アマテラスの賜物

 愛の讃歌で始まりマイ・ウェイで幕を閉じたパリ五輪。祭りのあとの寂しさに浸る間もなく大谷翔平 SHOーTIME。本当にすごい人ですよね。コロナの間も、地震が起きても、ロシアが侵攻しようとも、彼はひたすらに打って走って、しかもあの爽やかな表情のままで、多くの人の気持ちを上向かせ続けています。昭和時代の言い方をすれば「巨人、大鵬、大谷翔平」。すでに神の領域、大谷大明神です。メルカリに爪の垢が出ていたら有り金叩いて落札したい。あやかりたいなあ、自然体で全力を発揮するあの感じ。



標準レンズ装着し、汗を拭き拭き早朝散歩。
キバナコスモスは勢いがよく、ルドベキアは焼けて枯れ、
野の草達もこの灼熱に精一杯のご様子。
蝶は涼しいうちにと朝食の真っ最中。
ぼくはカメラ片手に日陰を目指し早足で。

生きとし生けるものたちの絵日記としてシャッターを切る

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 さてさて、明日ですかね横浜に台風がやってくるのは。かれこれ三月半も続いた異様な暑さがこれでクールダウンされて、夏休みっぽい情緒のある普通の夏へと整えてくれることでしょう。



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 山の草木も野の人も、待ちに待ってた恵みの雨。サウナでローリュー耐え忍び、飛び込む水の爽快感を期待して。いやほんとに、今回ばかりは警戒よりも土砂降りのありがたさが優っている気がします。もちろん被害は出てほしくないけど、コースが絶妙にいいじゃないですか。



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 列島直撃を企てる悪童スサノオを、アマテラスお姉ちゃんが上手になだめていうような進路予想ですから、望み通りの雨台風で過ぎてくれる気がしています。



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 え、不謹慎?毎度毎度の大騒ぎ、台風祭りを繰り返すテレビ局からしたら、このように台風到来を歓ぶことは確かに不謹慎かもしれません。では庭に出て、空を仰いでアマテラス様に、スサノオ様に、八百万の神々に、大谷大明神に向かって二礼二拍手一礼し、ひどい被害が出ませんように&恵みの雨への感謝も添えて、アノクタラサンミャクサンボダイ、ロッコンショウジョウロッコンショウジョウ、ア〜ビラウンケンソ〜ワ〜カ〜〜〜。



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 地球上のどの宗教・宗派であっても、願い事だけするのはお門違いのはず。感謝ですよ感謝、感謝感激雨霰。



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 いやほんとに、しっかりと、たっぷりと降ってほしい。この長く続く灼熱で、職人さんたちは限界だし(休み休みやらないと倒れちゃいますから、通常の半分も捗らない)、植えたての庭木は日焼けて枯れる寸前だしで、人も植物も命懸けの日々なのです。









 

Garden Re- Quest 庭は人のための場所

 庭は植物を育てる場所(畑)ではなく、人が暮らす場所なのだと捉え直して、現在の庭を見つめてみてください。
 そこが庭としての意味と意義を持っていれば、どれほど有利に豊かな人生を築いてゆけることでしょう。理に適った庭は、あなたが何かでしくじっても、ボケーっと暮らしていても、手を取って、必ず幸せ方向へと導いてくれます。それが庭の意味であり、意義なのですから。


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Before 1
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After 1
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田村邸Before2


After 2
田村邸After2



Before 3
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After 3
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 庭の意味・・・建物に付随する生活空間。

 庭の意義・・・リラックス、リバランス、リチャージ。



田村邸1

田村邸2

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夏の花返り咲け

 早朝の、まだアスファルトが焼けていない時間にカメラ担いで、近所を一周撮影散歩。散歩というのは不思議なもので、ただ歩くだけで全身が活性化し思考が整ってゆくのがわかります。
 きっとそれだけ運動不足なのでしょう。徒歩移動が当たり前だった江戸時代では、旅人はいち日に8里から10里(32〜40km)歩くのが普通だったそうで、登山の経験上、一里(4km)がだいたい1時間かかりますから、お伊勢参りや、坂本龍馬のように江戸と京都を行ったり来たりする場合、毎日8時間から10時間歩いていたことになります。それができる体力と気力を普通に有していたわけです。



道路とブロック塀との5センチほどの隙間にしぶとく生息している芙蓉の木。
毎年、夏から秋まで清らかな花色を楽しませてくれます。
ところが今年は咲き始めて五日ほどで花が落ち、蕾もつかなくなりました。
異様なほどの暑さと陽射しで、さすがに弱ってしまったのでしょう。
しかし、雨が降り、気温がもう少し下がったら、たぶん返り咲いてくれるはず。
気温や水不足の苦難に遭った時、自ら葉を落としたり花を控える者は復活するのです。
がんばれがんばれ。
道端の花にエールを送る朝 雨台風の襲来望む


