2022年01月

思い内にあれば

ひっさしぶりの名言格言コレクション。

思い内にあれば色外に現る。


いつも希望を失わない人の、何と美しく眩しいことか。その姿から見えてくる希望の持ち方、携え方は柔らかく気負いがない。大切な卵が冷えないように、懐に入れて温め続けているような。



凍てつく早朝に感じる土と光のやわらかな温もり。
草花には、床暖と薪ストーブほどの暖かさなんでしょうね。

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これはガーデンリフォームを成功させる人たちから何度も感じてきたことです。そして今回も。けっこう内気で物静かな奥様なのに、変更設計をしながらプランを煮詰めてゆく段で、回を重ねるほどに秘めていた豊かな庭へのイマジネーションが花開いて、静かな印象の奥に広がる幸福感に満ちた庭世界が見えてきて、ちょっと心打たれました。きっと性格が穏やかな分、夢の種の育て方が上手なんですよね。



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慌てない慌てない。まずは土づくりから。そして種を蒔いて双葉を間引いて植替えをし、あとはゆっくりと成長を待つ。そのタイミングでぼくを探し当ててくださる人たちの、庭での夢実現率はほぼ100%。それはぼくの想像力や設計力だけでたどり着ける地点ではなく、お客様が懐で大事に大事に抱えていた夢の卵が健康だったからに他なりません。故に、くれぐれもそんなふうに、揺らぎ続ける不滅の灯明を見つめるような心持ちで、庭のことをイメージしていただきたいなあと思う次第。



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そうそう、ゴリラってヒトが及びもつかない繊細なタッチを駆使して子育てや愛情表現をするそうですよ。あのマッチョな身体からは想像できない、やさしい触感で愛情を伝える。それと争いごとを好まない。社会において家庭でも、主張を貫くよりも白黒つけずに、つまり相手を追い込まずにことを済ませて、問題解決は時に委ねるのです。



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外見上ゴリラっぽいお客様も多くて、あ、もちろん最高にいい意味でです。そういう人ほど内面には深淵な湖をお持ちで、その静寂の湖面に映る森と逆さ富士に見惚れたり、人って、あるいは霊長類ってのは家族と自分の幸福を高める能力によって生き残ったんだなあと、すごい種族だなあと感心しきり。



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内に思いあれば色外に現る。柔らかく、柔らかく、やさしく、やさしく、揺れながら決して消えない炎のように。








メルクマール

朝に霜柱が立つ1月とは言え、横浜では陽射しがあって風がなければ春の足音が聞こえてきます。昨日伺った鎌倉のお宅では早くも梅が咲き、盛大についたミモザの蕾が黄色く膨らんでいました。冬来りなば春遠からじと、古来より人は冬には春への希望を杖に、ザクザクと凍った土を踏んで仕事に出かけたのでしょう。



犬は歓喜したり、寂しがったりしますが、
明日のことは考えません。
猫は用心深いので、少しは明日の心配をするようです。
では脳を持たない植物たちはどうでしょう。
なんと、ひたすら未来のために今日を生きています。
面白いものですね。
さて、人はこの脳をどう使うべきか。

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冬きたりなば・・・、春の風が吹いてきたら・・・、桜咲くころにはあれをして、これをして・・・と冬には春を、春には夏の庭風景を思い描いて肥料をあげたり植え替えをしたりするのが庭仕事ですから、当然ながら庭人たちの暮らしへの思考は発展的になる。この近未来を思い描く習慣が、実のところ庭が持つ魅力であり威力なんですよね。



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人に限らずあらゆる動物には顔があります。そして顔を向けた方向へと進んでゆきます。人にはそれに加えて発達した脳により、時空を超えた世界、まだ実際には視野に入っていない仮想の世界にまで思考の視線を向けることができます。だから空想、妄想、現在の刺激にインスパイアされて閃いたアイデア、それを進行方向に、目標とか、目的とか、夢とか、目印や指標として定めることができるし、それが健やかなる人間性なのでしょう。



