2025年07月

早朝里山単独行

 起き抜けに庭に出たら思いがけず気温が低くて、なんだか懐かしいような、これが夏休みの感じだよなあと気分が上がりまして、久しぶりに里山散歩をしてから店に来ました。



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 薄暗いうちに家を出て、カメラ担いで森へ入ってゆく頃にはすっかり夜は明け、朝日が燦々おはようさん。



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 何組かの老夫婦がウォーキングを楽しんでいて、すれ違うと、普通に笑顔で「おはようございます」とご挨拶。



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 素敵だなあ。いつかあんなふうに早朝の森を並んで歩く夫婦になりたいものだと思いつつ、いつもながらの単独行。



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 自然の只中へとひとりで歩を進めることも、今の自分にはとても大切な時間なのです。



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 里山という小さな自然であっても、その背後には広大な円海山の森があり、小川があり、夏雲の空がある。その端っこを歩くことはナチュラルエナジー補給のためにコンセントを差し込むようなもので、ほんの1時間ほどの充電で何日かは大丈夫。とかく不自然に力みがちな自分の思考を平らに、自然体に整えてくれることでしょう。



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 庭もそういう場所なんですよ、本来は。



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 明日台風の端っこが横浜に触ってくれそうです。その恵みの雨によって横浜全体が癒され、人々に夏の庭を楽しむマインドが復活しますように。いやはやこうも連日灼熱だと、ぼくですら日陰を探しながらの暮らしになっていましたから。



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 夏には夏の庭遊び。夏休みっぽく陽を浴びて、蚊取り線香を焚いて、スイカ、そうめん、麦わら帽子。









Graceland Style 14

立体的に構成する

 人はとかく、庭を平面的に捉えてしまうものです。



木村邸 Plan B

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Before

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After

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庭は外壁と樹木や塀のと間、地面と空の間にある空中に存在する。



藤原邸 Plan A

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Before

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After

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 3Dオセロゲームをするようにして、庭空間を手に入れてください。木やコーナーパーゴラで角を取ると強いですよ。

 地面をどうにかして(例えば通路と花壇と芝生とみたいに考えて)そこを庭と認識するのは早合点。その上にあの手この手で、意味なり意義なりを生み出さない限り庭として成立することはありません。庭は「庭空間」になって、初めて庭になるのです。
 その空間で光を浴び、風を受け、空を見上げて、季節を察知し、天候を味わい、不自然になりがちな自分を自然体へと整える。これが庭の大きな役割。







Graceland Style 13

目隠しをする

 目隠しは庭を楽しむために欠かせない要素です。



大原邸 Plan A
大原邸 Plan A

 Before
大原邸Before 1

After
大原邸 After1

大原邸1

大原邸2

大原邸3



視線を気にしながらくつろぐことはできない。まして、カーテンが閉まりっぱなしだったら、その庭は何の意味も持てないままになってしまう。



飯高邸 Plan D
飯高邸 Plan D

Before
飯高邸 Before

After
飯高邸 After

飯高邸1

飯高邸2

飯高邸3



 目隠しとともに見晴らしの確保も意識してください。
 必要なところにだけを隠しつつ、庭周辺の様子を察知できるように、空の広さや遠方の風景を眺められるようにするのが理想です。

 人は広大なサバンナで暮らすインパラやシマウマとは違い、遮蔽物に隠れることで安らげる森の猿の類いですから、目隠しは庭をくつろぎの場所にするために必須なこと。同時に、周囲に猛獣が迫った時に気づけるよう、覗き穴的なことも必要なのです。







芝生は庭のエチュード

 新たな庭のことをイメージするときに、お客様から「芝生は手入れが大変だから・・・」というのが決まり文句だった時代がありました。そのお言葉に抵抗した二十年があり、無抵抗に芝生を使わない庭を思い描く数年がありました。そしてここ何年か、違和感を抱きつつ人工芝での芝生っぽい庭を提案するようになりました。



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 まわるまわるよ時代は回る。最近では世の中の&自分の庭観、芝生観に変化が起こりまして、今では賢い選択として、人工芝を敷き詰めた庭をごく普通に出現させています。人気のリアルターフとか、見た目と機能に優れた製品が出回ってきたことと、もっと大きな理由は、地を覆う芝生という植物を手入れしながら暮らすライフスタイルが、古臭い、過去の遺物になってしまったのであると、半分ほどは宗旨替えをした自分の挫折感も込みで納得しているのです。いやほんとに、今時は積極的に人工芝の庭を楽しんだ方っが良いのである、と。



