2009年01月

青学のマドンナ

では庭と植物をご覧いただきましょう。
白い高い塀の向こうはどうなっているのかとドキドキしながらインターホンを押すと、メンフィスにあるエルビス・プレスリーの家グレースランドの門扉みたいにでかい扉が開かれました。素敵な笑顔で対応してくださったスタッフの方に促されて中に入っていくと、そこはハワイの高級住宅地に迷い込んだような場所で、この瞬間からずっと、私も妻も「すごい」を連発。他の言葉を忘れてしまったように「すごい!すごい!」と、たぶん300回ぐらい「すごい」を言っていました。

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では植物を。まずはソテツです。どれもこれも年期が入っていて、良く手入れされていましす。これほど立派なソテツをこんなに大量に使っている庭を、私は初めて見ました。もうそれだけでもノックアウト。

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これまた年期が入ったフジ。昨年は花付きがものすごく良かったそうで、奥様は「このフジの花の下にいるとしあわせ~は気分になるんですよ」とおっしゃっていました。

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我が妻が感激していたのが、この立派なサルスベリ。

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私は太くていい感じに仕立ててあるエンゼルトランペットに感激。この木はなかなかこういう感じには仕立てられないのです。腕と人柄のいい植木やさんが入っていることが、これを見てわかります。

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そして一番驚いたのがこれ。何の木だと思いますか?

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なんとなんと、ブーゲンビリアでした。「ハワイかよ」と突っ込みたくなりましたよ。横浜では内陸部に行くとブーゲンビリアは地植えでの冬越しは難しくて、逗子まで行くと何度か庭で育っているのを見たことがありましたが、ここまで大きく元気に成長しているブーゲンビリアは初めてでした。佐島は温かいんですねえ、それと潮風や土壌も成長に適しているんだと思います。見事です。

北原さんは急な取材が入って室内でインタビューを受けていたため、奥様の旬子さんが案内してくださいました。この旬子さんは不思議なオーラを放つ方で、ひと言で言うと「華がある」、誰もを一瞬にして虜にしてしまう魅力の持ち主です。天から降りてきたみたいな。北原さんもそうで、天から降りてきたひとみたいな感じがします。夫婦だから似てきたのか、もしかしたら青学のマドンアだったという旬子さんのオーラを吸収して北原さんが今の感じになっているのかもしれないなあ、なんてこと考えたり・・・と、次々興味が湧いてくるご夫婦です。そうそう、北原さんは奥様のことを「旬子ちゃん」と呼ぶんですよ、まいっちゃいますよね。真似しましょうかねえ、「カオリちゃん」。

旬子さんと
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芝生の庭の入口にいい感じの招き猫があったので、しゃがみ込んで撮っていたら旬子さんが「それは清水国明さんのチェンソー彫りなんですよ。目のところにキノコが生えてきて生きているみたいでしょ」と解説してくださいました。

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あぁ、今日も時間切れ。今日予定していた写真の半分ですけど、続きはまた明日。今日は午前中お客様のところをまわって、昼から旭区四季の森の『レノンの庭』にいます。雨が上がったら恒例の焼き芋焼いてますんで、遊びに来てくださいね。
さっ、今日も張り切っていきましょう!あっ、土曜日か。お休みの皆様は張り切ってお休み下さい!


 

岡惚れです北原照久さん

昨年暮れからブログにコメントをくださっているブリキのオモチャの北原照久さん、ご本人は私のことを「メル友のいわふちさん」とあちこちで話してくれていて、私としては恐縮しっぱなしです。北原さんとの偶然が積み重なった出会いは2008年11月13日~15日をご覧下さい。
で、その北原さんから「佐島の家に遊びにきなよ」と夢のようなお誘いをしていただいて、妻と娘と一緒に行ってきました。今日から4日間、そのときの写真をご覧いただきます。
佐島の家というのは北原さんの最高にして最大のコレクションという、『海を庭にしてしまった家』としてテレビで何度も紹介されている白亜の豪邸のことです。もとは皇室の方の別荘だったそうで、終戦後マッカーサーに次ぐNO.2の(名前を忘れてしまいましたが)方が住んで、その後も持ち主が変わって北原さんが5代目だそうです。北原さんとその家とのことを著書から抜き書きします。

