造園 word あれこれ
アイストップ
人を注目させる点景物や物語性のある小さな風景などのポイント。 庭の見せ場を作りつつその先へと誘導してゆくことを意識しながら配することで、庭に奥行きと深みが生まれる。
アイストップを使って立ち止まらせ、しゃがませ、見上げさせ、次の場面へと誘う、これは日本人の得意技。西洋庭園ではシンメトリーの中心に噴水や彫刻は置かれて、つまりシンボルとしてのアイストップにとどまることが多く、対して日本庭園の場合、限られた面積にどれだけの気づきやドラマを盛り込めるかというアイデア勝負が積み重なって、回遊式庭園から茶庭・坪庭までの技が出来上がっています。
人を注目させる点景物や物語性のある小さな風景などのポイント。 庭の見せ場を作りつつその先へと誘導してゆくことを意識しながら配することで、庭に奥行きと深みが生まれる。
アイストップを使って立ち止まらせ、しゃがませ、見上げさせ、次の場面へと誘う、これは日本人の得意技。西洋庭園ではシンメトリーの中心に噴水や彫刻は置かれて、つまりシンボルとしてのアイストップにとどまることが多く、対して日本庭園の場合、限られた面積にどれだけの気づきやドラマを盛り込めるかというアイデア勝負が積み重なって、回遊式庭園から茶庭・坪庭までの技が出来上がっています。
植木算(うえきざん)
延長5メートルの生垣を仕立てるために50センチ間隔(通常は30センチ)で木を植える場合、5÷0.5=10なので間隔は10スパンあるが、木は11本必要。このように割り算プラス1を植木算と言う。
慣れてしまえば当たり前のことながら、修行時代にはなかなかピンと来ない厄介な計算。両サイドの空きを50センチの半分25センチにするとか、そういう実地の経験を経て、数式頭がほぐれて造形的思考が身についてゆく。
植木職人は日常的に植木算を行っているため、コンビニでビールを買って帰る時、ついつい予定よりも1本多くレジへ持っていってしまう(これ、ほんと)。現場には少し早めに行き、水やりは入念に行ない、何事にも「プラス1」が身についてゆく、これが植木屋の丹念で実直な職人気質になってゆくのです。
延長5メートルの生垣を仕立てるために50センチ間隔(通常は30センチ)で木を植える場合、5÷0.5=10なので間隔は10スパンあるが、木は11本必要。このように割り算プラス1を植木算と言う。
慣れてしまえば当たり前のことながら、修行時代にはなかなかピンと来ない厄介な計算。両サイドの空きを50センチの半分25センチにするとか、そういう実地の経験を経て、数式頭がほぐれて造形的思考が身についてゆく。
草花の苗を植える時に、間隔をどうするか迷いますよね。

