2020年05月

犬タイプ・猫タイプ

犬たちは呼ぶとすぐに駆けてくる。だがミーはいったん姿を隠して、5分ほど焦らしてからゆっくり現れ「来てやったけど、あれ、人を呼んどいてオヤツはないのか」とひと鳴きする。素直じゃない、というよりも、そういう駆け引きが猫の特性なのだろう。



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犬は機嫌が悪いということがない。ミーは機嫌がいいことの方が少なく、基本ツンとおすましか哲学者的不機嫌顔をしている。庭に出たい時と腹が減っている時にだけ、数回うっとりするような猫撫で声を発する。いつでも目が合っただけで尻尾をフル回転させる犬たちとは正反対だ。



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そんなクールな態度を取り続けるミーは、実はとても寂しがり屋で、ひとりでの留守番が続くと様子は一変、ミャーミャー言いながらベタベタにすり寄ってくる。撫でてあげるとゴロゴロゴロゴロと喉を鳴らす。で、気が済むとまたツンとして秘密基地へと戻ってゆく。可愛いような、憎たらしいような。



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ミーよ、ツンデレで他者を操作しようとするのは、相手の思考にアンビバレンスを引き起こしやすく、あまり得策じゃない気がするのだが。



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ものの本によると、犬好きな人は猫タイプ、猫好きは犬タイプの性格だそうな。



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ぼくの場合は犬猫好きな猿タイプ。









 

庭のことだま

らしく整える。

中腰で耐えて、耐えて、耐えて、「もう腰を伸ばしてもいいですよ」となったここからが本当の頑張り時。
ここで即効性の化成肥料や活力剤もいいけれど、できることなら自然な有機肥料や堆肥を使って、じっくりと土中の微生物を増やしていきましょう(これがスローライフ)。



花の信条は「自分らしさ」なのです。
にぎやかなバラの次に咲く、静かなアジサイの如くに。

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おいしい食事を。家族の笑顔の確認を。初夏となった庭の陽射しを吸い込んだシーツで熟睡を。



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花がら摘んで、水やりをして、そろそろ今年最初の芝刈りを。



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マスクがマストだからメイクが楽で助かるのよねって、若い奥様が。そうか、面積が半分でいいわけか、と納得。



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闇雲に頑張ってもバランスを崩すだけですから、季節に倣って、花に倣って、自分らしく整えたザワチンメイクでいきましょう。


ガーランドらしいフレーズ満載の1曲。
誰だって、自分らしさを奏でたら心地よく響くのです。




 

鉢植えのすゝめ

今回のステイホームをきっかけにしてガーデニングへと興味が向いたのでしょうか、「初めてなんですけど」と前置きをしてから、野菜や花の育て方を知りたいというお客様が増えています。
特に多いのがプランターでの植え方と管理方法のご質問。



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アドバイスとしては、大きめの鉢を用意してたっぷりの土で育ててください、ということ。



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鉢植えは植物にとって過酷な環境です。すぐに水分不足になるし、根の伸びは制限されるし、直射日光で鉢が焼けて高温になるしで、ことにこれからの季節は毎日様子を見ながら、水やりとい追肥を行う必要があります。 



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いきなりこういうことを伝えると腰が引けてしまうかもしれませんが、そうではなくてですね、だからこそ鉢植えガーデニングは楽しいのだと理解していただけたらアドバイザーとしては大成功。花でも野菜でも、日々表情を変えながらいろんな要求をしてくる。それに応えることで感動的な成長を見せてくれるのです。



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プランターならベランダや玄関先で楽しめますので、ぜひ。いくつかの鉢植えが暮らしに潤いを与えてくれますよ。なんたって、植物と会話をするようになるんですから。



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パートナーとの会話が減ったとお嘆きの貴兄、鉢植えを介しての会話という方法もありますよ。



 

返り咲きの季節

バラには春だけに咲く一期咲きと、その後ぼぼちぼちと咲く返り咲きと、気温などの条件が合えば一年中咲く四季咲きとがあります。



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返り咲きを促すコツは花がら摘みと追肥。



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放ったらかしだと終わってしまいますから、どうか丹念なお手入れを施して、真夏まで咲かせ続けてくださいね。



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かく言うホモサピエンスも返り咲きを促す季節となりました。どうか丹念なお手入れを。



