2012年03月

雨天集中!

いい雨です。

先日52歳になりまして、その感慨はと言いますと、「また一年生きられた。感謝!」でした。
同年代でも、そろそろ気の早いやつはあっちへ行ってしまいますからね。
ここから先はまさに生存競争です。

散る桜 残る桜も散る桜

五十六十花ならつぼみ、という気持もあり、まだまだそんなこと考える年でもないような気もしつつ、それでも「ありがたいなあ」と思うのです。
いち日いち日を満足の行く過ごし方をしたいものだと、震災からかなあ、このごろ毎日そんなことが頭をよぎります。

で、今日はいい雨です。
ぼくの場合、雨の日は集中力が増す傾向にあるので、今日は設計がはかどりそうだという予感がありました。

予感的中!
「レノンの庭」で、雨音をBGMにして思う存分設計に集中できました。

設計にのめり込んでいく度合いが深くなると、頭がキーンとして、やがてクラクラしてきます。その後、心臓がドキドキしてきます。そこまでになると自分でも怖くなって、作業を中断して息抜きをします。
作業を再開すると、30分ほどでまたキーンとしてきます。
そうなることが身体に悪いことなのか、そんなに気にすることはないのかは定かではありませんが、そういうときのひらめきとはかどり方はものすごくて、自分を天才かと思ってしまうほどなのです。

でも、天才じゃない。その証拠に、そういう状態はたまにしかやってきません。毎日そうなれれば天才。

今日はそれでした。久しぶりに、キーン、クラクラ、ドキドキ。
普段の3倍仕事がはかどりました。

雨の日は集中力が増す。
今日の設計は天才的にいい出来映えです。
満足の行く日でした。

満足し切ってしまって、(抜け殻みたいになってしまって)いつもの記事を書く思考回路がどこかへ消えてしまいました。今日は徒然なるままに、こんなことで、失礼いたします。


今日は写真もナシで画面が味気ないし、ここで一曲。雨が降るといつもこの曲を聴きたくなります。





すばらしいですよね、名曲中の名曲。

今夜はカロリー多めにとって、ゆっくり風呂につかって、しっかり睡眠とって、エナジーチャージ。明日はまたフレッシュな気分で、生きる気まんまんで仕事をします。

設計をお待ちのみなさま、頑張ってますので、今しばらくのご辛抱をお願いします。





 

ワクワク感は打ち出の小槌( 曽我井邸 9)

Before
Before1

After
After1




Before
Before2

After
After2



子どもみたいに、ワクワクする方へと歩いて行ってでき上がった庭です。


ここで一点、押さえておきたいことがあります。
この庭の仕立てに価値があるのではなくて、ワクワクしたことに価値があるのです。これと同じ庭を、ワクワクしないままで手に入れても、そこにはさほど大きな価値は生まれません。

庭のカタチに価値があるのではなく、ワクワクから生まれた庭に価値がある。つまり、前提としてワクワク感がないと、どんな庭を作ってもそこに価値は生まれません。

よくあるんですね、このことに気付かないで、カタチ先行でできあがった庭。雑誌に出ている庭のカタチだけを真似して再現する。一年後、そこは、息をしていない庭になります。

ややこしい言い方ですが、ぜひ気付いておいてほしいことです。
息をしなくなる庭とは、つまり、庭スペースが死んでしまうということですから、その庭スペース、それに費やしたコストが無駄になります。

お金をかければいい庭になるなんて、絶対にありえない。

ほんとですよこれ。

コストではなく、ワクワクするかしないかが庭の価値を決めます。つまり、ワクワク感が価値を生む、ワクワク感は打ち出の小槌なのです。


ワクワク感がないままでカタチを真似した庭、ワクワク感がないままで理屈で組み立てられた庭、ワクワク感がないままで何となくスペースを塗りつぶしたような庭は、お金と場所の無駄遣いであるばかりか、そこがワクワクする、生きている庭であれば味わえたであろう幸せな時間を、人生から失ってしまうのです。


ではその、ご夫婦のワクワク感が生み出した庭に出て、各方向に腰掛けてみましょう。



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「ワクワク感は打ち出の小槌」って、うん、いいなあこれ。
庭だけじゃない、日々の暮らしすべてに当てはまることです。ワクワクする方向へ歩いてゆくことで、財布の中身、預金の額面とはまったく別のこととして、心の財産は膨らんでいきます。



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ワクワクする方向へ歩いてゆく、その前に、「ワクワクする」が必要ですよね。
ワクワクする。あなたは最近ワクワクしたことありますか?

ワクワク癖がある人は、心の大富豪になれます。



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「ワクワクするかどうか」を、ものごとを判断するときの基準にしたらいいんです。ちょっと違う言い方だと「美しいかどうか」でもいいし「楽しそうかどうか」でもいい。

「私は楽しいことしかやりません!」そうキッパリと言い切って生きたっていいんです。というか、きっとその方がいいんです。それがベスト。 

そんなことおかしいよ、アリとキリギリスの話を知らないのか!と、そんな気がしているあなた、アリとキリギリスなんて、怠け者は痛い目にあうということを伝えるただの作り話ですよ。
実際のアリの行動を眺めればわかることです、本能に従って、ワクワクする方向へと歩いてゆくことで、アリの仕事は成立していますし、キリギリスは、これまた本能に従って、モリモリ食べて音楽を奏でている、キリギリスのお手本のように健全なキリギリスです。きっと歓喜に満ちた演奏ですばらしい連れ合いを引き寄せて、立派な子孫繁栄を成し遂げたに違いありません。

ワクワク感の強さは、生存本能の強さです。



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さあてと、話を庭のことに戻しましょう。
話はぐるっと回って、こんな結論に達します。

庭にワクワクできる人は、生存本能が強い、生物的に優勢な人です。


さあ、庭に出て、その見慣れた風景の上に、あなたがワクワクする庭を思い描いてみてください。
庭にワクワクできるあなたは、すばらしい!生きる気まんまんですね。
ワクワク感、その打ち出の小槌があれば、どんな庭だってすぐに実現できます。

「そうは言っても先立つものが・・・」、ほらほら、そこが分かれ目なんですよ。ひたすらワクワクを大きくしてゆくことからぶれないようにしてください。

「でもやっぱり・・・」

・・・わかりました、もう邪魔はしません。
一生そう言っててください。

人は、自分が発した言葉と出会う。 エドガー・ケーシー

 
さっ、今日も張り切って(新しいパソコンで)、設計設計!