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 電車通勤の方はきっと5千歩以上歩くでしょうし、立ち仕事をしている人なら1万歩を超えることでしょう。田舎の母は家事と畑と曽孫の世話で毎日2万歩近くになったそうで、「歩くことが大事だよ」と医者から渡された万歩計を、アホらしくなって使わなくなったと言っていました。



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 さてぼくはといえば、十代後半から二十代に越後の山を登りまくり、歩くのが大好きだったはずが、携帯の歩数計は千歩に満たない日がほとんどです。現場仕事(庭木の剪定や測量作業)の日でもそんなに動き回るわけではないので、せいぜい5千歩止まり。終日設計に集中した日はひどいもので、2百〜3百歩くらいで、それが何日も続いたりするわけですから、体力が落ちるはずです。



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 歩こ歩こ。着替えを用意して、早朝散歩を1時間以上まで延ばすことにします。コースはご近所ではなく里山がいいかな。



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 ひとつアイデアがあって、それはカメラのレンズを愛用の望遠ズームから、これまでほとんど使っていなかった標準単焦点レンズにすること。人の視野に近い画角で、立ったりしゃがんだり、近づいたり離れたりしながら風景を切り取るという昔ながらの撮影スタイルが、いくらかでも筋力復活になるでしょうし、感覚が、撮影に夢中だった二十歳頃にワープできることも期待しながら。










Garden Re- Quest 大人の秘密基地

 道路から下がった地下1階にリビングルームがあり、その外に裏庭スペースがあります。初めてそこを訪れた時に、出会い頭のときめきが。ワクワクっとして、ご夫婦に「ここ、隠れ家的な庭にしませんか」と口を突いて出たことを覚えています。
 広くて見晴らしが良い場所には、それを活かして晴れやかな庭を。逆の場合は、例えばリゾートホテルのプライベートガーデンをイメージして。



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Plan A
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Plan B
菅原邸PlanB


これを元に検討を重ね、細部を整え、出来上がったのが次の PlanC です。


Plan C
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Before 1
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After 1
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Before 2
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After 2
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 目隠しという意味ではなく、空間構成のための壁がポイントです。



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 マリーンライトとLEDフラットライトを設置。



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 どの庭も、設計時には必ず夜の様子を思い浮かべます。星空と夜風を楽しめるようにすることで、庭の魅力は倍増しますから。



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 最初にここを見た時のワクワク感がカタチになって、隠れ家、大人の秘密基地、そんな仕上がりになりました。出会い頭のときめきを消さずに、それを聖火にして灯し続ける。仕事でも趣味でも夫婦でも、大事なことですよね。





 バングルスのヒット曲「 Eternal Flame 」が似合うご夫婦と、完成した庭で茶話会を楽しみました。


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 おふたりで元町散歩の途中で見つけたというカップ&ソーサー、とってもおふたりにお似合いで、ほのぼのとして素敵です。この庭の記念にと思い、後日ぼくも買いに行きました。



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 どうだ田部井くん、こんな感じで。

 くどくどしてないし、いいんじゃないですか。それよりも、すごいですねこの庭。裏の荒地に大人の秘密基地が出現!設計のコツとか要点なんかをもっとを詳しく知りたいんですが。きっと庭をどうしたもんかと悩んでいる人の役に立ちますよ。

 いやいや、それをやり始めるとくどくどしちゃうんだよ。サラッと、チラッと、あとは見る人に委ねる。それでいいんだって思うことにした。

 なるほど、藤原ヒロシ方式ですね。

 あそこまで極端にはやれないけどさ。藤原ヒロシの Instagram 、一切説明なしで意味不明な写真を連日アップしてる。こっちに考えさせるんだよね。あの手法は凄すぎて真似できない。でもあの人ってなぜかかっこいいから、メガネは真似してOAKLEY のフロッグスキンに老眼レンズを入れて使っているけど。










家族の庭のつくり方 12

狭い庭は椅子とテーブルを置く

庭が狭い場合は、最大の楽しみである「過ごすこと」を優先させてください。
立って半畳寝て一畳、椅子とテーブルを置いて、心地よく過ごすために必要ないくつかのことを整えれば、室内とは別世界のスペシャルな「外の部屋」が出来上がります。



曽田邸 PlanC(出幅2メートル)

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Before

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After

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狭くてもあきらめてはいけない。



澤田邸 Plan A(出幅80センチ)

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Before

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After

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それが無理なほど狭いとしたら、庭空間を部屋の背景としてイメージしてください。
風に揺れる枝や咲き誇る花によって、部屋が庭になります。