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 そもそも、ロング・ロング・ア・ゴー、30年ほど前のあるエピソードによって、ぼくは自宅に芝生を敷きました。そこでせっせと手入れを繰り返した日々のことが、分厚い幸福感とセットで蘇る、記憶の財産となっています。



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 庭にバーベキューコーナを作りたい、というご要望を受け、まずは現地を拝見してからということで、栄区庄戸にあるそのお庭に入っていきました。



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 木戸を開けて立ち入った瞬間「なんと美しく手入れされた芝生であろうか」と驚愕。当時の世界的な共通認識として、芝生の手入れは男性の仕事である、ということを知っていたので、中で手招きしているご主人に「見事ですねえ〜。まるでディズニーランドの芝生みたいです」と。すると少し照れたような、もっと少なく誇らしさを含んだ表情で、「いやあ大したことはないですよ。この芝生の状態がぼくの状態だと思っているので、そこそこ手入れはしています」とのお返事。忘れられない会話とシーンでした。そして数日後に、ぼくは傷んだ自宅の芝を全部剥ぎ取り、丹念に下地作りから始めて張り直した次第です。



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 かつて昭和時代、芝生を整えることは、イコール暮らしを整えるために有効なガーデニングでした。大概は男の仕事であり、ビールを冷やしておいて取りかかるレジャーのような快楽の時間でもあったのです。



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 芝生の庭が日々のコンディションづくり役立っていた我が身を今振り返ると、それは修行というほどストイックではなく、お作法と捉えるほど味気ないことでもなく、・・・エチュード(練習曲)と捉えていた気がします。庭を楽しむ暮らし方へと自分を調整してゆくこと、家族が無意識に、その芝生の庭から発せられる良質な波動を吸収して、健康な気持ちで日々を送るために、願いを込めて行う日常的な行為であったということが、分厚い、幸福な日常の記憶となっています。



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 ちなみにその後引っ越しまして、女房が犬たち(現在5匹)のために庭のほとんどを人工芝にしました。残りの少しだけをウッドデッキに仕立ててぼくの庭の書斎にしています。



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 まあ、満足、というか、それなりに庭は有効に機能しています。機能を必要とされなくなったのは、ぼくの芝生を手入れするときのマインドなんですよね、きっと。寂しいような、悲しいような。お爺さんになると家庭での役まわりが端役に、通行人A程度にまで落ちてしまうものなのかもしれません。いやはや。



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めぐるめるぐよ時代は巡る。今日は倒れた旅人たちも、生まれ変わって歩き出すよ。



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 もう一度、芝生を始めてみましょうかねえ。オールドスタイルながら、裸足で歩くときの足裏からやさし気持ちが全身に広がるようなあの感覚を再度味わいたい。家族への思いとか、暮らしを整えるとか、そういうこととは別次元に、あれほどの心地よさを日々感じられるのはお得です。



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 感動を繰り返します。「芝生の状態がぼくの状態なんです」、なんと素敵なお言葉であろうか。芝生の庭を楽しむ古臭い感覚を、もしよかったらあなたもイメージしてみてください。


大阪万博の翌年、ザ・フォーク・クルセダーズによる
この曲のヒットで、日本人の庭観が出来上がりました。
加藤和彦が歌った、確かナショナル住宅のCMソングだったような。
あれから幾星霜。
ぼくらは今「家をつくるなら」と閃いた時に、
どんなシーンを思い浮かべるでしょう。






My Dear Life

 定年を機に庭を整備したい、という相談を頻繁にお受けします。ぼくには定年がないので、生きる限り現役で勝負。これはこれでいい選択だったなあと思いつつ、ある年齢で仕事に一区切りがあり、次の人生を組み立てるチャンスが得られる方々に、うらやましさも感じます。



夏の庭風景
暑さなんぞは屁とも思っていない花と虫たち


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 否応なく前向きに次の暮らし方を創造することになるわけで、越し方に悔いがあればもう一度やり直せる面もあるでしょうし、次はこれだ!とワクワクと楽しみにしていた事柄もあるのでしょう。



