしまうわけで、いやはや、便利になったのか不便になったのかわけワカメ。パソコンもそうです。設計にはCADを使っているので老眼を気にぜず、指がペンシルの粉で黒くなることも、消しゴムカスが散らかることもなくなって、スイスイ描けるから数はこなせる。でもよくよく考えれば、製図台を知らない若い設計者が、さほど深く思考せずに設計らしきものを仕上げてしまって、内容的には少しも進化していない。それどころか考えなしに手軽にパーツをはめ込む手法によって、楽しくもなく、なんの役にも立たない庭が次々と出現する体たらく。道具の進化は社会全体のスピードを上げるので、結果、誰もそれによって利益を上げることはないわけで、制作プロセスが楽になるためかえって利幅は狭まってしまい、薄利多売で労働は過酷になるばかり。頭がいいんだかわるいんだか、科学の進歩は中身を薄くしつつ人の尻を叩く責め具が増えただけのような気が。



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まあ爺さんの嘆きではありますが、間違いのないことは、どれだけデジタル科学が進もうとも、ものづくりの本質はアナログなのです。暑けりゃ大汗かいて、筋肉痛や打身の痛みを我慢しながら、吉野家で朝牛かき込み創造の意欲に火をつける職人魂がその基本。・・・そんな時代もあったねと、ああ、昭和の修行時代を思い起こせる幸せよ。IT産業が花形となった今、若い人は汚れ仕事などする気もないんだろうなあと思っていたら、この頃はアウトドアワークがトレンドだそうでして、左官、大工、塗装、園芸・造園などを志す若者が急増しているそうな。そして農業人口も増加に転じたとのこと。いい傾向である。そもそも日本以外の国の多くで、かつての日本がそうだったように、家には必ず道具箱があって、そこにはカンナやトンカチや差し金が入っている。DIY女子など趣味で行う日曜大工の範疇ではなく、暮らしの一部として大工仕事をしていたし、わずかでも土があれば畑にしたし、雨漏り修理やペンキ塗りなんかは、よっぽど大掛かりじゃない限り業者に頼むものではなかったのだ。



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あ、いかんいかん、世の中急速な進歩について行けずに愚痴を言う花咲か爺さんになってしまいました。でも、まあいっか、たまには。続けます。EXPO'70 ってあったでしょ、大阪万博。ぼくが10歳の時です。その時のスローガンが「人類の進歩と調和」でした。さてさて、あらゆる分野で科学的には進歩はしたわけですけど、調和の方はどうでしょう。会場入り口の広場に今も突っ立ている、あの縄文のトーテムポール、太陽の塔。岡本太郎の天才性は、混迷を深めるであろう未来人に向かって、縄文人の人間らしい営みを思い出せ、幸せとは科学の進歩とは比例しないのだ、と考えていたことにある。芸術は、爆発だ!とおちゃらけていたけど、その根底には、科学は進歩するが、進歩すればするほど心の能力が問われる。愛情や信仰や芸術を退化させるんじゃないぞ、という叫びだったのです。



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実際、どこの美術館に行っても、縄文土偶や火炎型土器を上回るアートにはなかなかお目にかかれないわけで、絵画でも、ダ・ヴィンチであれ、カラヴァッジョであれ、印象派の面々も、日本の縄文文化を上回るものではない。つまりは芸術はゆっくりと退化している。芸術性の退化は人間性の退化。これ、少し言い過ぎでしょうか。しかーし、大きく外してはいない気がするんですけどねえ。人類は科学の探究をするほどに精神面は疲弊する。月に行った人のひとりは帰還後はNASAを離れて宣教師になったし、日本人初の宇宙旅行をした、確かTBSの社員でしたか、帰ってきてからは言葉少なに表舞台から消え、余生を農業で過ごしたと記憶しています。お二方共に、何となくですけど、何か行ってはいけない領域に踏み込んだことを宇宙の神に懺悔して、口を閉じて、人間の原初的な暮らしに入っていった気がしたものです。遺伝子のこととか、科学はやり過ぎたらまずいんじゃないのかなあと、ええ、何となく。科学に注ぎ込んでいるその叡智を、心に向けたらいいんじゃないかなあ。最近宇宙旅行をした大金持ちの青年なんかは、その事業の成功と偉業を(スポンサードしている番組以外)誰からも賞賛されることなく、半分笑ったような、悩んでいるような中途半端な顔で、意味なくお金をばら撒きながら、次は月旅行に行くのだと話せども、やっぱり世の中との隔絶、浮世離れの感否めず、どんな末路を辿るのかが心配ではあります。悪い人じゃないんだけど、何か大きく踏み外している気がして。もしかしたら心が退化した形で膨大な財力を得てしまった、ホモサピエンスの進化系なのかもしれません。いやあそれにしても、あの表情は・・・どうかトンチンカンな顔をした大富豪にバチが当たりませんように。