34歳のとき雑誌「ポパイ」で、相模湾に面した湘南の佐島に建つ、外国人が住む白亜の旧竹田宮邸の写真を目にした。『海を庭にしてしまった家』というキャッチフレーズが添えられていて、日本にもこんな家があるのかと驚き、強く憧れた。
その後、その家を再び雑誌「BRUTUS」で見つけた。売値8億円で売りに出すという案内記事だった。ニセ白バイ警官が現金輸送車を襲撃して3億円を奪った事件が大騒ぎされていた時代で、その金額の大きさは現実離れしていて実感をともなわなかった。しかし憧れの対象だった家が「売りに出されている」と知って、「こんな家に住んでみたら・・・」と夢見心地に想うようになった。
日に日に、年々歳々・・・「あんな家に住みたい」との夢が膨らむばかりだった。その思いに引かれるように、やがて湘南に住む決意をして海に面した家を探しはじめたころ、その『海を庭にしてしまった家』が、またまた売りに出されているという。
強い想いに売り主も共感してくれたのか、用意できる精一杯の金額で、焦がれるほどに憧れた家が自分のものになった。初めてあの家を写真で目にしてから15年が経つ、49歳のことだった。


想い続けることの力、そして夢の実現、ロマンですよねえ!「その家に行ける」、胸が高鳴るとはこのことです。実は北原さんと知り合ってから何度か私はその家の前まで行きました。横須賀で打合せがあって近くまで行ったりすると、もう佐島の北原邸に行ってみたくてしかたなくって。でも白くて高い塀に囲まれていて中は見えない。それでもその家の前に立つと「これが夢実現の場所なんだ、かっこいいよなぁ」と感慨に浸って、若大将シリーズやエルビス・プレスリーの映画を観た後のような『明るく、軽く、いい気分』で横浜に帰って、仕事がぐんぐんはかどりました。

ではその『海を庭にしてしまった家』、北原さんちの写真を。私は庭屋なので、まず今日は庭と植物からです。

おっと、そう言いつつ、もう打合せに出かける時間になってしまいました。写真の紹介は明日から、ということで、それにあわせて「岡惚れ北原さん」のことをあれこれと。あっそうだ、今日は北原さんの誕生日でした。夕方6時30分から横浜人形の家でバースデーライブがあります。お時間のある方は行ってみてはいかがでしょうか。テミヤンのグッと来る歌と北原さんのギターとトーク、いい感じのパワーを充電できますよ。おお、時間が・・・、じゃ、今日も張り切っていきましょう!


 

本間さんちの風景『家庭円満』

先日『レノンの庭』に遊びに来てくださった本間山ご一家。庭のことやあれこれお話ができてうれしい時間を過ごさせていただきました。そのときにいただいた手紙と写真をご紹介します。

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今年も子供たちの笑顔がはじける家「庭」でがんばります!!ってところがいいですよね。家庭は家と庭、家ってハウスですよね、ダイワハウス、積水ハウスのハウス。もうひとつホームって言いますね、ミサワホーム、パナホームのホーム。ハウスは建物のことでホームは家庭とか我が家とか、そこに暮らす家族の営みを含めた家のことですよね。建物としての家がハウスでそこに家族の暮らしがあってホーム。家と家庭、つまり庭には暮らしがあるということです。自宅に庭スペースがあっても、そこに暮らしがなければ、庭が生活に欠かせない場所として機能していなければ『家庭』という言葉は成立しないのです。「じゃあ庭がない我が家は家庭じゃないのか」としかられそうですが、そうではなくて、庭は場所のことではないんです。私はそう思っています。なぜなら、ふだん庭を設計しながら何を考えているかと言えば「どうやったらご家族が健康で笑顔いっぱいで過ごす場所になるかなあ」ということで、その場所がたまたま屋外なんですよ。だから私の提案する庭は『屋根のないファミリールーム』になるんです。そして多くの設計に円形が入っています。これは人が集うのに好都合な形だからです。があって、があって、そこにあるの中に集った家族に、笑顔と尽きることのない楽しい会話が生まれて、幸せがちていく。これで『家庭円満』です。

それにしても、つくづく、本間さんは楽しみを作り出す天才だと、あらためて感心させられました。自宅で餅つきですよ!