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コロナコロナで何が人々の気を塞がせ、振り返れば過剰だったとも思える心配や不安を引き起こしたのか、庭の書斎で枯れた芝生を見つめ、それが枯れ野ではなく芝は今、地中に注力して根を伸ばしているのである、と、庭人思考で解析すれば、何のことはない未来の不安ばかりを煽り立てられていたから。そんな言葉をカランが壊れたシャワーみたいに浴びせかけられ続けたら誰だって気分は落ち、夢と希望をメルクマールに据えることなど無理なのです。しかし、そんな報道過多も過去のこととなりつつあるような。



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日々庭を楽しむ人たちと話しながら、気がつけばさすがにもう誰もコロナを話題にしなくなりました。コロナ抜きで「今年はミモザが早そうですね」と、同じことに気づいて話題にした人が3人、「そろそろバラを切り詰めて肥料をあげとかなきゃ」と言った人が、やはり3人シンクロし、だからどうしたってことじゃないんですけど、すっごくうれしかった。この普通な感じが戻ってきたことがとても明るい傾向、春の予感に感じられて。



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庭を楽しむことの効用は庭にとどまりません。たくさんのお客様がそれを実証してくださるからこれは間違いのないこと。庭は鏡のようにあなたの現在を見事に映し出しつつ、そろそろ肥料を、雑草を引っこ抜いてくれ、植え替え時ですよ、と催促してくる。同時に、たまには庭で紅茶を楽しんだら?夜はちょっと厚着をして本を読んだらいいと思うんだけど、どうかな、などとおせっかいに語りかけてくる。こんな家族のような生活空間が存在する、庭をそんなふうに捉えてみてはどうでしょう。そう、家族のような。庭自体がひとつの生命体であるように感じられた時、幸せだなあ〜、僕は君といる時がいちばん幸せなんだ、と思える、それが庭の、そして人の健康を表している、そんな気がして。
庭が健やかなら人も健やか。庭ですよ、庭。




『 雨に負けぬ花 』

眠りの回廊を通り抜け
暗く深い影を通り過ぎて
僕の心は混乱の中を踊り 跳ねる
何が本当のことなのか分からない
感じるものに触れることが出来ない
そして僕は僕の幻想の盾に身を隠す

そうさ僕はずっと望み続けよう
僕の生命(いのち)は決して終わらない
花だって決して折れたりはしないのだ
たとえ雨に打たれても
壁の鏡の中には暗くてちっぽけな影が映っている

だけどそれが自分だという確信は全くない
僕は光で眼を被われている
神と真理と正義の光で
そして僕は行き先もわからぬまま彷徨うのだ

そうさ僕はずっと望み続けよう
僕の生命(いのち)は決して終わらない
花だって決して折れたりはしないのだ
たとえ雨に打たれても

どうでもいいことじゃないか
キングを演じる為に生まれたのか
それともポーンを演じる為に生まれたのかなんて
喜びと悲しみを隔てるのはか細い線に過ぎないのさ
そうして僕の空想は現実となり
僕は僕の人生を生き 明日に立ち向かわなくてはならない

そうさ僕はずっとずっと信じ続けよう
僕の生命(いのち)は決して終わらない
花は雨に打たれても決して折れない
そうさ雨に負けて折れたりはしないのさ




こういう一周まわったポジティブさへと、庭は導いてくれます。




 

見つめる

卵胎生(胎内で卵を孵化させ幼魚の姿で出産する)のミッキーマウスプラティ、たまらなく可愛いのです。



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植物の成長が土次第であることと同じく、魚も水の状態が良いとイキイキと食べ、イキイキと泳ぎ、イキイキと交尾をする、彼らが人生を送る小宇宙の管理人としては、その様子がうれしくてうれしくて。草陰に4ミリほどの子供を見つけた時の興奮たるや、昨夜は水槽の前にあぐらをかいて、気がつけば30分も水中を見つめていました。