数ヶ月後に花いっぱいになったシーンを思い浮かべてください。

近すぎると根が混み合って成長が悪くなり、
遠すぎれば間が抜けた花壇になってしまいます。

ターシャ・テューダーの混植が美しいのは、
間隔が絶妙で、さらに立体的な構成と色合い、
それぞれの開花時期までもイメージして植えているから。

ガーデニングとは未来を思い描く作業なり。

数ヶ月後に花いっぱいになったシーンを思い浮かべてください。

近すぎると根が混み合って成長が悪くなり、
遠すぎれば間が抜けた花壇になってしまいます。

ターシャ・テューダーの混植が美しいのは、
間隔が絶妙で、さらに立体的な構成と色合い、
それぞれの開花時期までもイメージして植えているから。

ガーデニングとは未来を思い描く作業なり。
植木職人は日常的に植木算を行っているため、コンビニでビールを買って帰る時、ついつい予定よりも1本多くレジへ持っていってしまう(これ、ほんと)。現場には少し早めに行き、水やりは入念に行ない、何事にも「プラス1」が身についてゆく、これが植木屋の丹念で実直な職人気質になってゆくのです。
結界(けっかい)
元々は修行僧が邪念を抱かないために、俗世間と修行の場を区切ったことに由来し、寺社の山門・鳥居がそれに当たる。造園の場合、茶庭の路地(別世界)への誘いと導きに木戸や関守石(通行止めの目印)などを配する時に使う言葉。茶室へと入る躙口も「ここから先は身分に関係のない茶の世界」と言う意味の結界。
結界、世界と世界を隔てつつ結ぶ、お作法に満ちた言葉である。
元々は修行僧が邪念を抱かないために、俗世間と修行の場を区切ったことに由来し、寺社の山門・鳥居がそれに当たる。造園の場合、茶庭の路地(別世界)への誘いと導きに木戸や関守石(通行止めの目印)などを配する時に使う言葉。茶室へと入る躙口も「ここから先は身分に関係のない茶の世界」と言う意味の結界。
結界、世界と世界を隔てつつ結ぶ、お作法に満ちた言葉である。
寒肥(かんごえ)
樹木や芝生などに、冬の間に施す肥料を言い、年間の施肥の中で一番大切とされている。
なぜ一番大切なのか、それは休眠期である冬季間、植物は休んでいるわけではなく力を地下に集中しているからです。その間にどれだけ根を成長させられるかによって、春からの開花や実付きが決定します。
樹木や芝生などに、冬の間に施す肥料を言い、年間の施肥の中で一番大切とされている。
なぜ一番大切なのか、それは休眠期である冬季間、植物は休んでいるわけではなく力を地下に集中しているからです。その間にどれだけ根を成長させられるかによって、春からの開花や実付きが決定します。
真行草(しんぎょうそう)
平安時代に確立された書体の真書(楷書)・行書・草書から転じ、江戸時代に庭の様式や空間構成の理念語として広く使われるようになった。真は格が高く、例えば延団(通路)では名刹と呼ばれる神社仏閣の参道には『真』、切石が整然と並べられた広い仕立てが為され、茶庭や京町屋の路地などには『行』切石と野面(未加工の自然石)を組み合わせた通路が、人里離れた山寺の園路や個人邸の趣味の庭に『草』、 自然石だけの、やや歩いづらいが温もりや楽しさのある仕立てが良しとされた。
真行草、家のフロントヤードは真を意識した格調高き仕立てを、庭は行と草で笑顔が溢れる雰囲気を。
庭の仕立てにとどまらず、お出かけの時の服選び、夕飯の献立、表情や言葉遣いなど、その場や相手や目指す世界に適した選択を心がけたいものです。
ことに「目指す世界」を意識した言動って大事。ふとそんなことを思うだけで、背筋は伸び、瞳が開き、口角がググッと上がるんだから、意識って不思議なものですよね。
平安時代に確立された書体の真書(楷書)・行書・草書から転じ、江戸時代に庭の様式や空間構成の理念語として広く使われるようになった。真は格が高く、例えば延団(通路)では名刹と呼ばれる神社仏閣の参道には『真』、切石が整然と並べられた広い仕立てが為され、茶庭や京町屋の路地などには『行』切石と野面(未加工の自然石)を組み合わせた通路が、人里離れた山寺の園路や個人邸の趣味の庭に『草』、 自然石だけの、やや歩いづらいが温もりや楽しさのある仕立てが良しとされた。
真行草、家のフロントヤードは真を意識した格調高き仕立てを、庭は行と草で笑顔が溢れる雰囲気を。
庭の仕立てにとどまらず、お出かけの時の服選び、夕飯の献立、表情や言葉遣いなど、その場や相手や目指す世界に適した選択を心がけたいものです。
ことに「目指す世界」を意識した言動って大事。ふとそんなことを思うだけで、背筋は伸び、瞳が開き、口角がググッと上がるんだから、意識って不思議なものですよね。
お天道回り(おてんとまわり)
植栽作業で植木の向きを親方や旦那に見てもらう時に、向かい合っているため「右回り、左回り」だとややこしいので、「太陽が動く方向へ回せ」という指示で使う。
植栽作業で植木の向きを親方や旦那に見てもらう時に、向かい合っているため「右回り、左回り」だとややこしいので、「太陽が動く方向へ回せ」という指示で使う。
毎日起きたら庭に出て、朝日を浴びることで体内時計が正常に働き
幸せホルモンが分泌される。
早寝早起き、お天道回りで暮らすのが健康の基本。




西から昇ったお日様が東へ沈む、
それではダメなのだ(お若い方々には意味不でしょうが)。
若者はともかく中高年の皆様、太陽の動きと同期して、昼夜逆転せぬように。
幸せホルモンが分泌される。
早寝早起き、お天道回りで暮らすのが健康の基本。