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杵と臼をお知り合いから借りてきて、餅米蒸して・・・。写真を見ると「楽しいだろうなあ」と、でも実際にはいろいろと大変だと思うんですよ。それを嬉々としてやってしまうあたりが本間さんらしい。そうそう、庭をつくるときもそうでした。「テラスの壁に穴をあけて、そこに笑顔の照明を入れ込みたい」という奥様の発案から、結局ご主人が手作りで笑顔のプレートを制作することになりました。これがそれです。

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「家族で楽しむ」ことへの情熱を感じます。仕事に燃えている人、燃えるような恋をするとか、熱く人生を語るとか、それと同じ熱さで家族の時間に情熱を燃やすご主人、そして奥様。奥様は自家製堆肥で野菜を育てています。そして子供たちはというと、

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はつらつと、それぞれのキャラクター全開で成長しています。

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まさに『家庭円満』の本間さんちです。

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本間さんと知り合ったことで我が社にひとつの言葉が生まれました『庭に夢中、家族に夢中』

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どうです、そういう暮らしかたっていいですよね。さっ、あなたも庭で餅つきに挑戦してみましょう!(でもなあ、実際大変だろうなあ・・・、本間さんはえらい!)


 

木村さんから、うれしい手紙

新年1月ももうすぐ終わります。昨年末から慢性的な忙しさは相変わらずでしたが、北原さんとの出会いがあって以降、坂道を駆け上がるような感じで息切れしながらもさわやかに充実した時間でした。ここいらへんでもう一度、今年の初心を確認しておこうとおもいまして、元旦にお送りした年賀状をもう一度アップしておきます。あらためて、今年の私の決意表明。

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「ありがとうを集めたい」、これは和民の渡邊美樹さんが北原さんのラジオ番組で言っていたことです。「これでもかこれでもかこれでもかと、(介護施設の)入居者のみなさんがよろこんでくれそうなことをやって、ありがとうをたくさん集めたい」。それは我々の仕事でも究極の目標だなあと感じ、今年の我が軍のテーマにしたわけです。
お客様にありがとうを強要するようで、これを年賀状に書くのはどうなのかなあ、という意見もありましたが、渡邊美樹さんは堂々とそのことをあちこちで話して、実際そこに向って突っ走っている。一瞬の躊躇もない感じがいいなあと思って、それにならいました。

そういう気持で仕事しているとお客様からのメールや手紙がうれしくて、その中に「ありがとう」を見つけると小躍りしてよろこんでいます。先日もありました、帰宅すると大きな茶封筒が届いていて、昨年末に施工させていただいた木村さんからでした。手紙と写真。

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庭の打合せ中に「そとであそんでいい?」とおとうさんに聞いて、しばらくしたら全身ドロだらけでお母さんに抱えられて風呂場に直行させられていたお子さんたちが、砂場とテラスで嬉々として遊びまくっている様子が伝わってきました。
スタッフとも木村さんちのはなしで盛り上がって、「ご主人が庭に植えたレモンがうまかったって感激してましたよ。これを毎年食べられるのかあって」とか、「最初は庭に壁を建てることをいぶかしがっていたおばあちゃん(すぐ近くにお住まいです)が、庭が完成したらすっかり気に入ってくれて、玄関からじゃなくて庭から入ってくるようになったんですって」とか。お手紙にも書いてありましたけど、もう少しあったかくなったらテラスでの食事を満喫してくださることでしょう。ああうれしいうれしい。手紙と写真を茶封筒に戻して大切に保管してあります。一生の宝物です。

木村さん、たのしい写真とお手紙ありがとうございました。遊びまくってくださいね。近日中に庭の撮影をさせてください、よろしくお願い致します。


 

さっ、今日もがんばりましょ!

