庭をつくる人

春の嵐

あの頃、同級生の誰ひとり聴いていなかったし知らなかったであろう曲がある。年長(団塊)のロックマニアたちが集う喫茶店で流れていた、当時はちょっとかっこいいなとは思ったが、それほど沁みたわけでもない一曲が、この歳になって宝物になっているのです。





昨日は春の嵐。いち日中、脳内のターンテーブルでヘビーローテーション。

行くあてもなく 街角に立てば
空っぽの胸に風が吹いてゆく
昨日の夢は遠くに消えて
振り向いてみても お前はもう居ない

溢れる涙をこらえて
一人でいるのは辛い
おお春の嵐 連れてっておくれ
陽のあたるところへ

眠れないまま 朝が来てしまった
輝く星屑はむなしく消えてゆく

溢れる涙をこらえて
一人でいるのは辛い
おお春の嵐 連れてっておくれ
陽のあたるところへ
陽のあたるところへ



音楽も庭も、当事者の熟成が進むと別世界が展開するスペクタクル。



風を写してみました。

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辛抱強く、粘り強く生き延びていてよかったなあと思える瞬間がある。本当に、奇跡的に辿り着いたプロミストランド、約束の地なのだ。



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翻弄されて、倒れて、のたうって、それでも希望へと向かう叫び声を上げられることのありがたさよ。



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自称ガーデンデザイナー、ヘナチョコないわふち ひでとし、もうすぐ61歳。体と心は時々バグってしまいとても健康とは言えないが、なあにそんなのはこの曲を聴いていたあの時と同じこと。ふふ、歳のせいじゃない。精神はいたって健全ではある。そうじゃないと庭の設計などできないし、だからこの領域だけは死守する。



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ははは、これでいいのだ。これでいいのだバカボンボン。のたうちながら、今日も至高の庭世界を思い描くのだ。いいよいいよ、これで。痛みを前提とするならこれ以上楽しいことって、そうそうあるもんじゃないからね。イントロのベースとリードがいいんだよなあ。それとね、結論的に、今になってわかる孤高のユージシャン久保田真琴という人の脳内に吹く風が、うちの庭にも吹いている。



ミーとココは暴風音から逃れて部屋でまったり。
庭から避難することもできる自由がある、これが家庭なのです。


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人はメタモルフォーゼを繰り返しながら熟成する。変貌した現在の彼もなかなか、相変わらずでいいですよ。



 

追いつ追われつ

設計の調子が上がって上がって上がるほど完成までに時間がかかり、集中力のアクセルを踏み込み踏み込み加速をすれば、必ずそこに急ぎの仕事が飛び込んできて、シフトチェンジでそれをこなしてまた途中になっている仮想庭へとワープする。すでに頭の中には完成図があるのに、描くほどに新たなアイデアが降って来て、新鮮な風が吹き込んできて、その風を集めてシーンのシナリオを加筆するからまたもや時間がかかるという好循環、というか悪循環というべきか。仕事に追われないように、追うようにと心がけつつも追いつ追われつ、日々へとへとまで夢想と仮想を描いては、夜には半分放心した悦楽の庭時間。これぞ天職か、はたまた呪われているのでしょうか、行けども行けども、行けば行くほど情熱が燃え上がる。思えばバッハもそうだった。教会やパトロンから殺到する注文仕事と追いつ追われつ、右脳に灯った青い炎を左脳に移し、真っ赤にたぎらせ続けた生涯なり。えい、ままよ!大日如来かアマテラスか、どなた様かは知らねども、仰せのままに、お天道様と追いつ追われついたしましょう。考えようによっては、ですが、最高に幸せなことではあります。藤原さん、鈴木さん、本田さん、それぞれに設計はハイクオリティーを維持したままで佳境に入っています故、今しばらくのご猶予を。ドッキドッキする仕上がりになりつつあります。



2021年春、富士の夕景はターナーのカンヴァス。
 
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今日は終日、J.S.バッハと駆け比べ。

 





 

