2026年07月

幸せの小舟/門馬邸

『 幸せの小舟 』

そのお宅は、道路から数メートル上がった敷地にあります。
お庭は出幅1メートル80センチとやや狭めで、そこに芝生を張って、せっせと手入れをされていました。
これはとても一般的なケースで、「庭に何を植えたらいいんだろう」とご夫婦で話し合い、導き出したものなのでしょう。

ご相談内容は、「この芝生の庭に、どんな植物を植え足したらいいでしょうか」というものでした。

芝生の手入れはとても楽しいものです。日々雑草を抜き、刈り込みを繰り返しているうちに「芝生のコンディションが自分のコンディションなのだ」と、哲学的な領域にまで進む方も多いほど、芝生は人に、心静かにもの思わせる草なのです。
さて、そこに別の植物を植え足す・・・。

まず考えられることは「高さを出す」ということ。地面に影を落とすことが少ない(日陰は芝生を枯らすので)スリムな庭木を何種類か配せば、これまでの「平面的な庭」が「庭空間」へと変わります。
草花であれば、ハーブや野菜など、「収穫」という要素を加えるのも楽しい展開です。

しかし、ぼくとしては、ご要望とまったく違う庭の使い方を提案したくなりました。
ひとつ気になる点があったからです。
それは、カーテンを閉めて暮らしていること。せっかく見晴らし良好の立地なのに・・・。

今は芝生がメインの、その庭スペース全体を持ち上げ(例えばウッドデッキで)、部屋が外へ広がる使い方の方もイメージしていただきたくて、このような設計になりました。


Plan A
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Before
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After
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Before
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After
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Before
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After
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Before
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After
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門馬さんちに最初にうかがった時、冷蔵庫の貼り紙が目にとまりました。
それは「魔法の習慣(クセ)カレンダー」というもので、運気を上げる31の習慣が書いてありました。



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1、はきものをそろえる
2、胸を張る
3、笑顔をつくる
4、メモをする
5、空を見る
6、あたたかくする
7、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、パソコンをみない、聴かない
8、トイレ掃除をする
9、捨てる
10、神社にいく
11、ヒラメキを活かす
12、人間以外のモノに声をかける
13、元にもどす
14、変身アイテムを用意する
15、花や草木にふれる
16、本を読む
17、お財布の中を整理する
18、プチ断食をする
19、こちらから挨拶をする
20、つながる
21、あやまる
22、ハガキを書く
23、話を聴く
24、スイーツを分かち合う
25、瞑想する
26、寄付する
27、問いかける
28、祈る
29、両親に感謝を伝える
30、歌い踊る
31、作品を残す




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ぼくはそれを読みながらうれしくなりました。どれもこれもうなずける事柄ばかりでしたし、それ以上に、こうして「言葉」を冷蔵庫に貼って、眺めながら過ごしている奥様の暮らし方に共感を覚えたのです。



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ぼく自身「言葉コレクター」のようなところがあって、いつも言葉を進行方向に置いてはそれに向かって歩いていくような、つまり言葉を道しるべにしています。

言葉には力があります。その力の炎に焼かれて悩むこともあれば、癒され、元気づけられることもある。「だったら意識的に、自分のパワー、良質な感情を引き出してくれる言葉をインプットしながら進めばいいんだ」と、そんなことを思ったのは中二の夏休みでした。

思えばその後、今日に至るまで、その手法で暮らしてきたわけです。
気づけば勉強嫌いだった自分が、この言葉探しからすっかり本好きになっていて、夜の庭でページを捲る習慣は、かれこれ15年続いています。



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ぼくは完成したウッドデッキを撮影しながら、作詞家の吉本由美さんを思い出しました。
吉元さんも冷蔵庫に言葉を貼っているのだそうです。
かつて庭の書斎で繰り返し読んだ、「今すぐHAPPY!小さなことから変えてみる。/三笠書房」にこんな一文があります。


何気ないひと言に心が動かされる。でも、その瞬間に味わって終わりにするのではもったいない。書き留めておいて、ことあるごとに何度も何度も読み返しているうちに、その言葉が心に刻み込まれていきます。
気がつけば、自分の行動の指針となっている。言葉ひとつで次の行動や未来の自分が変わることだってあるのです。