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人の顔というのはビッグ・スマイル、あるいはボロボロ泣いたり、怒りに燃え上がっていたり、土偶のごとくポカーンと月を見上げていたり、少なくとももっと人間らしく溌剌としているものだったはず。そこにトーテム(宗教的シンボル)が生まれ、絵が描かれ、祈りの音楽が奏でられる。アートは世に連れ、世はアートに連れ。であればイキイキと躍動するアートを取り入れて、縄文からの心の退化を止めなければなるまいて。先日、何年も積みっぱなしで置いといたダ・ヴィンチ・コードを一気読みしました。いやあ面白い面白い。ルーブルの床に投げ出されている、カラバッジョの絵から始まる宗教サスペンス。最後の晩餐、岩窟の聖母マリア、フィボナッチ数列、マグダラのマリア、キリスト教が抱え続けてきた闇の解明、そして殺人事件の結末を家族愛に引き上げてエンドマーク。読後感がとってもいい。世界で売れに売れた作品だけのことはあります。すでに古書の部類ではありますが、文学もアートですから、心の退化を止めたいと思う人にお勧めですよ。ただし、この小説、長い。それと最初の数ページが取っ付きにくくて。しかしそこを堪えれば、あとはスピーディーな展開に心地よく巻き込まれてゆきます。もしかしたらあの取っ付きにくさは作者が仕掛けたダ・ヴィンチ・コードだったのかもしれない。ぼくはそれにまんまと引っ掛かって何年も読み進めずにいたのかも。で、あれば、もう一度最初から。謎解きが難解で、一部理解せぬままめくった箇所もあるし。それと、主人公のロバート・ラングドン同様、フランス警察の暗号解読官ソフィーに、ほのかに恋をしてしまったのです。久しぶりに再読したい本に出会いました。



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あ、そうそう、携帯が復旧したことの連絡でした。連絡つかずにご迷惑をおかけした皆様に陳謝。そして御用の方はいつでもお気軽にどうぞ。文明の利器を大いに活用して、心の進化を図りましょう。


映画や小説や音楽で、
思えばぼくは、フランス人に惹かれることが多い。
この人も。


 

きっかけはユーミンの『私のフランソワーズ』でした。

 

灼熱に並走す

記録的に早い梅雨明けです。いきなりの真夏日続きで、警告好きなテレビでは、「電力不足が心配されるので節電を」と「熱中症が懸念されるのでエアコンをつけっぱなしにしてください」、これを交互にカンカンカンと警鐘を鳴らし続けていてる。何だかなあ。それとここ数年のクリシェ、不要不急の外出は避けてください(熱中症対策として)。ところが119番に連絡して搬送される人の過半数は自宅の室内での発症であるとのこと。いい大人が、しかも報道機関で物を喋るほどのエリートが、どうしちゃったんでしょう。あまりに暑くて、読んでる原稿の内容に意識が行っていないのかもしれません。



梅雨時期のお楽しみ、雨に濡れた花たちの撮影ができませんでした。
もう一回くらい、シトシトと降る日が来て欲しいなあ、
などと立ちくらみの空にリクエストしつつ、昨年撮影した梅雨の花を並べます。

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さてさてこの長い夏が、草花たちにどんなドラマをもたらしますやら。
ちなみに朝晩の散水を欠かすことなくよろしく候。
夕涼みの頃の水やりは気持ちがいいものです。
そうか、花と同時に自分に水やりしているんだなあと、
そんな思いも、夏の風物詩なり。