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 リセット。退職したら、会社勤めで蓄積しているであろうストレスとキッパリと縁を切れるわけで(大きな企業ほど大変な世界ですから、ぼくなんぞには務まる仕事ではありません)、晴れ晴れと、今度は自分の意思だけで人生の仕上げに取りかかることになる。庭の整備がそのお役に立てるなら、羨望込みで、全力で応援いたします。



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 定年後の人生を、高い志でエネルギッシュに組み立ててゆく賢人の姿を見るにつけ、レールに乗って頑張ってきた人が、今度は自分でレールを敷いて進んでゆくという、自身のロマンに満ちた冒険のような時間が始まるんだなあと、眩しくて目を細めつつ、自営業のぼくとしては仕事と暮らしが惰性に陥らないないようにしなければ、と、背筋が伸びる思いになるのです。



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 定年後の組み立てで、畑と陶芸に夢中な藤本さんという年長の知り合いがいます。先日完成した陶器を譲っていただきました。ビールを注ぐのにちょうどいいサイズと形だったため、毎晩庭で楽しんでいます。



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 畑と陶芸は、創造欲求と表現欲求が強い人の選択肢です。創造と表現、たぶん会社ではなかなか発揮する機会がなく、どちらかといえば邪魔な感情だったことでしょう。一個人となり、そのクリエイティブなパワーの発露として出現した器に、ぼくはロマンを感じるのです。かっこいいぞ藤本さん。秋に予定しているという個展が楽しみ楽しみ。



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仕事や暮らしのあれこれにへろへろになってしまう人間と違い
花も昆虫もひたすらに生きている
それが清々しく思えて
見つけてはシャッターを切っています



 場所は上大岡の大久保辺りだそうです。近くなったらごこのブログで案内しますので、企業人の見事な第二の人生を一緒に拝見いたしましょう。







暑いし・・・暇だし・・・

 港南台では雨らしい雨が3回しか降らなかった梅雨が開けて、連日、ぼくが子ども時代に記憶している夏休みとは違う種類の刺すような灼熱の日差しが続いています。朝からヘロヘロになりながらも、それでもありがたいのは日陰に入った時に感じる風の心地よさ。これは港南台などの海が近い地域の特権です。強烈な太陽光によって海面よりも陸が熱せられ、上昇気流が生まれる。すると低気圧地帯ができ、オートマチックに海で冷やされた空気が陸へと流れ込んでくる。海風ってやつです。理科で習いましたよね。越後の山奥育ちだったものですから、横浜に来るまでこの海風という現象を感じたことがなく、ここへ引っ越してきた最初の夏に、「これがそうなのか」と、心地よく癒されながら軽く感動したものでした。



散歩で撮ったアルバムから
涼を感じる写真を並べます
灼熱の日に円海山周辺の里山へ入ってゆくと
空気がゴージャスに涼しくて癒されますよ
緑の多さは暑さを和らげてくれます

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 今回で4年連続、長い長〜い夏が始まりまして、さてと、今年からは無駄な抵抗をやめることにしました。外仕事の日は思いっきり暑さを楽しむとして、店ではできるだけ涼しい顔でいられるように、あれこれ工夫しながら過ごそうと決めたのです。これまでのような灼熱に挑みかかってゆく暮らし方は、振り返れば何事にも功を奏さなかったと気がつきましたので。



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 異常気象などと騒ぐことなかれ。アマテラスの思し召しに抵抗するのは恐れ多いことです。神ならざる弱き平民は、太陽神の差配には素直に従うのがよかろうと。「進化の過程においては強者が淘汰される。強いものが勝ち残るのではなくて、やむなく適応した弱者が生き残るのだ」と、確か、ダーウィンがそれっぽいことを言っていたし(違うかもしれません)、などと自分に都合よく結論づけて、エアコンをハイパワー機種に取り替え、サーキュレーターを追加して、夏用ジーンズ、夏用スニーカー、夏用シャツなどを購入しました。あとは夏向きの食事を心がけ、アルコールは・・・これは一年中変化なしのビールで問題ないでしょう。仕事を終えて庭で飲むビールは、季節に関係なく心身を整えてくれる良薬ですから。