私は、手帳とは別に、聖フランチェスコの「平和の祈り」と、メアリー・スティーブンソンという少女が書いた「足跡」という詩を仕事場の机の前に、そしてマザー・テレサの「あなたの中の最良のものを」という言葉を冷蔵庫に貼ってあります。
「平和の祈り」は私がこの仕事をさせていただく導き、「足跡」は励ましと勇気づけのために。そして「あなたの中の最良のものを」は、家庭においての私自身の役割を戒め、勇気づけるために。
ささやかなことかもしれませんが、確かにその力に支えられている自分がいるのです。

 


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吉元さんが仕事場に貼っているという「足跡」という詩がこれです。


「足跡」

ある夜、私は夢を見た。

夢の中で、私は神とともに浜辺を歩いていた。

空には、私の人生のさまざまな場面がフラッシュのように映し出される。

そのそれぞれの場面で、私は2人分の足跡が砂浜についているのを見た。

ひとつは私のもの、そしてもうひとつは神のものだった。

私の人生の最後の場面が映し出されたとき、
私はそれまでの人生の足跡を振り返ってみた。

驚いたことに、何度も私の人生の中で足跡が1人分しかない時があることに気がついた。

そして、それは人生でもっとも暗く悲しい時期ばかりだったのだ。

私は神に尋ねた。

「神様、あなたはおっしゃいました。一度私があなたについていくと決めたなら、あなたはずっといっしょに歩いてくださると・・・。
しかし、私がもっとも辛い時期に、
砂浜には1人分の足跡しかありませんでした。
なぜ私が最もあなたを必要としているときに、
私からお離れになっていたのか理解できないのです」


神は答えた。

「いとしい我が子よ。
私はお前がもっとも苦しい試練の最中にいるときにも
決してそばを離れることはなかった。
1人分の足跡しかなかった時期には、
私はお前を抱き上げて歩いていたのだ」



グッと来ました。



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こうして暮らしの中に言葉を置いている人は、何が起ころうとも、一歩一歩着実に幸せへと進んでいくのだと思っています。

そういえば、田舎の母も家中に言葉を貼付けて暮らしていました。
それはきっと「幸せ方向への歩みがブレないように」という自戒であり、自分を鼓舞するスイッチなのでしょう。



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完成したウッドデッキは、それまでに体感したどのデッキにも増して幸福感に満ちていました。
ぼくはそのデッキを「幸せの小舟」と命名しました。





数年後、雑誌の取材で門馬さんちを訪れると「幸せの小舟」は色あせる事なく、ますます幸せオーラを放ちながら航行を続けていました。



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門馬さんちの本編はこちら。→ 門馬邸(2009年11月5日〜26日)



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時間が経つほどに幸せ度が増していく庭がいい庭です。門馬さんちはまさにそれ。
門馬さんちのことを思い出すたびに、どうせ設計するならこういう庭、幸せの小舟的な庭を生み出し続けたいなあって思います。

庭の設計は、お客様の言葉(ご要望)をそのまま具現化しても満足度は低いままです。その言葉を超えた何か、言葉の奥に隠れている漠然とした「理想の庭」へのイマジネーションをぼくが読み解いて、引っ張り出してカタチにできるかどうかが、ぼくの仕事だと思っています。

時々はただのおせっかいに終わってしまうわけですけど、それでも、これがぼくの仕事なのです。ね、神様。


「足跡」いいですよね。
もう一度読み返してから、今日も設計に没頭します。





Graceland Style 18 風合い素材を使う

風合い素材を使う

庭を構成する素材には、時間とともにただ「劣化」してゆくものと、味わい深く「風合い」を増してゆくものとがあります。



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コンクリート、プラスチック、非鉄金属は劣化素材。
レンガ、石、材木は風合い素材。




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少々古風な考えかもしれませんが、お庭に使う素材はできるだけ天然に近く、土に還りやすいものが好ましいと思っています。

