デザインルーム

未来からの使者

ぼくは頭が固い。石頭のコンコンチキであるということを痛感したできごとがありました。

そのご夫婦は人工木(樹脂に木の粉を練り込んで整形した材木、というか木のようなプラスチック)のデッキとアルミのフルオープンにできるサンルーム「ガーデンルームジーマ」で、それまで鬱蒼と木が茂っていた庭をリフォームされたそうで、そのデッキ以外に三角形に余った庭スペースをどうするかということで、あれこれと考えながらおふたりで資材を買い込んでいる途中でうちの店に気づいて、フラッとご来店くださいました。
そのご夫婦との出会いが、ぼくには大事件だったのです。

このブログでも何度か出てきた話題で「風合い素材で構成する」ということがあります。
「デッキの素材は人工木よりも天然の木のほうがいい。手入れは必要だし、割れたり反ったりしますけど、それでも天然の木材をおすすめします。それは、時間が経ったときに樹脂製の人工木は劣化しますが、材木は風合いを増すからです」
こんなこともよく言ったり書いたりしてきました。
「物干し場ならわかりますが、リビングの外ですよね。リビングの外に日に焼けたプラスチックのデッキが見える暮らしって、いかがなものかと思いますけどねえ」
辛辣すぎますよね。さらに、こんなことまで。
「人工木のデッキを設置してある庭で『楽しそうだなあ』と感じたことは一度もありません」
ひどい・・・。ぼくってねえ、そういうところがあるんですよねえ、思いが先行すると言い方がきつくなってしまう。反省すべきところです。

前言撤回します!もう15年近く言い続けていることなので、15年さかのぼって、撤回いたします。もともと人工木をご希望だったのに、ぼくがアドバイスして天然木材に切り替えた数百人の皆様、申し訳ありませんでした。

なぜ突然そう思ったのかというと、人工木とアルミのサンルームでリフォームしたというそのご夫婦が、ものすごく、半端なく素敵だったからです。15年間ぼくが勝手につくりあげてきた「人工木を選択する人たち」という決めつけのイメージがきれいさっぱりと消えました。もう跡形もなく。

ぼくよりたぶんひと回り年上で、その雰囲気から、しっかりといい人生を歩んでこられたことが伝わってくるご夫婦は、おふたりともずっと笑顔で、時に見つめあいながら会話します。まるで恋愛真っ最中の高校生のようにラブラブで、でも高校生ではないので余裕というか、濃さというか、落ち着きというか、とにかく見ているこちらまで幸せーな気分に引きずり込んでくれる、そんなおふたり。

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完成したばかりのデッキとガーデンルームをさっそく(工事中から)満喫しているそうで、その日も帰ったらデッキでワインを楽しむのだとおっしゃっていました。もう完敗でした。おふたりはワインで乾杯して、ぼくは完敗して・・・。

なんでこのことに気がつかなかったのでしょう。「素材と庭の楽しさは関係ない」のですよ。「何を使っても、楽しい人の庭は楽しい庭」、「幸せな人の庭は幸せな庭」なんですよね。15年間もねえ・・・これだけたくさんの幸せな人たちの庭を手がけさせていただいて、そこに思いが行かなかった。何て頭が固いのかと、そう思った次第です。

いやあ、大きな気づきでした。あのラブラブ熟年ご夫婦は、ぼくにそのことを気づかせるための「未来からの使者」だった気がしています。この出会いに、ただただ感謝!ありがとうございます。

これでまたひとつ「整いました」。15年がかりで上がったこの一段、設計にグンと幅が出そうです。


素材が何であれ、デザインがどうであれ、楽しい人の庭は楽しい庭。幸せな人の庭は幸せな庭。 

ぼくの仕事はその楽しさや幸せを、「もっともっと」と後押しすることなのです。

それにしても、いい感じのご夫婦だったなあ。あやかりたいあやかりたい。  

最初のハードルはすり抜ける

◯さきさんから「すてきな庭ですね。予算はどのくらいなんですか?」というコメントをいただいて、それにお答えしながら「この話題はけっこう大事だなあ」と思いましたので、本編に転記しときます。

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◯さき

素敵なお庭ですね。
ウッドフェンスの彩りもきれい!!
自宅にもこんな夜もくつろげそうな
お庭が出来たらなぁ~。

予算はどのくらいかかるものなのですか?