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 これでよし、と。あと足りないものはないだろうか。万全か?などとつらつらしているところへ高校生が大学生か、夏休みに入ったらしいお嬢さんがご来店。

「あのお〜、暑いしい〜、暇だしい〜、ベランダで野菜とか作ってみようと思うんですけどお〜、何を揃えたらいいか教えてくださ〜い」

「ハイヨロコンデ」



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 適度な大きさのプランターと野菜用の培養土をお勧めし、「何でも好きな苗を植えてください」と話したところ、シソとパクチーを選択されました。気づくと後ろの方でご両親が楽しげに娘さんの買い物の様子を眺めています。おお、何と素敵なご家族であろうか。暑いし暇だし野菜でも・・・と相談に来るお嬢さんと、笑顔でそれを見守るパパとママ。お見事。とても涼やかな光景でした。



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 見るからに健やかに育ったのが伝わってくるお嬢さんの、まるで田舎のおばあちゃんのような発想での野菜作り挑戦。いいんだなあ、自然体で。



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 そうだ、自分にあと足らないのは涼やかな思考だ、と気づきました。元来ぼくの脳みそは暑苦しく、時には考えすぎで湯気を立てたりしますので。これですよこれ、涼やかな思考。前のめりにならず平らに、力まずゆったりと、無理せずのんびりと。



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「あのお〜、暑いしい〜、暇だしい〜、ベランダで野菜とか作ってみようと思うんですけどお〜、何を揃えたらいいか教えてくださ〜い」って、なんとチャーミングな夏のイマジネーションであろうか。


海風 ビール コルトレーン
夏の夜の庭 夢心地
うつらうつらと捲るマーロウ





シンクロニシティー(原田邸 8)

 原田さんちのお庭をご覧いただいてきました。ひたすらに庭を生み出し続けていながら、本来はどの庭も(自称)最高傑作ですから、片っ端から記録保存し、こうしてブログにアップしたいと思いつつ、忙しさに負けてブログ自体も停滞気味なここ1年ほど。いけませんなあ。後藤さんちのオープンガーデンも、新たに登場した孫のイロハちゃんのことも写真整理すらできていない有様です。とほほのほ。



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 反省しきり。忙しさなどというものは何を優先事項にするかだけのことなので、この古くなったポンコツOSの思考回路を修正し、バグを掃除しバージョンアップさせなければ。



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 その都度都度、ただ目の前にやってくる課題に飛びかかって夢中になるというのは、ぼくの良き特性でありながらも、はてさて、全体の流れを意識ぜずに浅瀬でぴちゃぴちゃ水遊びしているようものなのです。もう子どもじゃないんだから、社会性というか、企業人たちが身につけている仕事の流儀を学ばねば、と、常にその事が頭に浮かんでいたのです。



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 このままでは「あいつは面白い庭を作るけど、仕事は遅いし、仕事以外はだらしなくて、奇行だらけの変な人だったよねえ」と言われかねない。それではまずいのです。まずいか?・・・まずいのです。孫たちにそんな評価を残すわけにはいきませんからね。



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 では、反省猿、ということで、今日から以前のペースでブログをアップし、庭にまつわるあれこれとガーデンデザイナーの日常を綴っていくことといたします。



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 ではでは、最終日の本題に入ります。



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 新築の更地に庭空間を出現させることが今回の主題でした。その空間にどのような意味と意義を与えるのかをあれこれと(映画の予告編のように)イメージし、いくつか出てきたシーンの舞台を、広めの庭を間取りつつはめ込んでゆくという、いつもの流れで2プランをスラスラと描く事ができました。それを叩き台としてご夫婦にご覧いただき、検討を重ねてもらって出来上がったのがこの庭。



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 そのプロセスは、ぼくにとっては快感を伴うほどのお楽しみなれど、結構入念に、ねちっこく時間をかける数度の打ち合わせに、辛抱強く、前向きな気持ちでお付き合いくださったご夫婦のおかげで出現した庭でもあります。感謝感謝。ぼくだけで仕上げたら少々マニアックに過ぎる庭になりますから、そこに自然体で暮らすお客様の感覚が加味され修正されることによって、ナチュラルな風が吹くような、暮らしに馴染む庭空間が出来上がるのです。



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 あらためて、これが仕事なので、くどいようですけど、もう一度繰り返させてください。