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見つめること、これはぼくの癖というか特性かも知れません。水中を見つめながら思考は故郷の魚野川で鮎を追ったことから、やがてシュノーケリングを楽しんだ日本海へワープし、ついにはハワイのハナウマベイへ。お手軽な時間旅行です。



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見つめるのに打ってつけなのがカメラ。スマホじゃなくて一眼レフ。広角なり望遠なり、普段の視野とは違う世界を見つめて、どこにピントを合わせるのか、光の状態は、背景のボケ具合は、シャッタースピードは、この一連の考え事が別世界へといざなってくれる乗車券。



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この頃、何かを見つめたことありますでしょうか。見つめる、見つめる、見つめる。違う世界に入り込むまで見つめ続ける楽しさよ。そういえばもう何年も、女房を見つめていないなあ・・・などと。出会った頃は永遠に見つめていたかったのに、いつの頃からか彼女と目が合うと、何を言われるか怖くて怖くて。ま、戯言です。



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さ、仕事仕事。まだ現世に出現していない幸福な庭風景を見つめて、設計設計また設計。



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そうか、見つめることが好きなのは、仕事柄なんでしょうね。ゼロから価値ある空間を生み出すためには未来を見つめないことには始まらない。そして卵胎生、感動の卵を脳内で孵化させてから出産する、その繰り返しをひたすら繰り返して、かれこれ30年が経ちました。



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以上、水槽を見つめているうちに、水中を漂い、やがて海馬を漂いつつ前頭葉で思ったことでした。


さ、今日の出囃子は懐かしきこの曲で。
あの頃もカメラに夢中だったから、
いろんなものを、飽きることなく見つめていたなあ。




愛用のニコンFM。完全マニュアル機だったことで、
見つめながら考える癖がついたのかも。

 

 

耳をすませば

庭と歩調が合う、ことがあります。これだけ毎日何十年も庭庭と言い続け、仕事では庭を思い描いてはその仮想庭を感動の現実庭として出現させることをエンドレス・ラブしているのだから、さぞかし自分ちの庭と足並みが揃っているのだろうと思われるやもしれず、自分でもそれが理想であると意地のように思い込んでいた頃もありました。でも年が明け、そう言えば、レコ大も紅白もパスしちゃったなあと、レコード大賞は誰?紅白のトリは感動的だったんだろうか、サブちゃんは出てないよね、などと思いつつ、今はちょっと違う感慨で庭を見つめていることに気づくのです。歩調が合うことよりも、合わない歩調を意識すること、意識して庭との差を縮め、追いついたら次にはリズムを合わせようとしてみる、その作業が庭を楽しむことなのだと。ひと言で言うなら「同期する」。同期したという結果よりも、同期しようと自分の周波数を庭にチューニングしている時に庭は庭の威力を発揮するのです。



昨年よりも随分と少ないながら、
断続的に咲いては話しかけてくるバラの花。
いい感じ、いい感じ。
ご近所のバラたちも同じく花数は少ない。
不作か?いやいや、
この咲き方が普通なのです
数年ぶりに今年の冬はとても冬らしい冬。
整いました。


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昨日も一昨日も、そして今朝もついさっき、以前に庭をやらせていただいたお客様が遊びに来てくださって、そして庭がコロナ禍にあっていかに役立ったかを報告してくれます。それをわざわざ言いに立ち寄ってくれるなんて、ちょっと呆然とするほどうれしいやら、そのうれしさがこうも立て続くとちょっと不思議な気持ちでポッカーンとしている次第。もしかしてだけど、もしかしてだけど、ぼくが思う以上に庭たちは活躍しているのだという実感を、照れながら頂戴し、さてさて次の設計に集中集中。



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自分のズレを庭の周波数にチューニングするのと同じく、かつてぼくが夢中で思い描き、実現した庭と同期した人たちによってその世界へ自分の波長が合ってゆく、アフォードされる、何と有難い状態にいるのだろう。