いわふち ひでとし

予算ですかア・・・、まったくケースバイケースですけど「乗用車を買うくらいの金額だと思います」とお答えすることが多いです。あと、建築費の5%〜20%という目安も、金額をイメージするのにいい数値だと思います。
でも、でもですよ、予算を考えるのは「一番後にした方がいい」です。これはいい庭をつくる鉄則。予算を考えながら庭をイメージすると、たいがい腰が引けた中途半端な庭になってしまうからです。「腰が引けた中途半端な庭」とは「楽しめない庭」ですから、それにかけた金額と、そのスペースを、結局は無駄にしてしまう。そして、理想の庭ができていれば実現したであろう「家族の時間」も手に入れないままで、たまの休みに文句言いながらの雑草取りとか「何か違うんだよなあ」という庭への不満を感じながら、カーテンを開けることなく暮らしていく、そういう悲しい事態になる可能性もあります。
まずはイメージすることです。あなたとあなたの家族に取っての理想の庭、悦楽の庭を。庭の価値はそこにかけたコストと比例することはありません。イマジネーションと比例するのです。
◯さきさん、OK? 「金額のことは一番最後に頭を抱えて悩む」のがいい庭を実現するコツなのです。

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庭を考えるときの最初のハードルがこの「予算」なのかもしれませんよね。店にいるときに「お金があったらねえ・・・」というお客様の声は、ずっと流しっぱなしのBGMのように聞こえて来ますから。
でもほんと、その最初のハードルは飛ぼうとしないで脇をすり抜ければいいんです。
最初から「飛ぶぞー!・・・無理かなあ・・・」と足踏みするよりも「飛ばなくても入っていけるんだ」ということに気がついて、スッと入っていけば、かんたんにワクワクしながらイメージすることができますからね。イメージするのにコストはかかりませんから。
そしてそこからが魔法の世界です。「こんな庭があったらいいなあ」とイメージしたら、もうほとんどそれは実現しています。ほんとですよこれ。イメージできたら、もうできたも同然なのです。

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必要なのはハードルを飛び越えることじゃなくて、ワクワクとイメージすることなのです。

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「お金が・・・」と思っているあなたに、伝わるといいんですけど・・・。このことは庭だけじゃなくて、生活すべてに言えること。イメージしないことは一生実現することはありません。

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人は、その人がイメージしたように生きているのです。


今日から春の3連休。お庭の相談予約と現地打ち合わせと設計と、ドッチャリと予定が入っています。体調万全、気分爽快、腹八分目(調子がいい時にはこれに注意しないと、調子に乗って食べ過ぎて、リズムが狂ってしまうことしばしば)、「よっしゃ、来るなら来い!」みたいな感じで、気合い充分です。

港南台では満開のコブシと、そろそろモモも咲き出しました。さっ、春本番です。みなさん、楽しみまくりましょうね!

ちょっとクールダウン

 今日は写真なしでいきます。
 常連さんたちはお気付きかと思いますけど、ここ数日のアップを読み返すと、私、怒ってますよね。庭のことでは夢が広がって希望に満ちた話がつきないのに、ネタが今回のように外構工事になるとどうしても批判的になってしまう自分がいます。