パソコンを新調するたびに、その進化におどろきます。今回特に感じたのは「美しい」ということ。
メモリー容量や便利な機能が充実した後に、美しさの追求が始まるんですねえ。
美しくないと売れない、とてもいい傾向だと思います。



 

ワクワク方向に歩いてゆく( 曽我井邸 8)

目隠しと見晴らしを意識しながら、3Dオセロゲームで眺望のいい庭の空中を手に入れました。
次は、その居心地のいい場所をどう楽しむかということを組み立てていきます。

いろんな庭の捉え方、楽しみ方があるます。部屋からの眺めを楽しむ、花いっぱいの暮らしを実現する、芝生の手入れをしながら自然に歩調を合わせる生活を目指す、有機で野菜を育ててその滋味を味わう、縁側でもの思う時間、お子さんを泥だらけにして遊ばせる、風を感じながら自然光で読書する、木漏れ日の下で昼寝する、庭で薫製を作る、盆栽に凝る・・・。
ぼくは毎日いろんなタイプの庭をイメージしています。ある決まったスタイル、◯◯な庭が、すべての人にとって幸福感をもたらす庭ということではないので、お客様のご要望を伺い、庭以外のさまざまな話題で盛り上がりながら、その人、そのご家族にとってのベストな庭の使い方、楽しみ方を探ります。
「相手がいてのイマジネーション」なわけです。

庭の楽しみ方は人それぞれ。どんなスタイルの庭であれ、そこがその人と、そのご家族に、幸せをもたらしてくれる場所になればいい。

しかーし! 
曽我井さん、ごめんなさい。ぼくは即座に「ぼくにとっての理想のスタイル」をイメージし、プランしました。お客様の意向を飛び越えてイメージした庭、それは「過ごす庭」です。
それだけその場所は、ぼくにとってウットリするほど、そこで過ごすこと、部屋のようにそこにいることで、その魅力を存分に味わえると感じる場所でした。

プランニングのスタートがそうだったので、ぼくはそのまま突っ走ることにしました。もし出来上がったプランがお客様にとってシックリこないものであれば、描き直せばいいだけのことですから。
もし自分の庭なら・・・「やっぱり最高なのはバーベキューと昼寝、そして書斎のようにそこにいること」と思い、そのシーンを具現化するための組み立てを行いました。


まずは部屋から出やすくすること。庭全体をリビングの床とほぼ同じ高さまで持ち上げました。



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これで、室内を移動するのと同じ感覚で庭に出ることができます。それと、部屋と庭が繋がって、部屋が外に向かって広がった雰囲気になります。

次はベンチです。



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「シエスタベンチ」と名付けた、この寝っ転がれる寸法のベンチがあることで、いつでもごく普通のこととして庭での昼寝を楽しめます。
それとただ座るのでも、この広さがゆったりした気持ちにさせてくれます。庭にあるソファーのような存在です。

そしてこれ、毎度おなじみの囲炉裏型のバーベキュー炉です。



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毎月あちこちの庭につくり続けているこの囲炉裏、やっぱりいいです。これがあると、庭の楽しさが何倍にも広がる気がしています。
最近は庭全体ではなくこの囲炉裏だけを注文する人も増えてきました。もしあなたに庭が「過ごす」ための条件が整備されていて、そこにもうひとつの新たな楽しさを加えたいと思っているなら、これ、いいですよ。


昨日今日と解説してきたたくさんのポイント、狙い、考え方、そしてぼくが現地を見て勝手にイメージした庭を、ご夫婦がワクワクした気分で感じ取っていただけたことで、ここに出現した庭です。

ワクワクしたら、そっちに歩いてゆく。そういう子どもみたいな選択ができるって、いいんだよなあ。

子どもに「そっちに行っちゃだめ!」と言い続けているうちに、親の方が自己催眠にかかって、いつのまにか無くしてしまう能力なのかもしれません。ワクワクする方向に幸せが待っているのは、間違いのないことなんですけどねえ。
せっっかくワクワクしても、いろんな理由を見つけてそのワクワク感を消しにかかる。ワクワクする方には鬼がいる、断崖絶壁がある、ワクワクに対して自動的にそう思ってしまう大人って、悲しいですね。


おっと、もうひとつ大事な要素がありました。照明器具です。

プランでは囲炉裏の周辺に2灯と離れた場所に1灯でした。でもプランを眺めながら、夜庭に出てでき上がりをイメージしたご夫婦が、部屋からのもれ明りがけっこうあることに気付きました。それと、プランよりも暗めで、キャンドルを灯しながら過ごす方が楽しいかも、ということになり、ライトは1灯だけとしました。



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これが大正解でした。
夜の様子は後日タップリとご覧いただきます。 







ふたつの店と設計室のパソコン、計3台を、今日新しいものに入れ替えます。
パソコンって、機能やソフトの進化が速くて、数年で使い物にならななるんですよね。古い Mac を我慢に我慢を重ねながら使っていたのが、設計ソフトのバージョンアップでついに使えなくなってしまいました。
パソコン3台とそれぞれに入れる数種類のソフト・・・、働けど働けど・・・じっと手を見る。

