では建物に近づいていきましょう。

庭と反対側に回り込むと、家が海に突き出していることがわかります。脇の階段を下りると海面です。大谷石でしょうか、テラスの手すりが波と潮風でいい感じに削られています。私たちが生まれるずっと前から佐島の海と対峙している石、ぐっときました。

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そしてこれこれ!地下に入っていくとボートハウスがあります。ビルトインの船着き場。佐島港に碇泊した、かの光進丸から、ボートに乗った加山雄三さんがここにやってきたといいます。何かものすごいシーンですよね、加山さんは確実に満面の笑顔、若大将そのものだったに違いありません。海から入る玄関、大興奮したんじゃないかなあ。

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地下のボートハウスから地上階に戻って海側に回り込むと、プール。

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もうただただウットリ。

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娘はここが日本だということを完全に忘れている感じで、「このプールの水もらって帰って友達にあげようかなあ」なんて言いながら、リゾート気分いっぱいになってはしゃいでいました。

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旬子さんに案内されて屋上にも上がってみました。そこはまるで豪華客船のデッキのようでした。「海と空からのパワーを浴びながらここで昼寝ができたら最高だろうなあ。ここでウトウトしているだけで、きっと全てのことがうまくいくような、純度の高いエネルギーを補給できるに違いない」、そう思いました。横たわったアトムが充電して、十万馬力になる、あのイメージです。

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屋上からの庭はこうです。

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そしてここが、この家の、たぶん一番の撮影ポイント。船でいうと操舵室、海に突き出ている円形の部屋の外側です。きっとここでタイタニックごっこをした人が何人もいるだろうなあ。そんなこと考えるくらい、ここの場所はまさに船の先端。太平洋に向って進んでいる感覚になります。

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下を覗き込むとハコフグが泳ぐ海。「この船ゆれないなあ」と錯覚を起こしてしまいます。なんだかもう現実の世界に戻れないんじゃないかと、戻れなくてもいいやと。今はこの空間と時間を思いっきり感じたい、そんな気持でした。

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明日はキャビンに入ります。