春や春

菜の花や 月は東に 日は西に
与謝蕪村



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雪とけて 村いっぱいの 子どもかな
小林一茶



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あち東風や 面々さばき 柳髪
松尾芭蕉



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雪残る 頂ひとつ 国境
正岡子規



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この道しかない 春の雪降る
種田山頭火



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春の雪 まだ現役の 鯨尺
梅沢富美男



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春や春、庭で味わう名人上手のそれぞれは、いずれも心豊かに春や春。
連日共感しつつ励まされるは、庭人たちの暮らしぶり。皆様それぞれに、懸命にして賢明なり。
子育ても、介護も、熟年夫婦のゴタゴタも、季節を浴びる庭があれば大丈夫也。転じて、庭が荒れてているようでは、いかな苦難もなす術なし。
庭ですよ庭、いい庭があれば上々の春。故に、日々意地でも維持する健やかな庭。


今日の設計 BGM は、菜の花のように可憐なカレンの歌声で。





 
 

りんごの木を植える

健康と幸せの要因は感謝と笑顔と生きがいであると、賢者は繰り返し話しています。きっとその通りなんです。だったらそれを実践すればいいわけで、みんながそのように暮らせば賢者がわざわざそんなことを言う必要もないわけで、全員が賢者の暮らしを実現でき、その時には花のように、鳥のように、愛と平和の世界に暮らすサピエンスの群れとなる。



今朝の花。
ただ花が咲いているだけのことながら、
秋に植えといてよかったなあと、何度そう思ったことか。

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なんでいつまで経っても電車が止まり、狂人が暴れ、悲劇が繰り返されるのか。事件から天気雨予報まで、片っ端から危機を煽る情報によって、きっと賢者の言葉が胸に響くだけの余裕がなくなっているんでしょうね。



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「余裕がないから庭どころじゃない」 という結論を何百回も聞いてきました。だったら来店する意味がないのに何で?と何百回も思い、いやいや自ら導き出したその結論に納得できていないから、切実に何か違う可能性を求めて来られているのだと何百回も。



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お金に余裕があれば、時間に余裕があれば、これは最も安直に自分の夢を叩き潰す言葉であり、理想の暮らしへ至る道の、最初にして最大のハードルなのかもしれません。庭を整えるのにたいしたお金はかからない、どころか、ちゃんとした庭にしないと長年にわたって莫大な無駄遣いをしてしまうし、 忙しい人ほど本を読むのに似て、エネルギッシュに暮らす人の庭ほど花数が多いのですから。



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棒線グラフがはっきりと下降し始めて、さてここからが巻き返しの時。あんなちっぽけな、細胞にも満たない、生物とも言えないようなバイキンに翻弄され失われた幸福な時間を取り戻しましょう。感謝と笑顔と生きがいを掲げて、クラクラするほど幸せな庭時間を楽しもうじゃないですか。え、そんな余裕はない?そうですか、そうですよね。コロナに関係なく余裕がないことを御旗と掲げる人は、一生追い立てられる人生。それはそれで昭和的というか、昔ながらの実直にして素敵な生き方かもしれません。



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映画『感染列島』(2009年 主演 妻夫木聡・檀れい キャッチコピーは「神に裁かれるのは人間か?ウィルスか?」)に出てくる言葉。

たとえ明日世界が滅びるとしても、君は今日りんごの木を植える。

出自はマルティン・ルターの「たとえ明日世界の終わりが来ようとも、私は今日りんごの木を植える」。どうです?明日世界が終わるとして、あなたは何をするでしょう。世界が終わるとなるとなかなか・・・きっと右往左往してしまうかもしれませんけど、自分が終わると置き換えれば、やはり黙々と、嬉々として、りんごの木を植える(幸福な庭を思い描く)気がします。自分にとって、それがいちばん幸せなことですから。


今日の設計BGMはこれ、チャイコで。
アリスは今日も、
嬉々としてりんごの木を植えているんだろうなあ。

 

第三楽章(30:17〜)が素晴らしくて、
いつ聴いても頑張ろうって気になるんですよ。


 
 

日課

毎日帰宅すると庭に出る。何をするわけでもなく、とりあえず庭に「ただいま」と言う。それからひと通りの家事をこなして夕飯を食べ、今度はパソコンと本を持って再び庭へ。



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そこからの時間は他の時間とは違って、この上なくパーソナルな、迷走から抜け出して瞑想するような。



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今日を採点する。反省したり、必ずいくつかはある感動を思い出したり。大概の場合、出会いに感謝し、あ、いや、人だけではなく空や富士山や、ふとした時の光の具合とか。振り返って確認しておかないと惜しい気がして。