入替作業にアナログ人間のぼくは邪魔になるだけなので、スタッフにお願いして、今日は久しぶりに自宅の庭で仕事をしています。
天気はいいし、風はないし、暖かいし、最高の気分です。さっき芝生に寝椅子を出して、ひと時の昼寝も楽しみました。
ただ、庭にいる、庭で仕事しているってだけのことなんですけど、なんだか、申し訳ないほど幸せな気分を味わっています。いやほんとに、有り難いことです。満ち足りています。幸せです。





 

3D オセロゲーム( 曽我井邸 7)

今日はリビングの外の庭をご覧いただきます。

もともとはよく育った芝生の庭でした。



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高台にあるこの場所の、空を飛んでいるような眺望の良さ、抜群の日当りと風通し、過ごすのに十分な広さを最大限活かすことを考えました。一般的な平らな住宅地に暮らす人から見たら、うらやましい限りの好条件です。

ぼくは迷わず、ほとんど瞬時に、「リビングが空に向かって広がる」ということをイメージしました。
リビングから平らに外に出て、リビングにいるのと同じ気楽さで外で過ごせる場所、空と景色のすべてを我がものにする庭。もしここが自分の家だったらなどと考えると、もうワクワク感を通り越してうっとりとしながら、あっという間にぼくの中で庭の絵が出来上がりました。

現地で頭の中に描かれたその仮想庭を持ち帰って、建築図面や現地の写真、現状の室外機や設備舛などを測量したデータを落とし込んだ基本図を作成して、それから設計に取りかかります。

夢が爆発したような仮想庭を、あらためて設計作業で組み立ててゆくときには、けっこう冷静になっています。昨日書いたように、それを理に叶うように組み立てないと、その夢はほんとに爆発して、粉々になってしまうからです。

バンッ!と広がった夢を、ねちねちと理屈っぽく組み立て直すのが設計。理に叶っていないと、夢は儚く消えるのです。


この庭で、最も意識した理屈は「立体構成」です。
「目隠し」と「居心地」を考えながら、場を立体的に組み立てるということです。
目隠しが必要なところにはギリギリ必要なだけの目隠しを施します。方向によって、その高さと強さを吟味しながら。
それともうひとつ、この場所は見晴らしがいいんですが、ここまで良すぎると、宙に浮いているような不安感を感じるものです。高層マンションに暮らす人が、知らず知らずのうちにその空を飛んでいるような景色から来るストレスによって体調を崩すということがあります。

見晴らしの良さを楽しむには、地に足がついている安心感が必要。

見晴らしの良さから来る不安感を解消して、落ち着いて眺望を楽しめるようにするには、どこにどの程度の塀や植物があったらいいのかを念入りに考えました。
特に有効なのは、人より背の高い木や構築物があることです。それをパネルと照明器具を取り付けた柱と、庭木で構成しました。


目隠しは、少し下がった隣家のベランダからこちらの庭が丸見えだったので、板塀で隠しました。



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反対側にはやや遠い位置ではありますが、やはりお隣さんからの視線があるので、目の細かい木製パネルと鉢植えのオリーブで隠しました。



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ここにはついでに物干金具も取り付けてあります。
部屋から見えない位置で、思う存分洗濯物を干せます。



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目隠しが必要な方向は隠して、そうでない方向は軽く透ける程度のパネルや手すりにしてあります。



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背の高いパネルがない方には、木と柱で高さを出しました。



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場を立体的に構成することは、立体的なオセロゲームのようなところがあります。
パネルの高さと、この柱と木の高さで押さえた空中を「居住空間」として手に入れることになるのです。

3Dオセロゲームで、何もない空中を居住空間にできます。
地面だけが資産なのではなく、その空中もあなたの自由にできるのです。
それを手に入れられるかどうかは、あなたのイマジネーション次第です。



このことはウッドデッキを作るときなどにも有効な考え方です。
リビングの外にデッキを作って、そこに背の高い木や構成物がない場合、ステージに立ったようで落ち着かない感じがするものです。
目隠しのことは別にしても、この「立体的にすると落ち着く」、自分よりも背の高いものでの空中を使った立体的なオセロゲームをして、空間の居心地を生み出さないと、せっかくのデッキが使えない場所になってしまいます。世の中のデッキの8割はそういう状態です。
もしあなたの家のウッドデッキが使われないままになっていたら、「目隠し」と「3Dオセロゲーム」をイメージしてみてください。庭に突き出たステージが、家族のお気に入りの場所に変身するかもしれません。その可能性は大です。 



 


昨日今日と、暖かいですね。週末は雨が降って、その後また気温が上がるという予報です。ひと雨ごとに春が近づいてきます。

さっ、今日も「生きる気まんまん」で設計に没頭します。「前を向くカレンダー」にあったこの言葉、いいんだなあ。このたった8文字で、元気がみなぎります。











ガーデニングエリアの見えない理屈( 曽我井邸6)

リビングから離れた、家の脇のスペースを、ガーデニングエリアとして仕立てました。
花を咲かせ野菜を育てる場所、木々の生長と季節の変化を感じる場所です。

具体的にそこに何を施したのか、その要素を並べてみます。
ひとつひとつをあなたが持て余している土地に当てはめて行くと、もしかしたら「その場所が生きがい!」と感じるほどの変身を遂げるかもしれません。 



門扉
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これはワンちゃんとお子さんの脱走防止です。
門扉がない状態では、心配で外に出しっぱなしにはできませんでした。この門扉で仕切ることで、ここまでが自由に動けるエリアになったわけです。
ワンちゃんにとっても、お子さんにとっても、今まで「そっちに行ったらだめ!」と言われていた場所を歩き回れるようになったことは、劇的な変化のはず。大人と違って認識しているエリアが狭いですからね、世界が倍に広がったほどの楽しさを感じてくれると思います。