 パリ五輪が終わりますね。ぼくは感動したがりなので、寝不足気味になりながらできるだけリアルタイムで観戦しました。少々疲れつつ、やっぱりいいもんですよねえ、オリンピックって。 
 新競技に驚き、勝利者インタビューの優等生ぶりに感心し、全力で勝負した選手の姿に感動感動また感動の日々。ではその中で最大の感動は何であったのか。自分でも意外なことに、セリーヌ・ディオンでした。
 ぼくらはオリンピックを「平和の祭典」と呼び、そのように捉えてきました。今回ので「愛と平和の祭典」に進化した気がしています。

 人類は捨てたもんじゃない。








見上げさせる威力

 「上永谷に出現した巨大な花がSNSで話題になっているらしいですよ」と、お客様から教えていただき、早速現地へ。それは環状2号線の緑地帯に、放置されたように生息しているリュウゼツランの花でした。



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 早朝6時、まだ誰もいないかと思いきや、20人ほどの人がその勇姿を撮っておこうと、スマホを空に向かって掲げています。



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 うれしい光景。このように人を上向かせる自然の力に、これまで何度も感心し感動してきました。皆既日食、流星群、虹、植物ではソメイヨシノ、ノウゼンカズラ、アーチのバラなど、道ゆく人を立ち止まらせ見上げさせる自然側と、見上げる人側との関係性が素晴らしいことだなあと、以前からそう考えていたのです。



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 教会のステンドグラスは礼拝堂に集った信者が見上げる位置にあります。人は見上げる時に瞳が開き、気道も開いて大きく息を吸い、背筋が伸び、その姿勢にリードされて気持ちが晴れやかになる。つまりそれは、苦悩を胸に教会を訪れた人を希望へと導く装置的な美術、インスタレーションというわけです。
 そのシステムを自然が心得ているとしたら、まんまとその手に乗って、人は日々空に手を合わせて感謝すべきです。あるいは自然界にそのような、自分たちの心身を良い方向に導く力があるのだと信じる人もまた、お天道様に感謝して暮らしていることでしょう。



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 自然はあなたの味方になってくれます。アマテラス(太陽)、ツクヨミ(月)、スサノオ(海)の三貴神を筆頭に、あらゆる自然現象に宿っているとされる八百万の神々。その伝説を信じるか信じないかはあなた次第なれど、逆に自然界に神を感じず生きるのは、難しすぎると思いますよ。



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 庭があるのに、そこに出ないで、自然を浴びることなく暮らしているあなた。勿体無いというか、それはあまりに不利なこと。日々自然を感じ取って生きるように、ぼくらのDNAは仕組まれているのですから。この先自然が酷しくなるほどに不自然な者は淘汰される。だらか自然に親しみ、自然を取り込み、自然体で暮らすのが大事です。



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 そうそう、百年に一度の珍現象と思いきや、調べたら全国各地でリュウゼツランが開花しているとのことで、これは七月の猛烈な暑さが引き鉄になったものと思われます。
 もうお盆なんだし、いくら何でもあと少しで晩夏の情緒を味わえる日が来るでしょう。外仕事の皆様、頑張りましょうね。







風の歌を聴け 変化すること

 ふと一年前の記事「 風の歌を聴け 想像してごらん 」を開いて再読し、愕然としました。昨年も今年同様に灼熱の夏で、終戦の日を前に書き記したことが、本日これから書こうしていること全く同じでそのままコピペで差し支えない。いかんなあ〜・・・一年前と今とで、自分の思考も行動もほぼ変化していないことにがっかりしたのです。進化ゼロだよピテカントロプス・イワフチくん、きみはこの一年、ひたすら足踏みを繰り返すばかりで前進していなかったのではないのかね。



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ディケード単位で、じわりじわりと着実に進む温暖化。
昭和生まれには異常に感じるこの猛暑も
令和っ子には普通のこととなるのでしょうか。
孫を見ていると、ぼくらの頃とは夏休みの過ごし方が様変わりしました。
ラジオ体操は数回だし、基本的に室内で、涼しく暮らしているようです。
皮が剥けるほどの日焼けも当然のことながら御法度だし。
ちなみにぼくの肩から腕は、今年三度目の脱皮中(現場焼け)。
このヒリヒリ感が、海遊びの名残りみたいで気分いいんだけどなあ。
そんなこと言ってんのはぼくら世代だけになりました。
哀れ地球規模の変動に抗えるはずもなしサピエンス。
40万年前から、変化への適応こそが現世人類の生き残りの術なり。
仕方ないんだろうなあと思いつつも、
孫たちよ、
百日紅と千日紅は絵日記に描いといてほしいと願っているよ。
暑中涼あり、夏の情緒に揺れる花。
十年後、二十年後、彼女らの夏の風情はいかなものとなるのやら。
涼しい部屋でかじるガリガリくんかな?