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そうこうしているうちに、夜空から誰かしらたやって来る。開いた本の登場人物だったり、故郷の友や家族だったり、純粋無垢な恋心を共有してくれた少女だったり、黄泉から遠路はるばる来てくれる人もいる。時々はポールやジョンも遊びに来てくれる。当然話に花が咲き、いつもその会話から何かしらの「いい気分になる言葉」がテーブルのメモに残されることとなり、翌朝はそれを糧に、やはり庭からいち日が始まる。



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そんなことをかれこれ10年。もしもこの庭がなく、この習慣がなかったらどんな人生だったろうかと。大いに真面目で夢見がちな自分なので、きっとそれなりに頑張って、それなりに充実していただろうけど、今とはまったく違う仕上がりだったことは間違いのないことだ。



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よかった、よかった。助かったし、ありがたかった。あと何年だろうか。あと何日かもしれないが、変わらずここに腰掛けて、季節季節の夜風を浴びながら、しみじみと今日を振り返るこのことは続くのです。



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考えようによったら、この庭時間が日々の中心、心のマイホームなのかもしれない。むかしむかしのそのまたむかし、まだ庭という概念がない時代、ぼくと同じく毎夜外に出てはもの思ったサピエンスはいた。いたどころか、それが悩み多き人類のマジョリティーだったに違いない。


リフを待つ朝の庭

朝晩庭に出て時を過ごす習慣がもう10年続いています。相談に来られた方にその話をすると、変わった人だなあと思うのか、変なこと言うなあと思うのか、あまりその点に興味を示すことはありません。自分としてはその習慣こそが庭の魅力と威力の鍵であると実感していて、それさえ理解していただければほとんどの庭は幸せな場所になって、庭があってよかったなあと思う暮らしを実現できるのに、と思いつつも、うまく伝える術はないし、まあ無理強いするようなことでもないし、他に庭についての話したいことが溢れ出してきますから、「朝晩庭で過ごしています」は風変わりな庭屋の名刺がわりに、差し出しては忘れるか捨てられるかするワードなのであります。


小雨の庭で、じっくりと朝日を待つ。
待ちながら周波数を整える。
クリアな音が流れる今日のために、ここで慌てる理由などないのだ。

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小雨まじりの今朝の庭。気温は妙に高く、無風で霧の中にいるような湿気が心地いい。腰掛けて、パソコン開いてから室内に戻り、濃い目のコーヒーに豆乳をブレンドして再び庭へ。
雲間から来た来た、日が射し込むようにリフが来た。

リフってわかりますかね、リフレインのリフ。音楽用語だと思うんですけど、曲の冒頭に印象的なフレーズ(エロディー・リズム/イントロ)を持ってきて、それが全曲を通して繰り返される、という手法のことです。誰でもイメージできるものとしてはラベルのボレロ、ビートルズだとカム・トゥゲザー、マイケルなら今夜はビート・イット。

来た来た、あのギターリフが、あのイントロがやって来た。



何と何と、YouTube でフルアルバムを聴けるんですね。今日は脳内に夏の風を吹かせて仮想庭を覆い描きます。

プランをお待ちの皆様、どうかそのまま、いつまで待たせるんだと呆れながらでもそのままお待ちください。ただお待ちいただくだけでいいんです。クラクラするくらいの感動の庭をお届けにあがります。




McCartney III

ようやく棒グラフが3つ目の山を下り始めました。目の前に次の山が現れるのか、それは小高い丘なのか、はたまた酸素ボンベ無しには登れないほいどの標高なのかは神のみぞ知る。



1月中は夕日に間に合うように帰宅して庭へ。
何となく、そうすることで調子が上がることに気づいたもので。

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昨日はポールのニューアルバム『 McCartney III 』を聴きながら過ごしました。





ポールはどこまでも、あくまでも、いつまでもポール・マッカートニー。



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ステイホーム中に90日をかけて全演奏をひとりでやったというこのアルバムは、31年ぶりに全英・全米アルバムチャートで1位を獲得したそうです。



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78歳の彼は、まだ20代の頃のインタビューで「もしも生まれ変われるならバッハの左手になりたい」と語っています。このアルバムに何度か出てくるチェンバロの音が胸にくる。ポールはあの頃のままなんですよね。



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登り坂でも下り坂でも、長く曲がりくねったその道すがらに、ひたすら花を咲かせて歩くのみ。



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今日も引き続き、これを流しつつ、脳内に広がる花咲く仮想庭を線にしてゆきます。




 

