ロングロングタイムアゴー、かつてこの地上はティラノサウルスなどの肉食恐竜を頂点とする爬虫類の楽園でした。その風景に生えていた、シダやイチョウやメタセコイアなどの裸子植物は草食恐竜の食糧で、恐竜が繁栄するにつれて食い荒らされ、とうとう絶滅の危機に。その危機は食べる側にも及ぶわけで、恐竜たちは飢えに喘ぎ、植物を求めて北へ北へと移動します。折り悪く泣きっ面に蜂で、氷河期が到来。さらには巨大隕石が落ちて、ついにほとんどの恐竜は地上から消えてしまいました。
一方植物たちはしぶとかった。散々食い荒らされることに耐えながら生存の道を探ります。耐えて凌いでいるうちに、奇跡の如き大革命が起こりました。それまで恐竜から一方的に虐げられてきた植物は、恐竜とは対極にある小さな小さな生き物、昆虫と手を組んだのです。花と蜜と香りで虫を魅了し受粉する被子植物へと進化を遂げました。さらには同盟を組んだ昆虫以外の動物から食べられないために、アルカロイド、ニコチン、コカイン、カフェイン、カプサイシンなどの毒を身に蓄えることまでも。
地上の覇者は恐竜から植物になりました。すると今度は植物同士で競争、レストラン同士の集客合戦が勃発します。お隣さんと咲く時期をずらし、お客様の好みに応じて色形を変え、蜜の味や花の香りも個性的にすることで爆発的に多様な花が生まれました。これで地球は酸素を供給する豊かな緑に覆われ、花咲き乱れ、哺乳類、魚類、爬虫類、昆虫、植物、微生物まで含めてたくさんの生物が調和し共存できる、まさしく生命の楽園になったのです。
こうして完成形となった奇跡の星、イーハトーブ。そのままだったら良かったのに、何と何と、500万年前に哺乳類の中からとんでもない猿が幅を利かせ始めます。あの傍若無人な恐竜ですら1億6千万年もの長きに渡って繁栄を続けました。さて、このタチの悪い猿族の運命やいかに。悪猿は滅びを前にして、かつて植物が行ったような革命的変化を起こせるか否か。それは小型化か、翼を生やすことか、昆虫と手を組むか、あるいはSF的に他の星への移住を果たすか。しかし何べん考えてもそんなことは無理っぽい。
ひとつだけ可能性があるとすればですよ、それは家族仲良く愛情を育みながら生きること。神様はそういう生き物が好きなのです。花も虫も小動物も、観察すればわかりますけど愛情に溢れ、愛情に基づいて闘い、愛情を育みながら生きている。悪猿だけにその資質が薄い。もうひとつ大事なことは、一億年の生存などを望むより、今日いち日を美しく過ごすことに集中する。悪猿以外の全員がそうしているように。悪猿の中には知恵者もおりまして、二千五百年ほど前に生きていた老子という猿は、「あらゆることの正解は自然の中にある」と言い残しています。無理矢理に我田引水と言う勿れ。やはり庭ですよ、庭。自然を感じながら、愛ある暮らしを送る場所が庭なのです。
さてさて悪猿の運命やいかに。悟空みたいに、道すがらで三蔵法師に出会えれば良いのですが。
マグノリア(コブシ 、モクレンなどの総称)は1億5千万年前に起こったその恐竜と植物の攻防戦によって出現し、ジュラ期から白亜紀に入ったあたりで広く地上に分布した花とのこと。それから現在に至るまでほとんど姿を変えずに代を繋いできたわけですから、この花の色形、香り、木の性質には神々しいレベルの正しさ、美しさがあると、毎年毎年そんなことを思いながら見上げて、息を整えシャッターを切っています。
ハスの花を大日々如来とするならば、マグノリアの姿は菩薩様、さしずめ観音菩薩でありましょうか。では、お手手の皺と皺を合わせて、弘法大師空海が唐より持ち帰ったガンダーラの真言を唱えましょう。オン・ア〜ビラ・ウンケン・ソ〜ワ〜カ〜〜〜。
一方植物たちはしぶとかった。散々食い荒らされることに耐えながら生存の道を探ります。耐えて凌いでいるうちに、奇跡の如き大革命が起こりました。それまで恐竜から一方的に虐げられてきた植物は、恐竜とは対極にある小さな小さな生き物、昆虫と手を組んだのです。花と蜜と香りで虫を魅了し受粉する被子植物へと進化を遂げました。さらには同盟を組んだ昆虫以外の動物から食べられないために、アルカロイド、ニコチン、コカイン、カフェイン、カプサイシンなどの毒を身に蓄えることまでも。
地上の覇者は恐竜から植物になりました。すると今度は植物同士で競争、レストラン同士の集客合戦が勃発します。お隣さんと咲く時期をずらし、お客様の好みに応じて色形を変え、蜜の味や花の香りも個性的にすることで爆発的に多様な花が生まれました。これで地球は酸素を供給する豊かな緑に覆われ、花咲き乱れ、哺乳類、魚類、爬虫類、昆虫、植物、微生物まで含めてたくさんの生物が調和し共存できる、まさしく生命の楽園になったのです。
こうして完成形となった奇跡の星、イーハトーブ。そのままだったら良かったのに、何と何と、500万年前に哺乳類の中からとんでもない猿が幅を利かせ始めます。あの傍若無人な恐竜ですら1億6千万年もの長きに渡って繁栄を続けました。さて、このタチの悪い猿族の運命やいかに。悪猿は滅びを前にして、かつて植物が行ったような革命的変化を起こせるか否か。それは小型化か、翼を生やすことか、昆虫と手を組むか、あるいはSF的に他の星への移住を果たすか。しかし何べん考えてもそんなことは無理っぽい。
ひとつだけ可能性があるとすればですよ、それは家族仲良く愛情を育みながら生きること。神様はそういう生き物が好きなのです。花も虫も小動物も、観察すればわかりますけど愛情に溢れ、愛情に基づいて闘い、愛情を育みながら生きている。悪猿だけにその資質が薄い。もうひとつ大事なことは、一億年の生存などを望むより、今日いち日を美しく過ごすことに集中する。悪猿以外の全員がそうしているように。悪猿の中には知恵者もおりまして、二千五百年ほど前に生きていた老子という猿は、「あらゆることの正解は自然の中にある」と言い残しています。無理矢理に我田引水と言う勿れ。やはり庭ですよ、庭。自然を感じながら、愛ある暮らしを送る場所が庭なのです。
さてさて悪猿の運命やいかに。悟空みたいに、道すがらで三蔵法師に出会えれば良いのですが。
マグノリア(コブシ 、モクレンなどの総称)は1億5千万年前に起こったその恐竜と植物の攻防戦によって出現し、ジュラ期から白亜紀に入ったあたりで広く地上に分布した花とのこと。それから現在に至るまでほとんど姿を変えずに代を繋いできたわけですから、この花の色形、香り、木の性質には神々しいレベルの正しさ、美しさがあると、毎年毎年そんなことを思いながら見上げて、息を整えシャッターを切っています。
ハスの花を大日々如来とするならば、マグノリアの姿は菩薩様、さしずめ観音菩薩でありましょうか。では、お手手の皺と皺を合わせて、弘法大師空海が唐より持ち帰ったガンダーラの真言を唱えましょう。オン・ア〜ビラ・ウンケン・ソ〜ワ〜カ〜〜〜。