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相も変わらず、愛も変わらず、情報は玉石混交のままで嫌でも耳に届いてくるし、アベノマスクと申請書類はまだ届かないし、いやはや。



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なれど、かまっちゃいられない。咲くのだよ、とにかく咲くのだよ。幸運にも生き延びた猿だって、花と同じく、咲けるだけ咲くために生きてんだから。



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さっ、今日も設計に集中して、家族の笑顔があふれる花咲く庭を思い描きます。 



ノーベル文学賞受賞者のこの詩を多くのフォークシンガーが訳して歌っています。
歌唱も込みで、友部正人は秀逸。







スローライフ・・・ガーデン

スローライフという言葉が湖面の波紋のようになって、脳内に広がり続けています。それを庭と結びつけ設計に反映させるのはいとも簡単なことなれど、テーマとして、言葉として抽出する作業はなかなか・・・。しかし未だ点として、単語として散乱しているスローライフガーデンのエッセンスがある日突然つながって線となる、それは間違いのないこと。これまでも庭に関するあらゆることが、そうやってテーマ性を帯び、やがてスタイルになってきました。



 春のバラは足が早く、秋冬はあんなにゆったりと咲き続けてくれた
アイスバーグがすでに盛りを終えてしまいました。

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ここで大事なのが追肥。

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マラソンランナーの給水所みたいなことです。

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ただし即効性の化成肥料は肥料焼けを起こして
かえって花期を縮めてしまうので、
有機の固形でゆっくりと、柔らかく。

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あわてないあわてない。




点→線→面→空間(庭)、焦らず騒がず、それこそスローライフで熟成を待とうと思います。
焦るべきは目の前にある設計の山。おっといけねえ、あわてないあわてない。



永遠の炎は静かに揺れている






 
 

2020年の後藤さんちOG その5

数日ぶりの晴天に、早朝より後藤さんちにおじゃまして2度目の撮影。



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早咲きが終わり、二番手三番手が咲き誇って花が入れ替わっていました。



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そのサイクルの速さに負けない手入れの見事さに敬服しきり、どうやら毎日せっせと花がら摘みをして、何袋もゴミ袋を出しているようです。



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例年なら数百人が歓声を上げるこの庭は、今年は連日ゴージャスなる静寂。



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バラの香りに包まれながらシャッターを切りつつ、浮かぶ言葉は「情熱」「感動」「愛情」「継続」「想像」「創造」「歓び」「笑顔」「穏やかな日常」など。



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それらのワードを統合すると「スローライフ」になるのでは、などと、大発見をしたような気分で悦に入りながら、切りなくシャッターを切り続けるのでありました。



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来年はまた大勢の人がこの庭を浴びに来れるといいなあと、そのためにも後藤さんにまた頑張って欲しいなあと勝手な要望を思いつつ、感謝感謝のテレオープンガーデンでした。



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本当に、この庭の存在がどれほど設計のエネルギーとなってきたことか。



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後藤さん、今年も感動の庭時間をありがとうございました。何のお手伝いもぜずにお願いするばかりで恐縮至極に存じますが、来年も楽しみにしています。



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あ、ブリ、ご馳走様でした。とっても美味しくて、さらに元気を頂戴した思いです。



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どうやら今日で緊急事態宣言は解除のようですね。まだまだいろいろと大変な事が続きますが、次に来る2020年の夏が、いつも以上に夏らしい夏となりますように。穏やかにして幸福なる庭風景を、ごくごく普通な日常を、じっくりと着実に取り戻していきましょう。







 

庭のある暮らし・暮らしのある庭

横浜もようやく自粛要請解除のカウントダウンが始まりました。皆さんよくがんばりましたよね。あとはゆるゆると、鶴光風に言うならおねおねと、安寧なる日常を取り戻してまいりましょう。

一昨日、完成してまだ間もない庭を覗いてみたら、そこには色とりどりの花が咲いていました。施工中からすでに奥様が買い集めていた草花が、待ってましたとばかりに植えられ、まるでガーデニング雑誌の1ページのような。



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素晴らしいスタートです。ステーホームの間、庭へのイマジネーションが膨らみ続けていたことが伝わってきてうれしくなりました。



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相変わらずご家族全員ニッコニコで、そういえば最初にご来店くださった時も、打ち合わせ中も、設計をお待ちいただいている間も、工事中もニッコニコだったことに気づきまして、そうか、人を笑顔にする庭は笑顔の人にもたらされるんだなあと、今更ながらに思った次第です。