A working class hero is something to be

君が生まれるとすぐに 奴らは君を卑屈にさせるレッテルを貼った
与えられる代わりに時間を奪われ
その苦しみに押し潰される直前まで 理不尽な境遇に気付くことができない 
労働者階級の英雄なんて そんなもんさ
労働者階級の英雄なんて そんなもんだよ

家では傷つけられ 学校では痛めつけられる
賢ければ憎まれ 馬鹿なら侮辱される
奴らのルールに引きずりまわされて 気が変になるまで
労働者階級の英雄なんて そんなものさ
労働者階級の英雄なんて そんなものだよ

奴らは20年もの間 君を苦しめ 脅かしておきながら
立派な職に就けという
もしも君が役立たずなら 恐怖に支配されて身動きできなくなる
だけど立ち上がった
労働者階級の英雄だなんて たいしたものさ
労働者階級の英雄だなんて たいしたものだぜ

宗教漬け 薬漬け テレビ漬けにされたままで
それでも自分の有能さを信じるなんて 自由を目指すなんて
どうかしてるよ としか言いようがない
労働者階級の英雄だなんて たいしたものさ
労働者階級の英雄だなんて たいしたものだぜ

奴らは上層階にまだ空き部屋があるとそそのかす
丘の上に住むエリートの仲間入りをしたいなら
笑いながら人を殺せるようになれと誘ってきやがる
それが今や労働者階級の英雄だなんて たいしたものさ
労働者階級の英雄だなんて たいしたものだぜ

英雄になりたけりゃ 俺みたいにやればいい
英雄になりたいなら 俺みたいにやればいい





もしあなたがジョンのベスト盤を聴いたとして、この曲だけが異質に思えるかもしれません。ファンの間でも、これが嘆きと皮肉の歌なのか、希望へと導く応援歌なのかが取り沙汰され続け、訳詞もその点があいあいなものばかりで、ことに A waorking class hero is something to be の解釈が霧の中状態。そもそもワーキングクラスという概念が当時のイギリスに独特なものだったようで、時空を超えてその時のニュアンスを捉えることが無理なのである、とも言われています。



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今朝、ホームセンターの駐車場に停まっていたトラックの後ろにジョンの姿が。



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来た来た、聖ジョン・レノン降臨だ。この曲が脳内に流れてきて、思ったんですね、もしも今ジョンがホワイトハウスの前に現れて歌い出したらって。人々は目が覚めたように A waorking class hero is something to be  を「労働者階級の英雄だなんて、素晴らしいことだぜ」という意味で合唱し、最後は勇気と元気を得た自分のこととして「英雄になりたけりゃ、俺みたいにやればいい」と叫んでいるに違いないと。



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だから、その幻想に登場したジョンの意に沿って、冒頭に自分なりの意訳をしてみました。



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If you want to be a hero well just follow me 
自営業者の皆様、苦難に喘ぐ方々、あの手この手で難局を乗り越えるあなたの姿がヒーローなのです。諦めてはいけない。何がどうなろうと命を取られるわけじゃなし、やれることをやれるだけやりましょうよ、自ら命を捨てることなく。生きてりゃなんとかなりますって。





Keep smile.
Love & Peace.
 



メタモルフォーゼ

昨日の成人の日、今年はさすがに若者たちの、若さゆえ〜♪の醜態を見ずに済むかと思いきや、やっちゃいましたねぇ、、、横浜。こともあろうに何でYokohamaなんだと、一瞬。



先日の強風には、どうやら相模湾の潮が混ざっていたもよう。
ヘロヘロに傷んだバラを摘み取りました。
たった2日後、次の蕾が次々と。

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次の瞬間には「これが羽化へと至る幼虫のもがきなのだ」と思いました。定番の沖縄や埼玉ではなく横浜。昆虫好きの見解としては、ハマの男の子たちに野生の可能性を見たのです(周囲からはお灸を据えられたことと思いますけど、それでいいのだ。愚行を反省し、しっかり凹むように)。



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カブトやクワガタの幼虫は、春の温度を感じると地中でもがきます。盛んにジタバタして、下痢便を出しながら地団駄踏んで転げ回る。結果、頑丈な個室(蛹室)が出来上がりそこでサナギとなって、初夏の頃、見事にメタモルフォーゼで芋虫から全く違う生物と思える成虫に変身するのです。



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そうじゃなくても暮らしには大変さが遍在、ああねく存在しているもので、そこにこの事態ですから、我ら大人も大いに地団駄踏んでもがきましょうぜ。