 荒れたデザインの外構はそこに住み暮らすご家族の生活を荒らしますし、街並みの景観まで荒らしてしまって、その地域のオーラを良くない色に変えてしまうのです。良くないオーラの街では不幸の連鎖や負のスパイラルに苦しむ人が増えていって、ついには子どもたちが命を奪われるような事件まで起こってしまう。「こいつは何を言っているんだろう」と思われそうですけど、20年以上住宅や街並を意識して来た者の実感なのです。
 日本の殺人事件の48%が親族間によるもので、その割合は世界一だそうです。日本人は弱い、あまりに弱い民族になってしまったのです。バブル崩壊後数年で自殺者が増え続けて15000人を超えました(交通事故死者数は8000人くらいです)。経済ごときで・・・。それと住環境や生活環境。環境が壊れ、地域が壊れ、家族が壊れ。連日続く子どもが犠牲になる事件のニュース映像を見るたび、私にはそこの家の庭や外構や町並みが気になって気になって。もしあの犯人が(いろんな意味で豊かな)違う街で暮らしていたら、グレースランドに設計依頼してくれていたら、あの子は殺されなくてすんだ気がする。そう思えるほど犯罪が起こる家(外構・庭)や町並みに共通点を感じています。
 その共通点とはどういうことなのか、具体的なお話は何かとさしさわるので、ご来店いただければお教えしますけどここでは触れることが出来ません。でもこれだけははっきりと言いたい。「デザインは人が幸せになるための知恵なのです」。設計依頼してくださった全てのお客さまの幸せのために、デザイナーである私が願いと思いを込めて提案し生み出す庭、外構。でも世の同業者にはそんなこと考えたこともない人がたくさんいて、そう言う人たちによって生み出される悲しい風景が、尽きることのない悲しい事件を引き起こす遠因になっていると断言します。願いや思いのないデザイン(デザイン遊び)は人を幸福にする力を持たないばかりか不幸を招くのです。

 こういう批判的な話ってつまんないですよね。自分でも嫌いなので、今日はそれをあえて吐き出して、少しクールダウンしようと思いまして。ちょっとひと呼吸入れさせていただきました。
 さっ、明日からまたいつものペースでやりますんで、よろしくお付合いくださいませ。


 
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ゴッツエエ感じの表札

 大阪の職人さんに依頼した表札が届きました。

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 関西パワーを凝縮した浪花チックな仕上がりに、しばし見とれてからパシャッと撮影。フォントの踊り方、配置、理屈抜きなハッチャケた楽しさを感じさせながら、実はものすごくナイーブに細部に神経を集中していることに気付かされる、関東ガチガチ頭の私はただただ脱帽なのです。
 何度目かの発注なのですが、最初は私が忙しさに寄り切られて土俵際の状態だったために、この職人さんが生み出す世界に目が行かず、「お願いした文字より縦棒が長い」とか「葉っぱの数がカタログより少ない」とか、そんなことが気になってつくり直しをお願いしました。製作前に原稿を送ってくれるように頼んだら、今時めずらしい手描きのスケッチが届き、そのラフさ加減に「ウ~ン、こまった・・・」。でも今は全ておまかせ状態です。そして完成品に脱帽。きっとこんな関係性で成立しているのが大阪人の仕事なのでしょう。ゴッツエエ感じです。




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 走る

天才 神谷画伯

 ヒーリング・ガーデン講座をひと休みして、表札デザインが楽しかったのでご紹介します。
 前庭をプラン中の神谷邸、お子さんが描いた絵や文字を表札にレイアウトしようと思ってお願いしたところ、神谷家の長男、小学2年生の男の子が描いた昆虫の絵が素晴らしいものでした。

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 いかがですか、こういう感じは大人には描けません。少なくとも私のように、生きる喜びを感じるためには不必要な、よけいな理屈で出来上がっている脳みそでは絶対に無理。もう一生こんな作品は描けないのです。この少年、神谷画伯、根っから昆虫好きというか、たぶん生き物が大好きなんでしょうね。しかもまだ人生の悩みを抱えていないようで、何のケレンも迷いも無く、ただただ真っすぐに、全身で虫を見て感じていることが伝わってきました。
 画伯のこの素晴らしい作品群から“あしながばちくん”と“かぶとむしくん”と“ばったくん”の三点をピックアップさせていただき、私が絵を崩さないように慎重にトレースしたのがこれです。

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 トレースしながら頭の中にネロディーが音符音符音符、『イマジン』です。あのお方の絵に感じがそっくりなのです。神谷画伯の才能と同時に、40過ぎてもこういう絵が描けたあのお方の偉大さをあらためて認識いたしました。
 このトレースをレイアウトした表札原稿がこれです。

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 まだ素材やディテールはこれから打ち合わせしますが、はたしてどんな表札が出来上がるか、楽しみなことがまたひとつ増えました。