ただしそれによって傷みが早かったり、メンテナンスが大変だと庭自体の魅力が薄れてゆくことになるので、「適材適所」で人工的な素材も使いつつ、要所要所は妥協することなく天然素材にこだわる。そんなメリハリのあるまとめ方が望ましいでしょう。

では、どこが天然素材を使うべき「要所」なのか。ポイントは次の3つです。

1、直接手が触れる箇所(手すりやベンチなど)

2、その庭のテーマとなっている象徴的なエリア(デッキやテラス)

3、最も視線が集まるフォーカルポイント(見せ場・見どころ)


利便性やコストを重視して人工物だらけでまとまられた庭は、どうしても味気なく、不自然な印象が拭えません。

そもそも、日常の中で知らず知らずのうちに不自然になりがちな自分を、「自然体」へとチューニングすることが、庭の大きな役割です。
その手段として、天然に近い本物の素材を配することで、日々庭に押し寄せてくる自然の波を、より深く、豊かにキャッチできるようになるのです。






暮らしの中にある自然

撮影散歩が習慣化して、もう二十年以上になります。
行き先は、住民が草花を慈しむ金沢区の遊歩道や、港南区・栄区に点在する里山。
ほかには仕事で訪れる三浦半島のあちらこちらを歩くこともあります。



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里山で感じる「反転」の感覚
これらの場所を歩いていると、ある共通点に気づきます。
それは「暮らしの中にある自然」を感じられる、ということです。

僕らはどんな環境や境遇で日々を送っていても、実は自然の真っ只中にいます。

コンクリートジャングルで暮らしていても、渡り鳥が上空から見下ろせばそこはポツンと一軒家のようなもの。

本来は「自然の中に暮らしがある」はずなのですが、里山を歩いていると、それが反転して「暮らしの中にある自然」として肌に伝わってくるのです。



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越後育ちとして
越後の山奥で育ちで、今は庭を生業にしているからでしょうか。
そこにある風景に懐かしさと安らぎ、そして何よりの「豊かさ」を感じます。

本来、厳しい自然と隣り合わせの暮らしでは、自然との闘いが基本スタンス。
庭の手入れも、掃除や洗濯と同じく「きちっと暮らさなくては」という生活のお作法になります。

ところが、里山の風景からはその「闘い」を感じません。
もし住人にインタビューをしたら、「闘い? とんでもない」と笑って返されることでしょう。



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豊かさの正体は「お天道様」
そこにある自然は敵ではなく、家族の暮らしを全力で支えてくれる、ありがたい「環境現象」・・・
いえ、いっそ「神様」と呼ぶ方がしっくりくるような。

お天道様のおかげで、という、かつては都会人も持っていた信仰に近い思考。
それこそが、里山から感じる豊かさの正体ではないか。つらつらと考えるうち、結論はそこへ行き着きました。



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お天道様に感謝し、八百万(やおよろず)の神に柏手を打って一日が始まる。
昭和四十年代の田園では、まだ薄暗い時間に田んぼの水調整へ向かうお年寄りが、昇ってきたお日様にそっと手を合わせる光景がありました。
それこそが、文字通り「朝飯前」の一仕事だったのです。


さてと、仕事仕事。お天道様を背に受けて。







Graceland Style 17 夜を楽しむ

夜を楽しむ

一年を通して、夜のお庭はこの上なくゴージャスな時間をもたらしてくれます。



石井邸
石井邸

畑邸
畑邸

荒武邸
荒武邸



ライティングを施した庭は、夜空に浮かぶ宇宙ステーション。



中山邸
中山邸

一柳邸
一柳邸

わが家
わが家



見上げる頭上の星空はまぎれもなく宇宙空間です。そして夜風は、地球の表面を何周も巡った末にたどり着いた空気です。
そう感じられる庭で時を過ごすことによって、どれほど思考が解放され、翌朝の調子が上がることか。

ぼくの場合、BGMを流すためのパソコンと、読みかけの本と、そしてよく冷えたビールを持って特等席に着席し、30分から1時間ほどを「庭の書斎」で過ごしています。

特に夏の夜、江ノ島方向から入ってくる風の心地よさたるや。あまりに快適で、だいたい3ページほどで寝落ちします。
その夢見心地のひと時は、幼き日に、夏休みの縁側でまどろんだ瞬間へとワープする「夏の夜の夢」。最上級の癒しなのです。