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介護の苦労、子育ての苦悩、仕事形態の変化、夫婦のギクシャク。今は遍く冬なんだからそんなもんですって。これでいいのだ、これが春の予感なのだと思って。



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甲虫のサナギは寝返りを打ったりグニャグニャ動きながら、いったんドロドロに溶けた自身から羽や足や鎧をつくってゆく。その時にきれいな卵形の蛹室ができていないと羽化でずに土になってしまう。今は蛹室作りに専念する時なのです。



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ジタバタジタバタ、やがて、必ず、絶対に、間違いなく、ごく普通にさりげなく、気がついたら春爛漫の庭で「今年は海に行きたいなあ」なんて言っていますから。



冬の次は春。春の次は夏。
ここはひとつ春を飛び越えて夏のバイブルの一頁にて、
エナジーチャージを。

 

福音、
フレッシュでいる限り人間は自滅しない。

 


 

グレースランド通信 2021年春号

お上から緊急事態を宣言されずとも、毎日緊急事態だと思っている人は何とかかんとか生き延びられる、という実感。庭を楽しみ賢く暮らす人たちと接していると、そういうことなんだなあと思うわけです。皆さんそれぞれに、仕事、家庭、闘病、介護、子育ての悩み、夫婦の葛藤、ご近所トラブル、経済的困窮、今現在なんとなかしなければならない課題を抱えながら笑って暮らしている。ひとつの不安もなく、淀むことなくさらさらと行く川の流れのように暮らしている人なんてひとりもいないし、千日回峰行をやった阿闍梨さんだって、たぶんですけど、女房の口撃に怯えて、檀家さんの評判を気にして、寺の経営に悩んでいるんじゃないですかねえ。だからこそ、その苦しみを真正面から受けてしまう困った性格だからこそ常人が為し得ぬ修行にドM的に挑むわけで、つまりは高僧であっても日々の時間をいかにいい気分で過ごすかという細やかな幸福の実現を願望として、緊急事態を掻い潜り、四苦八苦しながら生きている。それでも笑うんだと、力を合わせて笑うんだと、ひとりでも笑って過ごすんだと、悲惨を極めている飲食業に限らず、それがスタンダードであるという所にいち早くたどり着いた経営者は、不思議不思議、知恵も浮かぶしファイトも湧いてくる。生きがいであり、糧であり、人生そのものとも言える店をたたむことの悲しさ、寂しさ、悔しさだって、大切な家族と自分の幸せを継続するための積極的な選択であるなら、きっと耐えられるし、また必ず立ち上がる日がやって来る、論理的な根拠はないですけど、絶対にそうなのです。お天道様は見ている、という非科学的にしてスピリチュアルめいた事柄が、政治家が読み上げる空っぽの言葉よりも、何百倍も胸に来ます。アマテラスよアマテラス、正直に、真面目に、愛情に立って暮らしている人たちを、ひとりも見落とすことなく導きたまえ。
なんか、夜明け前の、寒風がキツめの庭にて、こんなことを思ったのでありました。



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正月早々に作成した店頭用チラシに、こういう時だからこそのメッセージを込めました。