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 進化とは変化の果てに生まれる適合性のこと。その変化はしばしば奇異であったり、異常に見えたりするわけで、だから世の中からは疎まれ危険視され、阻害され続ける期間を耐え忍ばねばならない。
 オリンピックで脚光を浴びているスケートボードなどその典型で、あれは元々塾に行くタイプじゃない悪ガキたちが放課後の暇を持て余し、他人の敷地や公園の、段差や手すりやスロープを遊び場にしていたもので、そのダルダルの服装と、見るからに危険なゲームに大人たちは眉を顰め、スケボー禁止令を連発。俗に言う不良とはちょっとニュアンスが違うけど、彼らのストリートファッションも含めて、大人や年寄りには目障りなカルチャーだったのです。
 あれから幾星霜、疎まれながらも遊びづつけたガキンチョたちは技術を上げ、カッコいい存在となり、競技者人口が増え、スポーツ競技となりました。それが今や世界中を感動させている。いいですよね、若者がたむろするストリートから発祥したスポーツって。あの国境も性別も年齢も超えた競技者同士の讃え合いは、最高にスポーツマンらしい姿だと思います。今夜から始まるブレイキンも同じような経緯で、スケボー文化と並走して新種目となった競技です。こちらも楽しみ楽しみ。



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 それで、ぼくの話です。進化をストップした感のある一年間に気づき、さて、どうしたものか。
 変化です。進化を止めないためには多少ヘンテコリンでもまずは現状を変えてみること。変化、変化、変化が大事。これは庭を維持するコツと同じことなり。見慣れたとたんにその庭は輝きを失って、暮らす人に語りかけてくるのをやめてしまいます。「変化させないと沈黙する」のが、庭という場所の性質なのです。
 そこに自分を投影して考えれば、さえない自分、いけてない自分、足踏みを繰り返している自分に気づいたら、即座に庭へ行き、雑草を抜き、花を植え替え、鉢の配置を変え、自分が過ごす場所も変えてみること。庭をそんなふうに、我が身を映す姿見だと思う思考を持てたら、人も庭も光り輝き出す。本当ですよこれ。ぼくの周りはその実例だらけですから。



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 ということで、この頃は読む本を変え、聴く音楽を変え、生活パターンを2時間早起き側にスライドし(4時起き)、寝る前にウッドデッキでストレッチを始め、頓挫していたこのブログを再開し、といった具合で怒涛の変化を試みている次第。
 変化ですよ変化。何かに迷ったら、迷わず変化することです。










マンモスは恐竜?

 金沢区釜利谷の小川が流れる遊歩道は、かれこれ10年歩き続けている散歩道です。季節に従い色とりどりの花が入れ代わり立ち代わり、毎年しっかりとスケジュール通りに咲いてくれます。だからその種類によって過去の自分へとワープできるという、長く楽しんできた者の特権が嬉しくて、きっとこれからも通い続けることでしょう。
 聞けば道路沿いの住人達が掃除や手入れをしているとのことで、ぼくのような部外者がボヘミヤン的に楽しませてもらえることが嬉しいやら申し訳ないやらで、何なら通行料をお納めしたいと思うほどです。
 世の中的には夏枯れで庭の花数が減るこの時期でも、サルスベリ、マリーゴールド、センニチコウ、ヒマワリ、フヨウ、ラベンダー、アサガオ、ガウラ、キバナコスモス、ノウゼンカズラ、ペチュニア、ツキミソウ、チェリーセージ、さらには稲穂の花とこれぞまさしく百花繚乱。
 そしてこの道の夏の主役はハスの花です。



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 白亜紀(1億3500万年前〜6600万年前)から姿を変えずに子孫へと命を繋いできた奇跡の大輪。きっとハスは発生初期段階から、進化を必要としないパーフェクトなシステムを備えていたのでしょう。



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 自分の流儀を曲げずに長く生存しているということは、そこに、神に選ばれし何かしらの理由というか、神様が好むチャーミングさがあるに違いありあせん。ぼくらが見ても息を呑むほどの独自な美しさを感じるこの花を、神様仏様造物主様も大好きなのでしょう。美しい姿、美しい性質、美しい生き方を優先しながら構成されている自然と生態系。夏休みの間に孫たちと野山を歩いて、あるいは庭遊びで、漠然とでいいからそのことを体感させたい。神様は美しさを基準にして世界を司っているのだと。



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 白亜紀といえば恐竜が大型化した時期で、その頂点にいたのがご存じティラノサウルス。草食恐竜ではこれまた有名なトリケラトプス。こないだ孫の美空(小1)が「ジイジくん、ティラノサウルスってT・レックスのことだよね」と唐突に恐竜話を始めて、いやあ女の子でも子供は恐竜好きなんだなあとびっくりしました。続いて「マンモスも恐竜でしょ?」と。



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 マンモスも恐竜でしょ?

 それは違うと思うなあ。だって恐竜って爬虫理じゃん。マンモスはたぶん哺乳類だよ。ゾウの仲間だから、やっぱりマンモスは恐竜じゃないと思うよ。

 でもさあ、大きな牙があるじゃない。あれは恐竜だよ。

 ゾウだって牙があるよ。

 え、ほんと!象って牙があるんだっけ?