アーチ
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アーチには「迎え入れる」という意味があります。「歓迎している」という意思表示です。
このアーチは、ガーデニングエリアのアーチであるのと同時に、奥のテラスまで、さらにテラスからリビングへと招き入れるイメージで設置しました。
田舎の家だと来客は玄関からではなく、庭からやってくるということがあります。そういうイメージです。
ピンポーン!「アァいらっしゃーい、お庭にまわってー」と、そんなシーンを思い浮かべながら設計しました。

ひとつ、とても細かいことですけど、設計時に意識したポイントを書きます。

このアーチは建物と平行に設置してあります。
 
 
そのことで、ただのアーチではなくて、建物の門構えのような、家に招き入れるような(微かな)シグナルを発するようになります。
そのことをいくらかでも強調するために、アーチに対して、通路は斜めにしてあります。
 
設置物の角度、導線の角度など、角度の設定で意味が生まれることがある。

こういう些細なこだわりの蓄積で、庭の意味合い、味わいが深まってゆくのです。

「何となく」を排除して、論理的に組み立てると、庭に深みや厚みが生まれます。
理に叶っていない庭は、一見すてきでも、すぐに見飽きてしまいます。




立水栓
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アーチを斜めに通って行った先にあるこの立水栓は、もともと設置してあったものです。
その手前に石で広場を作りました。
ホースの出し入れや洗いものがしやすいようにという実用性とともに、ここで立ち止まってもらうことをイメージしています。
アーチをくぐった先にゆったると立てる「居場所」があることが、誘導になるのです。




木製物置
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そこからさらに進むと、三角形の庭の突端に物置が設置してあります。
こうして庭の一番奥に「行く用事」を作ることで、庭をくまなく歩くことになります。

庭の端に「用事」を作って、強制的に隅々まで歩くように設定することが、庭全体を楽しむことにつながります。 

これも設計時にいつも考えていることです。せっかく広い庭でも、動きが手前だけで完結してしまうと、やがて踏み入らない部分が「厄介な場所」になっていきます。




通路
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乱形石と枕木で通路をつくりました。
このガーデニングエリアからテラスへと向かう導線の途中で分岐して、飛び石ルートと枕木の一本橋ルートがあります。
歩きやすさを考えればこうはならないわけですが、飛び石や一本橋になっていることで、足元に意識が行き、幼少期に誰もが持っていたワクワク感が引き出されるのです。

適度な歩きづらさが楽しさを生み、その先へと進んでみたくなる誘惑になります。


「植栽スペース」をイメージするときに、多くの人は「どこを花壇にしようか」と考えます。
レンガを積んで花壇を設置するよりも、庭全体を植栽スペースと捉えて、その中を「どう歩こうか」というふうに考えた方が、はるかにたくさんの植物を植えることができますし、その方がナチュラルな雰囲気の庭になります。

「植物を花壇に閉じ込める」のではなく、「植物だらけの庭に人が踏み入る」というイメージ。

ターシャ・テューダーの庭のイメージです。 




全景
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こうして「理屈っぽく」組み立てた場所に、何本かの木が植わって(これもそれぞれに理屈っぽく植えてあります)、ご覧のような庭が出来上がりました。


最後にこれ、照明器具です。


マリーンライト
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ここは食事をするなどの過ごす場所ではないので、夜歩くのに必要なだけの明りがあればいいと考え、1灯だけをアーチに取り付けてあります。
木々が生長すると、部屋の窓から緑濃いその風景を楽しめるようになります。この1灯で、夜には庭木がライトアップされ、部屋から、高原リゾートにいるような夜景を楽しめるようになります。 

たった1灯の明りで、リゾート気分を味わえます。


こうやって解説すると、濃いでしょ。
パッと見では見えて来ない、裏側にある理論立てや仕掛けが積み重なって、パッと見の楽しさや、心地よさや、時間とともに増す味わいが生まれるのです。

今日並べた理屈を、あなたの庭スペースに当てはめてみてください。見慣れた庭に新たな輝きが生まれるかもしれません。 






昨日はスタッフ一同で整体に行ってきました。以前ご紹介した赤沢さんのところです。
おかげで今日は背中が真っすぐで、全身の血行がよく、気分上々です。

気がついていなかった疲れの蓄積があったんだなあということを実感しています。体重は変わっていないのに、身体が、5キロくらいの重りを外したように軽く感じます。
疲れていることに気付かないって、・・・もったいないですよねえ。そして疲れがたまって身体が歪み、血行が悪いままで過ごすことの恐ろしさも感じました。
月一回くらい通うことにしました。

凄いですよ、整体の効果。







 

サムシング・グレート

震災から一年目の昨日、頭の中は濃く深く、いろんな思いが駆けめぐりました。
いくつかの震災関連の番組を観て思ったことがあります。

犯人探し的なことがほとんどありませんでした。

震災直後、テレビで「ぽぽぽぽ〜ん」が繰り返し流れていた頃に、ある人(たぶん被災地の役場の人だったと思います)が、「火の手が上がっているのに、だれが火をつけたんだ!と騒ぐのはもうやめてください。まして火の成分がどうとか、この先何年燃え続けるとか、そんなことを言ってる場合じゃないんです。早く火を消してください。早く、ひとりでも多くの人を助けてください」と言っていました。とても静かに、怒りを押し殺すようにそう言っていた人のその言葉は、それこそ津波のような原発報道に呑み込まれるように消えて行きました。

でも1年が過ぎて、「日本人は変わった」と思いました。


最近、北原照久さんが、ラジオ番組で紹介した言葉があります。

日本人の、優しさの遺伝子にスイッチが入った。

ぼくば 、んっ!?と感じ、北原さんに電話してそのことを告げました、「優しさの遺伝子のスイッチが入ったって、誰の言葉ですか?」。
その言葉が筑波大学名誉教授の村上和雄先生の言葉であること、震災を期に日本人にもともと備わっていた利他の心が復活したことを言った言葉であること、先生の著書がたくさんあることを教えてくださいました。そしてその北原さんとの話の中で「村上先生はサムシング・グレートってことを言ってる人だよ」というのがあって、ぼくはまた、んっ!? サムシング・グレート!?んっ!?んっ!?んっ!?