記憶( 高橋邸 9)

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庭の完成を見ずに逝ってしまった娘さんのことを、ぼくは一生忘れません。この庭の写真もお店に貼ってたくさんの人たちにご覧いただきます。ずっとずっと、グレースランドが続く限り。
そしてぼくは一生懸命に「家族を幸せにする庭」をつくり続けます。

娘さんからお母さんへのプレゼント、ジューンベリー。あと2ヶ月で花が咲きます。



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春が来て、梅雨が来て、蝉が鳴いて、お盆の頃にはこの庭いっぱいに花咲き乱れていることでしょう。
花咲く庭で笑顔があふれて、話がはずんで、来年再来年とさらに楽しい記憶が積み重なっていくはずです。
この庭なら、絶対にそうなります。



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奥様の強さのおかげで、庭は「悲しい場所」にならずにすみそうです。あのすばらしい笑顔でがんばってほしい。そしてぼくも頑張ります。



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高橋さん、ありがとうございました。庭のこと、何かあったらいつでも声かけてくださいね。
遅くなりましたけど写真をお届けします。
もうすぐ春です。いいことが山のようにやってきますよ。
ここが、あきれるほど花いっぱいの庭になる日を楽しみにしています。


さっ、設計設計。
がんばります。






葉牡丹( 高橋邸 8)

ぼくは葉牡丹をこんなにすてきに使っているのを見たのは初めてでした。
撮影しながら奥様にそのことを話すと、「バラみたいでいいでしょ」といつもの素敵な笑顔。

実はこのお庭をブログで紹介しようかどうか、ずいぶんと迷いました。
そしてこのことも。


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工事が8割くらい進んだ頃にスタッフから「高橋さんちの娘さんが亡くなったそうです」という連絡が入りました。
えっ・・・言葉が出ないまま呆然としました。そして今こうして書いていてもそうなんですが、涙が流れて止まりませんでした。

ぼくに設計依頼された後に、
奥さんと娘さんは
うちの店『レノンの庭』までタクシーで来てくださったそうです。私は留守にしていたんですけど、おふたりで庭の草花と店内に貼ってある写真や図面をつぶさにご覧になっていたということを後でスタッフに聞きました。車椅子で外出も大変な状態でのご来店でした。

庭の完成を見ずに逝ってしまった娘さんに「ごめんなさいね、仕事が遅くて」と何度も何度もそう思いました。それと奥様にも。

世の中に子供に先立たれること以上の悲しみはありません。奥様やご家族にかける言葉もなく、庭の完成が間に合わなかったことの無念さ、申し訳なさでいっぱいになりながら数日を過ごしました。そして庭が完成して、花を持って、娘さんにお詫びを言いに伺いました。
家の前にクルマを止めると、ちょうどお出かけになるところだった奥様に出くわして「わあ、いわふちさん来てくださったのお!」といつものはじけるような笑顔で迎えてくださって、少し、気持が楽になりました。

私の中には「ご家族にとって、この庭が悲しい思い出の場所になってしまうのかもしれないなあ」という気持ちもありました。もしそうなったら辛すぎるから全く違う庭につくり替えよう、そう思っていました。でも奥様が「庭が完成したから新年早々に植木鉢を買いに行ったのよ。いいでしょうこれ」とはしゃいでくれて、春になったら植えたい植物のこともあれこれと話してくださいました。さらに「庭をお願いしてよかった」と言ってくださったので、ほっとしました。

リビングでコーヒーをごちそうになりながら、娘さんの話しになりました。いつもすばらしい笑顔の奥様が、その笑顔のままで大粒の涙をぽろぽろこぼしながら「辛いわよ・・・」と。
庭のこと、娘さんのこと、数時間いろんな話をして帰ってきました。
ぼくとしてはどうしたら奥様の辛さを和らげることができるかと、そのことばかりを考えていましたけど、そんなことはできるはずもなく、かえってこちらが励まされるような感じで情けなかったです。