西から昇ったお日様が東へ沈む、
それではダメなのだ(お若い方々には意味不でしょうが)。
若者はともかく中高年の皆様、太陽の動きと同期して、昼夜逆転せぬように。
お天道様と米の飯はついて回る。お天道様は見ているぞ。お天道様が許しても、この桜吹雪は見逃さねえ。昨年は令和元年だったということで皇室行事が立て続きました。その報道に何度も出てきたのが天照大神。若者たちよ、テンテルダイジンじゃないですよ。日本神話に登場する、地上の民にとって実質上最初にして最高の女神、アマテラスオオミカミ、つまりお天道様のこと。あれだけ大がかりにして厳かなる式典をまのあたりにすると、改めて日本は古事記・日本書紀に基づく神話の国なのだなあと実感できました。ご贔屓筋にはご案内の通りでぼくはけっこう神話好き。人が文化らしきものを手に入れた頃から(いやさ石器時代からすでに、かも)抱えていた悩みや苦しみや、それによって得られる回答(知恵)は今と全く変わりがない、ということは・・・ヤマトタケルも、猿田彦も、さらにさかのぼればイザナギとイザナミも、ぼくやあなたが日々経験しているのと同じ厄介事に翻弄され、悲喜交々の人生を送ったんだなあ、などと。歌舞伎の世話物、落語の人情噺でも思うんですけど、何でぼくらは過去に学べないんでしょうかねえって、そういうところが面白いのです。そしてこれまた改めて気づくことは、庭はルーツを辿れば、日本だけでなくギリシャ神話の世界でも、オーストラリアのアボリジニ、ハワイやバリなどポリネシア文化圏、人類発祥の地アフリカでも、人々が太陽と交信する聖なる場所だったんだよなあということです。
打水(うちみず)
茶会の際に路地に水を撒くこと。
茶会の際に路地に水を撒くこと。
埃を洗い流しておくということ以上に、石や苔や花を水によってイキイキと見せる、もてなしのお作法である。夏の打水は通る人へ涼を差し上げる気遣い。関東ではとんと見なくなったが、京都に行くと今でも町家の前は当たり前に水が打ってあって、文化の深さを思わせる。
先日「とにかく洗濯物をたくさん干せる庭にしたい」というご依頼があり、なんでも家族全員のシーツを取り替えて洗濯するのが日課だとのこと。奥様の、ご家族への見事なお作法ぶりに唸ってしまいました。
根回し(ねまわし)
移植の際にあらかじめ主根以外の根を切り、髭根を出させとおくことを言う。
現代では主に仕事上の準備的裏工作で、これは会社員に必須の能力。東京では新橋のガード下、横浜なら野毛の辺りで毎夜くり広げられている。家庭においてはパートナーとの良好なる関係維持を願い、他の家族や友人に施しておく愛情表現のひとつ。ただし「策士策に溺れる」と申しまして、巧みな者ほど裏目に出ることがあるので慎重に。
貴美子庵様、新シリーズ、こんな感じでいかがでしょう(笑)
移植の際にあらかじめ主根以外の根を切り、髭根を出させとおくことを言う。
引越しをする時に思い出の木は連れて行きたいですよね。
最低でも半年前には根回しを行ってください。
わが家のジューンベリー。




急な場合は思い切った剪定で枝葉を少なくしてから、
土を崩さないように注意しつつ、
運搬に可能な限り大きく掘り取ること。
あるいはぼくにご連絡を。
最低でも半年前には根回しを行ってください。
わが家のジューンベリー。




急な場合は思い切った剪定で枝葉を少なくしてから、
土を崩さないように注意しつつ、
運搬に可能な限り大きく掘り取ること。
あるいはぼくにご連絡を。
現代では主に仕事上の準備的裏工作で、これは会社員に必須の能力。東京では新橋のガード下、横浜なら野毛の辺りで毎夜くり広げられている。家庭においてはパートナーとの良好なる関係維持を願い、他の家族や友人に施しておく愛情表現のひとつ。ただし「策士策に溺れる」と申しまして、巧みな者ほど裏目に出ることがあるので慎重に。
貴美子庵様、新シリーズ、こんな感じでいかがでしょう(笑)
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