どうやったら庭が楽しい場所になるのか。今日のポイントは楽しいシーンをイメージするです。
これは、庭を設計する時の核になることなんですけど、提案者も依頼者もこのこと抜きに庭を考えている場合が多くて・・・。

DSC_0061



「イメージできたらできたも同然」なんですね。イメージしないことは実現しません。たとえ「楽しい庭」と百回となえても、その楽しさをシーンとして思い浮かべない限り楽しい庭は目の前に現れないのです。

では、バーベキューテラスに入って行きましょう。

DSC_0064



小椋さんちはご夫婦と小さい男の子の3人暮らしです。

シーン1:休日の朝
ゆっくり目に起きて来たご主人は、缶ビール片手にテラスに出てきて、囲炉裏に炭を熾すことから一日が始まる。

シーン2:休日の午後
朝からのビールで気持ちよくなってベンチで昼寝していると、遊んでほしいとぼくちゃんが起こしにくる。
ひとしきり遊んだところに、友人家族がやってきて、バーベキューが始まり、深夜まで楽しい時間が続く。

シーン3:平日の朝
ここでの朝食が習慣になって、家族全員早起きになった。
庭で朝食をとるようになってから、体調が良くなり気分も最高で仕事も絶好調。暑くても寒くても、庭での朝食はもう止められない。

シーン4:平日の夜
仕事から帰ったご主人がリビングを通り越してテラスのベンチに腰掛けると、そこに奥様が冷たいビールとメニューを持ってくる。クーッうまい!とビールを飲んで、つまみを注文。おつまみは有料で、その水揚げは奥様のガーデニングの資金になる。

シーン5:テラスで夕食
気候のいい時期はテラスで夕飯が普通になった。バーベキューをしなくても、外で食べると何でもごちそうに思えるし、開放的なので会話がはずし、いち日の疲れがきれいさっぱり消えてしまう。

シーン6:就寝前に
元気いっぱいで駆け回っていたぼくちゃんが、電池が切れたようにコテッと眠ったら、そこからは夫婦の時間。ふたりで庭に出て、キャンドル灯してワインで乾杯。

という具合で、その場所を舞台にしたシーンを次から次へと思い描きながら設計しています。
だから時々ニヤニヤと笑っていたり、「いいねえ!」と声を出したりで、そういうぼくの奇行を新人スタッフはいぶかしく思うようです。でも、そういうものなんですよ庭の設計って。

DSC_0065



楽しさをシーンとしてイメージする。このことを抜きに楽しい庭は実現しません。できることならカラーで、セリフも入って、風や日差しや、花の香りもイメージできるといいですね。


朝、まだ誰も歩いていない道を店へと向うときには、すでに、その日に設計する庭でのシーンが浮かんできます。もしかしたらこれって才能なのかもしれないなあなんて思うんですね。

この仕事を始める遥か前、小学生のころから始まっていた空想癖。はた目にはただボーッとしているように見えたそうですけど(いつも空を見上げてボーッとしているのでヒデボーと呼ばれていました)、本人の頭の中は映画館状態でした。目の前のスクリーンにゴジラやケムール人が大迫力で出てきたり、「もし今、地球上にぼくひとりになったら・・・」とか。タイムマシンに乗るのは定番の空想でしたし、空を飛ぶことも3回に1回は成功しました。
視線は教室の窓から見える山並と空行く雲。しかし焦点は合っていません。先生に指されるか、授業の終鈴で我に返るまでの宙に浮いているような時間。その空想世界にいるときってワクワクして、現世の100倍楽しかったなあ。

きっとぼくだけじゃなくて、小学生ってそういうもんですよね。だから、朝から設計する庭のシーンが浮かんでくるのは、特殊な才能でもなんでもなくて、ただ幼稚な頭脳のままで大人になってしまったってことかもしれません。

今日もいち日、小学生頭脳でワクワクしながら設計します。