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 走る

突然やってくる完成の瞬間

 イベントの設営や展示会に駆け回りながら、設計も(遅れ気味ながら)こなしています。しかもいい感じで。“忙しい人ほど本を読む”に似て、忙しい時ほど設計がはかどるのです。全身の感覚が活性化するのでしょう。
 設計がはかどるといっても、それはジグソーパズルや経理の伝票整理みたいに正解や終了が確実に準備されているという作業ではありません。白いキャンバスに絵を描くのに似ています。誰もどういう絵を描くのが正解だとは言ってくれません.自分が描きたいように、納得いくまで筆を走らせるのみです。そんな感じで出口の見えない設計作業に没頭しているとある時点で急に完成が訪れるのです。その時の感動(大げさではなくてジーンとくるのです)はこういう仕事をしていることで得られる特権です。与えられたマニュアルに従って仕上げて行く作業・仕事では絶対に味わえない感覚なのです。この“突然やってくる完成”という感じを最初に味わったのは中学生の時でした。今日は最近その感じを味わった設計三点をご覧いただきながら、その話を。

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 中学校入学と同時に腎臓病になってしまい、医者から一年間の運動禁止命令。当時、今で言うバレーボールみたいにちょっとしたブームだった卓球部に入りたかったのですが、やむなく美術部に入部しました。これが私の人生を方向付けた気がします。もともと絵は大好きでしたが、さほどの評価を得たことはなくて、ただ絵を描いていると退屈しないからいつもひたすら広告の裏や教科書に落書きをしている、そういう感じでした。それが運動部に入れずにやむなく入った美術部だったので、今思うとまるでスポーツするみたいなエネルギーで、筋力トレーニングをするように美術にのめり込んでいった気がします。
 来る日も来る日も頭の中は“美術”のことのみ。飽きることなくデッサンを繰り返し、粘土をこねくりまわし、美術史や、全く意味が分からない美術書の解説文を暗記し、印象派や浪漫派の作品を模写する、そんな毎日。今考えると表現欲過多の私には至福の時間だった気がします。そして夏休みに初めて油絵に挑戦! 描きたい物はすでに決まっていました。魚野川の河原の土手にある林、桜の木が十数本生えている場所があって、その中に入るとセミがおそらく100匹くらい一斉に鳴くというお気に入りの場所。その土砂降りのように降る蝉時雨を絵にしようと考えていたのです。おぉ! 何とロマンチックな少年だったことか。蝉時雨を描きたいなんて今の私には思い付きません。それでイーゼルを立てて現地で何枚もスケッチし、さらに水彩で構想を描いて、本番の油絵はアトリエ(四畳半の自分の部屋を無理矢理そう呼んでいました)で。その時の部屋にこもったオイルの匂いは、今思い出してもウットリする幸せな香り、昆虫専門店に入った時の木屑の匂いとともに、私の一生の宝物です。

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 描き始めたらもう止まりません。夏休みなので寝なくてもいいし、エンドレスで絵に没頭です。腹が減ったらぺヤングヌードル(ぺヤングソース焼そばではなくて、しょうゆ味の普通のカップラーメンです。新潟では今でもスーパーで売っていて、その時の記憶のせいか今でも大好物で、帰郷すると必ず食べてます)、2日間ほとんど寝ないで描き続けました。そして意識もうろうの中、終わりは突然やってきました。キャンバスいっぱいに何度も塗り重ねた桜の林から一匹のセミが鳴き始めたのです。キターッ!! 心臓ドキドキしながらさらに筆が走ります。そうするとつられるように次々鳴き出して、やがて現地と同じ、絵の中から滝のような蝉時雨が聞こえてきたのです。岩渕少年は四畳半のアトリエで、イーゼルの前に棒立ちして泣いていました。そして感動と達成感に包まれながら筆を置いたのです。

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 これが我が人生最初の“突然やってくる完成”でした。このときから今日まで、数限りなく繰り返してきた完成の瞬間、今でも快感なのです。
 