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 庭は植物を植えるための場所ではなく、雑草取りを楽にしてホッとするだけの余剰地でもない。日々自然と呼応しながら、住人が健やかに暮らすための生活空間なのです。



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 自分としては当たり前のど真ん中であるこの庭観は、何年経っても、だからきっとこれから先も、世に広まることなくマイノリティーのままなのでしょう、と予想します。今回のように、お客様から賛同していただけたら勇気百倍。また元気で、次の庭へのパワーとイマジネーションを得ることができました。



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 しつこい性格なので繰り返します。庭は植物のための場所ではなく、人のための場所であり、そこに暮らしに役立つ意味と意義を備えて生活空間に仕立て上げない限り、価値を持たないどころかお荷物になってしまう。



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 これを言い続け表現し続けるのが、ぼくの残り時間の使い方なんだろうなあ。他に思いつかないもんなあ、意味と意義がある自分の仕上げ方。



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 完成後、時々ご来店くださっては「バラがすごいですよ、見にきてください」などと声をかけてくださる奥様に感謝感謝。出会いという奇跡的な事象の素晴らしさを噛み締め、シンクロニシティーが途切れない我が運命にも(神様かな?守護霊かも?シナリオライターに)感謝感謝。プランニングから施工、完成後と、感謝だらけの庭でした。










庭と暮らしは合わせ鏡(原田邸 7)

 庭は暮らしを映し出します。楽しい暮らしは庭を楽しい場所にし、何らかの課題と向き合い頑張っている人の庭は前向きなエネルギーに溢れているものです。これは庭に限ったことではなくファッションにも言えることで、イキイキと暮らしている人は見た目、外見にその心持ちが見て取れます。



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 暮らしを映し出すというこの庭の性質にはもうひとつ重要な特性があって、それは庭を整えると暮らしが整ってゆき、庭を楽しく仕立てることで暮らしが楽しい方向に展開するということです。それはまるで合わせ鏡のように。



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 暮らしは庭に投影され、同時に庭が暮らしをリードする。



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 女性はなぜ男性よりも長生きなのか。そしてなぜ、年齢が行くほどに女性は社会性が高まりパワフルになってゆき、男性は孤立しパワーダウンしてゆくのでしょう。医学的、生物学的見地からの解説とは別に、ぼくは女性の方が無意識に、この「合わせ鏡の法則」を活用しながら生活しているからだと思っています。



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 多くの女性は幼い頃から始まって、何歳になっても鏡の中の自分を日に何度も見つめながらメイクを施し、ファッションを楽しみます。うちの娘は自らの楽しみとして、嬉々として孫たちにおしゃれを施しています。きっとそのことが、後々大切な女子の力となってゆくのでしょう。



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 鏡の中にいる自分を意識し整える習慣によって、暮らしが整い、気持ちが高まり、外出や、友人らと過ごす時間が楽しみになる。その思考のまま庭を見つめる女性は、雑草取りも室内の掃除と同じく習慣化されていますからさして苦ではなく、花を増やすことは自分を高める手段ですから、好みのお化粧品を取り揃えるが如くに草花を植え、ハーブを育て、基礎化粧品で朝晩お手入れをするように、水やりと土づくりに余念がない。



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 ぼくら男は、女性たちのその手法を真似た方がいいんです。その方が長生きできるでしょうし、確実に日々の暮らしの質が上がってゆくのですから。



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 この頃では男性化粧品の売り場が充実して、若い人は当たり前に眉毛を整え、UVカットファンデーションやコンシーラー、BBクリームなどを使うようになりました。ご同輩&先輩諸氏、ぼくら世代には異和を感じる男の化粧は、すでに社会生活上のお作法になりました。せめて鏡を見ることを習慣にしてみませんか。そうやって女性に倣うことで、クオリティ・オブ・ライフ、人生終盤戦の質が向上すると思いますので。と、その前に、しばし庭を見つめて、今のままで良いのかどうかを思案してください。庭の様子が今のあなたであり、あなたの未来の姿でもあるのです。










庭は愛情の賜物(原田邸 6)