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昨日は17年前に施工させていただいたお宅に訪問。奥様から連絡をいただき、「子供たちも成人したし、また新たな楽しみを」ということで、ガーデンリフォームの依頼でした。驚いたのはご夫婦共々17年前の印象と全く変わっておらず、ニッコニコだったこと。この間、庭が役に立ったことを実感しうれしくてうれしくて。



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ただし、17年前のぼくの設計は突っ込みどころ満載でして・・・軽く落ち込むくらいで、奥様が「当時からご近所で評判の庭でしたよ」と慰められる始末。17年前の自分にダメ出ししながら、新たな庭への意欲が湧き上がってくる出来事でした。



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庭のある暮らし、暮らしに寄り添う庭、庭という場所がどれほど人生に作用することか。逆に言えば、人生の舞台として捉えられた庭たちは幸福だなあと、だから存分に恩返しをしてくれるのだなあと、二日に渡っての感慨です。



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いやあ、庭って、家族って、暮らしって、いいもんですね。



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ではでは、おねおねと、次は梅雨の庭を味わい尽くしましょう。









 

2020年の後藤さんちOG その4

北鎌倉のご婦人は庭の赤いバラを食卓に飾り、横浜の高台に暮らす奥様はリビングから続くテラスで満開となっているアンジェラに見惚れ、そのお隣さんはオールドローズの香りに包まれながら、「もうピークが過ぎちゃって、あっという間なのよね」と微笑みつつ手入れに余念がない。



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行く先々の庭でバラが話題にのぼる季節。



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後藤さんのように情熱を花数に変換する人もいれば、庭の隅に忘れていた株から咲いた一輪に歓声を上げる人も。



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これほど人の気持ちに作用する花は他にないのです。



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薔薇の詩人と呼ばれるリルケは、この花を「純粋な矛盾」と捉え墓碑に刻んだそうな。

薔薇 おお 純粋な矛盾 よろこびよ
このようにおびただしい瞼の奥で なにびとの眠りでもないという

どうですこれ、イミフ、よくわからないでしょ。リルケが文学的に過ぎるのか、はたまた我が読解力が足らぬのか。



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これなんですよこれ、この難解さに走る傾向が長いことバラを難しい存在に思わせてきたのです。歴史、名の由来、まつわる物語や神話伝説の類が片っ端から難解さを誇るが如くに書かれていて、その流れで園芸書も専門知識を羅列したものばかり。よほどの執念を持った者以外は跳ね除けられてしまいます。



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「遊ぼう」って言うと「遊ぼう」って言うこだまと違い、バラを育てていない人は「難しいでしょ」と言い、すでに植えている人は「簡単よ」と言う。ぼくとしてはこれほど簡単にいい気分をもたらしてくれる花はないと思っているので、腰が引けている人たちに「植えときゃ育ちますからやってみてください」とこだまのように繰り返す数年間。



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ああリルケ様、あなたの崇高なる意を解さぬ私をお許しください。ん、待てよ、多くの人にはトゲがあって気難しい、扱いづらい女性に思えているのに、その人と結婚した者には刺激的で魅惑的で、掛け替えのないパートナーとなる。そうか、リルケ様、あなたはこのことを「純粋な矛盾」と表現なされたのですね。



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違うか(笑)。トゲを持つ女房と暮らしているせいか、ふとそんなことを。あ、美しい花を眺めているのにつまらない話で申し訳なし。つまらないついでに、わが女房殿は真紅の薔薇タイプです。トゲは、それはもう鋭いやつがびっしりと。




ご存知ですか、古い古いこの映画。
アルコールで壊れてゆく夫婦の悲しく哀れな物語。
結末は観る者に委ねられました。
薔薇の香漂うエンドロールでハッピーエンドを思い描いた人は、
数十年後の今、きっと花咲く庭でお過ごしのことでしょう。 



と、長い余談はこの辺にして、後藤さんちを再度撮影に行こうと思いながら(前回は早めだったので、その後花数が倍増し倍増しています)雨と曇天が続いて行けていません。次に晴れたら撮ってきますのでお楽しみに。



 

春の息吹を食らう

越後の母からワラビが届きました。山菜採りが大好きな父は高齢となりまして、けっこう大変な場所に分け入る山歩きを断念し、今年は地元にいながら山菜にありつけないと寂しく思っていたところに近所の方からお誘いがあって、母だけが行ってきたとのこと。そこはわらびの群生地で他の物は採れないながら、久しぶりに山の空気を吸ってとても気持ちの良いいち日だったそうです。