10年ほど前、ぼくにはいろいろあって辛い時期がありました。アルバイトに来てくれていた小針くんという青年が「いわふちさん、神様は乗り越えられない試練は与えないんですよ。今は辛いけど、必ず乗り越えられますよ」と言ってくれました。
同じ時期に、お客様であるアチーブメント株式会社の青木仁志社長は「その辛さは代償の先払いですよ。そんなに支払ったんだから後で何倍もいいことが待っていますよ」と励ましてくれました。
そういう言葉や、ぼくが経験した苦難の乗り越えかたを精一杯並べてみましたが、奥様の涙を止めることはできませんでした。あたりまえですよね。

人生にはこういうこともあります。いろんなことがおこりますよ。ああすればよかった、こうすればよかったと思うこともたくさんあります。自分の力が足りなくて、大事な人を助けてあげられなかったこともありました。「ごめんね、ごめんね」と何百回もあやまりながら「一生懸命仕事して、力を蓄えて、今度は絶対に助けてあげるから」、そう心に誓ったこともありました。
辛い出来事っていきなりやってきて、何もかも破壊しそうな勢いで暴れまくります。泣こうがわめこうが容赦なく痛めつけられます。そしてそういうことというのは、たぶん全ての人に訪れる試練なんですよね。
人生がそういうものだってことを学校じゃ教えてくれなかったし、その乗り越えかたも教えてはくれませんでした。そういう場に直面した時に初めて試され、その人の根本的な力によってしかそれを乗りきることはできないのです。きついことですけど、でもそうなんです。
ただ、そういう時に、ぼくは友人と親兄弟からの言葉がとても有り難かった。ぼくはその言葉を紙に書いて部屋に貼りまくって、それを読みながらひたすら辛さ耐えました。私を思ってくれる人たちの、そういう言葉があったから耐えることができたんだと思っています。
奥様に私の言葉がほんの1ミリでも役に立てたのか、かすかにでもそうだっらいいんですけど。それはともかく、なんとしても頑張って乗り越えてもらいたいと願っています。

高橋さん、ごめんなさいね。明日もう一日だけ、娘さんのこと書かせてください。






 

テラスの演出( 高橋邸 7)

テラスを演出しているあれこれをご覧いただきます。

テラルを囲む壁の裏側は通り抜けられるようになっていて、その小道へと誘導するように奥様のコレクションである消炭色の丸い鉢がレイアウトされています。



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植えていない鉢はひっくり返してオブジェとして。酒びんもいい感じです。



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奥様がこだわった明かり窓には白い磁気の平鉢に冬の花がアレンジしてありました。



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ガーデニングエリアからの眺めはこうです。出窓の前の円形プランターと相まって、いい感じに風景をつくっています。



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当初照明器具は、いつものマリンライトでの提案でした。しかし奥様から、もっとレトロな、やや和風な器具が欲しいというご要望がありまして、探しに探しましたが気に入ったものが見つからず、マリンライトシリーズの中の『古色』という器具を金物の上部を切断して使うことになりました。
これです。



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こだわって、探しまわって、あきらめないで、加工して、高橋家オリジナルの照明器具になりました。



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半円形の壁のセンターに燭台がぶら下げてありました。
風の穏やかな日にはここに明かりがともって、和風レトロなオリジナルの照明と、このキャンドルライトと、上空にはまあるい月、い〜い感じです。



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いつものシエスタベンチと大きめのテーブル。
このテーブルはリフォーム前に縁側として使っていた物をベンチと同じ塗装をして仕上げました。足を切ってローテーブルにしたのも奥様のセンス。テーブルを低くすることでリビングっぽいくつろぎ感が出ました。



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工事で余ったタイルをテーブルの上に並べました。
そこに小さい鉢植えとドライフラワー。これまたい〜い感じです。