では、「冬の夜の庭」はどうでしょう。夜風はがシャキッとしているので、いつまででもページをめくっていられます。
ですから、冬は寝不足にご注意ください。

春も秋も言わずもがな。庭の夜風は、誰にでも平等に準備されている、人生の財宝なのです。







ニーチェ先生と羊男

猫の額も、イメージ次第で宇宙規模。

ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェは「愚痴は目の前の課題に取り組むつもりがないことの宣言であり、言い訳はその課題の改善を私は放棄していますという宣言に過ぎない」と申しております。なるほどなるほど。しかし先生、ぼくが知る限り愚痴と言い訳はホモ・サピエンスが獲得した進化の中でも金字塔であるともいえる言語、会話の中核を成しているではありませんか。

イワフチくん、だから人類は個人的にも種としても、飽くことなく不幸な歴史を反復しておるのだよ。

先生、それは世界平和を目指す社会倫理上、あるいは家内安全上理解できる気もします。しかし、では、人類が愚痴と言い訳をしない種族になったらどうなるでしょう。ホモ・サピエンスは植物化して、人類は人類ではなくなる気がするのですが。

ハハハハ、相変わらず愚か者だねきみは。人類があらゆる苦悩と無縁になるには言葉を捨てて植物化するのが正解なのだよ。究極はね。しかしそんなことなどできないのが人間だろ。だから愚痴を言い、批判をし、弱音を吐き、泣き笑いしながら踏ん張って生きてゆくのだ。大切なのは、その内なる声をちゃんと聞いて、受け止めて、それらを放っておかないことだ。ああ、なんと言ったら理解してもらえるかな。そうそう、きみが好きな羊男の言葉を思い出しなさい。そこに答えがあるから。

というわけで、ニーチェ先生はあの言葉を指し示したのでした。あの、羊男が、イルカホテルの薄暗い部屋で、めずらしく真剣な口調で語った、掲示のような言葉を。


「踊るんだよ」
「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言っていることはわかるかい?踊るんだ。踊り続けるんだ。何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。そんなこと考えだしたら足が停まる。一度足が停まったら、もうおいらには何ともしてあげられなくなってしまう。あんたの繋がりはもう何もなくなってしまう。永遠になくなってしまうんだよ。そうするとあんたはこっちの世界の中でしか生きていけなくなってしまう。どんどんこっちの世界に引き込まれてしまうんだ。だから足を停めちゃいけない。どれだけ馬鹿馬鹿しく思えても、そんなこと気にしちゃいけない。きちんとステップを踏んで踊り続けるんだよ。そして固まってしまったものを少しずつでもいいからほぐしていくんだよ。まだ手遅れになっていないものもあるはずだ。使えるものは全部使うんだよ。ベストを尽くすんだよ。怖がることは何もない。あんたはたしかに疲れている。疲れて、脅えている。誰にでもそういう時がある。何もかもが間違っているように感じられるんだ。だから足が停まってしまう」
「でも踊るしかないんだよ」
「それもとびっきり上手く踊るんだ。みんなが感心するくらいに。そうすればおいらもあんたのことを、手伝ってあげられるかもしれない。だから踊るんだよ。音楽の続く限り」 
オドルンダヨ。オンガクノツヅクカギリ。 
『ダンス・ダンス・ダンス/村上春樹著』より


と、まわりくどく前置きをしておいてと。

庭が狭いから楽しめない、広過ぎてどう扱えばいいのかイメージがまとまらない場合に、あきらめて、放っておいてはいけません。広さに関係なくその場所を価値ある庭に仕立て上げることができるのですから。
庭に関してそれを紡ぎ出すのがぼくのダンススタイルなので、ぼくが踊ります。ダンス・ダンス・ダンス。

部屋からフェンスまでの出幅が1.5メートル(木村邸)、2メートル(草野邸)、そして80センチ(澤田邸)です。ご一緒に、Before から After への変貌を感じてみてください。


木村邸 Plan B(出幅1.5メートル)

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Before

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After

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草野邸 Plan C(出幅2メートル)

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Before

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After

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澤田邸 Plan A(出幅80センチ)

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Before

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After

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オドルンダヨ。オンガクノツヅクカギリ。




Shall we dance ?