その日の仕事を速攻で片付けて、ぼくはららぽーとの紀伊国屋書店に行って、村上先生の本を探しました。
なんとなんと、先生の本は、学術書のコーナーではなくてスピリチュアルの棚に並んでいました。
ぼくはニヤッとしました。

昨年から、ぼくは学者さんの本にはまりまくっています。解剖学の養老孟司、分子生物学の福岡信一、医師の根来秀行、鎌田䔈、脳科学の茂木健一郎、数学者の藤原正彦など。
その学者さんたちには共通点があって、それは「専門分野の学術が、哲学に展開している」ということです。
その哲学的な世界を突き詰めて行くと、やがてそこは「スピリチュアルな世界」へと向かいます。そういうものなのです。
科学や医学は疑問を探求し解明する学問です。でも、その探求の先にある世界はあまりに広大で、行けども行けども疑問は膨らむばかりになります。やがて学者は「疑問は解けない。ひとつ解いたら千の疑問が襲いかかってくる。すべての疑問を解き明かすことなど、永遠にできないことなのだ」ということに気付くのです。
そしてそれほど広大な疑問の世界を生み出した、それをコントロールしている何者かの存在に気付きます。それに気付いたとき、学者はすべて哲学者になるのです。
サムシング・グレートって、きっとそのことだという直感がありました。

村上先生の本がスピリチュアルの棚に並んでいたことで、ぼくは自分の直感の「正解」を感じ取りました。
先生の本が5冊あったので、5冊買って帰りました。
いま連日夢中で読みふけっています。おもしろいです。興味のある方は、書店で探してみてください。


話を戻しましょう。

報道から「犯人探し」がなくなりつつあること同時に、確かに優しさの遺伝子のスイッチが入ったことを感じています。
優しさとは、利他の心です。その前には自己の保身は弱まります。自らの非を悔いることから他人に尽くす気持ちが生まれるのです。
この一年、みんな思いましたよね「自分に何ができるのか」って。そして自分の非力を実感しましたよね。それまでの自分を悔いて、節電し、風評に乗らないように心がけ、祈りましたよね。
最近の報道で、餓死者、虐待死、孤独死がありました。
以前だったら関係者は保身に終始する対応が当たり前だったのが、ちょっと違っていました。警察、児童相談所、役所の担当者が、まず自分たちの対応のまずさを謝罪しました。
ぼくはそこからも「スイッチが入った」ことを感じました。

震災でぼくらは多くを学びました。その学びを力にすることが、これからまだまだ続く支援の質を上げることになる気がしています。
被災地の人たちに
入れてもらったスイッチ、被災地から学んだことをパワーに変えて、被災地へとお返ししたい、そんな気持になっています。







 

なじらね?

このプロジェクトは、俳優の渡辺謙さんと脚本家の小山薫堂さんが中心になって展開されています。
何度も現地に行って、被災した人たちに「『前を向く言葉』を書いてください」とハガキを渡して、集まった1000以上の言葉から選んだ122をカレンダーにしてあります。

1000からの絞り込み作業が、とても大変だったといいます。
どの言葉も心の底から出たものであり、渡辺謙、小山薫堂、スタッフそれぞれに言葉の響き方が違っていて、議論百出、作業はエンドレスに続いたそうです。

2012年10月3、4、5日の言葉が、ズンッと入ってきました。


なじらね?と声をかければ元気でる。

しのだ 真紀 新潟県新潟市 44歳 主婦


「なじらね?」とは、新潟の言葉です。「どうしてましたか?どんな様子ですか?元気ですか?」という意味です。
渡辺謙は同郷の越後人です。この言葉を選んだのは彼に違いありません。
故郷の言葉が持つ温もりの有り難さ。彼が育った魚沼の記憶、そこで出来上がった人生観が、波瀾万丈だった彼のこれまでの人生を支え、これからも彼らしく立ち続けるための頑丈な根っこになっていることを感じました。

津波と原発事故で故郷を奪われた人たちの記憶の中に、幸せに満ちた故郷の風景と、そこで過ごした満ち足りた日々の記憶が、これからの一生を支える太い根っこになってくれる事を願うばかりです。
きっと、そうなります。アルバムが流されてしまった人の記憶には、一生開く事なくアルバムを持っている人以上に、鮮明にその写真が焼き付けられるはずですから。
消えてしまったこと、なくしてしまったものは、かつてはちゃんと存在していた。今はないけど、かつてあった物や事柄は、記憶として一生存在し続けます。その記憶が、根っこになるのです。

これから10年、20年、東北人はすばらしい人生を実現します。間違いない事です。
すでに、ぼくらは「幸せの意味」を教えていただきました。
大きな代償を先払いし、根っこが太くたくましく育った人たちが、これからどんな輝きを見せてくれるのか。ぼくはそれを目撃し、そこからしっかりと「生きる」ということを学びたいと思っています。




笑おう大きな口で
笑おうよ大きな声で
元気でるよ!!