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テラスの脇にアイアンウッドで柱を立てて物干金具を取付けてあります。日当り風通し抜群のこの場所で洗濯物を干し放題です。
洗濯物が乾いたら取り込んで、テラスのテーブルでたたんで、アイロンがけも庭でやる。そんなシーンをイメージして提案しました。



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洗濯も楽しんで、リゾート感も楽しんで、そうやって表情を変えることができる庭。こういうこともデザインするときのポイントなのです。







スケジュールについて

今レノンの庭から帰ってきました。明日ホームズに行く予定だったんですけど、スケジュールが変更になって行けなくなりました。うちの宮原が行ってますんで、新しい写真も増えつつありますから時間のある方は遊びに行ってください。
私がどこにいるか分からなくてなかなか会えないという声が多くて、できるだけ私のスケジュールをブログに載せようと思った矢先のスケジュール変更で申し訳ありません。私としてはできるだけたくさんの人と会って、庭のことだけじゃなくいろんな話をさせていただきたいと思っているんですけど、何せ港南台の『グレースランド』と新山下の『Garden Friend』と旭区四季の森の『レノンの庭』の3ヶ所をぐるぐる回りながらお客様との打合せで神奈川全域を飛び回っているという、移動距離で考えると「タクシーの運転手か!」というくらいでして、先日愛車のボクシーが車検だったんですけど、その走行距離にあきれられたほどなのです。そして移動の合間に、毎日途切れることなく入魂の設計をしながら、完成した庭の撮影とその写真の色調整や整理と、そしてブログやって、タニタの体脂肪計の体内年齢を下げるために一日10000歩を目標に歩こうと思っているし、北原さんのラジオは聞きたいし、読みたい本はたまっているし、夕飯作りは(趣味なんで)私の担当だし、妻のコンディションを整えるために機関銃のように話しかけてくる妻に、速射砲のように返事と相づちをして、いや、その、愚痴じゃなくてですよ、私のスケジュール管理は妻カオリの役目なんですが、どうしても私のイメージ通りに行かない。典型的なA型の私と絵に描いたようなB型の妻との永遠に埋めることのできない深い溝なんですけどね。なかなか思うに行かないのです。まあ、臨機応変にスケジュール管理してくれる妻のおかげでこれだけの量の仕事が何とか進んでいるわけですから、文句言うこともできないんですけどね。
でも今日はうれしいことがありました。私が今日『レノンの庭』に行っていることを読んでくださった本間さん(何度かブログに登場願っている山手のお客様です)ご一家が夕方、遠路はるばる遊びにきてくれたんです。店の庭のバーベキュー炉で、ちょうど出来上がったホッカホカの焼き芋を食べていただいて、年末にやったという庭での餅つきのお話や菜園の土作りなんかについて盛り上がって、楽しいひと時でした。今日の本間さんだけでなく、私が居所をブログに書くとけっこういろんな方が来てくださるので、今後もできるだけそうしようと思いました。ただし、B型のマネージャーが激しくスケジュール変更しますので、予定通りの動きにならないことも多いと思います。ご了承下さいませ。

本日2度目のブログアップ、もうひとつネタがあります。今日打合せでおじゃました隅野さんちで、6年生のお嬢ちゃんにまつわる『深イイはなし』を仕入れてきました。彼女がまだ小さい頃、いつもお母さんに3つのお願いをしていたそうです。「あかちゃん(妹か弟)がほしい」「大きなクルマが欲しい」「一軒家に住みたい」。・・・おっと、もうこんな時間だ。この続きは後日必ず。では娘が塾から帰ってくるので夕飯の支度を始めます。ああ忙しい忙しい!

