今日は木村さんちの花をご覧いただきながら、ある言葉について。

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面白い言葉に出会いました。その言葉を『プロフェッショナル/仕事の流儀』の茂木健一郎さんが著書の中で、武田鉄矢さんがラジオ番組で語っていて、それを読み聴きしたのが同じ日だったんです。一日に大好きなふたりから同じ言葉を解説されたせいか「いいなあ」と妙に気に入ってしまったので、書き留めておこうと思います。

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その言葉とはブリコラージュ(Bricolage)

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茂木さんによると「ブリコラージュ」は、いま脳科学者が関心を寄せている概念で、フランスの文化人類学者クロード・レヴィストロースが提唱した「寄せ集めてくる」というような意味の言葉だそうです。
茂木さんは言います

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「クロード・レヴィストロースは、つまり、事前に決まっている理論や設計図を用いずに、人間が本来持っている野生や機智を活かすことを提示したのです。それは、すでにある雑多なものを使って、本来の目的や用途と異なるまったく別のものを、創造性を活かしてつくることです。これからの日々の生活に大切なことは、何が起こるかわからない時代を、雑多な道具を使って生きていくことではないでしょうか」

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ちょっとわかりづらいですかね。茂木さんは文章(会話)の癖として、あまり明確に答えを言わないところがあります。扱っている分野が未開のジャングルみたいな脳の世界だからかもしれません。本を読み進んでいても「もっと明快に答えだけを教えてよ」と何度も思うのですが、逆に言うと、読みながら考えさせるためにあえてそういうスタイルなのかもしれませんね。

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それに対して武田鉄矢さんはこの「ブリコラージュ」をひと言で言い表しています。
「最近好きな言葉は『ブリコラージュ』。再構成とか再編集とか、ありもので何とかするってことです。ぼくは『まかないめし』って解釈してるんですけどね」
今度は理解できましたよね。「まかないめし」です。
武田さんはこれからの時代はありもので何とかしていく考え方が必要なんじゃないかと、そういうお話で、ようするに現状の中で知恵を出して生きていきましょう、ということですね。

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茂木さんはこの「ブリコラージュ」から話し始めて、人が笑顔で生きていくには、脳内の未整理のままの雑多な道具をフル活用することが重要なんだ、ということを説いていました。「笑顔の人は、脳をフル活用している!」のだそうです。

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「ブリコラージュ」、この言葉も脳を活用するための雑多な道具のひとつとしておぼえておきましょうね。

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