テラスがあるとなりの部屋からも出やすいように、ユニットデッキの足を切って設置しました。縁側のイメージです。スッキリとしたタイルのテラスもいいですし、この縁側の木の感じもまたいいものです。

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庭の両サイドに白いアーチが設置されています。昨日チラッと解説しましたが、この2台のアーチとテラス正面の木製パネルが相まって立体構成して、庭全体を厚く感じさせています。パネルとアーチの高さまでの空間も庭、となるのです。

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玄関脇からの通路に設置した扉付きアーチの奥に、やや大振りにつくった立水栓があります。これがアイストップになって、招き入れる効果と奥へのスムーズな誘導を促す効果があります。このアイストップについては解説がなが~く必要なので、また今度ということにして、ようするに曲がり角には目が当たる何かがある方がいい感じになる、ということです。

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立体構成とかアイストップとか理屈っぽいでしょ。理屈を積み重ねて、その積み重ねるときの接着剤として感性が作用して、あ~!また長くなりそうなのでここまで。

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今日は理屈っぽいモードになっていて、最後にひとつだけ。アイストップ効果を出すためには地面から1メートル50センチ以上の高さが必要です。これは設計的に人の目の高さを1メートル50センチと考えるからで、目より高いか低いかで、そのものの存在は意味が違ってきます(自宅のインテリアにも応用できますよ)。でも今回は立水栓ですからそこまでの高さを出したらごつすぎるし変ですよね、そのアイストップとして足りない高さを、地面にレンガで円形を描くことで補った、そういうデザインなのです。
あ~、ちょっとスッキリしました。こと庭の話になると脳内に理屈が渦を巻いて暴れだして、耳や目から漏れだしそうになるんですよ(ホラー映画みたいに)。


 
 
設計の修業時代に(一生修行ではありますが)指導をしていただいた設計士の先生方に「この線の意味は?」「何でここはカーブなの?」「この高さはどういう効果を狙っているのかな?」と徹底的に設計の意味を聞かれました。線の一本一本を解説出来るように設計しなさいと。その数年間でできあがったぼくの「理屈っぽい設計頭」が今は大切な財産になっています。
その先生方との出会いと、若い日のぼくのことをおもしろがってくれたのか、おしみなくいろんなことを教えてくださったことに、感謝感謝です。だからその感謝の分、ぼくも教えまくっています。スタッフにも、勉強したいとやってくる子たちにも。そしてこのブログもそうなんですよ、ぼくが持っているガーデンデザインの全てをさらけ出すつもりでやってますから、もしこういう職業を目指そうという方は、このブログを読み込めば、専門学校で習うことよりは高度な知識が得られるはずです。な~んてね、でもこれほんと。