ぴーちゃんばば 宮城県石巻市 55歳 主婦




10月28日我が子を生み
不安な日々が
幸せな毎日に変わりました。


成沢 理恵 宮城県東松島市 28歳 主婦




沙織ちゃん『大好き』
私の一番の『友達』
絶対に『忘れない』


桃太郎 宮城県東松島市 22歳 弁護士




必ず我が家を建てたら
みんなでテーブルを囲み
ワインで乾杯するんだ。

美保子 岩手県宮古市 55歳 主婦




大丈夫。
あの日、街も心も暗かったけど・・・
星は輝いていたから。


ココ 宮城県 29歳 主婦




前を向いて歩こう。
後ろ向きでは
歩きづらいから。


裕子 岩手県釜石市 38歳 看護婦




もう怖いものなんてない。
かかって来いや、
わが人生!

空耳食堂 宮城県沿岸部 38歳 臨時ラジオ局




私たちが過ごしている「日常」は、
実は奇跡の集まりかもしれない。


キャラメル 宮城県登米市 15歳 中学3年生




アルバムが流された。
でも、また、思い出を作ればいいさ。

KAPPA★ 岩手県大船渡市 45歳 会社員




あしあとのない
前へ進むのは、
気持ちいいじゃないか。

hummingbird 青森県八戸市 37歳 WEBデザイナー




泣いだり吠えだりしてもいいがら、
頑張っぺす!

夢追風太 宮城県気仙沼市 57歳 主婦




負げねぞ、釜石、
あの3・11思い出したくない、
人生だ、でも前に進むだけだ。


平賀 勇二郎 岩手県釜石市 68歳 製造業(畳)




こんちくしょー!
お前の笑顔で立ち上がる。


東北人 49歳 自営業




あなたの故郷を
また味わいに行くね。


miwako 岩手県盛岡市 49歳 契約社員



いやあ、たまんないです。書きながら、涙が止まらなくて。
人って、凄いなあ。人が立ち上がるときに出る言葉って凄い、凄すぎます。



2013年3月11日 

元気ってさぁ、
元からある“気”なんだよね。
さてと、
もう一年元気に歩いてみっか・・・一緒に!

渡辺 謙 52歳 俳優 



 
カレンダーの、来年の明日、3月12日は空白になっています。下の方に小さく「また新しい1年が始まります。あなた自身にとっての『前を向く言葉』、書いてみませんか。」とあります。
あなたはそこにどんな言葉を書きますか?
ぼくはそれまでの365日を、復興に向かう皆さんに負けないように、カレンダーをめくりながら、前を向いて歩きながら、その言葉を探します。

「前を向くカレンダー」、こんなすてきなことを考えついてくれた謙と薫堂さんに、感謝!です。





もうすぐあの時間。
あの日、揺れながら考えたこと、その後、揺れ続けながら考えたこと、感じたことを思い出して、きっちりと心に焼き付ける時間にしようと思います。

今日は、妻に、旨いワインを買って帰ろうと思います。












生きる気まんまん

今日と明日は、「前を向くカレンダー」を紹介します。



 


ようやく出来ました。「前を向くカレンダー」。

少しでも被災地に生きる方々と同じ気持ちで

この一年間を過ごすことはできないか。

そんな思いでこれを作りました。

どこにいても、一瞬でもいいんです。

同じ気持ちで前を向いて歩いていきましょう。

渡辺 謙 





122の輝く言葉から、ほんのいくつかを並べてみます。



いってまいりまぁす。
今日も一日がんばるぞ!
オー!
 
葛岡有 宮城県東松島市 9歳 小学4年生 




君が花のように笑ったら
ぼくも花のように
笑い出す。

源太 山形県鶴岡市 11歳 小学6年




今日も色々ありました。
それでも無事に過ぎました。
明日がなんだか楽しみね。


柳尾 ミオ 宮城県仙台市 72歳




春は自分との約束に
贈る花束。


Itsuko 宮城県多賀城市 59歳 主婦




あの日、生がされた命
生まれかわったど思って
生ぎっぺ。


福田 順子 宮城県東松島市 57歳 農業




今日がこんなに
楽しくなった事を
きのうの僕は知らない。


米好きパン職人 東京都 49歳 会社員




生きてて良かったと
泣いて喜んでくれた人がいた。
それだけで十分。


ま〜りん 宮城県南三陸町仮設住宅 50歳 自営業




歌って、踊って、モリモリ食べる。
無邪気に笑う君が大好きだ。

三浦 千江 宮城県名取市 43歳 会社員
 



「頑張れ!」ではなく
「顏晴れ!」


ザッキー 岩手県 43歳 製造業




毎日、大切な人と過ごせる時間を
大事にしよう。


長尾 温菜 岩手県陸前高田市 11歳 小学5年生




それでも僕は
海を愛し、人を愛する。

タケさん 岩手県宮古市 44歳 公務員




宮沢賢治に癒される、
東日本の寄り所、
雨ニモマケズの暮らし方。


相沢 喜和 宮城県仙台市 61歳 調理師







生きる気まんまん。

さわら 新潟県 29歳 主婦




今でも悩む毎日です。
悩んでも、進まなきゃ
進まなきゃ進みません。


清優館の調理人 宮城県石巻市 32歳 保育士




あの人のぶんまで、
丁寧に生きる。


くまのぷうたろう 宮城県仙台市 36歳 NPO職員





一年を振り返って、ぼくが一番強く感じることは、「生きてるなあ!」ということでした。
人は追いつめられ、叩きのめされたときに、踏ん張るし、助けるし、ちゃんと笑うし、命の炎を燃やして立ち上がろうとする。その姿と、その人たちが発する言葉の重さと輝きに打たれる一年でした。