 庭全体の約半分がデッキで、残りの半分は芝生と草花のガーデニングエリアです。実はこの部分は奥様が自力で施工されました。スゴ!その庭への情熱と馬力に驚嘆いたしました。玄人はだしとはこのことで、想像力と創造力のレベルが高すぎて、並の造園業者のそれを超えた仕上がりになっています。
 人はどのような場面でこれほどのパワーを発揮するのでしょう。そんな問いも含めてご覧いただきましょう。



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 一応の設計はぼくがしたものの、それを参考にしながら奥様なりの感覚で、ぼくの設計よりもナチュラルでスッキリとした気持ちの良い場所に仕上がりました。これが理想的な庭づくりだなあと、あ、つまり、設計者と住人とのコラボレーションで出来上がった庭は、必ず設計を上回るのです。



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 このように、職人さんじゃなきゃ作れない構造物以外は自力でやってみたい、というご要望はよくあります。「大変ならお手伝いしますから頑張ってください」と話し、草木の植え方や芝生の張り方を伝授し完成を待ちます。例外なくそこには素晴らしい庭が出現し、しかもその後一年二年と、季節が巡るほどに花が増え、美しさと楽しさが増してゆくのです。



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 なぜそうなるのかと言えば、子育てと同じですよね。自分が出産し、自力で育てるから当然愛情は膨らみ続けます。男には一生実感することができない女性の特権です。打ち合わせが進むにつれ、奥様の中で「庭は自分で産みたい」というような感情が芽生え、出産するが如くに膨大で美しいエネルギーを発揮した結果がこうなった、ということだと考えています。つまりこの庭は、奥様の愛情の賜物であると。

 男はどうでしょう。時たま見かける失敗例が、お金で庭を手に入れようとしてしまうケース。それは残念ながら基本的にズレている。庭は物質の構成だけで出来上がるのではなく、その根底(コンセプト)と経緯(プロセス)にロマンが不可欠ですから。
 庭のロマン・・・時間の経過を込みで感じる変化、日々庭を浴びながら過ごすことで得られる感動と安らぎ、家族や友人が集い笑顔で語らう至福の時間など。ぼくがよく感じるのは「今吹いているこの風は、地球の隅々までを何周も巡ってきた空気なんだよなあ」とか「こうして見上げている夜空って、紛れもなく宇宙空間なんだよねえ」とか、そういうことに思いを馳せる時間が、庭の書斎でのお楽しみです。



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 そんな楽しみ方をしているので、庭に置きっぱなしで時々開くのが宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。飛び飛びで、かれこれ10回は読んだと思います。
 ジョバンニが目指していたのは「本当の幸せがある駅」でした。悲しいですよねえ、一緒に行こうと約束した親友のカムパネルラは、ふっと消えてしまいます。川で溺れかけていた悪ガキのザネリを救うために自分が流されてしまったのです。その死を冷静に、理性的に受け入れたカムパネルラのお父さんの心情を思うと、何度読んでも泣けてくる。そして思うのです、お父さんはその後どうしたのかなあと。お父さんのその後の人生は・・・・ぼくのイメージでは、ですが、静かに深い悲しみに耐えて、耐えて、耐えて、頑張って、頑張り続けて、消えない悲しみ以上の愛情を家族に向け、一生をかけて「本当の幸せ」に満ちた家庭を築き上げたことでしょう。
 家庭。家と庭で家庭です。家庭の半分は庭なんですから(屁理屈ではありますけど)、ロマンあふれる庭をイメージしてください。イメージできたらできたも同然、その庭から、あなたの人生がロマンティクな展開を始めることでしょう。



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 この仕事をしていてしばしば出会うジョバンニたちに、ぼくは庭でエールを送ります。大袈裟ではなく、「本当の庭」とは、ジョバンニが思う「本当の幸せ」と類似するほど重大な意義と意味を持つものなのです。







 次回は奥様が丹精した草花の様子をご覧いただきながら、改めて、庭って何?ということを。




天使は立体的に思考する(原田邸 5)

 今回の設計のポイントは「目隠し」と「立体構成」にあります。目隠しは「カーテンを開けて暮らせるようにする」、「庭で室内と同等にくつろげる安心感を確保する」の2点を実現させるためのものであり、立体構成はそれに加えて「居心地を増すために仕切りや屋根を設けること」です。ここでアンソニ・ガウディーの言葉を。

