イメージしたシーンを実現するための『場』を考える時に、ゾーニングとともに必要なのが立体構制です。今日はその解説を。

中央にある囲炉裏と昼寝ができるベンチ。

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そして囲炉裏を囲む椅子とベンチ。

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ここに座った時に居心地よく過ごすには何が必要か。立体的な組み立てなしにはそれは実現しません。もっと具体的にいうとポイントはふたつで、目隠しが必要なところをきちっと把握して、必要な高さと目隠しの強さを考えて適度な目隠しをすること。もうひとつは過ごすひとよりも背の高い構成物を配して『外の部屋』のような感じを出す、ということです。目隠しは当然として、あとの『外の部屋』、これをあまり意識しないデザイナーが多くて、とても残念に想っている点なのです。たとえ周囲の視線が気にならない場所であっても、トレリスや生け垣などの仮想壁やパーゴラを使った仮想天井、あるいは上にかぶさってくる木の枝など『身を隠す』感じが安心感を生んで居心地を良くするのです。「あぁ日本中の庭を持っている人たちにこのことを教えたい」。下の写真でもしパーゴラがなかったら・・・落ち着かないですよね。

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そしてお隣の庭と

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駐車場の目隠し。パーゴラの柱に木製パネル(タカショー/e-ウッドパネル1型)をはめ込んで、気配はわかるけど向こう側で何をしているか気にならない程度の目隠し効果を狙いました。

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さらに庭の入口に目の粗いパネルを1枚。これは目隠しというより場に厚みを持たせる目的での配置です。これが立つことで空間的に「ここまでが庭です」という感じが生まれます。

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このパネル(タカショー/e-ウッドパネル11型)、隙間が15センチで植物をからめるのに適していて、石川さんちではブラックベリーをからめています。

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10月末というと高校生の頃に毎週登っていた越後三山を思い出します。駒ヶ岳、中ノ岳、八海山。里はまだ稲刈りの始末で忙しくて秋を感じている暇などないんですが、山の麓は紅葉がちらほら、そして山の中腹、1000メートルから1300メートルは紅葉真っ盛りで、めまいがするほど鮮やかな世界。さらに標高が上がると・・・、そうです、雪が積もるのです。里から見ると山頂からふもとまでが3色に分れます。美しい。しかしその、観光ポスターに使いたいようなその3色の景色はほんの数日です。11月の初めに里にみぞれが降って、そうすると一瞬で紅葉は色を失って山が黒くなります。白と黒の世界。暗く重苦しく長い長い冬の始まりです。
この頃が一年で一番寒い。みぞれから雪に変わる頃、体がまだ寒さに慣れていないせいでしょう、真冬の雪景色の中にいるよりも寒さがきつく感じます。「お~い、魚沼のみんな~、またひと冬がんばって乗り切ってよ~!」