 あるよ、あるある。インドゾウには長い牙があるし、バアバには鬼みたいに角が生えてるし。

 え、バアバって角があるの?

 そうだよ。普段は見えないけど、怒るとニョキニョキ生えてくる。

 キャハハハ、それは怖いね。じゃあやっぱりマンモスもバアバも恐竜だ。恐竜って怖い生き物なんだから。

 そうだね。恐竜だね。



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 これにて一件落着。マンモスは恐竜、ということで。











Garden Re- Quest 昭和の庭 ☞ 令和の庭

 江戸時代、庶民の庭は縁側と物干し場と畑と、広さに余裕があれば鶏や山羊を飼う生活の場所でした。植物を愛でるという面では盆栽の流行などがあり、俳句やボタニカルアートに繋がる粋人の趣味的要素もあったものの、一般的感覚として、庭は特別な建物に付随しその施設の格を上げるために整備された余裕の敷地(お寺の境内とか)、という概念だったと思われます。

 ちなみにさらに遥か遡れば、前方後円墳の前方は前にある方形(四角い土地)ですから建物の敷地で、後円は裏庭(来場者が集う広場・コロッセオ)を意味しているというのがぼくの素人説で、学術的諸説には一切出てこないながら、外構と庭の設計を生業にしている者には、そうとしか思えない形状なのでありあす。天岩戸の前の広場(前庭)で、太陽神復活を願う人々が舞い踊ったことと同じく、太古の昔から人々は共通の思いを胸に広場(庭)に集い、語り合い、不安や怒りの感情を分かち合い、祈りを込めて歌舞音曲に興じていたに違いない。これが祭りの原形であり、庭とは元来そういう場所だったのだ、というのがぼくの庭屋的持論です。余談でした。

 明治時代から大正時代になると、個人邸に寺社仏閣の庭や大名庭園の要素を取り入れ、景石、池、仕立て上げた名木を配することが功成り名を遂げた旦那衆ステイタスとなりました。このいわゆる「文士の庭」が最先端の庭のスタイルとなり、西洋建築のお屋敷が増えるに従い芝生とレンガが多用されてゆきます。そこに武士と粋人が嗜んできた茶道の茶庭文化が相まって、ぼくらが思い浮かべる家庭の庭の基本的な構成が出来上がりました。
 そして昭和時代、敗戦のこともあり、日本の庭の進化は止まってしまいます。一大決心でローンを組んで家を建て、さて、建蔽率の関係での余剰地をどう扱っていいか、建築業者、造園業者、そこに住まう人の誰ひとり積極的な発想を持つことなく途方に暮れ放置するか、あるいは江戸・明治・大正の様式を止む無く踏襲するかで、平成、令和と時は流れ、その足踏み状態のまま今日に至っているのです。

 ぼくらはそろそろ、占領国から自立した日本独自の庭の概念を獲得しなければならない。大袈裟ではなく、真剣にそう思っています。なぜなら、アメリカあんなことなので、もう憧れる要素がなくなってしまった。ではヨーロッパに羨望を向ければよいのか。違います。パリ五輪の開会式で、フランス人が持っている歴史と文化の分厚さに驚愕し感動したものの、それは決してぼくらにそぐう質のものではないし、そもそも憧れ癖みたいな態度では独自の文化を育むことなどできないのです。そもそもパリ万博の頃には彼らフランス人たちがぼくらの三代〜五代前の日本人が持っていた文化に憧れた。そのクールジャパンから美術界のフランス革命とも言える印象派が生まれたのですから。ですから、もう憧れるのはやめにして、諸外国から憧れられる日本独自の生活様式を築き上げるタイミングなのです。それは海外との比較ではなく、ぼくらが現状の中で、いかにして家族の幸せを実現させてゆくか、という一点に意識と努力を集中させることが肝要。その手始めに、進化を止めて久しい庭を、概念から変えてゆくという、そんなムーブメントが起こってくれるといいのですが。
 日本人は「家庭」という言葉を持っています。家と庭で家庭。「家」はこれ以上必要ないところまで進化し住環境は充実しました。さて、置き去りにされっぱなしで雑草対策以外に人々の気持ちを動かさなくなってしまった「庭」の方を、しっかりと見つめてみてください。あなたとご家族の幸福な人生のために。そして庭のある暮らしが、幸福な人生のシーンとして積み重ねられてゆきますように。



 では始めます。「 昭和の庭 ☞ 令和の庭 」。
 昔ながらのよく手入れされた、格の高いお庭です。とても賢明に暮らしてこられたことが伝わってきます。

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 ご要望は、「手入れはきちっとやっているけど、何となく違うんじゃないかと思って」というもの。具体的にどう変えたいというお話が出なかったので、「仮に『もしもぼくの実家だったら』というプランを描きますから、それを叩き台にしてイメージしてください」ということで、このような設計になりました。


