2023年02月

風の歌を聴け 春の風

 北風の日はコートを羽織り、無風の日和にはジャケットだけで心地良し。寄せては返す三寒四温は、やがてひねもすのたりと春の風。春の風が吹いてきたら、メダカも蝶々も小鳥たちも、うれしそうに笑うだろう。春だよ、ぼくらの春がきたよ。凍てついた冬が懐かしいような、さらに遡ってあの灼熱の夏には毎日2リットルの麦茶で生き延びたなあと、立ち止まり、越し方を眺める峠道に降り注ぐ光の温もりにアフォードされて、アフォーダンス・ダンス・ダンス。い〜い季節ですなあ。



店の近くにある梅林が一気に勢いづきました。
森田さんによれば、来週から春本番という予報。
さあてと、花に倣って、溜まりに溜まった仕事をフルスピードで。

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 横浜市港南区日限山、ご近所にまたひとつ感動的な庭が完成しました。かれこれ10年前にガーデンリフォームをやらせていただき、今回は転居で、新築の更地に新たなる庭を想像し創造。前回の庭を家族全員&親戚とご近所さんで楽しみまくったご一家は、今度は一層楽しめる庭を、といううれしいご要望。それに応えることができた気がして有頂天の数日間なのであります。このいい感じが遠のかぬうちに次なる仮想庭へと意識を転居させて、さて、またもや夢中で設計設計また設計。



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 今回の仕事でとても印象的だったことがあります。ぼくよりも年長のそのご夫婦の強さです。強さと言ってもそれはパワフルさではなく、常ににこやかで、穏やかで、喜び上手で、いくつかあった気がする施工上の不出来も、『指摘』ではなく『ありがとう』を使って上手にこちらを修繕作業へと導いてくださる。基本的に機嫌が良くて、些細なことにも感動と感謝を表現しながら暮らしている。天下無敵とはこのことかと思いました。あ、つまり、天下に敵がいない。敵がいないということは、誰とでも良好にコミュニケートできるということ。天下泰平人類皆兄弟。戸締り用心火の用心、一日一回良いことを、ニコニコニッコリ日曜日。親を大切にしよう!一日一善!ああ、懐かしきかな笹川会長。



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 誰が言ったんだっけなあ。太宰だったか、芥川だったか、京都のお坊さんの言葉だったかやしれません。

 ぼくがあなたに残せるものなど何もありません。ただ、あなたの人生に吹く、春の風でありたいのです。

 い〜い言葉ですなあ。天下無敵とは春の風也。


 


 

司祭ヴァレンティヌスの殉教

 古代ローマの後半期、帝政時代と呼ばれる内戦に明け暮れていた頃に、皇帝は兵士に里心がついて士気が下がる事を懸念し、恋愛禁止令を発布、若い兵士の結婚を禁じました。当時のローマはミトラス教という宗教が主流でキリスト教は異端の徒。異端でありながら、そこがクリスチャンの特色でありまして、しぶとい。江戸時代の隠れキリシタンがそうであったように、弾圧を受けても挫ける事なく信仰を続けます。ローマの隠れキリシタンたちを牽引していた司祭がヴァレンティヌス。彼は皇帝に抗いまして、信者には「大いに恋をせよ。恋愛し、結婚し、幸福な家庭を築きなさい」と説き、司祭として兵士の結婚式を執り行います。皇帝から度々警告を受けてもその信念を曲げることがなかったために、ついに死刑を言い渡されてしまいます。2月15日、豊穣祭の前日に処刑が行われ、信徒は泣き、司祭ヴァレンティヌスは聖人ヴァレンタインとなりましたとさ。



店で設計に没頭していたら、
突然 My Girl たちがチョコレートを届けに来てくれました。
昨日みんなで手作りしたそうな。
なんでも全部味が違うんだって。
ありがとね。