 うらやましいですか、こういう仕事。あなたも今から修行してガーデンデザイナーという生き方を目指しますか。もし本気なら弟子入りも可能です。本気の人には本気で教えますから。ただし、もちろん超きびしいですよ。
 明日から中断していた鈴木邸の完成写真を紹介していきます。



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 走る 『秋の夜長を楽しむ』ご来場をお待ちしております。ブログの感想などもお聞かせください。

ガーデンライトはモノではないのです

 グレースランドとビッグサム港南台店の共同イベント『秋の夜長を楽しむ』の体感ブースが完成しました!現地では写真には写らないコオロギとマツムシの声がステレオで響いていて「いやされるわ~」と好評です。ぜひご来場ください。

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 ガーデンライトもやっぱりタカショー製品がお気に入りで、それらを中心にセッティングしてあります。

 ところで今日はひどい暴風雨でしたねえ。その間隙を縫ってというか結局びしょ濡れになりながらパシフィコ横浜で開催されている『ジャパンガーデニングフェアー』に行ってきました。妻カオリちゃんと一緒に愛車BOXYで嵐に突入するように出発、CKBのニューアルバム“GALAXY”を聞きながら30分、天気のせいもあって気分が高ぶりイベントへの期待感いっぱいで会場入りしました。
 ところがです、何か拍子抜け、ひとことで言うと「がっかり」でした。超忙しいスケジュールをやりくりして、期待いっぱいで出かけたのでなおさらそう感じたのだとは思いますけど。会場で行き会った主催者側の某T社長に、つい「つまんないですね、なんかもの足らない感じです」とストレートな感想を言ってしまい、大変失礼なことをしたと反省しつつ帰路に。会社に帰ってから何であれほどつまらなく感じたのだろうと考えました。出店内容がスッゴク地味だったこと、テーマガーデンの表現力・訴求力が弱くて盛大な制作者の自己満足作品に思えたこと、ガーデンデザインをニッチと捉えて、全国展開しようとしている詐欺的なにおいのする(あくまでも私の直感ですが)ブースで“奇跡の健康水”のセミナーみたいな説明を延々聞いてしまったこと、さらに、会場入りする前にランドマークで食べたカニ料理が美味しくなかったことなど、いろいろと思い浮かびました。でもそんなこと考えているうちに、実は出発する直前まで頭を駆け巡っていた思いと“ガーデン業界の現実”とのギャップが私をいらつかせ、失望感を感じさせたのだということに気付きました。
 どういうことかと言いますと、今回の『秋の・・・』はガーデンライトを販売するための企画です。でも私は電気屋ではないですし、照明器具が売れてもグレースランドには何の身入りも無いシステムになっています。ではなぜこの企画に夢中で参加したのか。答えは単純で、最近経験した、お客さまの庭での夜のガーデンパーティーが最高に楽しかったから、です。ガーデンライトがあればこんなに庭の楽しみが広がる、そのことを多くのお客さまに伝えたかった、それだけなのです。とは言っても売上げが上がらなければイベントの評価は下がりますので、スタッフにガーデンライトを売るための秘策を授けました。
 世の中にガーデンライトが欲しくて探しまわっている人の割合は0.1%以下です。庭やベランダのある家に住んでいて幸せを感じたいと思っている人の割合はほぼ100%です。ではどうしたらガーデンライトを大量に売ることができるでしょうか?
 答えは、ガーデンライトがあれば幸せを感じる時間と場所が手に入るということをアピールすればいいということです。全ての人が欲している家族との至福の時、それを庭で実現する切っ掛け、入り口がガーデンライト、そういうスタンスで販売活動をすることで0.1%だったニーズが100%になるります。
 これは販売のテクニックではなくて、私の思いです。私はモノを売ることにほとんど興味がありません。それどころか世の中モノが多すぎると思っています。モノが飽和状態を過ぎるとそこからはモノが増えれば増えるほど不幸が増す、そう思っています。ですから照明器具をモノと捉えるならこの考えは私の中では成立しないのです。でも庭での夜会の楽しさ、心地よさ、尽きることの無い会話、その場ならではの味、そんな時間と場所を生み出すガーデンライトを、うちのお客さまだけではなく日本中の人、そんな時間を欲している全ての家族に使っていただきたい、そう思っているのです。
 そんな、私の中に昇り竜のように渦巻いていた思いと今回の『ジャパンガーデニングフェアー』とのギャップ、展示会に“モノではなく思いや願いを売る”を期待するのは無理なのかもしれませんが、それにしても(私には)業界の悲しい現実を見た気がしたのです。モノを売ろう、うまいこと儲けてやろうと躍起になっている業界企業の交流親睦会みたいなイベントに感じました。ガーデン産業がその本質から離れていったら、早晩衰退するのは確実、でもそんなことはあまり重要ではなくて、世界平和や地球防衛のためにはそういう企業や業界は消えてしまえばいいとすら思っています。大丈夫!それでも家族は庭を楽しみ、幸福な時間、家族の絆、明日への希望を無くしたりはしないのです。