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眺める庭から過ごす庭へ

庭を室内を繋ぐ

芝生で犬が駆け回る

夜風を楽しむ

人が集う

 以上のポイントを形にしました。するとご家族全員の目から鱗がハラハラと落ち、提案通りの施工となりました。

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 昭和の庭から令和の庭へ。


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 夜はこうなります。「過ごす庭」の場合、夜の演出は欠かせない。夜風を楽しむことを除いてイメージしてしまったら、庭の魅力は半減してしまいます。


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 ついでにフロント、道路沿いの花壇の植物も整えました。


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 もちろんご家族全員大喜びで、客観的にも庭の進化で暮らしが大きく、さらなる幸福方向へと前進した気がしています。


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 庭という場所は、進化させ続けないと輝きを失う性質を持っている場所。見慣れてほったらかしたら、すぐに暮らしの澱のようなものが溜まってしまいます。そういう意味で、このガーデンリフォームは庭を楽しむ暮らしのスタート地点です。ちらっとそんなお話をし、時と共に輝きを増すような生活を期待しつつ、庭を後にしました。


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 その後何度も手入れのご依頼をいただき、訪問するたびに楽しさと深みを増していったこの庭のその後を確認しました。当初の「もしもぼくの実家だったら」という提案が大成功だったなあと思い、実際に実家の庭を作ってあげたいなあなどと、我が田舎の家族に思いを馳せた次第です。






HI どうだ田部井くん、こんなスタートで。

田部井P い、いきなり真面目ですね。大丈夫ですか?

HI 大丈夫だよ、知っての通り根が真面目だからこういうことなら永遠に書いていられる。

田部井P いやそうじゃなくて、伝わるかなあってことです。前段でそっぽを向かれるかもしれないなあと。暑いんだし、みなさん忙しいから、インスタで写真を流し見るくらいがトレンドというか、インスタでもくどくど文章書く人のは人気ないみたいだし。

HI そこかあ・・・・。

田部井P 論文や専門書じゃないんですから、端的に、楽しくお願いします。

HI ・・・・はい、心がげます。




Garden Re- Quest Introduction

 「庭の探究」あるいは「庭をめぐる冒険」☞ Garden Quest

 これをカタカナ表記にする場合「ガーデン・クエスト」か、「ガーデンクエスト」か。
 「ガーデン・クエスト」。中黒「・」を入れると生真面目で堅苦しいニュアンスが滲む。入れずに「ガーデンクエスト」にした場合「ドラゴンクエスト」を連想させるためか、これから始まる壮大なる庭物語のタイトルとしてはいささか軽すぎる気がするのだ。ドラゴンクエストは「ドラクエ」となった。略称とはそういうもので、広く浅く拡散するには適しているが、その刹那にことの本質は消失する。龍をめぐる壮大な冒険譚は一気に人気ゲームソフトの呼び名へと変質してしまう。「アビーロード」は「アビー」ではなく「アビーロード」、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は「サージェントペパー」ではなくあくまでも「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と呼び続けたい、というスタンスに立ち続けて人生を終えたいと思っている頑固ジジイの側面が、ぼくにも確かに存在するわけでして、多くの場合、それが老害を招いてしまうことなどはがってん承知の助。だから正面ともう片方の側面には笑顔絶やさぬ柔軟な好々爺を演じ続けているのです。しかし演技は演技。昭和生まれの価値観を失ってしまったとしたら、我ら世代の時代的アイデンティティは失われてしまうに違いない。戦争を知らない子供たちが戦争を語り継がない(継げない)ままでいるという、子や孫世代への大罪を犯すことに似て。なあんてね。8月はどうしても、毎年そのことを思ってしまう昭和元禄成れの果て。いやはや頑固さの取り扱いは団塊を含め、世の爺さんたちの重大な課題なり。

 今現在ぼくの進行方向に広がっているのは、多くの人にとっては未知の世界でありながら、ぼくには日常の居場所であり仕事のフィールドでもある「意味ある庭、価値ある庭、愛が溢れる庭、人生のクオリティーに影響する癒しと感動の庭世界」。けもの道しかない未踏の原野を分け入るようにして、倒けつ転びつ、時に沼地に踏み込んだ足が抜けずに往生したり、いやはやなかなかに苦労の多い数十年だったなあとしばし感慨に浸り、涼しい木陰でひと休みひと休み。慌てない慌てない。ソモサン(如何に?)、セッパ(説破/論破して進ぜよう)。

 ソモサン「庭とはなんぞや。住宅地を見るがよい、どこもかしこもレゾンレートルが希薄な、それどころか苦労の種でしなかない庭ばかりではないか」。

 セッパ「我逢人(がほうじん)。本物との出逢いから全ては始まるのです。大多数の人は意義ある庭を体感したことがなく、つまり、まだ日本にはほとんど『庭』が存在していないとも言える。ゆえにこれからそのような『意義を有する庭世界』を丹念に並べてご覧いただくことといたしました」。