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ワルツの状態にある人がやって来たとします。ズンチャッチャ、ズンチャッチャと楽しげに。こちらは無意識にワンツースリー、ワンツースリー、思考が三拍子を刻み出す。やがてピッタリとリズムが重なり意気投合で踊り出す。いい出会いとは調子が合うことに他ならず、それは波動といってもいいし、共通のテンポに乗った時に起こる摩訶不思議なる心の共鳴。それが人を安らがせたり希望の光を照射したりするわけで、逆に波長が合わない場合には出会い頭にトラブル発生、なんてことも起こってしまいます。



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霊長類研究の山際壽一氏によれば、これは言葉を使う遥か以前から、人類は音とリズムの交換でコミュニケーションを図ってきたからだそうです。ゴリラならドラミング、オナガザル系だと甲高い声をリズミカルに発して危険を知らせたり、群れの統率を維持する。霊長目ヒト科の生き残りである我々ホモ・サピエンスは、他の猿たちよりも複雑で愛情に満ちた脳機能を有するようになり、その原初的な行動をやがて芸能として、芸術にまで引き上げ音を楽しんでいる。つまり音楽を手に入れたのです。ノー・ミュージック・ノー・ライフは比喩ではなく、遺伝子に則した人間の営み、というわけ。



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発達した脳は音楽だけでなく、後には言葉を使うようにまでなりました。ここで重要なのは、言葉を使うずっと前からヒトは音を奏で踊っていたということで、それは言葉よりも深く体に染み込んでいる本能だということ。その潜在的な能力の威力によって、ぼくらは人と対峙した時に耳には聞こえないはずの心のリズムや調べを感じ取り、風景からはこれまた聞き取れない音域の重低音や高音域や、もしかしたら鳥みたいに電磁波のせせらぎまで受信している可能性もある。そうやって音を頼りに暮らしている。しかし誰もそれを意識してはいないわけで、ぼくもそうですけど、ついつい音よりも言葉を重要に捉えてしまって、いやはや、人が抱える多くの苦悩はそれが原因なのです。



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庭と歩調を合わせようとすること、庭が発しているリズムを感じ取り音を聞き取り、やがて庭に手招きされて雑草取りや植替えをする、つまり庭のリズムで踊り出します。そのダンスの上達は同じリズムを好むお客様とのセッションにもつながるし、何より自分に高揚感と達成感と安堵感をもたらしてくれるのです。この一連をぼくは『アフォーダンス・ダンス・ダンス』と称して、数日に一度は意識して庭とのダンシングタイムを楽しんでいます。



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庭と踊る。ビギンのリズムで、サンバのリズムで、田舎の盆踊りの太鼓だったり、夜ともなればパーシー・フェイス・オーケストラで星空のチークタイム。



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ふと、何年か前のNHKの番組から仕入れた知識の引き出しが開きました。前方後円墳、太古のお墓のことが。教科書でお馴染みのあの形を、ぼくらはドローン撮影のように俯瞰して図形で認識するため、え、前方後円墳っていうより、前円後方墳じゃないの?などと、どっちが前でどっちが後ろなのか判然としない。ところが当時の人たちは上空からではなく地平に立って水平にその墓を捉えていたわけで、なぜ方が前なのかというと、手前、方の四角形が建物で、その裏に円形の広場があるというイマジネーションだそうです。四角は祭壇を祀る架空の建造物で、そこに参った後に庭へ行き、アマノウズメ一座のように、AKBのように舞い踊る、なかなか的を射た解釈だと腑に落ちたました。



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建物は四角で庭は円形。なぜ庭が円形なのかはそれが人の動きに合致した合理的な形であることと共に、四角い世界から解放され丸い地平と丸い空、当時誰もはっきりとは認識していなかっであろう球状の星に生きているのだという未知にして不思議なパワーを感じる世界観に浸れるから。故にぼくの設計には毎回必ず円形が入っています。