 仕事の合間に行った展示会のことでこんなに演説をぶってしまいました。いろんなことに対して思いが強すぎるということは自覚しています。そのことで不自由な思いをしたり、いろんな人に迷惑をかけたりもしていますが、それを是としなければ想像的労働はできないのです。毎日ニマニマしながら庭の設計しているわけにはいかないのですよ、いやほんとに。で、ガーデンライト、一度イメージしてみて下さい。庭が、家族が、いっそう楽しくなりますよ。



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 走る 最近読者が増えてきて感激しています。でもランキングがいまいち・・・、応援クリックよろしくお願いしま~す。

秋のイベント始まります!

 ビッグサム港南台店1階特設会場で、グレースランドの秋のイベント『お庭の何でも相談会』を開催します。いよいよ明日スタート!さきほど設営が完了しました。内容は庭づくりのイメージが広がる書籍とグッズの販売。当社で設計施工した特選ガーデン写真展。庭のことなら何でもおまかせの相談会。さらに、建築図面や庭の写真を持ってきていただくと、その場で私がお話しをうかがいながらイメージを整理して、庭のラフプランを作成します。庭への夢が広がって、今後の生活が一段と楽しくなると思います。ぜひご来場ください。スタッフ一同お待ちしております。

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 明日は同時開催の『秋の夜長を庭で楽しむ』と題したナイトガーデンの体感コーナーをご紹介します。



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 走る 相談会ではいつもたくさんの方々とお話しが出来て楽しいのです。今回はどんな出会いがあるか、ワクワクしてます。いつもブログを読んでくださっているあなたも、お時間がありましたらぜひフラッと遊びにきてください。私か妻カオリちゃん、どちらかが必ず居るようにしときます。お待ちしておりま~す。

ガーデンライトで

 ビッグサム港南台店と共同企画で、『秋の夜長を楽しむ』と題してのガーデンライトの体験ブースを製作中です。10月6日オープン!ご来店をお待ちしております。

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 まだ未完成ですが、虫の声を聞きながら“秋の夜長”を過ごしているような雰囲気を体感できる空間をめざして奮闘しています。

 ガーデンライトがあることで、今まで週末にしか楽しんでいなかった庭が“ナイトガーデン”として平日も楽しめる場所になります。

 夜庭に出て、灯りのもとでの食事やお酒は格別なもの、会話も尽きず、夜風に癒されながら家族で過ごす時間はスペシャルタイム!そんな楽しみが生まれます。

 庭木をライトアップすることで見なれたリビングがリゾートホテルに変身します。夜になったらカーテンを開ける、そんな暮らしが実現します。

 いかがでしょうか、ガーデンライト。ブースが完成したらきちっと撮影してアップします。




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杉山さんのサイン文字

 10年前、世の中の表札のつまらなさ、どんな家にでも御影石に漢字というパターンにうんざりしていた時期がありまして、そんなときに住宅関係の展示会で出会ったのが、岐阜の表札屋さんSHOW-BIの杉山さんです。初対面にも関わらず、いきなり表札について熱く語り合い、その後も何度かお会いして、長いことお付き合いが続いています。
 いつも私のこだわった注文に、丁寧に、熱心に、こちらのイメージ以上の仕上がりを提供して下さる杉山さんですが、最も感心させられるのは“ サイン文字 ”のすばらしさです。原稿を依頼するとサインペンで、おそらくは数十枚書いた中からひとつを選んでファックスしてくれます。それがこれです。