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 クリスチャンたちは、処刑が行われた2月14日を聖ヴァレンタイン殉教の日とし、婚姻生活の守護神である女神ルノーの祝日と定め、そのお祝いの意味には「男女が出会う日」というニュアンスが含まれていたとのこと。歴史上にあったそのささやかな逸話を、「女子が男子にチョコレートを贈って告白をする日」としたのは日本人。諸説ありますが、どうやら大田区大森のお菓子メーカー株式会社メリーチョコレートカムパニー、ご存じメリーチョコレートだそうです。諸説あるとは、他に神戸のモロゾフ製菓、森永製菓、ソニープラザなど、うちがバレンタインデーを広めたのであるとするお菓子屋さん多数だそうで、いずれにしても発端は、商売上の、売らんがために捻り出した苦し紛れのアイデアだったのです。



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 商売とはこういうことで、知恵を絞って、消費者に新たな幸福感を提案提供してゆくこと。素晴らしい。日本のお菓子メーカー各社は、競い合いながら新たな市場のフィールドを開拓し、結果、実に心和む風習を生み出してくれました。これはお菓子屋さんの理念に、ストレートに『幸福感の提供』があるからで、世の中にはなかなかそういう業種は少ない。お菓子屋と結婚式場とディズニーランドとグレースランドくらいじゃなかろうかと。弁護士をされているお客様から「イワフチさんはいい仕事をしていますね。グレースランドには幸せな人しかやって来ない。弁護士事務所に来るのは、不幸に喘いでいる人ばっかりですよ」と。はっとしたものです。そう言われればそうだなあと。心してかからねばと。



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 ちなみに、当たり前ですが、欧米にはチョコレートを贈る風習はなく、女子から男子へでもなく、大切な人へ想いを伝える日とされているそうです。フランス人は、恋人たちや夫婦が一緒に過ごす特別な日。アメリカは家族に加え、クラスメイト、先生、知り合いやペットに感謝を込めてプレゼントをする。フィンランドでは友達と友好を深める機会とされているとのこと。クリスマスと同様に、本日2月14日は世界に愛が満ちる日なんですね。こうして、そこに参加できることをありがたく思います。


ヴァレンタインデーと言えばこれ。
古典的な歌唱様式、レチタティーボを使っています。
レチタティーボとはオペラの
「歌っているような、話しているような」叙述的独唱を、
曲の冒頭に、前口上として持ってくる手法。
今はヴァース( Verse )と言うようです。
スターダスト、
ビートルズのThere and Everywhere、
ピンクレディーのウォンテッドも。

私の胸の鍵を 壊して逃げて行った
あいつはどこにいるのか
盗んだ心返せ
Wanted Wanted

本編へのワクワク感を高める前口上、
プレゼンテーションの度に結構考えるんですよ。
お客様を、
幸せに満ちた庭世界へとお連れしたい一心で。





Verse
ご覧なさい あの美しい鳥の姿を
誇らしげに美を競い合う姿を
あなたは自分の姿を見たことがないのね
バカな人

虚ろな顔つきが 乱れた髪が
あなたの良さを隠してしまう
あなたは気高く真っ直ぐで 誠実で 真実味にあふれ
そして ちょっと間抜けなやつ



CHorus
あなたは私の恋人
素敵で楽しいヴァレンタイン
私を心から笑わせてくれる
おかしな顔つきで写真向きじゃないけど
でも 私にとってはお気に入りの芸術品なの

姿はギリシャ彫刻より劣る
口元も弱々しいし
話し方だってスマートじゃない
でも 髪の毛一本だって変えないで
私のことが好きならそのままでいて
愛しのヴァレンタイン 変わらないで
毎日がヴァレンタイン・ディなの



 

風の歌を聴け ググッと寄る

 ハッと感じたら、グッと寄って、さらにグッと寄って、バシバシ撮りなさい。篠山紀信がミノルタのCMで発した言葉です。昭和時代のブラウン管からほんの一瞬流れたこのメッセージに刺激されて、カメラマンを目指した若者は多かった。ぼくもそのひとりであったような気がします。