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家と庭で家庭。カーテンを開けて、四角い家では感じられない自然の世界観を浴びる丸い庭があれば、太古より受け継がれている知恵に導かれて庭とアフォーダンス・ダンス・ダンス。ホモ・サピエンスは言葉よりも先に音とリズムにアフォードされてきたのだという原点に立ち返れば、雑草取りも芝刈りも水やりも落ち葉掃きもいとをかし。というわけで、さてさて今日の出囃子は、人類発祥の地であるアフリカのサバンナへ思いを馳せてこの曲で。






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そろそろ2022年が本格始動。皆様、庭で耳を澄まして良きスタートを。








雪が舞う

年の初めに、ジャネット・リンのごとくに雪が舞う。数センチ積もった午後に娘からLINEが入り、孫たちと雪だるまを作ったとのことで、なかなかの力作の画像が送られてきました。ふたりの孫は絵本の中で知っている雪の冷たさに大興奮だったそうな。いいぞいいぞ、その健やかなる感受性。数年したら越後のスキー場でソリ遊びと、雪の露天風呂に連れてってあげるからね、と娘に伝言し、今度は自分が興奮する番だとばかりに早めに帰って庭へ出る。雪好きなミーが、何を思うかジーッと遠くを見つめて動かない。



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さてと、今夜は雪見飯。メニューは熱々クリームシチューと揚げ物と、犬たちの白内障予防に常備してあるブロッコリーを頂戴して手作りラー油で。



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ゴージャス。



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食後にしばし庭にてもの思う。何を思ったかと申せば幼き日の記憶と故郷の人たちのこと。不思議なもんですよね、たったこれっぱかしの雪に刺激されて、生まれ育った豪雪地帯のことが次から次から鮮明に蘇り、その脳内映像にはたくさんの香りや触感や音までついている、一編のドラマのようです。そうそう、年末にやってた『岸辺露伴は動かない』みたいに上出来に。凄かったですよね、高橋一生は別格として、ことに第2話『くしゃがら』での森山未來の狂気。そして全編を通して物語の背後に流れる菊地成孔の音楽。



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と、雪から始まった妄想世界はそこそこに、お楽しみは翌朝だと部屋に戻って床暖入れて、犬たちにおいしいご飯と歯磨きを施し、しばしまったりしてから寝室へ。



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一夜が明け、狙いは最初に入る光で輝く雪の庭。じっと待つ。チャンスは数分だ。



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大満足。あえて言えば、ここで大満足しておかないとカメラ担いで散歩に出かけ、半日はシャッターを切り続けてしまうからです。それでは仕事が進まない。だからその誘惑をじっと堪えるために庭でのベストタイミングを逃さずその光を切り取っておくのだ、というような気持ちで。



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う〜ん、マンダム。これでよし。マンダムって言うより庭駆け回る子供の世界で遊んだ昨夜と今朝でした。



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ちなみに、雪に興奮するのは、雪と闘う越後の人たちでも同じことなんですよ。屋根の雪下ろしは大変だけど、あれほど爽快な暮らしの作業は他にない。厳しい自然との付き合いを営営と続けられる理由は、その自然が果てしなく魅力的だからに他ならず、どうぞ皆様も、滑って転ばないように気をつけながら、明日か明後日には消えてしまう白い景色をお楽しみあれ。


今日の出囃子はこれ。
スキー場で繰り返し流れていたなあ。


 

 

上弦の月タイプ

見ましたか、昨夜の月。まさしく上弦の月。



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何でこんなにグッと来るのか、これは何かあると思い『上弦の月』でチクチク検索しておりましたら『天星術占い』に辿り着きました。



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最初に生まれた年と月から運命数を探します。・・・探しました。1960年3月は24が運命数。
次にその運命数に生まれた日にちを足します。24+14=38。
この数で月グループ、地球グループ、太陽グループに分類されます。ぼくは月グループで、特徴としては「愛情豊かで想像力抜群。神秘的で静かなやさしさを持つ天星」とのこと。
月グループはさらに『満月』『上弦の月』『下弦の月』『新月』に分類されていて、38は『上弦の月』。