明るいテラス( 高橋邸 6)

この庭のメインであるリビング前のテラスです。いろんなアングルでご覧下さい。



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明るいでしょう。



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さあ、ここで何をして過ごしましょうか。



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今回はいつもの囲炉裏がありません。自由度が増して、こいうのもいいなあと。



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壁の四角い穴は奥様のご希望で空けました。いいセンスです。完成して、つくづくそう思いました。



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家事や庭仕事の合間に一息ついたり、ご家族やお友達との楽しい時間など、これからここで展開されるシーンを上空から眺めていたいような気持になりました。



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緊急連絡!横浜美術館で開催されている『セザンヌ主義』、明日までです。

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ぼくは行こう行こうと思いながらなかなか行けなくて、昨日ようやく行ってきました。
中学生の時に模写したあのセザンヌ。「本物のセザンヌが観られる」ということで興奮気味に出かけていったら、やはり会場は超満員。
目当ての『サント・ヴィクトワール山』の前で10分くらい立っていました。絵を観ているというよりも、その向こう側に中学時代の自分、美術部で毎日絵を描きまくっていたいわふち少年に再会した10分間でした。

『セザンヌ主義』、明日で終わりですから興味のある方はお見逃しなく。




 

ジューンベリー( 高橋邸 5)

和室前と奥のテラスの間の庭の中央部分がガーデニングエリアです。
プランでは、地面は石張りや延べ団で土の部分が少なかったんですけど、もっと土を多くして徐々に草花で埋めていこうということになり、既存の平板を並べ替えるだけの施工になりました。
リフォーム前は芝生の手入れが大変でした。だからできるだけ土の面積を少なくしたいというご要望だったのですが、おそらくプランを検討するうちにガーデニングへの意欲が膨らんだのでしょう。
うれしい変更でした。



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庭に入ってすぐのところにベンチがあります。この手のベンチは木が腐って壊れやすいものなんですけど、丁寧に何度か塗装されているためずいぶんと長持ちしていて、庭のいいアクセントになっています。



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もともと庭で使っていた円形の大型プランターを
リビングの出窓の前に配置しました。位置は奥様に室内から眺めながら決めていただきました。
部屋から間近に花を感じたいということで
、コンクリートの桝を台にして高く持ち上げました。
自宅療養中の娘さんはリビングにベッドを置いて過ごしています。そこからいつも花が見えるようにというご要望でした。



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テラスからの植栽エリアの全景です。
夏までには土が見えなくなるほど草花で被われることと思います。楽しみです。



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リビングで奥様と打合せ中に「何の木を植えようか」という話になりまして、そのときにベッドから娘さんがニコッと笑って「ジューンベリーを私がプレゼントしてあげる」と。
庭は奥さまのご希望をもとに計画が進んでいて、娘さんはいつも静かにそれを見守っている感じです。
時々はしゃぎ過ぎのお母さんをたしなめることもあるという、しっかり者の娘さんからのうれしいプレゼントでした。
これがそのジューンベリーです。



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花咲く春が待ち遠しいです。 


 


朝方の激しい雨も止んで、陽が射してきました。
気を緩めると腰が砕けてしまいそうなほど山積みになっている仕事に向って、さっ、今日も頑張ります!





 

和室前の壁( 高橋邸 4)

和室の目隠し用に建てた塀と同じジョリパット塗装を、既存の門塀とフェンスの基礎ブロックにも施しました。
これは工事途中に出た奥様からの提案です。さらにアルミ鋳物の門扉も建物の木部と同じ焦げ茶に塗って、道路から観ると全体的に建物との一体感が生まれました。



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門扉を開けた正面は『ウェルカムスペース』です。3枚の壁を重ねることで見せ場を設定して歓迎の花鉢を置きました。これも奥様のアイデアです。



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目隠し壁全体を外から。



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そして内側からはこうです。
庭が暗くならないことと風通しを考えて壁にスリットを入れていますけど、これもまたまた奥様のアイデアで、現地で一緒に何通りかのスケッチ描きながら検討し、こうなりました。



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奥様のセンスが繁栄されたこの壁、目隠し効果は十分のままで日当り風通しは良好です。形的にもリズム感というか軽やかさがあっていい感じです。

壁を背景として美しく光を受けている月桂樹の根元に、消炭色の焼き物が置いてありました。



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奥様がこれと同じ色の植木鉢を多数コレクションされていて、それらが庭に点在していて、いい感じにモダン和風のテイストを醸し出しています。











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