今日は和室前の仕立てをご覧いただきます。

fd116c3f.jpg

4ba6f539.jpg


 建て替え前の庭に点在していた庭石を住宅メーカーさんに無理言って取り置いてもらいました。一般的には解体工事で全て処分されてしまいます。

cef166bf.jpg

3a31c478.jpg


 「石はいくらあっても邪魔になりません。庭石としてだけではなくてそれで炉をつくったりベンチに仕立てたり、いろんなアイデアで使いきってしまうのでできれば捨てないで下さい」よく建て替えや、中古住宅を買われてそれまでの和風の庭をリフォームするお客さまにお話しすことです。

 今回は和室からの眺めを重視して石組みに仕立てました。
 石組みは職人さんの力量や性格、人間性なんかがもろに出る工種で、私が図面を描いてこういうふうに据えて下さいと言って施工するような類のものではなくて『生け花』みたいなもの。職人さんが石と対峙し、石と語りあいながら石ころを活かしていく、石に情感や時間やメッセージを語らせるという技なのです。景石でも石積みでも延べ団でも同じこと。楽しいですよ石の世界って。そのとりこになって、石を探索しながら京都を歩き回ったこともありました。

 そんなわけで石組みはやたらな人には頼めません。迷うこと無く田村庭苑の田村さんに依頼しました。田村さんはときどきこのブログに登場している北鎌倉の職人さんで、知り合ってからもう十年以上たちます。サーファーにして一流の造園家、いつもその仕事ぶりには唸らされるのです。
 こういうすばらしい職人さんたちに支えられていることを感謝しつつ、でも「いつも無理とわがままばっかり言ってすいません」と言いながらつきあってもらっていて、「・・・ほんと、いつも無理とわがままばかり言ってすいません。今後とも末永くよろしくお願いします」。