 で、そのシリーズに冠するタイトルをどうするか。「ガーデン・クエスト」か、「ガーデンクエスト」か。・・・ええい面倒だ、カタカナをやめてしまえ。
 このように、行き詰まったら方向を変えてみるのが設計者のセオリーなのであ〜る。八方塞がったら九方目を探し、壁にぶち当たったら迂回をし、ハードルは越えずに潜り抜け、どん底前落ちたらさらに掘る。・・・・・Garden Quest 、よし、これで行こう。すると、そこへ突然のミューズ降臨。「お久しぶりね〜。間に『Re』を入れてごらんなさ〜い」。端にして的なる思召し。おお、何ということか。これはいい!決まり。

 『Re』を入れる。Garden Re- Quest 。「庭の冒険を再び」と「ガーデンリクエスト」のダブル・ミーニングではないか。設計時同様に、何者かが降ってきて言葉なり形なり概念なりを授けてくれる奇跡に導かれてここまででやってきたのでありまして、思えば遠くへ来たもんだ、ふるさと離れて40年。もしもぼくに特殊性があるとするならば、この降臨現象に他ならない。巫女やイタコに類する能力を、確かにぼくは持っておるのです。その何者が何者であるのかは不明。背後霊とか守護霊とかかもしれないが、その時々でそれを「レノン」と呼んだり「ミューズ」と呼んだり、近頃は多くの場合「アマテラス」と呼んで、早朝の庭でお天道様に二礼二拍手一礼を欠かさず感謝している次第。空海言うところの大日如来のような、ぼくの内にある曼荼羅の中心人物がこっちこっちと手招く方向に進み、するとそこに素晴らしい出会いがあり、夢中で想像し創造された感動の庭が出現する。ただただその繰り返しで今に至るのであります。故に頭の中身は40年前のまんまで、だからでしょうか、しょっちゅう「ものすごく若く見えますね」と言われ、それが果たして喜ばしいことなのかどうか・・・。爺さんには爺さんの役回りがあるのですから、ちょこっと老けメイクでもするのが世の嗜みかとも思いつつ、残り時間を思えばそんなことを考えているいとまなどなく、おいとままでの一仕事としてこの Garden Re- Quest を綴りますゆえ、どうぞお付き合いくださいませませ。
 では御大師様から発せられた「ソモサン」への丹念な「セッパ」の始まり始まり〜。

 新シリーズのイントロダクションはこんな感じでどうだろうか、田部井くん(昨年からぼくをプロデュースしてくれているかつてのスタッフ。今は重要な外部スタッフ田部井P)。

 相変わらずくどいですね。それと全体的に文章が軽すぎるし、ガシャガシャし過ぎじゃないでしょうか。

 そうなんだよ、そこなんだよ田部井くん。くどくて軽くてガッシャガシャ。それを改善しようとしたら迷路に入っちゃって、なかなか記事を書けなくなってね。書いては削除、書いては削除の繰り返し。でも書かないよりは書いたほうがいいよな、きっと。何事も、不完全であってもやらないよりはやったほうがいいに決まっている。たくさんの常連さんから「ブログが途絶えてるけど、どうしたんですか」と心配されたりもしたし。だからね、これでいいんだと、これが我がスタイルなんだと思うことにした。何だかなあ、コロナ以降、世の中批判めいたことばかりで、論破とか、そういうのにうんざりしてね。同時に自分の中に深く根を張っている批判精神にもうんざりしてしまった。「批判からは何も生まれない」という北原照久グルの言葉が頭の中をグールグル。でもこのシリーズを始めることでようやく抜け出せる気がするよ、田部井くん。迂回し潜り抜けて、ついに足元に九方目を見つけたから掘ることにした。庭のあれこれを「掘ってえ掘ってえまた掘って、担いで担いで炭坑節」だ。ああ、インスタの件は少し後回しにせざるを得ない。きみに勧められて1年くらい経ってるのに申し訳ない。基本はブログだから、こっちのペースを回復させることが先。それがきっとインスタデビューの準備にもなるだろうしね。

 なあるほど、確かに書かないことには何も始まらない。まあいでしょう。考え込んでサクサク進まない、その混沌からポコっと生まれる庭や言葉、それがイワフチさんの持ち味なんですからそのままでどうぞ。インスタグラムは一旦始めたら怒涛の如くやり続ける世界なので、じっくりと準備しといたほうがいいですし。

