全体を見渡しながら、最初にこの場所を見たときに何を考えたかをお話ししようと思います。

急傾斜地の下の谷底のような場所です。そのことが奥様としては不満で・・・、となると設定というか前提条件が不満な訳ですからそこをどのように仕立てても不満な場所から抜け出すことは出来ないのです。しかし私は即座に言いました、「最高の場所ですね」。外界から遮断されたこのこもった場所、私に取ってはホント、最高の条件なのです。


一年中庭を設計し、次から次からそれが現実の空間になるという、考えたら魔法の世界にいるような生活をしながら、いつか自分のための理想の庭をつくるとしたらというようなことをよく妄想しています。その庭は北向きのアトリエの外に広がる庭とも雑木林ともつかないような、タヌキや蛇やよくわからない精霊みたいなものまで住み着いている薄暗い場所を背景に、そこだけ光が差し込んでくる、そんな感じで、今の時期なら夕方からマツムシの声が滝のように降り注いで、そこには囲炉裏とシエスタベンチがあって、丹精して育てたハーブや草花と収穫間近の椎茸と、毎日みそ汁の具になるネギやモロヘイヤやナス。夜が深まって虫も鳴きやみ静かになった庭、マリンライトで浮かび上がるその場所に出て、キャンドルライトで妻とワインを・・・。ここまでイメージしたところで次に出てくるのは、いつも酔っぱらった妻があれこれ愚痴を言い出す場面でして、そこで妄想は中断されるのです。
妻の酒癖は横に置いといて、つまりこの谷底のような場所は、私の理想とする庭をつくるのに最適なのです。


一応奥様にそのことを話して、とりあえず私のイメージする庭のプランをご覧いただくことにしました。密かな期待としては、嫌いだというこの場所に対するイメージが変わってくれたらいいなあと。


一般的に、庭は広くて明るくて眺望が開けて風通しがよくて、そうイメージするものですが、それと正反対の、狭くて暗くてこもった庭もいいもんですよ。その庭のベンチで『霜降る朝にふたつ並んだムクロになれたらね/斉藤哲夫』、理想の夫婦の理想のラストシーンなのです。
で、結果、奥様はこの場所が大好きになってくださいました。私の妄想癖はここで役立ったのでした。めでたしめでたし。

急傾斜地の下の谷底のような場所です。そのことが奥様としては不満で・・・、となると設定というか前提条件が不満な訳ですからそこをどのように仕立てても不満な場所から抜け出すことは出来ないのです。しかし私は即座に言いました、「最高の場所ですね」。外界から遮断されたこのこもった場所、私に取ってはホント、最高の条件なのです。


一年中庭を設計し、次から次からそれが現実の空間になるという、考えたら魔法の世界にいるような生活をしながら、いつか自分のための理想の庭をつくるとしたらというようなことをよく妄想しています。その庭は北向きのアトリエの外に広がる庭とも雑木林ともつかないような、タヌキや蛇やよくわからない精霊みたいなものまで住み着いている薄暗い場所を背景に、そこだけ光が差し込んでくる、そんな感じで、今の時期なら夕方からマツムシの声が滝のように降り注いで、そこには囲炉裏とシエスタベンチがあって、丹精して育てたハーブや草花と収穫間近の椎茸と、毎日みそ汁の具になるネギやモロヘイヤやナス。夜が深まって虫も鳴きやみ静かになった庭、マリンライトで浮かび上がるその場所に出て、キャンドルライトで妻とワインを・・・。ここまでイメージしたところで次に出てくるのは、いつも酔っぱらった妻があれこれ愚痴を言い出す場面でして、そこで妄想は中断されるのです。
妻の酒癖は横に置いといて、つまりこの谷底のような場所は、私の理想とする庭をつくるのに最適なのです。


一応奥様にそのことを話して、とりあえず私のイメージする庭のプランをご覧いただくことにしました。密かな期待としては、嫌いだというこの場所に対するイメージが変わってくれたらいいなあと。


一般的に、庭は広くて明るくて眺望が開けて風通しがよくて、そうイメージするものですが、それと正反対の、狭くて暗くてこもった庭もいいもんですよ。その庭のベンチで『霜降る朝にふたつ並んだムクロになれたらね/斉藤哲夫』、理想の夫婦の理想のラストシーンなのです。
で、結果、奥様はこの場所が大好きになってくださいました。私の妄想癖はここで役立ったのでした。めでたしめでたし。







































































































































































