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いやあそれにても、いつもながら量が多い。



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さっそく仕事を放り出して掃除とアク抜き開始。山菜は鮮度が大事ですからね。



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お湯が沸いたら灰汁抜き粉を入れてかき回し、火を止めてからワラビをひと晩浸して出来上がり。慣れたもので、民宿で出てくるやつみたいに理想的な仕上がりとなました。その日のうちに娘のところと知り合いに配ってもまだたっぷりと残っていて、まずは醤油とマヨネーズでたらふく頂戴し、あとは切ってから小分けして冷蔵庫と冷凍庫に。冷蔵のは味噌汁、天ぷら、山菜そばで、冷凍庫の分は後日ちびちびと、酒の肴で楽しませていただきます。



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春の息吹を喰らうと湧き出してくる元気、これが雪国育ちの体質なのですよ。
娘から連絡があり、孫たちがびっくりするほどむしゃむしゃ食べたそうな。ふふふのふ、これで田舎者の遺伝子が開花した。


母ちゃん、あんまごうぎあってたまげたいや。
うんめかったてぇ。
母に感謝、故郷に感謝、
おかげでぼくは今日も元気です。


 
 


 

庭のことだま

スローライフ、お楽しみはこれからだ。

長い長いトンネル走行、皆様お疲れ様でした。次の課題はマスクを外すタイミングですが、それもいろんな人がああだこうだ言いながら自然と平常化してゆくことでしょう。クマとウサギのアップリケを付けて孫にプレゼントしようと、心待ちにしていたアベノマスクは、まだ、届きませんけど。
各分野が傷だらけながらもようやく出口にたどり着いたこれを機に、スローライフを意識してみませんか。ぼくはそうしてみようと思います。もうさすがにアメリカではなくヨーロッパ、都会ではなく田舎的、ファーストフードからスローフードへ。前のめりをやめにして、より速く・より高く・より強くをやめにして、いち日いち日を丁寧に、ゆったりと、リアルな幸せを紡いでゆく暮らし方。今後庭の設計は、これまで以上に明確にそっち方向へシフトします。
グレースランド発スローライフガーデンをお楽しみに。っていうか、予期せず開いた次の扉の向こう側にいかな庭が広がっているのか、自分自身が楽しみで楽しみで。



わが家の庭も花だらけ。
何にも咲かない冬の日に、せっせと肥料をあげといて良かった。

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花は花は花は咲く、わたしは何を残しただろう。
花は花は花は咲く、いつか恋する君のために。
この先も何が起こるかわからない、
そんな不安が微かにこびりついたままなれど、
次は梅雨の庭を、その次の夏までイメージしながらゆったりと、
シンプルにG線1本にて、スローライフを奏でます。










 

2020年の後藤さんちOG その3

いったいどのくらいの人が、庭に感動するという経験をお持ちでしょう。



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きっと、ここのところ日々目にしてきたグラフの数値を、はるかに下まわるのではないかと思うのです。 



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その理由は、世の中に『感動を生む庭』があまりに少ないから。



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ぼくは仕事なので、そういう庭に出会う機会は多いわけで、それでも感動という領域までとなれば年に数回程度、世に数多存在する庭に比すれば、その存在は奇跡的と呼べるほど少ないわけです。



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では、人は庭の何に感動するのでしょう。仕立ての美しさ?花数の多さ?いやいやそこじゃないんですよ。龍安寺の石庭や重森三玲クラスなら構成と、歴史も込みで感動するかもしれないし、山下公園の溢れんばかりのバラの数になら感動するかもしれないけど、それさえも「かもしれない」というレベルのこと。



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この後藤さんちの庭や、ぼくが知る感動的な庭は根本的に違う性質、存在理由を持っている。それは観光庭園ではなく暮らしの庭だということです。



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つまり庭に感動するとは、そこにある暮らしに感動するということなんじゃないかなあと思う次第。



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ああ、この庭の住人のような心持ちで暮らしたいものだと、そう思わせてくれる庭に出会い続けたいし、そういう庭を思い描き続けていきたいと、毎年ここを訪れる度に、バラの香りと同じくフレッシュにして濃厚な、炎のような決心が得られます。







その4へ続く。




 
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