 人は物事を平面的に思考し、天使は立体的に思考する。

 別に天使じゃなくても、庭をイメージする時には立体的に思考しない限り成立しません。ああそれなのにそれなのに、住宅地にはアイデンティティを授けられなかった庭的な場所が、行けども行けども続いているわけで、そこに天使が舞い降りることはなく、人の感性が天使の領域にまで昇華されることもないままに草取りだけを繰り返している。これが数十年変わることのない現実なのです。
 その頑強とも言えるほどの変わらなさに、何度も「オレが変なのか?もしかして」と思ったりして。ンワケナイヤロ!と即座にノリツッコミして、「庭が庭として有意義に存在することに世の中が無関心だからって、自分が思う庭の意義を流布し具現化することを諦めるわけにはいかない。そんなことをしたらぼくは職を放棄することになるのだ。例えば祖父の代から続く豆腐屋がこだわり(基本)を捨てて、大豆の香りがしない安価な量産品の豆腐的なものの生産にシフトすることと同じではないか」などと理屈をつけ、自らを戒めるのです。

 さらに、この自分のこだわりを肯定し擁護する意味で、日本と他の国との庭の定義がどれほど違うかを並べてみます。海外の多くの国では庭は庭として機能し、美しく幸福な庭世界がいくらでも、普通に存在しています。
 アフリカでは心地良い風が吹く場所に家を建て、庭と室内の区分がない間取りでその風を享受しながら暮らしています。オーストラリアでは友人をリビングではなく庭に招くそうですし、アメリカ人は広い芝生とハンモックとバーベキューを楽しめるのが庭であると主張し、スペインでは庭とは主にシエスタを楽しむ中庭のことであり、建物以外の場所はコモンガーデン(公共の庭)と捉えて花を飾り、主婦たちは日常的に井戸端会議で笑顔の花を咲かせている。そしてどの国でも、庭は眺めるよりも過ごす場所であり、食事や読書や、パーティーも庭で楽しんでいる。ガーデニングのメッカ、園芸が盛んなイギリスですら夏は連日バーベキューをし、花が少ない時期は庭で本を読み、日に何度もテラスでティータイムを楽しみ、花の季節までの長い時間を庭と対峙し語り合うようにして過ごしている。
 彼ら彼女らにとって、そういう庭のあり方は自然なことなので、庭を美しく維持管理するのにかかるコストは食費と同等ですから、余計な出費や苦労とは思っていない。アメリカではお手伝いさんが掃除洗濯の流れで芝刈りをするし、イギリスやイタリアでは街場にバラやトピアリーを得意とする誇り高きガーデナーが大勢営業をしています。
 時々話題に上る「幸福度指数」の尺度に、その国の庭のあり方が入っているかどうかは定かでないながら、ぼくら日本人の庭との付き合い方、庭の捉え方が指数を押し上げるとは思えません。とかく日本人は、貧しさや不幸や苦難に対して、防衛本能として無自覚になる傾向が強いそうです。「みんなそうなんだから、これって普通でしょ」と。「なんでカーテンを開けて暮らさなきゃならないの?」「防草シートと人工芝で、はい、庭の完成」と。
 人は物事を平面的に思考する。コピー用紙の上で、どうしたら女房殿の機嫌が良くなるだろうかをチャート化し、ストレスを数値化し、言語化し、深刻な時間を費やし巧妙な作戦を練る。
 対して天使は、さっさと庭を理にかなった仕立てに整え、家族で陽を浴びながら笑顔の時を過ごす。すると難敵だった鬼女房殿は、かつて出会った頃のように魅惑的な天使の顔になっている。めでたしめでたし。これが立体的思考ということ。

 では、この庭の立体構成、天使の所業をご覧ください。



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 かつてカラーセラピーを得意とする霊能者から「あなたは幸運にも大天使ミカエルに護られています。信じる道を突き進み、命がけで世の中に尽くしなさい」と言われたことがあります。ちなみに実家は曹洞宗で、ぼくは弘法大師空海のファンだし、女房は浄土真宗で、娘の嫁ぎ先は時宗という、どこもかしこも仏教徒なんですけど、何だか勇気が湧くご指摘だったので、せっかくですから大天使ミカエルの存在はいつも意識しています。ミカエルはユダヤ教・イスラム教・キリスト教に登場する天使長で、悪魔に打ち勝った実績を持ち、「正義・浄化・使命・勇気・力」などに関して強力なパワーでサポートしてくださるそうな。