カレンダーに綴られた122の言葉。明後日からの一年、ぼくもその言葉をめくりながら、「生きる気まんまん」で暮らすことに決めました。
負けちゃいられませんよ、とてもじゃないけど恥ずかしくて。
ぼくが感謝してる場合ではないけど、東北の人たちの「生きてる姿」に、感謝の気持ちでいっぱいになります。





「前を向くカレンダー」について

【kisuna311「前を向くカレンダー」概要】
[kizuna311]とは、2011年3月15日より、渡辺謙(俳優)と小山薫堂(放送作家)が呼びかけ人となって開設・発信している被災地支援メッセージサイト。 "Tsunami"よりも、"Kizuna"という日本語を世界の共通言語にしたいという思いで、たくさんの方々の心に希望を発信しています。
【被災地から、全国から集まる「122の言葉」のカレンダー】
2012年3月12日からはじまり、翌2013年3月11日で終わる1年間のカレンダー。
紙をめくるとそこには、「前を向いて一歩先に進めるような言葉」が目に飛び込んできます。日めくり形式ですが、3日で1枚をめくります。合計122の言葉を選び、掲載しています。
【1冊購入で、もう1冊を被災地へ】
このカレンダーは、1冊を2冊分の価格で販売させていただきます。
主旨に賛同いただいた方が「1冊」購入すると、「もう1冊」が被災地の誰かに贈られます。
【書店やWeb通販で販売】
発行元はPARCO出版。全国の書店、オンライン書店などで販売中。価格は2,100円(税込)


 kizuna311「前を向くカレンダー」サンプル





この変化は「当り」です( 曽我井邸 5)

見晴らしのいい土地を手に入れることは、きっと誰もが憧れることです。
住宅地の中で、眺望がきく場所はいわば特等席。丘陵地の多い横浜ではその特等席の数が多く、そういう庭の設計以来があると、まずその眺望、空の広さを活かそうと考えます。

広い空と見渡す限りの風景のすべてを暮らしに取り込めたら、敷地面積の何万倍もの生活空間を我がものにできます。 

ぼくはそう考えるんですが、そういう土地に家を建てた人の多くはぼくほど欲張りではないようで、せっかくのその立地を持て余していたり、その利点を活かせないままになっている家がたくさんあります。
もし、あなたの家が高台にあって、あるいは平場にあってもわりと空を広く感じることができるようなら、どうやったらそれを暮らしに取り込めるかを考えてみてください。もしうまくいったら、宝くじに当たったくらいのお得感を味わえます。

土地の価値は額面じゃないんです。土地の値段はただの取引上の数字でしかありません。

土地の価値は不動産鑑定士が決めるのではなく、あなたの感性が決めるのです。 


では、曽我井さんちの庭が遂げた「宝くじに当たったような変化」をご覧ください。



Before 7
ビフォー7

After 7
アフター7




Before 8
ビフォー9

After 8
アフター9




Before 9
ビフォー10

After 9
アフター10




Before 10
ビフォー11

After 10
アフター11




Before 11
ビフォー13

After 11
アフター13



この変化、劇的でしょ。
庭が「家の外にある芝生の場所」から「暮らしの場所」に変わりました。それは同時に、空と眺望を暮らしに取り入れたということでもあります。
庭に、宝くじに当たったくらいの価値が生まれました。 


何となくなりゆきで、余裕しゃくしゃくで家を建てる人は、めったにお目にかかりません。
みなさん、上限いっぱいまで融資を受けて、ありったけの力を使って、全気力を振り絞って家を手に入れます。夢の実現、一世一代の大きな買い物。
でもその割に、建ててしまうとそこで夢の拡張が止まってしまう人が多いことに気付きます。
設計段階や建築途中で突きつけられる現実に、当初抱いていたはずの夢がなえてしまったり、契約やお金のやりくりや引っ越しの大変さで、力つきてしまうのかもしれません。

全力を出し切って力尽きた後に、あなたのイマジネーションが試されます。

新築に思い描いていた夢は、建物を手に入れることではなかったはず。そこでの暮らしが夢だったはずです。
もう一度、気力を充実させて、あらためて庭に思いをしてみてください。その向こうに広がる景色や空を我がものにして、その敷地の額面をはるかに越える幸福な空間をイメージできるかどうか。これは庭のことだけではなく、暮らしを豊かに組み立ててゆくことができるかどうかということでもあるのです。

見慣れてしまった現状を打ち破るイマジネーション、現状の利点を最大限活かす想像力、「もっと!」という幸せへの強い欲求が、庭を進化させます。庭の進化は暮らしの進化です。


こうして言葉にすると、自分でもずいぶんと前のめりに感じます。あなたは「家や庭のことで、そんなに力んではいられないよ」と思うかもしれません。
ぼくは住宅地を歩いていて、せっかくの好条件を活かせていない、それどころか持て余してしまっている「額面割れしている庭」を見るたびに、当りの宝くじを提供したくなるんですよ、「お願い、設計させて」って。
ちょっと歩くとそう思う、日々それが連続するもので、ついつい前のめりな言い方になってしまいます。

宝くじに当たるのは運ですが、庭にそれくらいの価値を生み出すことは、運じゃなくてイマジネーション、あなたの欲求と想像力です。だからあなた次第で、宝くじを買うよりも簡単に、確実に、当りくじを手にすることができます。

あなたの欲求と想像力は、運をはるかに上回ります。

タフさが必要なんです。タフに幸せをイメージし続けることが、現状に変化を与え進化を生みます。
庭はですねえ、ほんとにそれが顕著に現れる場所なんです。
庭のある暮らしに、最初は夢や希望や不満やアイデアがあったのに、いつしかボーッとしたまま現状に甘んじている、そんな庭だらけです。もうすっかり見慣れちゃって、そこに不満すら感じなくなっている。

