では、いつものパターンで小枝さんちの庭をご紹介していきましょう。
最初にビフォーです。

ビフォー2

ビフォー4

横浜の、造成が始まってから20〜30年くらいの住宅地には、このようなウッドデッキと芝生という組み合わせの庭がたくさんあります。庭付き一戸建ての典型的な庭です。
かつて、ご夫婦でこの新興住宅地に新居を構えて、一生懸命に働き、子育てをし、楽しい想い出が積み重なったこの庭。何気ない芝生の庭ですけど、木や草花や芝生の様子から、そういう家族の時間によってできあがっているという重みというか風情を感じました。
そしてある日、奥様の気持の中に「この場所をもっと楽しくしたい!」という思いがわいてきて、それでぼくにお声がかかりました。
これは幸せに暮らして来た人に共通することで、常に「もっと楽しく」という意欲に満ちているのです。幸せな人はそうやってさらなる楽しさを求めて、どこまでも新たな幸せを実現していきます。楽しむことへの意欲、幸せへのイマジネーションが旺盛で、ご本人が意識しているかどうかはわかりませんけど、ぼくには、そのことのためだけに日々を送っているようにすら見えます。いいなあそういう人。そういう「幸せ達人」との出会いが、この仕事の大きな魅力です。

「庭をもっと楽しい場所に」OK!これこそ我が使命。というわけでできあがったのが次のAとBの2つのプランです。今日はAプランをご覧いただきます。

Plan A

小枝様プランA

ウッドデッキ&芝生という2つのゾーンだった庭を、ウッドデッキ、テラス、芝生広場、ガーデニングエリアという四つのゾーンに区分けしました。

小さくて見づらいので、左側から4分割します。

ウッドデッキ

小枝様プランA-1

 

テラス

小枝様プランA-2

 

芝生広場

小枝様プランA-3

 

ガーデニングエリア

小枝様プランA-4


それぞれのゾーンの仕立て方、設計のポイントは後日ゆっくりと解説するとして、全体的に何をしたのかというと「場所を区分けして、それぞれのゾーンに意味を与えた」ということです。これをゾーニングと言います。

今回のような長方形の庭の場合は、ようかんを切るように分割するのが基本だと考えています。ですが、意外と多いのが長方形を長手方向に2分割してある庭。庭を横切る通路があったり、家側が芝生で向う半分が樹木と花壇とか、そういう庭です。それだと長方形をさらに細い長方形にするわけですから、何をして楽しむにしても使いづらくなってしまって、たいがいあまり活用されない庭になっています。

長方形を、ようかんを切るようにいくつかに切って、それぞれの場所にテーマや機能を与えるというこの考え方で、あなたの長方形の庭が劇的に楽しい場所になるかもしれませんので、ぜひ一度、見慣れた庭を一旦頭の中で白紙にしてから、ようかんを切る要領でゾーニングしてみてください。