絞りを開放にし、被写界深度の限界まで近寄り、
呼吸を整え、静かに指を下ろす。
フィルムカメラの頃からの不思議な癖というか、
36枚に1〜2枚の割合で、ドキドキする瞬間がやってくるのです。

無意識に、フィルム1本(当時400円ほど)を人生と捉えていたのかもしれません。
ドキドキできなかった人生なんてつまらない、と。

現像にもお金がかかるため、1枚もときめかなかったフィルムは
ポケットに入れ、帰りにそのまま捨てていました。
この感覚、フィルム代がかからないデジタルカメラ世代には、
ピンと来ないことかも。

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 「グッと寄って、さらにグッと寄って」が響きました。当時はカメラブームで、ニコンF2フォトミックを持つことがぼくの憧れ。各カメラメーカーは競って露出のオート機能、さらにズームレンズを発売し売りまくる中、ニコンは頑固一徹、マニュアル機の名品ニコンFを基軸に、F2、F2フォトミック、FM、FM2、AM、EM、F3と、威風堂々たる王道を切り拓いて行きます。後年この頑固さが災いしデジタル化に乗り遅れてしまうのですが、それはまた別の話。当時はニコンこそが国産カメラの最高峰であり、マニアたちはそのニコンイズムに倣いズームレンズも毛嫌いして、明るくボケ味のある単焦点レンズで自らが動き回る撮影スタイルを良しとしていたのでした。そんなタイミングで「ハッと感じたら、グッと寄って、さらにグッと寄って」と語る篠山紀信に、これぞプロのお言葉であると感動したわけです。



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 あの頃のカメラマンはタレント的に人気があり、テレビ・雑誌に出まくっていました。立木義浩、浅井慎平、荒木経惟、野村誠一、加納典明・・・そしてメメント・モリの藤原新也。作品と共に、彼らの言葉に手を引かれ、導かれた人は多かったはずです。すっかりデジタル化となった今、カメラマンたちは無口な裏方となってパソコンに向かっている。スマホによって一億総カメラマン化した今こそ、あの時代に炎を上げていたカメラマンたちの熱が、必要だと思んですけどねえ。まあ、スマホカメラマンであっても、「ハッと感じたら、グッと寄って、さらにグッと寄って」、さらにさらにグッと寄って見つめる気迫を持てば、一生の記憶に残る名作が撮れることでしょう。だってですね、iPhone のカメラ機能たるや、どう考えたって昭和の高級一眼レフなど遥かに超える、性能と使いやすさを持っているのですから。



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 感動的な作品が撮れていないとしたら、足らないのはハッと感じる感受性と、ググッと被写体に寄ってゆく気迫。何の世界でも道具は発達の一途で、それに対して人の心は衰退しているのではないかと思うことがしばしば。ことに庭の世界では。恥ずかしながらぼく自身がそうで、燃えるような恋とかね、ええっと、どうすればいいんだっけ、などととまどうペリカン状態です。いけませんなあ、対象が女房であれ、吉岡里帆であれ、設計中の庭であれ、野の花であれ、ボワっと恋心が燃え上がらないようでは幸福な庭など描けないのであ〜る。惚れっぽさが持ち味だったはずなのに、全くもって、誠に遺憾に存じます。明日は晴れそうですから、暗いうちにカメラ担いで里山に行き朝の森をひと巡り。ハッと感じたら、グッと寄って、さらにググッと寄って、バシバシ撮ってこようと思います。


きっとあなたにも、こんな瞬間がありましたよね。
大事なのは今もそうであること。
過去ではなく、現在、今日、恋心的な感覚を有して過ごすこと。
恋心を失った時から、ダイアモンドのようだった彼氏と彼女は、
クソジジイとオニババアにまで値が落ちてしまうのです。
老醜。
政治家、芸能人、それどころじゃなく身の回り、さらに自信を顧みて、
それは人生の敗北のように思えて。
ご同輩、恋ですよ、恋。 





 
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