Graceland Style 16 部屋と庭をなじませる

部屋と庭をなじませる

どこまでがお部屋でどこからがお庭なのか。
それがわからないほど、部屋と庭とが融け合っていることがひとつの理想です。



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庭のような部屋、部屋のような庭。
部屋の一部が庭のような、庭の一部に部屋があるような。




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庭の要素(植物)を部屋に持ち込み、部屋の要素(ファニチャー)を庭へと持ち出して、「部屋の延長にある庭」をイメージしてください。

例えばスペイン・アンダルシアの、パティオ(中庭)と窓辺に赤い花が散りばめられた白壁の街並みは、路地や庭を「植物+集いの場」と捉え、「家だろうが外だろうが、あらゆるところが庭なのだ」という暮らしのカタチです。きっと、かつては集落の外周に高い壁を築いて、外敵の侵略を防いでいた歴史から生まれた、共同体意識の名残りなのでしょう。
神々が宿るバリ島に至っては、森(自然)の中に、人間が少しだけスペースを間借りして生活することが正しい暮らしであるという共通の認識があります。

他にもアフリカ然り、ニュージーランド然り。世界中の多くの地域で、自然を敬い、自然に生かされていることに感謝しながら日々を送るために、良質な、理に適った生活空間を整えているのです。

はてさて、僕たちが暮らす、現代の日本ではいかがでしょうか。
部屋と庭をなじませて、・・・せめて、カーテンを開けて、風と光を感じながら暮らしてみませんか。







Graceland Style 15 部屋からの景色を描く

部屋からの景色を描く

お部屋の窓から見える景色によって、室内の空気感や心地よさは劇的に変化します。



仲野邸
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窓枠を一枚のキャンバスに見立てて、そこに立体的な絵を描くように庭を仕立てる。



木村邸
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わが家
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時間によって変化する光。季節ごとに表情を変えてゆく植物たち。そんな風景画を描ければ、室内にいながら自然の息吹が感じられ、ナチュラルな気持ちをキープしながら暮らしていくことができます。

「絵は苦手」とおっしゃる方に、僭越ながらアドバイスさせてください。

ゴッホやマティスといった偉大な画家たちの絵を見てもわかるように、絵画の価値は、決して技術の上手い下手で決まるものではありません。そこに「描くべき切実な理由」があり、我を忘れるほどの夢中さで紡がれた絵だからこそ、時代を超えて人々の心を打ち、高い評価が生まれます。

あなたが窓の向こうに描き出す絵の価値も、全く同じです。
自分への想い、ご家族への想い、そして広く人類への想いの強さ。その心の深いところから湧き出る愛情というエネルギーが、その庭風景を描せるのです。





高い位置に咲かせる

『高い位置に咲かせる』

自分よりも高い位置に花があると、地面に咲いているよりも圧倒的に魅力を感じます。

それはきっと、その花によって、庭空間に包まれる感覚を得られるからでしょう。



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教会のステンドグラスがそうであるように、人の思考は、視線を上に向けることでポジティブ方向へ向かうよう設計されています。

ちなみに、昆虫は鳥から身を守るために上空を意識しますから、上方向はネガティブな感覚でストレスが降り注いでいます。爬虫類は水平方向の四方八方にネガティブ感覚を持っていて、ポジティブになるのは茂みや穴に身を隠している時です。




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さて、ヒトはどうでしょう。



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さほど危険を察知する能力が問われない平和な社会生活が長かったために、とても鈍感というか、おっとりした猿に進化しました。
「危険」よりも「よろこび」を感じ取るアンテナが発達したのです。



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見上げることは感動へつながる、という習性。



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「庭は地面ではなく空間」。
壁面を使い、アーチを設置し、吊り鉢を配して、あの手この手で立体的に花を咲かせてください。