いつも通りに一人で庭の書斎にいると
耳元にあの声が
今宵も大天使ミカエルが降臨
ミカエルは言う あなたはわたしの加護にある
その声は甘い歌のようであり 時に雷鳴のようであり
そしていつも 明日はこの庭を出て
悩み多き世に立ち庭を語るのだと
それが天命であると告げ
大きく力強い羽で 夜空へと去ってゆく

I come to the garden alone~詩篇45編 意訳





 次回はデッキ以外の場所、ガーデニングエリアのことを。





ウッドデッキは外の部屋(原田邸 4)

 ウッドデッキ。ひと昔前は「デッキは腐りやすいから」と敬遠されたものです。それが今では、ウリンやイペなどのハードウッド系南洋材が手軽に手に入るようになったために、そういう印象はなくなりました。こちらとしても、少々値が張る材料ながら耐久性への不安が消えて、自信満々で設計に取り入れることができています。
 それは良いとして、デッキに関して世の中的に進化していない事柄があります。「何おためにそれが必要なのか何」という、とても原初的な事柄に思いが行かないままに「雑草だらけの庭よりは、一部をウッドデッキにして土の面積を減らした方が得策であろう」くらいの感覚のまま、大枚叩いて発注をしてしまうケースが多すぎるということです。
 何のために?答えは「そこに出て過ごすために」。縁側や渡り廊下なら洗濯物干しや導線を整える意味が出るものの、ある程度の広さがあるいわゆるウッドデッキの場合には、季節の変化や日の移ろいを感じながら、心地よく時を過ごすためにあるものなのです。仮にそこまでイメージできたとして、それを実現させるにはいくつかのことを付加する必要があり、それらを整えない限り、そこは何の役にも立たない場所になってしまいます。

 デッキを意味あるデッキにするために必要な、具体的な要素は次の通りです。目隠し、ベンチ・椅子・テーブル・ハンモックなどのファニチャー類、照明器具、屋根・パーゴラ・シェードセイル、植物、趣味の物・置き物、そして電源。ことに「目隠し」は必須で、次に「電源と照明器具」と「ファニチャー」の順で整えていけば、そこは上質な「外の部屋」になります。間違いない。
 すでにデッキなりテラスなり、過ごすための場所をお持ちで、しかしほとんど過ごしたことがない、という場合は、見慣れたその場所を虚心坦懐に見つめ直して、足りない要素を付加していってください。



原田邸デッキ1

原田邸デッキ2

原田邸デッキ3

原田邸デッキ4

原田邸デッキ5

原田邸デッキ6

原田邸デッキ7

原田邸デッキ8



 「建物の外(庭や通路や玄関先)を、居住の余剰地ではなく生活空間として再構築する」、主にそのことがぼくの設計の核になっています。ぼく的には至極当然な考え方でありながら、これは世の中的にはまだまだ少数派なのかもしれません。でも、そう感じつつも、もしかしたら現状ではマニアックに映るかもしれないこの暮らしが外へと広がってゆくイマジネーションは、多分、いやいや確実に、正解なのです。なぜなら他に、庭やウッドデッキに意味と意義をもたらす考え方と手法は発見されていませんから。
 まだあまり知られていないこの正解が正解であることを証明するために、アインシュタインのごとくに公式で説明できたらいいんですけどねえ、E=mc² みたいにシンプルで深遠な(人類史上もっとも美しいと言われている)公式。あるいは言葉。呪文的なたった一言で、混沌とした日常から抜け出し誰もが過ごす庭の価値に気づく言葉なら、ぼくでも頑張れば見つけられる可能性はあります。
 例えば「レット・イット・ビー」とか、「ケ・セラ・セラ」とか。ハワイ語だと「ホ・オポノポノ」ですかね。日本では何でしょう、呪文的に次の世界が開ける言葉って。「笑顔に勝る化粧なし」「苦あれば楽あり」「失敗は成功のもと」など色々とありますけど、ぼくが頼りにしている言葉はこれ、「イメージできたらできたも同然」。







 次回はこのデッキのポイントである、空間構成のことをつらつらと。





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