現状を打ち破る想像力を鍛えましょう。

何事も訓練です。「もっと!」という気持ちを持って、イマジネーションをフル稼働して、現状を見つめ直してみてください。できればそれを習慣化してみてください。








書きながら、今日はちょっと、気持ちが波打っていることを感じます。前のめりにもなるし、少し油断すると「怒りモード」や「愚痴モード」に針が振れてしまいそうで・・・。何に怒っているわけではなく、ただ何となく、気持ちがざらついている、いやな感じです。
原因はわかっています。

もうすぐあの日から1年。11日には朝から深夜まで、震災特番が組まれているようで、連日その予告が流れています。夜中にはNHKで、津波と原発の検証番組が続いています。
テレビを観ていても、観ていない時間でも、引っ切りなしにいろんな思いがわき上がってきます。
みんなそうなんじゃないですかねえ。

やっと1年、ぼくはすごく長く感じました。それだけ濃い時間でした。
あなたにとって、この1年はどうだったでしょうか。
ぼくは、もっと早く時間が過ぎてくれたらいいなあと思っています。とにかく早く10年が経ってほしいと。
時間が解決してくれることってありますからね。10年経てば10年分、被災した皆さん、家族を亡くし、故郷を追われた人たちの心は癒えるし、きっと元気は蓄積されるし。

いろんな思いが吹き出して、平らな気持ちで、真っすぐに立っていられなくなりそうな自分がいます。情けないことです。

いろんな思い・・・、ひとつ明らかなことは、まだ1年、「まだまだこれからだ」ということです。


さっ、設計に集中します。



 

春が待ち遠しいです( 曽我井邸 4)

では、家の脇にある三角形のスペースのビフォー・アフターをご覧ください。



Before 1
ビフォー1

After 1
アフター1




Before 2
ビフォー2

After 2
アフター2




Before 3
ビフォー3

After 3
アフター3




Before 4
ビフォー4

After 4
アフター4




Before 5
ビフォー5

After 5
アフター5




Before 6
ビフォー6

After 6
アフター6



今日は朝から、庭でパソコン開いて仕事をしていました。今一息ついてブログをやってます。
寒い!昨日は初夏の陽気だったのに。途中何度か部屋に入って暖をとったり厚着したりしながら、それでもこうして庭で過ごせることがうれしいのです(半分意地ですけど)。
しかし、ちょっとキツい。早く暖かくならないかなあ。

この曽我井さんちの庭も、これで準備万端。あとは春を待つだけです。
5月には、きっと土が見えないほどに草花が茂っていることでしょう。


明日は眺望テラスのビフォー・アフターです。凄い変化ですよ。






身体の芯から冷えました。そろそろ部屋に入って仕事します。



 

トキメキ・変化・輝き( 曽我井邸 3)

出会い頭に広がったイマジネーションをそのまま絵にした2プランに、ご夫婦は目を輝かせました。
「庭をこんなふうに考えたことなかった」と、ちょっと興奮気味なほどで、特に庭を持ち上げて部屋から出やすくすることと、外で部屋に居るように過ごすということに惹かれたそうです。そして、扱いかねていた家の脇の雑草スペースも、タイルで雑草が生えないようにするのではなく植物を育てて楽しむ場所としてイメージできたことで、庭へのワクワク感が膨らんだようです。

2プランをじっくりと検討していただいて出来上がった変更プランがこれです。



Plan C
曽我井邸C

曽我井邸C-1

曽我井邸C-2



見慣れた日常に、新たなイマジネーションを持ち続ける能力って、ぼくはとても大きな事だと感じています。

例えば新築の場合、新居を手に入れるという大仕事で多くの人は疲れ切ってしまいます。人生で何度もない大きな環境の変化に全力を使い切ってしまうのです。
そこが勝負所です。
引っ越しが終わって、段ボールがなくなって、新生活が「日常」になったところで、もう一度「変化のスイッチ」をオンにする。
何年か暮らすうちに、習慣が積み重なって、またもや変化のない暮らしになります。それに気付いたら、またスイッチをオンにする。

庭と同じで、日常は変化し続けることで輝き続けます。

その変化が良い変化なのか良くない変化なのか、それはたいした問題ではありません。なぜならまた変化するんですから。かまわずどんどん変化させ続けるのです。

その「変化」の原動力はトキメキ。ぼくは初対面で、それを曽我井さんご夫婦から強く感じました。おふたりとも、明らかに「トキメキ体質」です。

トキメキが変化の原動力。

同じ花を見ても、同じ映画を観ても、感じ方は人それぞれですし、感じ方の度合いも違います。
感じ方の違いは良しとして、その度合いは大きい方が良いです。そう言い切ってしまいます。
感じやすい、感度が良い、多感、そういう人の方が毎日の充実度が高く、幸福度も高い。間違いのないことです。

感度が低いとボーッとしたまま固まってしまいます。昨日と同じ今日の連続になります。

そこに輝きはありません。愚痴と退屈の色あせた人生があるだけです(困ったことに、その状態には自覚症状がありません)。

ぼく自身、その心の感度を上げたいと思っていて、毎日庭に出て過ごすことのひとつの理由になっています。

庭に出ることは、意識的に心の感度を上げていく、トキメキの訓練をすること。


気候も良くなってきたし、あなたも庭に出ることを習慣にしてみてください。
庭で心の感度を高めて、庭を変化させる、暮らしを変化させる、させ続けることで、あなた自身が輝き続けます。

変化を与えると、庭は輝きます。庭が輝くとあなたが輝きます。輝いたあなたは庭に出て、ときめいて、また庭を変化させます。あなたは輝き続けます。


昨日と違う庭、昨日と違う自分。ぜひこの、自分を使った人体実験をやってみてください。


明日はビフォー・アフターです。

 
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