Garden  グレースランド通信 2021年春号

『庭で心の健康維持を』 

なかなか困難な時代となりました。そうじゃなくても幸せな人生を築くことの困難さは、誰にとっても大きな課題です。日々それをクリアしながら笑顔で暮らすために、何よりも大切なのが心の健康。では健康な心とはどのような状態を言うのでしょう。私の結論としては、それは『自然な状態にある』ということだと思っています。不自然な思考で不自然な暮らしをしていたら誰だって不健康になります。庭に関して言うなら、カーテンを閉めたままで暮らすことの不自然さ、雑草取りをストレスに感じている不自然さ、庭という場所が暮らしの役に立っていない不自然さが何年も気になり続けていて、それらを解消することで、庭を幸せな暮らしに寄与する生活空間として成立させる、その一点を目的とした設計を積み重ねてきました。朝は外気と太陽光で全身を目覚めさせ、昼は土をいじり花を愛でて命を実感し、夜になったら星空と静寂を楽しみつつその日を振り返って、就寝前にストレスを消し去ってしまう庭。休日には家族が集い、友人を招いて心置きなく満ちたりた時を過ごす。土づくりをし、手入れを繰り返し、愛する家族が健やかに過ごせるようにと丹精した庭。他にも理想の庭の姿は人それぞれでしょう。ただしどんな理想も適切な設定を行わない限り実現することはありません。コンセプトメイク、目隠し、区分け、立体構成、導線、照明、カラーリング、植栽など、理にかなった組み立てによってのみ、あなたに寄り添い、励まし、癒し、幸福方向へと背中を押し手を引いてくれる庭が出現するのです。え、忙しくてそんな面倒なこと考えていられない?いやいや案外簡単ですので、私が毎晩庭の書斎で綴っているブログ『ガーデンデザイン!幸せな庭のレシピ』の中のアーカイブ、『家族の庭のつくり方』を参考しにして、あなたの理想の庭を思い描いてみてください。あるいはご来店いただければ、そのセオリーに沿った庭づくりをご提案いたします。人生一度きり、という命題を突きつけられ続ける困難な時代だからこそ、心の健康維持に役立つ庭を実現させて、幸運によって与えられた時間を有意義に、感動的に、愛情いっぱい、幸せいっぱい、笑顔いっぱいで過ごせるように頑張りましょう。たくさんのお客様のその後を見つめながら思うこと、いい庭があれば人生は上々なり。



毎朝、世界はこれから始まるんだと。
庭で水やりをしていると、
そんな気持ちになるのです。






 

 

元旦

不思議なものですねえ、年が改まることのこの厳かな高揚感。あけましておめでとうございます。



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西郷隆盛の弟、西郷従道は、ある年の正月にどこかの温泉場で扁額を残しているそうな。「世の中が大変な時ではありますが、どうかしばしの休息をお許しください。一息ついたら命をかけて働きますゆえ」という内容だったそうです。2021年1月1日、庭にて完全弛緩で、ビールから始めますことをご容赦ご容赦。明日からアクセル全開で設計に没頭しますゆえ。



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昨年の後半、何度も今日の朝をイメージしてました。この曲にふさわしい朝が来ると。




 Here Comes The Sun - The Beatles (1969)

Here comes the sun 
Here comes the sun, and I say
It's all right

ここに太陽が昇る
ここに太陽がやって来る 
そして僕は言うんだ
大丈夫だと

Little darling,
it's been a long cold lonely winter
Little darling, 
it feels like years since it's been here

可愛い君 
長く冷たい孤独な冬だった
愛しい君
幾年もの月日が流れたと思うほどに
ここへ来てから

Here comes the sun
Here comes the sun, and I say
It's all right

ここに太陽が昇る
ここに太陽がやって来る 
そして僕は言うんだ
大丈夫だと

Little darling, 
the smiles returning to the faces
Little darling, 
it seems like years since it's been here

可愛い君 
微笑みがその顔に戻っていく
愛しい君
幾年もの月日を重ねたと思えるような
ここへ来てから

Here comes the sun
Here comes the sun, and I say
It's all right

ここに太陽がやって来る
ここに太陽が昇る 
そして僕は言うんだ
大丈夫だと

Sun, sun, sun, here it comes
Sun, sun, sun, here it comes

太陽がここにやって来る
太陽がここに昇る

Little darling, I feel that ice is slowly melting
Little darling, it seems like years since it's been clear

可愛い君 
僕は感じる 氷がゆっくり解け出しているのを
愛しい君
幾年もの年月がかかったと思うほどに
ここへ来てから

Here comes the sun
Here comes the sun, and I say
It's all right

ここに太陽がやって来る
ここに太陽が昇る 
そして僕は言うんだ
大丈夫だと



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驚くことに、いま半袖で庭の書斎にいます。眩しく暖かな朝日です。大丈夫、ここに太陽がやって来た。他に何が必要だろうか。もしもそれがあるなら、意気揚々とそいつを掴みに行こうじゃないですか。



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今朝の庭はまるで天国だ、などとニマニマしていたらミーが意気揚々とお年玉を持ってご帰還。スズメ。幸いにして軽傷で、雲ひとつない空へ羽ばたいてくれました。いやはや。



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今年もいち日いち日丁寧に、せっかくの命を燃焼させましょうね、美しく、美しく。



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Here comes the sun Here comes the sun, and I say It's all right



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さてと、小腹が空いたからピザでも焼こうかな。あ、元旦だから佐藤の切り餅ラクポイポイか。



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夕飯は孫たちと蟹鍋の予定。詩織さん、ありがとね。
 

 

 
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