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 イイ感じなのです。簡単そうでいて、そうは書けないものなのです。それをパソコンに取り込んで私がレイアウトして、お客さまに了解をいただいた後に注文します。
 で、完成がこれ。

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 杉山さんの表札への思いは、その家のご家族への思いでもあり、それがとても強い方です。その強さが、小さな表札一枚で生まれるいろんなイメージを生むモトになっているということを感じ、いつもありがたく思っています。
 様々な注文に柔軟に対応しながら、あらゆる素材とデザインの表札をつくり続けている杉山さんですが、こと、サイン文字に関してはひとつのこだわりを崩しません。それは、少しだけ読みづらく書くということです。杉山さん曰く「表札見ながら何て読むんだろうと首を傾げている様子を見るのが楽しい」とのことです。スッゴクわかるんですよねえ、その感じ。自分のデザインで見る人の気持を動かすことができる楽しさ、庭の設計も全く同じ楽しさがあるのです。

杉山さんの会社『SHOW-BE』のホームページをご覧下さい。楽しいですよ。

http://www.show-bi.jp/

すみません、リニューアルで準備中でした。


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 走る 台風がそれて、また夏が戻ってきました。いい汗かいて頑張りましょうびっくり

庭の間取りを考える 5

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 パーティションと共に庭の場面づくりで意識したいことに“フォーカルポイント”があります。Focal(焦点となる、中心的な、重要な)Point(点、地点)、場面の中心となる小物や植物や立水栓などの構造物のことです。それがその場面のテーマだったり、雰囲気を演出するポイントだったりします。部屋に例えると和室だったら床の間の掛け軸、リビングの暖炉やソファー、ダイニングなら食卓となる椅子・テーブルがそれに当たります。
 フォーカルポイントがそれを中心とした空間のイメージを支配したり、場の空気を和ませたりします。その効果を意識的に活用して、庭の各部屋の“感じ”を強めることで、庭に多面的な魅力が出せます。
 このやり方はパーティションを使わない構成の場合でも効果絶大です。例えば仕切のない芝生の庭の場合、立ち木の根元や奥の茂みに何かしら小物を置いてアクセントにしたり、芝生のまん中を小人が行進しているとか、動物が跳ねているトピアリ-なんかも場に動きというかドラマ性が出ます。

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 これまで限り無くたくさんの庭を拝見してきて思うことがあります。“庭にいくつもの場面がある”、そんな庭に出会ったときのいい気分、そこで暮らしている方の幸福なオーラに一瞬飲み込まれた感じで、夏の夕日を受けながらウインドサーフィンしているような、そんな感じになります。なぜか、たぶん場面づくりに“思い”が必要だからだと思うのです。庭への思い、自分への思い、家族への思い、その思いの強さが場面を作り上げるのです。

 今回が『庭の間取りを考える』シリーズの最終回です。1、目的ごとの広さを決める。2、導線や諸条件を考えて配置をする。3、目隠しと見晴しの具合を整える。4、仕切で場面を構成する。そして今回、フォーカルポイトで仕上げる。いかがでしたでしょうか。
 このシリーズの1でも書きましたが『庭の間取りを考える』の前に必要なのがコンセプトメイクです。“2月7日『どこから手をつけたらいいのか』”をごらん下さい。そしてここまでプランが出来上がったら次は素材選びです。“2月17日『新築外構の素材選び』”、ここでは外構工事の素材の話になっていますが、そのまま庭にも応用できます。
 さあ、家族の大切な場所、悦楽の庭暮し、リラックス&リチャージ空間・・・、ドラマティックな庭づくりを始めましょう!

 追伸、新築予定の皆様へのメッセージです。これは私の座右の銘なのですが、「イメージできたら出来たも同然」、庭に限らず、イマジネーションを発揮してすばらしい新生活を実現して下さい。

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あかんべー イメージ達人が大勢アップしています。
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