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まあいっか、こちとらそれどころじゃない。この暑さとどのように付き合いながら、庭の夕涼みまでの時間を過ごすかが大問題。大汗かいているのでヘタこくとそれこそ命に関わるわけで、昨日なんかは朝と夜で体重が2キロ減っている。で、夕飯はニンニクと鷹の爪をたっぶり入れた肉系メニューをつまみに、ビールをプハーッと飲みながら野菜中心の夕飯をこしらえて食べ、庭で夜風を楽しみ、寝る。するとあーら不思議、目覚めてすぐに測定したら、前日失った2キロの体重が元通りに増えているのです。これが健康体なり。帰宅後の飲み食いの量は、どう考えても水分含めて1キロ以内。ではなぜ体重が2キロ回復するのか。体内で筋肉やら、多肉植物の葉っぱみたいな貯蓄用水分が1キロ以上も産生されているということになるわけです。



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いい感じ、いい感じ。体がそのようにフル回転で活動している時には脳も活性化して、やたらに音楽が聴きたくなる。で、スマホで選曲し、こないだ娘に教えられて購入したワイヤレスイヤホンを装着して木製パネルと柱材のペンキ塗り。おお、なんと心地よい両耳からの刺激であろうか。午前中には終わらせて、午後はエアコン効かせた店で遅れに遅れている設計作業に庭熱中症を発揮する。



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音の刺激って気持ちを癒したり活性化させてくれますよね。で、汗を拭き拭きふと思いました。何かが足りない。イヤホンからのメロディー以外に、そのバックグラウンドにあるはずの蝉の声がないのです。体感的には真夏なのに、蝉には梅雨明けなど関係なく今頃はまだ地中でグネグネ体の殻を揺すって、一世一代の自己変革、メタモルフォーゼの真っ最中なのでしょう。



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なんで蝉の声が気になるのかと申せば、長年耳鳴りを持病としておりまして、一年中蝉が鳴いている状態だった時期があったから。でも夏は実際に鳴いているので耳鳴りが相殺されとても楽になる。そんな経験があるのでふと、あれ、鳴いてない、と気付いたのでした。おまけに自分の耳もシーンとして、蝉は1匹も鳴いていない。静寂の我が両耳。いいぞいいぞ、ここんところ体力勝負の仕事を続けていたからか、血流が良くなって、新陳代謝が進んで、耳鳴りの病が消えてしまったようです。



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やっぱりね、暑くても寒くても、お天道様と並走しながら生きることが大事なのだ。



日中は達郎かベンチャーズで意識に海風を吹かせ、
帰宅したら庭でこれを流し、
心身に夜風を浴びて癒される。



そして冷えたビール。
読みかけの本を開き、
数ページで夏の夜の夢。
 
 

 

照る日曇る日嵐の日

日照時間がぐんぐん増え、この頃では4時半には明るくなります。庭でセロトニンの分泌をイメージしながらコーヒーを飲む。ダバダー、ダーダバダアーーダー・・・ネスカフェゴールドブレンド。朝はゆったりとドリップするよりも、インスタントで済ませて早く仕事に行きたいのです。



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この頃やたらに仕事が楽しくて仕方なし。腹が減らないならもっと働ける、寝なくていいならもっと働ける、そんな感じで隙間なく設計と現場と、あとは塗装など資材の下準備、置き場にストックしてある植物の世話と、気がつけば16時間労働の日もあり。いったいぜんたい何の具合でしょう、この感じは。とにかく労働することが楽しいのだ。いろんなことが、あるいはシンプルに体調が、植物に似た感じで整っている気がするのであります。そう、あの疲れを知らない少年の日の如くに。



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今朝は久しぶりの雨。シトシトの中で昨日よりも増えた花数を確認する。いいねえ君たち、この時期の雨は元気が加速するよね。照る日曇る日嵐の日、晴れでも雨でも勢いが止まらない花たちよ、狂気も雑念もなく清らかに生きる我が同胞よ。おお、深夜の庭で気まぐれに読んだリルケの名残りか、なんかそれっぽくなってしまった。



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さ、仕事仕事。雨の日はひたすらに、設計設計また設計。


BGMは雨に負けぬ花、アリス=紗良・オットで。



何度でも自慢しますけど、彼女の指に触れたことがあります。2回も。
「しなやか」とはこのことか、と、
何度もその紗の良き感触を思い出しては悦に入る、ありがたき記憶なり。






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