平面よりも立体の方が、何倍もの癒しとよろこびが得られます。








Graceland Style 14 立体的に構成する

立体的に構成する

多くの人は、庭を「平面」で捉えてしまいがちです。



木村邸 Plan B

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Before

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After

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庭は外壁と樹木や塀のと間、地面と空の間にある「空中」に存在する。



藤原邸 Plan A

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Before

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After

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まるで「3Dオセロゲーム」をするようにして、立体的な庭空間を手に入れてください。庭木やコーナーパーゴラで角を取ると、デザイン的に、強い空間が生まれます。

地面をどうにかして(例えば通路と花壇と芝生とみたいに考えて)そこを庭と認識するのは早合点。その上にある空中に、あの手この手で、意味なり意義なりを生み出さない限り、そこが庭として成立することはありません。
庭は「庭空間」になって初めて、その価値を発揮するのです。

その空間で光を浴び、風を受け、空を見上げる。季節を察知し、天候を味わい、不自然になりがちな自分を自然体へと整える。これが、庭が持つ大きな価値であり役割。

庭は地面に描くものではなく、空中に生み出すものなのです。









間合いを図る

『間合いを図る』

周辺に建つお宅との関係性をどう図るか。それは、庭づくりにおいて非常に重要な事柄です。
目隠しと見晴らし、木の配置、居場所の設定など、隣家との良好な(適度な)関係を意識しながら組み立てましょう。



岡山邸 Before
岡山邸Before 6


After 
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ガーデンリフォームの場合、「今さら目隠しをしたら、お隣さんが気を悪くするのでは・・・」と心配される方が多くいらっしゃいます。
しかし、心配はいりません。それどころか、お隣さんもホッと安心されるはずです。

こちらのプライベートを確保するための目隠しは、同時に「相手側のプライベート」を守ることになります。お互いが快適に過ごせるようになるため、実は感謝されることの方が多いのです。



守谷邸 Before
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After
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ところで、「間合いを図る」といえば剣士の心得。
宮本武蔵、山岡鉄舟、千葉周作、伊藤一刀斎、土方歳三など、名だたる剣豪たちはみな間合いの達人でした。
日頃、奥様から振り下ろされる「刃」に四苦八苦のご主人方も多いのではないでしょうか。もし身近に剣道をやっている方がいたら、ぜひ観察してみてください。段持ちの上級者であれば、ほぼ例外なく夫婦円満をキープできているはずですから。

隣人との間合いと同様に、妻(パートナー)との間合いの取り方は、人生における重大問題です。
かといって「距離を置く」と別のややこしい展開になりますから、「付かず離れず、相手の剣先をギリギリでかわす間合い」を身につけたいものです。



横澤邸 Before
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After
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ちなみに、ぼくは剣道初段です。
あれから幾星霜。少年剣士はすっかりシニア剣士となり、今や全身のいたるところに刀傷を負って、剣を杖代わりにトボトボ歩といている始末。実にみっともないことです。



草野邸 Before
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After
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お隣さんとの間合い、そして妻との間合い・・・。もっと早くから心掛けておくべきでした。








Graceland Style 13 目隠しをする

目隠しをする

目隠しは、お庭を楽しむために不可欠な要素です。



大原邸 Plan A
大原邸 Plan A

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視線を気にしながらくつろぐことはできない。まして、カーテンが閉まりっぱなしだったら、その庭は何の意味も持てないままになってしまう。



飯高邸 Plan D
飯高邸 Plan D

Before
飯高邸 Before

After
飯高邸 After

飯高邸1

飯高邸2

飯高邸3



ただし、目隠しを計画するときには、同時に「見晴らしの確保」も意識してください。

必要なところにだけを隠しつつ、庭周辺の様子を察知できるようにしておくこと。空の広さや遠方の風景を眺められるようにしつつ、お隣さんや来客の気配を感じられるようにしておくのが理想です。

人は広大なサバンナで暮らすインパラやシマウマのように、見通しの効く場所で、常に周囲を警戒し続ける生き物ではありません。遮蔽物に隠れることで安らげる森の生き物、猿の類いです。
物陰でくつろぎながら、周囲に猛獣が迫った時に気づけるように、雷雲が迫ったら逃げられるように、「目隠しと見晴らし」の具合を調整してください。









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