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さて、では、上弦の月タイプの2022年は。

上弦の月

「周りには味方がいる」と思うと開運に。幸せを感じる行動を積み重ねたい1年。

星ひとみさんの天星術占い2022_上弦の月

基本性格

警戒心が強くて慎重そうに見えるけれど、実はかなりの直感型。美的センスに優れていて、おしゃれな人が多いのも特徴です。見た目や直感を重視する上に根がピュアなために、一度「いい人」だと思うと、あっさりだまされてしまう傾向も。穏やかで人当たりのいいタイプが多く、気が合う人と行動するのが好き。人づき合いや行動範囲が狭くなりがちなので、信頼できる仲間と同じ目標をシェアすると開運に!

全体運

2021年がターニングポイントだった上弦の月さん。自分に不要なモノ、コト、人間関係は12月末までに手放す決意を。2022年上半期の運気は少し波があり、前の年にリセットしたことも含めて、気持ちが揺らぎがちになるかも。もともと断ち切るのが苦手なタイプなので、心の揺れも想定内と考えて。勉強や就活、人間関係も、過去を振り返らずに前へと意識を持つようにしてみましょう。それでも落ち込むことがあった場合は「自分の周りには味方がいる」と思い直すと〇。また自分の殻に閉じこもらずに、小さくてもいいので新たな行動を起こしておきたい年。「楽しい」「ハッピー」と感じられるアクションを積み重ねていくと、満たされる1年になりそうです。

恋愛運

2022年の恋愛は「外見よりも中身を重視して成長をする」運気になります。あなたの美的感覚はかなり鋭いものがあるのですが、その半面、ルックスだけで判断して人を好きになりがち。さらに情が厚く優しいため、気がついたら「こんなはずじゃなかった!」という恋愛パターンも多かったはず。2022年は、持ち前の美意識の高さ、直感の鋭さを、相手の内面にも向ける1年にすると、恋愛運も充実していきます。カップルの人は、相手の都合に振り回されがちになるかも。一方的に我慢して不満やストレスをためないように、二人で楽しめる趣味を作ってみて。おすすめは適度に盛り上がれるホラー映画。新しい何かを楽しむ時間が、お互いの仲を深めます♡

2022年に相性のいい天星

満月 新月
満月はあなたを優しく包んでくれます。でも甘えすぎはNG。独特の感性に魅了される新月とは距離感を大事に。

ラッキーアイテム

イヤカフ 
オルゴール

ラッキーフード

豚肉などエネルギーが得られるもの

以上『星ひとみの天星術占い』からでした。

まあまあか。吉ってとこだな。信じる信じないとは違う次元で、月からの俯瞰の世界で生きているんだと思うと気持ちが安らぎます。 

さ、今日も設計設計また設計。月の導きに従って。


 出囃子はバッハのチェンバロ曲で。
何となくですけど、月からのインスパイア、かな。
この手の音を浴びていると、やたらに集中力が高くなってゆく。


 



 

2022年は庭元年かも

明けましておめでとうございます。



昨日は新春恒例、蝋梅の撮影に行ってきました。
もったいないような青空に映える黄色い蝋細工の花は、
今年も頑張るぞって気になります。


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さっそくですけど土の話を少々。植物が元気に育つために欠かせないのが健康な土です。どんな土が健康なのかというと、ふかふかしていること。畑の土のように水はけがよく微生物が豊富な土は柔らかで、その土壌になら石灰を使った酸性の中和と化成肥料で、一年中繰り返し、売り物になる立派な野菜や花が育ちます。



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水はけは植え付け時に培養土を使えばそれでよし。ガーデニングを楽しむうちに、徐々に広範囲が改良されてゆきます。問題は微生物です。園芸店で微生物を探しても売っていないわけで、それは堆肥の中に住んでいますから、牛糞堆肥などを混ぜ込み、さらにその微生物を増やしてゆくことが必要になります。これは腸内環境と同じで、発酵食品を食べヤクルトを飲むだけでなく、乳酸菌が好む食物繊維を摂り続けることで腸内フローラが整ってゆく。ですから土にも時々発酵食品(堆肥)を追加しなければならないわけで、では腸で言うところの食物繊維は何かというと、枯葉や終わった根っこなど。ここで活躍するのがコンポストです。庭の手入れで出た雑草や葉っぱと、台所から出た生ゴミを混ぜ合わせて発酵させたものを土に混ぜるのが最良の堆肥となります。