 準備っていうか、いまだに開き方すらおぼつかないんだけど。最初からしっかり教えてくれよ。

 ぼくも忙しいんだから自力で勉強してください。小学生でもできることなんですから。

 う・・・確かに。でもさあ、誰か一から教えてくれないかなあ、サクッとね。他に勉強したいことや読みかけの本だらけで、設計と事務仕事は相変わらず山積みだし、携帯を弄っている時間などないのだよ。まあいっか、なるようになる。志だけは消さずに、藤原ヒロシの WALKING MEN を口ずさみつつマイペースで歩を進めるのみ。

 では、膨大な量の庭写真を使った壮大なる庭物語の、始まり始まり〜。

今シリーズの写真は Before and After が中心になります。
例えばこういうの。

『 ローズガーデン 
丸岡さんちの場合 』

Before
丸岡邸Before4

After
丸岡邸After4


『 ウッドデッキ20年目の復活劇 』

Before
新谷邸Before5

After
新谷邸After5


『 すご!ガレージの屋上に庭出現 』

Before
石井邸ビフォー2

After
石井邸アフター2










感動のこと

 栄区のオープンガーデンが開催されました。今年はバラとのタイミングがよく天気もまずまずだったので、たくさんの方が花咲く庭を巡る素晴らしい時間を過ごされたことでしょう。ぼくはといえば、仕事が立て込んでいて後藤さんちに行っただけ。残念無念でした。来年はしっかりスケジュール調整をして、二日間たっぷりと、丹精した庭の感動を浴びまくろうと思っています。



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 ぼく自身、庭を思い描き、それを現実の空間として出現させることが仕事なわけで、常に目指しているのは「感動」です。感動する設計、感動する庭、感動的な人生の舞台となる庭の実現。そんなぼくが後藤さんちを始め、お客様方の数多くの庭から感動を得ながら、その感動を糧に次の設計へと向かっている。つまりは感動が仕事であり、ぼくの暮らしであるとも言えます。



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 故に、ぼくは感動の達人と申しましょうか、あるいは感動中毒かもしれません。毎朝その目的地へ向かって進めるように、起きたらすぐに庭に出て今日の組み立てをする(やること、やりたいことは山のようにあるため、その中からシンプルにひとつかふたつの事柄を選んで、それに集中するための助走に入る)。夢中で仕事をし、夕方帰宅したらこれまたすぐに庭に出て、ストレッチをしながら明日のことをイメージする。それが済んだら頭を切り替え、仕事以外の事柄を耳から入れつつ(タイムフリーのラジオか音楽)、軽くビールを飲みながら家事(主に料理)。そして食事が済んだらまた庭に出て、眠くなるまで本を読む(この頃はずっと、川勝正幸著『丘の上のパンク:時代をエディットする男:藤原ヒロシ半生記』を繰り返し。面白過ぎてなかなか眠くならない)。それからベッドに入ってくるココ(愛犬)とミー(愛猫)と一緒に心地よく熟睡して、目覚めたら庭へ。数年間これをひたすら繰り返しています。全ては感動の庭づくりのために。あるいは感動的ないち日を怠りなく積み重ねてゆくために。



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 というようなことを時々ですが人に話すと、きょとんとされるんですよね。きっと感動って、そうそうやってくるものではなく、人生に何度かしか遭遇しない感情だと捉えているのでしょう。ぼくも以前はそうだったかもしれません。でもですね、若い気のままで仕事に熱中していて、ある日ふと気がついたら還暦を過ぎ、孫がなついてくるお爺さんになっていたという、そんな年齢になったら誰だって恥ずかしげもなく感動を追い求めるようになるんじゃないかなあ。他に何かありますか?悔いなく人生を仕上げて去ってゆくために必要なことって。父が天寿を全うし、気の早い友人がコロナで逝き、当たり前だけど命には限りがあるんだなあと呆然としながら、ぼくには仕事に感動すること以外見つからなかった。だから単純に、それに集中しているのです。ぼくはそもそも物事を複雑に考えすぎるきらいがある。もうそんなタイムロスはもったいないのであります。



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 庭から降ってくる感動。毎年後藤さんちの庭は、欠かさずそれをぼくにプレゼントしてくれます。もう20年以上も、毎年必ず。ぼくはバラの香りに包まれながら、きっと後藤さんの暮らしぶりというか、後藤さんご夫婦の人生に感動しているのだと思います。庭は人を映し出します。そして花の数と幸せは比例します。庭という、どこにでもあるありきたりな場所が、どこにもない特別な、感動的な空間として存在できることを、リアルに教えてくれたのがこの庭、後藤さんちの庭なんだよなあと、そんな感慨に浸りつつ撮影しました。



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 感動ですよ、感動。庭ですよ、庭。他にないでしょ、素晴らしき人生の舞台として人を励まし導いてくれる生活空間って。リビング?寝室?バスルーム?トイレ?あるいは車?・・・・やっぱり庭じゃなきゃ、って、ぼくは思っているのですが。



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 後藤さん、来年も楽しみにしています。今年もたくさんのバラを咲かせてくださってありがとうございました。あ、佃煮も。










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