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ところがこのコンポスト、なかなかイメージ通りの結果が得られない。何日経っても枯れ葉は枯れ葉のままで生ゴミは腐敗して悪臭を放っているというのが大方の結末。これには理由があって、それはですね、入れる前の段取りの不備。



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まず生ゴミはいったん、しっかり乾燥させてください。今の時期ならザルか、いらない段ボールに広げて庭に出しておけば半日でカラカラに干からびてくれます。それを草取りで貯めておいた雑草や枯葉と市販の堆肥と少々水を加え、よく混ぜてから入れる。数日で発酵が始まって、湯気を立てるほどほっかほかに温度が上がります。それが収まったらコンポストから出して再度混ぜてから再びコンポストへ。発酵が足らないようだったら小麦粉を混ぜると再びホカホカになります。何度か繰り返せばサラサラでフカフカで、陽だまりの香りがする上質な完熟堆肥の出来上がり。花も野菜も大喜びします。



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一年中これを繰り返している庭は一歩入ると土の香りがして、植物がイキイキとしていて、人もイキイキとしている。これは実感。今や古語となったロハスな暮らしが、今年はことに大事な気がします。田舎暮らし的な自然回帰、土を整え、腸を整え、心を整えるスローライフが、アフターコロナには理想的な指針となる気がして。



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ところで、発酵と腐敗は科学的には同じことだそうです。でも違いますよね。発酵は人も植物も健康にし、腐敗は悪臭を放って病気を招く。くれぐれも生ゴミはしっかり乾燥させてから使うこと。それと微生物の種である堆肥を入れること。適度な水分と撹拌を繰り返すこと。こういったコツを掴むと、暮らしぶりもそのようになっていって、あ、つまり、生ゴミ的なストレスはカラッと解消させるとか、本やアートや音楽にインスパイアされ、いい感じにウエットな情感を楽しむとか、日々元気に活動をして血流をよくするとか、そうなってゆく。だから堆肥作りを普通にこなすような暮らしが、心を健康にしてくれるのだと思います。 



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ロハス、スローライフ、せっかく庭があるなら大いに活用し、ガーデニングを楽しみましょう。今年はどう考えても明るい、多くの人にとって飛躍の年になる、としか思えない。長いことしゃがんでいたせいで飛び上がり方を忘れているなら、庭で屈伸運動をして、冬晴れが続く空に向かって思いっきりジャンプしましょう。庭ですよ庭。2022年は、長いことその概念が掴めずに、カーテンを閉め切ったままひたすら雑草取りに追われてきた日本人の、記念すべき庭元年となるかもしれません。庭でテレワークとか、自宅でグランピングとか、そういう流行りごとも含めて、今こそ庭を活用しない手はないのです。



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このコンポストの知恵は、園芸好きな田舎の母が昔から実践していること。新年早々にその母から電話があり、いきなり怒涛の愚痴が止まらない。昨年に続いての豪雪の中、少々ボケてきた父を老老介護する苦労話が次から次に飛び出しました。それを聞きながら、なんだかうれしかったのです。いいよいいよ、そうやって愚痴をぶちまければまたカラッとできるから。そういう母ですから。何歳になっても尽きることのない苦労を愚痴りながらも、翌朝には暗いうちからコタツに使う炭を熾し、掃除機をかけ、ラジオ体操をしてから鼻歌まじりで朝食の支度に取り掛かる、これぞ完熟堆肥の威力なり。



さ、仕事仕事!
新春の出囃子はこれ、E.エルガーの胸躍る行進曲、威風堂々で。




 


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